33 / 41
夢の終わり、動き出す瞬間
夢の国、遊園地デート 【後編】
しおりを挟む
全速力で駆け抜けてきたからなのか…。
それともこの先への予感のせいなのか。
心臓の強打な波が、扉に添えた手を震わせた。
それは鬱蒼(うっそう)とした雑木林の中にポツンと設置された寂しい建物だった。
ほんの少し強い風が吹いただけで葉がカサカサと音を奏でる。
管理棟と一対で作られた小部屋には窓の類は一切ない。
『白雪姫のパーティルーム』という名の、今は動かないアトラクション。
伊上の指定したGPSが途絶えたという場所。
周囲に可愛らしい動物と森らしき絵が描かれているが、ペンキは劣化し、地の鉄がむき出し錆ている所さえある。
少し離れた舗装された道路に遊園地を楽しむ人々の声が溢れているが、その道からは手前の雑木林が邪魔で目視では見つけられない。
…近くまで探しに来ていたけど、ここにこんな建物があるとさえ気付かなかった。
誰にも邪魔されずに人間を隠すなら、ここはうってつけだろう。
みうはここにいる、と直感が告げる。
三咲くんはまだおさまらない動悸と焦る気持ちを抱え、小部屋の扉に添えていた手にチカラを入れた…。
全力で押す…と、びっくりするぐらい軽く開き、勢いで倒れ込むように中に入り込んだ。
「え。」
身体を支えるように扉に体重を傾けながら開くと、外の光が中を照らした。
以前は真紅だったであろうと思われるベルベット生地の重たいカーテンが目の前に迫る。
思わず両手を床について扉から手を離した。
身体が部屋の内部に入り込むと、後ろで扉がゆっくりと閉まった。
完全に閉じられてしまうと真っ暗で何も見えない…。
その場でゆっくりと立ち上がると鼻先に古くカビ臭い布の匂いと温度。
倒れる前に視界いっぱいに広がっていた赤も今は闇に包まれている。
ただ少し動くと空気の揺れが振動するらしく、目の前の布から強烈な臭いが立ち込む。
と、同時に微かに動く気配が伝わってくる。
距離感もつかめない中、手を伸ばし触れた柔らかい布を押しやりながら音を立てないように奥へと入った。
浅く息を吐きながら足音を殺し、まだ見えぬ目を必死に凝らす。
何処に何が潜んでいるか予測すらできない状況。
緊張はピークだ。
さっき扉を開いたことでバレている可能性は高い。
この状況で数人に襲われたら…武器も持たない自分は無力に近いだろう。
ふとカーテンの布が途切れ、前方に空間が広がる感覚があった。
外観のファンシーさ、とは違い部屋の内部は不気味なほど静まり返っていた。
あんなに賑やかな外の音もほとんど聞こえない。
少しずつ闇に目が慣れつつある。
よどんだ空気が充満して、さっきとは比べ物にならないぐらい異様な臭いが鼻を突く。
これは…生き物の臭い。乾いた汗。
歩幅を狭くし、数歩進むと足元にあるデカイ物につまづいて転びそうになった。
蹴った感触が柔らかい…。
この大きさ、もしかして。
人…か……?
ドクンッ。
心臓が壊れるぐらい鼓動する…。
みう…なのか…。
薄暗さに目が慣れてきて、ぼんやりとだが周囲が見えてきた。
さきほど躓いた(つまづいた)柔らかい物体の横にしゃがんで手で触れる。
鼻腔にぶわっと広がる『プワゾン』の匂い。
暗闇に浮かび上がったシルエットは女だが…こいつは みうじゃない。
見たことある背格好だな…。
他に動く気配もない…。
空気の揺れが無いことを肌で確認してからジーンズのポケットに手を入れた。
スマホを取りだしライトで照らすと闇の中に白い顔が浮かび上がる。
あ、A.A.T.Mのヴォーカルの鈴。
四菱商事の一人娘か…。
その先に靴らしきものが見え、ライトだけを動かして確認する。
靴の持ち主はかなりの大男…。
鈴とは少し離れた位置に同じように腹ばいに倒れている。
この筋肉隆々な感じ、ドラムの双子のどっちか…か。
2人ともピクリとも動かなかった。
回り込んで上から照らし様子を見た。
両方とも完全に気絶し、首に真新しい注射痕があった。
お互いに注射で刺し合ったのか?状況がよく読めない。
とにかく…この感じだと、しばらくは目が覚めないだろう。
ほんの少し安心し控えめに他の場所もライトで照らすが肝心の探し人は見つからない。
壊されたというスマホも…何もない。
どういうことなんだ?
