トイレが言えないっ!

かろ丸

文字の大きさ
38 / 44
8.ハグの習慣 ※おむつおねしょ微嘔吐

3

しおりを挟む
「ぎゅーして」

 陽登の方から誘いを受けたのは初めてで、鷹橋はあまりの可愛さと喜びの感情と同時に動悸が激しくなり思考が停止して固まった。
 ぐい、ともう一度腕が引っ張られる。部屋を出る前までは被っていなかったフードを被って陽登は青い顔をして目に涙を浮かべている。

「どうしたの」

「今日の分の……ハグ……」 

「いいよ。もちろん」

 鷹橋はベッドに飛び乗るような形でベッドの奥の方に座って手を広げた。

「これる?おいで」

 陽登はおずおずとベッドにのって、ギシギシと音を立てながらあぐらをかいた鷹橋の前に正座のような形ですわった。

「……ぼく、へ、へんなにおい、しない?」

「しないよ」

「本当……?」

「本当」

 鷹橋は向き合った陽登を一旦ぎゅっと抱きしめてから、足の間においでともっと近くに座らせた。こてん、と陽登は鷹橋の胸に頭を傾け体を任せ、鷹橋の胸に控えめに陽登の温もりが伝わる。

「今日は一分な」

「うん」

 タイマーはセットせず、ベッドの縁においてある目覚まし時計を鷹橋は手探りで取って陽登にも見えるようおき直した。

「俺がいない間なんかあった?」

「……トイレで吐い……ちゃった……」

 人の家でトイレとはいえ吐いてしまったことが陽登は申し訳なく思い、素直に鷹橋に伝えたものの吐いたあとに帰るどころか抱っこしてもらうだなんてやっぱり汚いし非常識だったと陽登は慌てて立ち上がろうとした。

「ご、ご、ごめんなさい、やっぱ汚いから帰っんぐ」

 立ち上がりかけた陽登の体を鷹橋は引っ張り座り直させ、口を押さえて黙らせる。

「落ち着いて、大丈夫。汚いとか一ミリも思ってない。俺は陽登にもう少しここにいてほしい」

 有無を言わせぬ鷹橋の圧に陽登はもう一度立ち上がることはしなかった。

「ごめんね口ふさいで」

 呼吸が乱れ始めていた陽登をみて怖がらせたかと鷹橋は手を万歳の形で手を離して、それから陽登の背をさする。吸って吐いてと陽登の呼吸が整うよう促し深呼吸を何度かさせるとしばらくやっと落ち着いたようで陽登はまた鷹橋の身体に体重を預けた。

「吐き気は?もう大丈夫?」

 陽登は少し間を開けてうなずく。

「また具合悪くなったら教えて」

「……ご、めん」

「茶碗蒸しは食べれそうにないかぁ」

 鷹橋の残念そうな声に陽登は申し訳なくなって本当はまだ少し気持ち悪いのに「食べれる」と言おうと口を開きかけると鷹橋が口に人差し指を当ててとめた。

「もうちょっと様子見てからな」

 陽登が気を使ってテキトウなことを言うことなどお見通しというような口調だった。
 鷹橋がずっと背を撫でてくれ、しばらくすると陽登は次第に眠気を感じて瞬きの速度がおそくなっていく。先ほどの頭痛を伴う嫌な眠気ではなく、鷹橋の部屋で鷹橋の腕に抱かれ鷹橋の香りに包まれた今はとろとろと意識が後ろに引っ張られるような優しい眠気だ。

「帰らないでほしいって言ったけどさ、家帰ったほうが休めそうなら送ってくけど」

「ここがいい…」

「わかった」

 ここがいいだなんてわがままをいって、体調が悪いのに帰らないのは鷹橋に迷惑だろうと陽登は自覚していた。陽登がいなければ鷹橋はこの時間も集中して勉強ができただろうし、昼食もすぐに食べれたかもしれない。
 お腹が空いているのに付き合わせてしまって悪いなと思いながら、時計の針が「一分」のハグの時間を終えるようと指しているのを目の端に見て、それが見えないように陽登は鷹橋に顔を埋めて抱きついた。

「一分だよ」

 せっかく見えないようにしたのに鷹橋はわざわざ教えてくれる。陽登の為であろう誠実なその態度が、陽登は今だけ煩わしく感じた。

「……もう少しこのままがいい」

「ん」

 鷹橋は陽登の頭を撫でる。
 しばらく静かな時が流れた。陽登がようやく眠りに落ちようとした時、鷹橋がぼそっとつぶやいた。

「なぁ陽登……また千傘ってよんでよ」

 眠っていると思って言ったのかもしれない。
 また、という言葉にいつ自分が呼んだのかと陽登は考えた。ずっと呼びたくて、でも面と向かうと緊張していつもうまくいえない鷹橋の名前。家では何度も練習していた。

