AI恋愛

@rie_RICO

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パンドラの箱

密会

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 深いため息が思わず出た。
 大学の学費は伊上さんの厚意で解決したけど…生活費は稼がなくてはならない。

 みうは高熱を薬で抑えてファミレスの深夜バイトに出勤している。
 平日の深夜は、ほぼお客がいない。
 その代わり閉店後にフロアと厨房の掃除というおまけが付いてくるけど、気楽だし時給が良いのでこの時間が好きだ。
 難点は終電ギリギリになること。

 今は閉店1時間前の小休憩中だ。
 厨房から続く通路の少し先に隔離されたスペースがある。
 そこに自動販売機と長椅子が設置されていた。
 消えそうな蛍光灯の下で熱を測りながら身体を休めている。
 長椅子に座り足を少しだけ投げ出してお茶を飲む。

 ダイブは心に負担がかかるって聞いたけど私の場合は身体に症状が出ている。
 あれからずっと熱が出ていてダルイ。
 けど大学もバイトもそう休めない…んだよね。

 ピピピピッ…。
 潤んだ瞳で脇から抜いた体温計とにらめっこ。
 37度5分…うーまた熱が上がってきた。

 仕方なく解熱剤を出しお茶で流し込んだ。
 カフェオレ色の制服のスカートの裾をキュッと握った。

「あー。もう、苦い。これ効くけど苦すぎるっ」
 みうは涙目で独り言を呟く。

 KAIを助けるためにダイブして6日経つ。
 施設から出て4日目、熱はまだ37度台だが何とか身体は動く。
 夢の中の残留思念のKAIとは施設を出てから逢っていない。

 KAIと一緒に家に帰れると思っていたけど…
 未だに彼はスマホに戻っておらず、トップの画面は時計だけ。
 …寂しいな、早く会いたい。
 彼のダメージが強くて復旧に時間が掛かってるらしい。
 本当に大丈夫…かな。

 KAIのことに想い馳せていると厨房から、のん気な声が響いた。

「高畑さん。パフェ食べるー?」
 厨房の扉の近くから、まるっと太った優しそうな顔が見える。
 満面の笑みだ。

 彼はファミレスのバイトの先輩。
 田川 満(みつる)さん。30歳フリーター。
 少し色黒でぽちゃっとしている。
 顔は普通…かな。
 よく自作のスイーツをおごってくれる優しい人だ。

「田川さん。ありがとうございます。
 でも、もうすぐ休憩終わりで…。」
 みうは申し訳なさそうに〝 ごめんなさい 〟と両手を合わせフロアに戻る。

 フロアは店内のミュージックがよく聞こえるほど静かだった。
 あと30分でラストオーダー、1時間後には閉店だ。
 使われていないテーブルを次の日の為にリセットしていく。
 各テーブルのカスター(塩などの備品)のチェックも同時にこなした。
 閉店後に掃除してから帰るので、終電に間に合うように先に出来ることをしながら過ごす。
 店内には2組のお客様しかいない。
 どちらももうすぐ食べ終わりそう。
 今日は走らなくても電車に間に合うかも。

 と、安心していると入口のベルが鳴りお客が入店してきたことを知らせた。

 カランランラン…。

 みうのいる場所からは死角で入店した姿が見えない。
 入口近くのレジで待機していた長田さん(チーフ)が案内に向かった。

 長田さん…下の名前は知らない。
 背が高くて細い40歳ぐらいのおじさんだ。
 きちっと髪を固めていて15度のお辞儀をする清潔感のある人。
 目がちょっと細いけど笑顔がさわやかだ。
 田川さんと少しだけ相性が悪く、意見が合わなくて言い争うことも…。

 今いる従業員は みうを含め3人。
 深夜のシフトは人数が少なくたまに みうも接客をしなくてはならない。
 でも長田さんがいる時は、ほぼそれも無く安心できる。
 長田さんは行動も早く完璧だ。
 出番は無いと知りつつも、とりあえず作業をしながら横目でお客を目視した。

 その一瞬、自分の目を疑う。
〝 え。何で? 〟

 横目で確認するだけのつもりがつい見入ってしまった。
 何故なら、見知った人達によく似てたから…。

 小走りで着いた席の反対側に向かう。
 作業をしている振りをしてチラチラ観察した。
 ソファの背もたれから見える頭が2つ。
 茶色の髪がふわふわっと揺れて、その隣には黒髪のツインテール(カール付)。

 あれは…三咲くんと礼美さん?