ここではないのか…。
みう…は何処にいる…。
焦りながら、もう一度、小部屋の中心あたりに立ちぐるりと周囲を照らしてみた。
突然、手の中でスマホが震える。
LINUらしい。
こんな忙しいときに、とは思ったが確認すると伊上からだった。
『みうは無事に確保した。
早くそこから離れないと巻き込まれるよ。』
メッセージの後に〝 Good Luck 〟と可愛い熊がウインクするスタンプ。
暗闇で光るスマホをポケットに突っ込み、急いで扉から飛び出た。
ふと下の方に目をやると、舗装されている道路を警察数人が走ってくる。
慌てて死角になりそうな裏手に入り、太い木の影に隠れやり過ごす…。
LINUの警告で警察と入れ違いで外へと出られた。
見られてもいない。
間一髪だった。
同じ頃…山の上の遊園地から東京方面へと走り出す1台の車。
紺色の伊上さんのセダンが山の急勾配を滑らかに降りていく。
緩やかな日差しが みうの頬に落ちていた。
地面からの小刻みな振動と車のエンジンがうなる音。
身体が触れているのは革張りのシート…。
それから…良く知った匂いがする。
伊上さんの体臭とでもいうのだろうか…シャンプーと整髪料のジェルが混じった匂い。
あとほんの少しだけ甘い煙の香りがブレンドされている。
…一緒に暮らしてから毎日嗅いでいる安心する香り。
今日は男のままなんだな、とも思う。
エンジンが唸る音が車内に響く。
ああ、また狂スピードで走って。
身体にGが…。
……首に響いて……少し辛いな。
痛みで薄く目を開いた。
自然と顔が右を向き、確かめるように運転手を見つめる。
いつもの助手席のシートは最大まで倒され、首の下にクッションが敷いてあった。
身体には柔らかいブランケットが掛けられている。
「…い、伊上……さん。」
掠れて潰れた自分じゃないような酷い声。
上手く話そうとしても喉がつっかえるような感覚があってしゃべれない。
気がついた? と伊上さんは一瞬だけ視線を送ってきた。
「みうちゃん、いま病院に向かっている。
辛いだろうけど話さずに大人しくしていて。」
伊上さんの落ち着いた優しい声…。
「は…い……。」
頷こうとしたが鋭い痛みが首に走り思わず顔を歪めた。
「三咲くんも無事のはず。安心して。
眠れそうなら寝ていいよ。」
ハンドルを切った彼の身体から、また甘い煙の匂いがした。
何の前触れもなく…山道を半分降りたあたりで、運転席から伸ばしてきた長い腕。
助手席のブランケットの下にある小さな手を包むように上から掴む。
暖かい。
伊上さんの体温が夢ではないと教えてくれているようだった。
彼は みうの手をずっと握っていた。
ハンドルを片手で器用に操作し山道をあまり揺れないように降りてゆく。
そう…か。私、死んでない…。
三咲くん…巻き込まなくて……本当に良かった…。
弱りきった身体は悲鳴を上げていた。
伊上さんに繋がれた手から伝う温度、安心できる空間にいるという現実。
みうが眠りに落ちるまでそう時間は掛からなかった。
数時間が経ち―――。
感覚という感覚が現実に引き戻す。
身体中の鈍い痛み、ダルさ、ほんの少しの頭痛、喉の違和感。
寝ていたみたいだけど、夢は…見ていない。
けれど怖くもなく寂しくもなかった。
今は、顔に当たる風が優しい。
鼻をくすぐるのは消毒薬の匂い…苦いお薬の臭い…。
重い瞼を開き、ぼんやりする瞳が映したのは…。
みうが寝ているベットに上半身を突っ伏して倒れている伊上さんの姿だった。
椅子に座ったまま眠ってしまったみたいだ。
ふと自分の喉に手をやると包帯が巻かれていた。
重たい上半身を起こして無理の無いよう見渡すと多数の本棚に囲まれた部屋だと分かる。