(いつ……ちかさって言えたっけ……)

 うとうとして心地良い感覚に任せて、家での練習を思い出すように陽登はつぶやいた。

「ちかさ……」

 少しの沈黙の後、鷹橋の弾んだ声が聞こえる。

「起きてたの?うわ、なぁ、もっかい言って!」

「……ちかさ」

 名前を呼んだだけで鷹橋の鼓動が少し早くなったのを感じて陽登はなんだかうれしかった。
 陽登は鷹橋ーー千傘がどんな顔をしているのか見たくなって微睡みの中顔を上げた。すると目が合った瞬間照れくさそうなかおで目を細めて笑う千傘がいる。
 きゅぅ…と陽登は胸が熱くなるのを感じた。

「ずっと千傘って呼べよ。そっちのがうれしい」
 
 冬の白い日差しが部屋にちょうどよく差し込み、千傘のはにかむ顔を照らした。キラキラとその表情が輝いて見えて、きれいだと陽登はおもった。
 ……すき。
 千傘の服や部屋からかおる柑橘の香りと、干したてのお布団のような太陽の香りに包まれ陽登は安心して、微睡みに落ちる。

「ちかさ……すき……僕のものだったらいいのに」

 想いが声に出てはっとする。あれ、なんと言ったっけ。
 まぶたが重くて頭がうまく働かない。?、??、?なんて言った?と陽登が考えていると千傘は密着していた陽登の両肩をつかんで顔が見えるように起こし、まっすぐに見た。

「それ本気?」

 陽登は身体を起こされやっと少し頭が起きてきて目を瞬く。

「陽登のものにしてよ」

 千傘は真剣だった。

「俺は陽登のものだよ」

 なにが起きたかわからないくらい頭がいっぱいで、真剣な目に見つめられて自分が何を言ったのかを思いだすと息ができず陽登ははくはくと空気を食んだ。告白をした、というより言ってしまった、という方が近く、まるで心の準備ができていなかった。
 絶対に足を引っ張るのに、こんな僕でいいはずがないのに、良いことがあれば罰があるのではないか、という悪い感情が頭に通り過ぎていったが、続いた寝不足とほとんど寝起きなのか眠りかけなのか動きの鈍い頭のせいで悪い思考もそれほど働かなかった。
 千傘が陽登の手をとり指を絡めるように繋いだ。

「好きだよ陽登」

 こんな頭が働いていない時に、こんな大事な決断を下して良いのだろうかと思いながら、陽登は考えがまとまるより先に小さく頷いていた。

「すき……」

 口が勝手に動いて驚いて、それから改めてまた千傘が好きだと言う想いが涙とともに溢れてきて陽登は泣きじゃくりながら千傘に告白した。

「すき、千傘、すき、すき…っ」

「ちょ、なんで泣くんだよ」

 千傘も何故か少し泣きそうになりながら笑っていて、陽登はその千傘の顔が可笑しくて笑った。

「今更嘘とか間違えましたとか言っても遅いからな」

 千傘は忠告するように泣いた陽登のおでこをつつき、むにっとほっぺを優しくつねった。
 陽登はへにゃっとわらう。

「うん」





 調子の良くない陽登をそのまま寝かせて、千傘は一人でテスト範囲をまとめたりなど勉強をしながら時折陽登の寝顔を眺めてはまだ…もう少し…起こしたくない…と思っているうちに夕方になった。
 随分と眠れていない様子だった陽登が千傘のベッドの中で、くぅ…くぅ…と安心しきって眠れていることにホッとする。陽登の長い前髪が、眠っている間は自然に重量で横に分けて顔がよく見える。

「かわいい……」

 千傘はその陽登の寝顔をこっそりと写真に撮った。
 そして悪いことをしている気分になりつつも陽登の足元を確認するとちょうどおむつの部分が少し膨らみを帯びているように見えて、さすがにそろそろ起こさなければいけないなと覚悟する。
 もう暗くなってきたからカーテンを閉め、陽登の肩をとんとんと軽くたたく。