 黒髪より高い位置にあった茶髪が動いた時にチラッと顔が見える。
 その横顔は紛れもなく三咲くんだった。
 と、するとツインテールは礼美さんだろう。
 あんな髪型はそうそう見ない。
 疑惑が一気に確信に変わった。

 こんな深夜に2人きり…。
 前々から礼美さんが三咲くんのことを気に入っていたのは知っていた。
 三咲くんは嫌がっていたと思ってたけど違うのかな。

 私は何も文句は言える立場では…。
 三咲くんと…付き合っているわけでも何でもない。
 何度か抱きしめられているだけ。
 何回かキスされそうになっただけ。
 1回だけ一緒にお風呂に入った…だけ。
 三咲くんの気持ちは分からないけど…
 私は…KAIが好きだから。
 二人がどうなろうと関係ない、はず。

 けど、けれども…
 三咲くんが礼美さんに私にしたようなことを、と考えると…

 何か言い切れないモヤッとしたものが心に広がり、足が勝手に走り出す。

 思わず厨房に駆け込んだ。
 急に飛び込んできた みうを見て田川くんが驚く。

「どうした? そんなにパフェ食べたかった?」
 驚きながらも冗談っぽく笑って話しかけてきた。

 けど、みうが今にも泣きそうな顔をしているのを見て目を丸くする。

「…い、え。
 ちょっと知り合いが来て気まずい…というか。
 動転してしまって…。」
 肩で息をしながら途切れつつ言葉を吐き出す。

 田川さんに予想外の行動を見られたこともあり顔が真っ赤になった。
 どうしていいか分からず下を向き俯く。
 大きな身体が みうに近付いてきた。
 赤くなって戸惑う彼女を、田川さんは頭をポンポンと子供をあやすように撫で続ける。
 彼から生クリームの甘い匂いが漂ってきた。
 そして笑顔で〝 隠れてていいよ~ 〟と言われたが、その行動と言葉に少し戸惑い固まってしまった。

 カッカッカッ
 急ぎ足の革靴の音が大きく聞こえてきた。
 長田さんが厨房に顔を出す。

「ミックスピザとポテト山で。…
 高畑さん、何やってるの?」
 流れるようにオーダーしたあと みうと田川さんの様子を見て驚く。
 そしてすぐ怪訝そうな面持ちで咳払いをした。

「あ、ははは。すみません…。」
 みうはすぐに田川さんから離れ、謝罪のお辞儀をしたが彼の目がいつも以上に細くなっていて怖い。

 長田さんが冷たい視線で追い立ててきて厨房に居場所が無くなった。
 オーダーが入り調理作業をし始めた田川さんが〝 ごめんね 〟と謝る。

 逃げるように早足でホールに戻った。
 仕方なく三咲くん達の席から死角になるところに立つ。
 時計を見ると閉店まで40分、ラストオーダーまで10分。
 先に来ていた2組のお客は帰っているから…呼ばれる可能性は低い!