先ほど感じた匂いは、喉を処置した包帯から発していたようだ。
天井にある照明と一体化しているシーリングファンの4つの羽が、部屋の空気をゆっくりと混ぜていく。
部屋の中は伊上さんからよく香っていた〝甘い煙〟と古い書物の匂いにつつまれていた。
本棚に日本語と英語、ロシア語、ドイツ語など様々な難しそうな本が並ぶ。
入りきらないのか床にも本の山が築かれており、棚の上にまで古い書物が積んである。
奥のテーブルにはパソコンが数台繋げてあった。
作りかけの小さな〝 きーちゃん 〟のようなロボットが数体床に転がる奇妙な空間。
そっか。ここって伊上さんの…部屋。
ものすごい数の本と機械のパーツに工具に…。
なんか大人のおもちゃ箱をひっくり返したみたいな部屋。
足の踏み場が無いってこういうのを言うんだろうな…。
体勢を変えようとして後ろ手にしていた右手を動かす。
部屋に圧倒されていたため、何も見ずに不用意に動いてしまい伊上さんの身体に触れた。
触った腕は思ったよりも筋肉質で熱い。
細いけど男の人の腕だ…。
「っ。」
悪いことをした気分になり顔が火照る。
彼は触れられたことに全く気付かず、まだすぅすぅと寝息を立てていた。
よ、良かったぁ…。
そういえば、一緒に暮らしているけど…伊上さんの部屋って初めて入ったな。
あれ?病院に行った記憶がない…。
ずっと寝ていた…みたい。迷惑かけちゃった。
声をかけようと彼の顔を覗いて、思わず見惚れてしまう。
珍しく眼鏡を外した無防備な寝顔…亜麻色がかった短い茶髪は透けるように輝いている。
切れ長の目にかかる睫毛の長いこと…。
睫毛も細い眉も薄い茶色だ。
中でも一番目立つのは、圧倒的な白さを持つ肌。
しかも近くで見ると、きめ細かくて綺麗…。
髭も生えてなく痕すらない。乙女のような肌だ。
「はぁ…。」
何となくの敗北感を感じて半ばやけくそにベットに転がった。
自分の頬を触る…少しばかりガサガサしている。
な、んだろうなぁ。
年上のしかも男性の方が女子力あるって。
料理も伊上さんの方が上手いし…。
しかも女装したら美人だし、普段だって…ミステリアスで魅力あるし。
それに比べて真性女子の年下が劣ってるって。
掛けられていた毛布を握って身体ごと左側を向いた。
後ろから聞こえる寝息を聞きながら、ぼんやりと部屋を眺める。
伊上さん…。KAIのことで、ここ数日は特に遅くまで起きてたな。
それなのに私ったら…。もっと注意すれば良かった。
三咲くんに悪いことしてしまったし。
もんもんと負のスパイラルに捕らわれ自己反省していたら…
急に目の前の景色に影を感じた。
ベッドが軋み、ふわっと暖かいものが包む。
足元の肌蹴ていた毛布が掛け直される。
「みう…ちゃん。どこも痛くない?」
後頭部に掛かる熱い息と甘い響きのある声。
脇から腰あたりに感じるしっかりした重み…。
「っ。」
首を回せないので顔は見えないけど、伊上さんがベッドに乗ったのは分かった。
真後ろに寝転び、太ももあたりに片足を絡められた感覚。
毛布の上から片腕を伸ばし優しく抱き締めてくる。
背中に張り付く彼の熱。
穏やかな気配の中、みうの心臓だけが激しく鼓動してしまう。
「今回はそう大事にならなかったから良かったけど…。
危ないと思ったら私やKAIを裏切ってでも逃げるんだよ。
こんな酷い状態になるなんて…。
四菱花鈴に常識は通用しないのだから。」
「そ、そんなこと…。できるわけ……」
ない、そう言い続けようとしたとき伊上さんの人差し指が唇を塞いだ。
と、同時にさらに彼の身体が背中に密着し、後頭部に吐息を感じる。
「どうして三咲くんから離れたの?
