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香梨と沙恵子
香梨と沙恵子の場合 2-2
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「ルームシェアしない?」
先輩は無自覚な色気を漂わせながらそう言った。
「嫌だったら今ここで断ってくれていいよ。ただ家賃も安く済むし、香梨ちゃんと一緒なら楽しいかなーって。考えてみてくれない?」
今すぐ承諾したかった。が、「一緒にいたい」というだけで即答するわけにはいかない案件だ。
「住居のあてはあるんですか?」
「いくつかリストアップしてある」
スマホを取り出していくつかのサイトを見せて説明してくれた。こういう時の行動力は目を見張るものがある。
「他に聞くことはある?」
「家事の分担とかは?」
「私は料理以外はそれなりに出来るつもりだよ。まあ、忙しいときは臨機応変にやってこうよ」
先輩の言うとおりだ。どちらが何をやるという決め事をしても、全く出来ない場合だって考えられる。ここで聞きたかったのは「何が出来るか」よりも「家事に対する考え方」だった。
「……分かりました。先輩が泊まる間考えてみます」
「ありがと。嫌なことがあったら言ってね。極力直すから」
一日目、生活用品が足りないので買い出しに行くことに。先輩は「お邪魔するしこれくらいは出す」と言ってくれた。しかし、たった四日間しか使わず、どうせ私のものになるのだからと折半に(これでも押しきられたのかもしれないが……)。その後、昼食を奢ってもらい、ウインドウショッピングへ。
夕飯は煮物と焼き魚を出した。自分好みの甘い煮物を美味しいと言ってくれたのは本音だろうか……。
二日目、映画を観に行くことに。今話題のSFだ。正直、私には面白さが伝わってこなかったが、先輩にはウケたようだ。こっそりとレビューを調べると、同じような感想の人がいて少し安心した。その後、レンタルビデオ屋で映画を数本借りて、昼食を摂りながら家でも映画を観た。
「香梨ちゃん、好きなアクション俳優は?」
「アクションあまり観ないんですけど、『リベリオン』のクリスチャン・ベールは好きです」
「うーん、予想外。トム・クルーズとかかなと思ったのに」
なんて会話をしながら。ちなみに、先輩はセガールがひいきらしい。
三日目、先輩は勤め先の高校へ行った。急な仕事が入ったらしい。帰ってくるまで、作成したプリントにミスがないか確認したり、部屋の掃除をすることにした。それでも時間があったので、昼寝しようと思った。
起きると十二時半を回っていた。これからお昼を準備するのが面倒に感じたので、近所のスーパーで何か買うことにする。部屋着を着替えて出かけようとすると、先輩が帰ってきた。
「……あ、おかえりなさい」
「ただいま。今から出かけるとこだったの?」
「お昼買いに行くとこです」
「あ、じゃあ一緒に行こうかな」
先輩は冷凍の炒飯、私はサンドイッチとコロッケにした。ついでに夕食も買ってしまうことに。先輩の甘言により、買い物かごにはお酒も入れてしまった。
先輩は無自覚な色気を漂わせながらそう言った。
「嫌だったら今ここで断ってくれていいよ。ただ家賃も安く済むし、香梨ちゃんと一緒なら楽しいかなーって。考えてみてくれない?」
今すぐ承諾したかった。が、「一緒にいたい」というだけで即答するわけにはいかない案件だ。
「住居のあてはあるんですか?」
「いくつかリストアップしてある」
スマホを取り出していくつかのサイトを見せて説明してくれた。こういう時の行動力は目を見張るものがある。
「他に聞くことはある?」
「家事の分担とかは?」
「私は料理以外はそれなりに出来るつもりだよ。まあ、忙しいときは臨機応変にやってこうよ」
先輩の言うとおりだ。どちらが何をやるという決め事をしても、全く出来ない場合だって考えられる。ここで聞きたかったのは「何が出来るか」よりも「家事に対する考え方」だった。
「……分かりました。先輩が泊まる間考えてみます」
「ありがと。嫌なことがあったら言ってね。極力直すから」
一日目、生活用品が足りないので買い出しに行くことに。先輩は「お邪魔するしこれくらいは出す」と言ってくれた。しかし、たった四日間しか使わず、どうせ私のものになるのだからと折半に(これでも押しきられたのかもしれないが……)。その後、昼食を奢ってもらい、ウインドウショッピングへ。
夕飯は煮物と焼き魚を出した。自分好みの甘い煮物を美味しいと言ってくれたのは本音だろうか……。
二日目、映画を観に行くことに。今話題のSFだ。正直、私には面白さが伝わってこなかったが、先輩にはウケたようだ。こっそりとレビューを調べると、同じような感想の人がいて少し安心した。その後、レンタルビデオ屋で映画を数本借りて、昼食を摂りながら家でも映画を観た。
「香梨ちゃん、好きなアクション俳優は?」
「アクションあまり観ないんですけど、『リベリオン』のクリスチャン・ベールは好きです」
「うーん、予想外。トム・クルーズとかかなと思ったのに」
なんて会話をしながら。ちなみに、先輩はセガールがひいきらしい。
三日目、先輩は勤め先の高校へ行った。急な仕事が入ったらしい。帰ってくるまで、作成したプリントにミスがないか確認したり、部屋の掃除をすることにした。それでも時間があったので、昼寝しようと思った。
起きると十二時半を回っていた。これからお昼を準備するのが面倒に感じたので、近所のスーパーで何か買うことにする。部屋着を着替えて出かけようとすると、先輩が帰ってきた。
「……あ、おかえりなさい」
「ただいま。今から出かけるとこだったの?」
「お昼買いに行くとこです」
「あ、じゃあ一緒に行こうかな」
先輩は冷凍の炒飯、私はサンドイッチとコロッケにした。ついでに夕食も買ってしまうことに。先輩の甘言により、買い物かごにはお酒も入れてしまった。
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