 なんとか、やり過ごしたい…。
 って何で私は逃げてるんだろ。

 そうは思ったが声を掛けるタイミングを逃しているし、会うのは気まずいから隠れるしかない。
 まだ機嫌の悪い長田さんの視線を感じつつ作業をこなす。
 遠い席の備品をチェックしテーブルを拭くが、先程もやっていたので残りは三咲くん達の席の近くだけになった。
 動くのを止め死角になる所に何気なく立ち気配を消す。
 ラストオーダーは時間切れ、閉店まで15分。

 が、また熱が上がってくる。
〝 辛くなってきた。薬が…まだ効かない、のかな。 〟

 バサッ
 ボーっとしてきてよろけてしまい、テーブルの上に立ててあったメニューが落ちた。
 あっと思い、しゃがんで拾っていると目の前を黒い影が覆った。
 心臓が強く鼓動し始める。
 視界に写るのは床と…ナイキのオレンジのバッシュ(バスケットシューズ)。

〝 この靴、見たことある… 〟

 顔をゆっくり上げると弾けるような笑顔の三咲くんがいた…。

「ひさしぶり~! 会いにきたよ!」
 上から灰色の視線が突き刺さる。

 隠れることに必死になりすぎて見つかったときの反応を考えられずに固まった。
 彼を見た目が真ん丸になり、手はメニューを中途半端に掴んだまま動けないでいた。 

「っ。みうちゃん…胸の谷間が(照) 
 あと、下着(パンツ)も見えてるっ。
 ここからだと眺めが良すぎるよ。」
 眩しい物を見るかのようなリアクションをして、二の腕を掴みスッと立ち上がらせてくれる。

 その時に〝 普段ガードした格好してるから無防備になるんだよ。 〟と彼が耳元で囁く。
 スカート履いてるのを忘れていたことを、やんわりと言い当てられ恥ずかしさで赤くなった。

「あ、ありがとうございます。」
 ちらりと三咲くんに視線を送りながら他人行儀なお礼をした。
 踵を返して立ち去ろうとしたが二の腕が大きな手に捕獲される。
 後ろを向いた状態で腕を取られ、その先に踏み出せなくなってしまった。
 久しぶりに感じる強く引かれる感覚と彼の匂いが心を揺らす。
 背中越しに三咲くんの体温があった。

 小さな囁きが耳に届く。
「みうちゃん。…ずっと待ってたんだからね。」
 彼はは掴んだ手にチカラを入れて哀しそうな声を出した。

 すぐにスッと緩めて二の腕から手を離す。
 彼は後ろを向いて〝 仕事終わるまで待ってるね… 〟と告げ離れてゆく。
 背中越しの体温がスッと冷めた。
 振り向くと長い足はもうレジに届いており、会計を済ますと振り返りもせずに来た道を戻っていった。

 みうは立ち去る姿を何も言えずに眺める。
 フワフワの茶髪が扉をくぐって出て行くまで目が離せずにいた。

 三咲くん…

 色んな思いと考えが廻る。
 また振り回されるのかな、とか。
 それを嫌と思えない、自分がいる不思議など。
 それから…なんで?、どうして?が渦巻く。
 彼の気持ちがよく分からない、からかって遊んでるだけだと思ってたけど…。
 いまは謎が多すぎてオーバーフロー寸前だ。
 礼美さんのことも…

「あ。」
 そこで初めて彼が1人で帰ってしまったことに気付いた。

 礼美さん何処に行ったんだろう?
 帰ったのかな。

 周囲を見渡すが人影はない。  
 壁時計を見ると終了もあと数分なので仕事モードに入った。

 トレイを手に三咲くん達の席にバッシング(食器などを片付ける)を行いに向かう。
 席には手付かずのピザとポテトと飲みかけのコーヒーが2つ。
 忘れ物の類はない。
 会計は済んでいるのを見届けているし、誰もいないのでサービストレイに料理と食器をのせて厨房に運んだ。