彼から離れないようにって朝、出るとき注意したよね?」
「…ごめん…なさい。」
「みうちゃん。何時でも私が隣にいれればいいんだけど。
今日みたいに、どうしてもって時があるから…。
本当に心配したんだよ。」
「は…い。本当にごめんなさい。
今日のって…伊上さんが助けてくれた…んですよね?
……。あの、み、三咲くんは…怒ってましたか?」
「ん? 助けたお礼してくれるの?」
そう言うと覆いかぶさるように上体を起こし みうの頬に軽くキスをした。
柔らかくて暖かい感触に身体が跳ねる。
お願いだから…もう少し離れてください!
もう、心臓が早打ちしすぎて死にそう。
その気持ちが通じたのか伊上さんの身体がスッと離れてベットから降りた。
彼はベッド脇にあった椅子に座りなおす。
そうそう、と思い出したように〝 痛み止めと胃薬と… 〟と説明しながら薬を数種類渡され飲むように促された。
身体を起こし、用意してくれた白湯で飲み込み再びベットで横になる。
「…ところで、辛いことを思い出させてしまって悪いのだけど。
鈴は急に…首を?」
「あ…。いいえ。
あの小部屋に連れ込まれる前に…。
KAIを渡すか、パンドラの箱を寄越せと。」
あの時のすさまじい恐怖が思い起こされて無意識に身体が震えた。
「…そう、っか。
ごめんね。怖いこと思い出させてしまって。」
そう言いながら伊上さんは、みうの頭を優しく撫でる。
小さく〝 いいえ 〟と答えながら、頭の中では自分がどうやって助かったのか?という疑問が沸き起こっていた。
けど、彼はこの話を私にはもうしない…ような気がして聞けなくなった。
じっと上目使いで頭を撫でてくれる顔を見つめていると…。
「もう少し眠った方がいいよ。
…とは言え〝 何が起きたのか知りたい 〟という顔してるね。
……じゃ、眠るまで話をしようか。
私があの小部屋に到着したとき――。」
意外なことに、あの時の話が突然始まり みうは寝たまま身体を伊上の方に向け聞き入った。
彼は穏やかな笑みを浮かべて昔話でもするかのように言葉を並べる…。
「みうは意識を失っていたね…。
入口付近にいた鈴が気づいて振り向く前に…これ。」
そう言って無造作にポケットから小型の機械を出した。
手元のレバーを引くと青い電流がジジジッという音と共に流れるのが見えた。
「っ。ス、スタンガン?」
「そう。ちょっと普通より強力なヤツ。
鈴はすぐに失神した…。異常に気付いて振り向いた大男の方はこれじゃ効かなかったから少しばかり苦労したけど。
まぁ、何とか意識を奪って…。」
何とかって。
あの大男をこの細い腕の伊上さんがどうやって?…
すごくすごく気になったけど、何となく質問できずに話は続いた。
「みうを抱えて連れ出そうとしたとき…。鈴の開いたバックの中に自白剤が入っていたのが見えた。」
にっこりと笑みを作りながら注射を打つ真似をする…。
「じ、自白剤…。」
その言葉に頭の芯がグラッと揺れた…。
けれども、それは言葉のせいじゃないとすぐに理解する。
急に眠気が襲ってきたのだ。目の前が歪み出す。
まぶたを開けていられないほどの…気を失う少し前に似た意識の混濁。
「…薬が効いてきたかな。みうは少し眠らないとね。」
優しい声が耳元で聞こえる。
く、すり?