「んん……」

 寝返りをうって布団を抱いてまだ眠ろうとする陽登をもう一度千傘は優しくたたいた。

「陽登おきて」

 目をこすりながら陽登はぼんやりと千傘を見ていた。

「起きた?」

「ん……おきら……」

 とても起きているとは思えないほどのぼんやりとした返事に、千傘は内心可愛くてもみくちゃにしてやりたい気持ちを抱えながら挨拶をする。
 
「おはよう」

 千傘が声をかけても陽登は千傘をじっと見たまま何も返事をしなかった。

「どした?」

「……都合のいい夢……見た気がして」

「どんな夢?」

 詳しく聞こうと千傘はベッドに座る。

「そ、それは……」

「もしかして俺と付き合う夢とか?」

 ゔ、と陽登が変な声を出す。

「夢じゃないから。陽登が俺のこと好きっていうのもう何度も聞いたから絶対夢にすんなよ。もう遅いからな」

 陽登は湯気が出そうな程顔を真っ赤にしてそれから顔を布団に隠した。

「……わかったら……その、おむつ、かえな」

 指摘するのも少し気恥ずかしくて千傘が少し赤くなりながら替えのおむつを手渡すと陽登は自分の履いているものをちらと確認して、慌てで謝りながらながら布団から出て部屋の扉の前まで行って、それから戻ってきた。

「ぁ、あの……どこで……」

「……俺が外で待っとく」

 千傘はゴミを入れる用のビニールと拭くものを渡して外にでる。
 しばらくするとコンコンと部屋の中から音がして、履き替えたらしい陽登がもう中には入っていいといった。そして入れ替わるように手を洗ってくると言ってパタパタと出ていきまたしばらくして戻って来る。

「あの……」

「ん?今度はどうした?」

「もっかい、においしないか……」

 おずおずと陽登が両手を広げた。それが可愛くて千傘は近づいてぎゅっと抱きしめる。

「かわいい。全然平気。いいにおいがする」

 千傘が言うと陽登は満足したようでゆっくりと離れ、ちゃぶ台の前の座布団に座った。
 眠ったからか大分顔色が良くなっている。

「なんか食べられそ?プリンと茶碗蒸しどっちがいい?」

「……ぷりん」

 千傘が作ったプリンをみて陽登は感嘆を漏らす。

「すごい……!本当に作れるんだ」

 ワクワクした顔つきでプリンにスプーンをいれ、すくって一口食べると、陽登の表情が嬉しそうにほころんだ。

「うまい?」

「うん」

 食べ終わると陽登は満足そうに千傘が入れ直した温かい麦茶を啜った。

「おいしかった」

「おかわりもあるよ」

 陽登はいらないと首を振る。

「おなかいっぱい」

 それほど大きくもないプリン一つでお腹いっぱいなわけがないだろうと千傘は思ったが、とりあえず言わないことにした。

「全然勉強してない……つづきしよ?」

「ん」

 少し元気になった陽登の顔を見て、千傘は「可愛い」で頭がいっぱいだった。
 可愛い。肌白い。まつげ長い。すぐ赤くなるほっぺも耳も美味しそう。食べたい。付き合いたての浮足立つこの気持ちは陽登も一緒ではないのだろうか。隣にいるだけでソワソワして、チラチラと陽登を見てしまう。陽登は寝る前はあんなに泣きながら好きだと言ったのにまるで何事もなかったかのように自然にテストの勉強を始めて千傘のほうを見向きもしない。

(いちゃつきて~)

 ……テスト期間じゃなければよかったのに。真面目に机に向かう陽登の横顔を見ることに集中して、さっきまで勉強がはかどっていたノートは、陽登が続きをしようと言ってしばらくたっても殆ど白紙状態だった。

「千傘……こ、このもんだい……」

 陽登に数学の問題を聞かれ、千傘は慌ててニヤける頬を叩く。

「ん?どこ?」

「……こ、これ……わからなくて」

 むしろテスト勉強というこの状況、これは株を上げるチャンスなのでは?と気を引き締め、千傘はやっと勉強に集中しはじめた。
 陽登はほっと息をつく。千傘の目線がずっと陽登を見ていたから、勉強を教えてもらうことでやっと千傘が目を逸らしてくれて助かったと高鳴る胸をそっと抑えた。



 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

Memory

yoyo
BL
昔の嫌な記憶が蘇って、恋人の隣でおねしょしてしまう話です

どうして、こうなった?

yoyo
BL
新社会として入社した会社の上司に嫌がらせをされて、久しぶりに会った友達の家で、おねしょしてしまう話です。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...