 これを田川さんに渡したらテーブルを3つリセットしに戻って、床をダスター(掃除)して…。
 えっと、フロアはそれでいいかな。
 あとは厨房でお手伝い、っと。

 これからの行動を軽く頭の中でシミュレーションしながら時間を読む。

 うん。残業なしで終電も大丈夫そうだな。
 って三咲くんが待ってるんだっけ…。
 LINUか電話しておこうかな。

 バックに戻って残った料理を指定のゴミ箱に捨ててから声をかける。
「田川さん、ラストです。」

 厨房の暖かい空気を肌に感じながら彼に食器などを渡す。
 そして〝 電話してきます 〟と言いロッカーに向かった。

 ロッカーは小休憩を取った自動販売機の先の階段を降りて2つ目の部屋。
 1つ目の部屋は材料置場だ。
 急いで階段を駆け下りて早足でロッカーを目指す。

 材料置場の前を通過しようとした時、声が聞こえた…気がした。
 店は閉店し、この部屋には誰もいないはず。
 聞き間違いかと思い立ち去ろうとしたが、やっぱり声がする。
 変だな…もしかして泥棒?
 ゆっくり音がしないように扉を開けた。

「っ。ふぅん。あ…。」
 耳に入ってきたのはやけに色っぽい女の人の声。

 あ…これは見てはいけないヤツ…。
 誰かキス…してるのかも。
 
 と考えつつも従業員以外が中に入って、色んなことをしていたら大問題なのであって…
 外部の人間だったら不法侵入だし、従業員だと…それはそれで大問題。
 真実を見極めてから長田さんに報告しなくちゃ。

「あ…っ、あぁっ。」

 声の方に静かに近寄り材料の棚に隠れながら隙間から伺う。
 心臓がドキドキ高鳴って、緊張で手が冷えてくる…。
 材料置場の灯りは付いていない。
 カーテンのない大きな窓から入る外の薄明かりが頼りだ。
 部屋に広がる埃の混じった湿っぽさと、女の人のやけにいやらしく聞こえる声。

 窓の近くに折りたたみの長テーブルが重なった山がある。
 そこに2つの人影があった。

 暗闇に目が少しだけ慣れてきた。
 手前に男の人、奥に女の人がいて、すでに絡み合っており女の服は乱れている。
 女の太ももの内側が薄明かりに妖しく照らされて白さを強調していた。
 男は臀部と太ももの筋肉をあらわになっており、下半身に身に着けていたであろう服が地面に乱雑に落ちてる。
 女の声の隙間に肌や衣服が擦れる音と、腰が擦れ合って出た水音がネチャネチャッと響く。

 2人の獣のような吐息が部屋に充満して息が詰まりそうだ。

 みうには刺激が強すぎた。
 経験もないし誰かがしている所を見たことも無かった。
 知識的にも現状をちゃんと話せる自身がない。
 いろんな意味でキャパオーバーだ。
 心臓が破裂しそうで、もう誰がいるのかとかどうでも良くなっている。

「んあぁぁっ。」

 一段と大きな声がして耳を塞ぐ。
 怖さで顔をそむけようとした時、目の端でもっと見てはいけない物が写る。
 頭を振り乱して感じる女の細い影…ツインテールのような髪型。

 礼美…さん? あ、じゃぁ、相手の男って…。

 少し前の映像が頭をよぎる。
〝 仕事終わるまで待ってるね… 〟と言った三咲くんの後ろ姿。
 二の腕を掴まれた時の彼の手の感覚。
 全身の血がサーッと引く気がした。

 み、三咲くんなの?
 
 動揺してよろけ足元にあったソースの缶を蹴って倒してしまう。

 カツンッ…ゴロゴロ
  
 その音にビクッとして男の方が振り向いた。
 男と みうの視線が絡む。
 棚の隙間から見ていたのがバレた…

「っ!!!!!」
 両手で必死にクチを押さえて部屋から飛び出した。

 嘘っ!
 こんなのってない!
 人間不信になっちゃうよ!!

 急いで厨房に向かって走った。
 目にいっぱい涙を溜めて…。



 ロッカールームでは みうのスマホが点滅していて着信を知らせていた。
 美紀からのLINUだった。

『聞いて聞いて~。
 並太さんのバンドがメジャーだって!
 シークレットライブやるから一緒に行こう!』

 このメッセージを みうが読むのは、もう少し後になりそうだ…。
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