さ…っき……飲んだ…ばかり…なの…に。
い…がみ……さん。
も…しかし……て…わざと……。
ギュッと毛布を握っていた手が脱力し、身体中のチカラが抜けて反動で少しだけ揺れた。
すぅすぅという規則正しい寝息が部屋に落ちる。
目を細めて みうを見つめながら、もう彼女には聞こえない物語の続きが再開された。
「…自白剤の量は通常の4倍近く用意してあった。
本当に殺すことが目的じゃなかったみたいだね…。
狙いは…KAI自身か、彼の作詞・作曲のデータ〝 パンドラの箱 〟。」
そこで彼は途惑うように視線を揺らした。
最後に見つめたのは みうの顔。
「…。私は少し意地悪な人間でね。
1つだけKAIから伝えて欲しいと言われたことを…。
貴方に言えてない。
パンドラの箱…貴方がもう彼から受け取って持っているということ。」
ジェスチャーで首元を飾る仕草を見せる…。
映画館デートの時に使った、手鏡のネックレス。
「さて、お話はクライマックス。
私は…自白剤を見て、背徳者となることにした。
でも、これは立派な意味を持つんだ…。
もし、あの場に間に合わなかったら…
確実に みうは廃人になっていた…だろう。
だから…。」
伊上は声にならないくらい小さな声で彼女の耳元で囁く。
『あの2人に注射しておいたよ。
すぐに警察にタレ込んでおいたから…まぁ、今ごろは…。
とても楽しく刑事さんとおしゃべりしてるんじゃない…かな。』
ニヤリと笑い椅子へと身体を戻し腕組みする。
「もちろん、通常量にしたけど。
もしも、あの薬にヤバイものでも混ぜられていたとしたら…。
Давайте найдем вам лед.(自業自得だろう)」
これでほんの少しだけ鈴の動きを封じ込めた…。
もって1週間が限度だろう。
四菱商事の財力、人脈、すべてが桁違いなのだから…。
そして最も厄介なのは…次の鈴の行動が予測不能ということだ。
この限られた時間でいかに効率良く、王子と姫を助ける…か。
窓の外は茜色から闇へと変わろうとしていた。
伊上はゆっくりと部屋を出る。
そして何も知らずに眠る彼女の為に夕食を作りにキッチンへと向かった。
それともこの先への予感のせいなのか。
心臓の強打な波が、扉に添えた手を震わせた。
それは鬱蒼(うっそう)とした雑木林の中にポツンと設置された寂しい建物だった。
ほんの少し強い風が吹いただけで葉がカサカサと音を奏でる。
管理棟と一対で作られた小部屋には窓の類は一切ない。
『白雪姫のパーティルーム』という名の、今は動かないアトラクション。
伊上の指定したGPSが途絶えたという場所。
周囲に可愛らしい動物と森らしき絵が描かれているが、ペンキは劣化し、地の鉄がむき出し錆ている所さえある。
少し離れた舗装された道路に遊園地を楽しむ人々の声が溢れているが、その道からは手前の雑木林が邪魔で目視では見つけられない。
…近くまで探しに来ていたけど、ここにこんな建物があるとさえ気付かなかった。
誰にも邪魔されずに人間を隠すなら、ここはうってつけだろう。
みうはここにいる、と直感が告げる。
三咲くんはまだおさまらない動悸と焦る気持ちを抱え、小部屋の扉に添えていた手にチカラを入れた…。
全力で押す…と、びっくりするぐらい軽く開き、勢いで倒れ込むように中に入り込んだ。
「え。」
身体を支えるように扉に体重を傾けながら開くと、外の光が中を照らした。
以前は真紅だったであろうと思われるベルベット生地の重たいカーテンが目の前に迫る。
思わず両手を床について扉から手を離した。
身体が部屋の内部に入り込むと、後ろで扉がゆっくりと閉まった。
完全に閉じられてしまうと真っ暗で何も見えない…。
その場でゆっくりと立ち上がると鼻先に古くカビ臭い布の匂いと温度。
倒れる前に視界いっぱいに広がっていた赤も今は闇に包まれている。
ただ少し動くと空気の揺れが振動するらしく、目の前の布から強烈な臭いが立ち込む。
と、同時に微かに動く気配が伝わってくる。
距離感もつかめない中、手を伸ばし触れた柔らかい布を押しやりながら音を立てないように奥へと入った。
浅く息を吐きながら足音を殺し、まだ見えぬ目を必死に凝らす。
何処に何が潜んでいるか予測すらできない状況。
緊張はピークだ。
さっき扉を開いたことでバレている可能性は高い。
この状況で数人に襲われたら…武器も持たない自分は無力に近いだろう。
ふとカーテンの布が途切れ、前方に空間が広がる感覚があった。
外観のファンシーさ、とは違い部屋の内部は不気味なほど静まり返っていた。
あんなに賑やかな外の音もほとんど聞こえない。
少しずつ闇に目が慣れつつある。
よどんだ空気が充満して、さっきとは比べ物にならないぐらい異様な臭いが鼻を突く。
これは…生き物の臭い。乾いた汗。
歩幅を狭くし、数歩進むと足元にあるデカイ物につまづいて転びそうになった。
蹴った感触が柔らかい…。
この大きさ、もしかして。
人…か……?
ドクンッ。
心臓が壊れるぐらい鼓動する…。
みう…なのか…。
薄暗さに目が慣れてきて、ぼんやりとだが周囲が見えてきた。
さきほど躓いた(つまづいた)柔らかい物体の横にしゃがんで手で触れる。
鼻腔にぶわっと広がる『プワゾン』の匂い。
暗闇に浮かび上がったシルエットは女だが…こいつは みうじゃない。
見たことある背格好だな…。
他に動く気配もない…。
空気の揺れが無いことを肌で確認してからジーンズのポケットに手を入れた。
スマホを取りだしライトで照らすと闇の中に白い顔が浮かび上がる。
あ、A.A.T.Mのヴォーカルの鈴。
四菱商事の一人娘か…。
その先に靴らしきものが見え、ライトだけを動かして確認する。
靴の持ち主はかなりの大男…。
鈴とは少し離れた位置に同じように腹ばいに倒れている。
この筋肉隆々な感じ、ドラムの双子のどっちか…か。
2人ともピクリとも動かなかった。
回り込んで上から照らし様子を見た。
両方とも完全に気絶し、首に真新しい注射痕があった。
お互いに注射で刺し合ったのか?状況がよく読めない。
とにかく…この感じだと、しばらくは目が覚めないだろう。
ほんの少し安心し控えめに他の場所もライトで照らすが肝心の探し人は見つからない。
壊されたというスマホも…何もない。
どういうことなんだ?
ここではないのか…。
みう…は何処にいる…。
焦りながら、もう一度、小部屋の中心あたりに立ちぐるりと周囲を照らしてみた。
突然、手の中でスマホが震える。
LINUらしい。
こんな忙しいときに、とは思ったが確認すると伊上からだった。
『みうは無事に確保した。
早くそこから離れないと巻き込まれるよ。』
メッセージの後に〝 Good Luck 〟と可愛い熊がウインクするスタンプ。
暗闇で光るスマホをポケットに突っ込み、急いで扉から飛び出た。
ふと下の方に目をやると、舗装されている道路を警察数人が走ってくる。
慌てて死角になりそうな裏手に入り、太い木の影に隠れやり過ごす…。
LINUの警告で警察と入れ違いで外へと出られた。
見られてもいない。
間一髪だった。
同じ頃…山の上の遊園地から東京方面へと走り出す1台の車。
紺色の伊上さんのセダンが山の急勾配を滑らかに降りていく。
緩やかな日差しが みうの頬に落ちていた。
地面からの小刻みな振動と車のエンジンがうなる音。
身体が触れているのは革張りのシート…。
それから…良く知った匂いがする。
伊上さんの体臭とでもいうのだろうか…シャンプーと整髪料のジェルが混じった匂い。
あとほんの少しだけ甘い煙の香りがブレンドされている。
…一緒に暮らしてから毎日嗅いでいる安心する香り。
今日は男のままなんだな、とも思う。
エンジンが唸る音が車内に響く。
ああ、また狂スピードで走って。
身体にGが…。
……首に響いて……少し辛いな。
痛みで薄く目を開いた。
自然と顔が右を向き、確かめるように運転手を見つめる。
いつもの助手席のシートは最大まで倒され、首の下にクッションが敷いてあった。
身体には柔らかいブランケットが掛けられている。
「…い、伊上……さん。」
掠れて潰れた自分じゃないような酷い声。
上手く話そうとしても喉がつっかえるような感覚があってしゃべれない。
気がついた? と伊上さんは一瞬だけ視線を送ってきた。
「みうちゃん、いま病院に向かっている。
辛いだろうけど話さずに大人しくしていて。」
伊上さんの落ち着いた優しい声…。
「は…い……。」
頷こうとしたが鋭い痛みが首に走り思わず顔を歪めた。
「三咲くんも無事のはず。安心して。
眠れそうなら寝ていいよ。」
ハンドルを切った彼の身体から、また甘い煙の匂いがした。
何の前触れもなく…山道を半分降りたあたりで、運転席から伸ばしてきた長い腕。
助手席のブランケットの下にある小さな手を包むように上から掴む。
暖かい。
伊上さんの体温が夢ではないと教えてくれているようだった。
彼は みうの手をずっと握っていた。
ハンドルを片手で器用に操作し山道をあまり揺れないように降りてゆく。
そう…か。私、死んでない…。
三咲くん…巻き込まなくて……本当に良かった…。
弱りきった身体は悲鳴を上げていた。
伊上さんに繋がれた手から伝う温度、安心できる空間にいるという現実。
みうが眠りに落ちるまでそう時間は掛からなかった。
数時間が経ち―――。
感覚という感覚が現実に引き戻す。
身体中の鈍い痛み、ダルさ、ほんの少しの頭痛、喉の違和感。
寝ていたみたいだけど、夢は…見ていない。
けれど怖くもなく寂しくもなかった。
今は、顔に当たる風が優しい。
鼻をくすぐるのは消毒薬の匂い…苦いお薬の臭い…。
重い瞼を開き、ぼんやりする瞳が映したのは…。
みうが寝ているベットに上半身を突っ伏して倒れている伊上さんの姿だった。
椅子に座ったまま眠ってしまったみたいだ。
ふと自分の喉に手をやると包帯が巻かれていた。
重たい上半身を起こして無理の無いよう見渡すと多数の本棚に囲まれた部屋だと分かる。
先ほど感じた匂いは、喉を処置した包帯から発していたようだ。
天井にある照明と一体化しているシーリングファンの4つの羽が、部屋の空気をゆっくりと混ぜていく。
部屋の中は伊上さんからよく香っていた〝甘い煙〟と古い書物の匂いにつつまれていた。
本棚に日本語と英語、ロシア語、ドイツ語など様々な難しそうな本が並ぶ。
入りきらないのか床にも本の山が築かれており、棚の上にまで古い書物が積んである。
奥のテーブルにはパソコンが数台繋げてあった。
作りかけの小さな〝 きーちゃん 〟のようなロボットが数体床に転がる奇妙な空間。
そっか。ここって伊上さんの…部屋。
ものすごい数の本と機械のパーツに工具に…。
なんか大人のおもちゃ箱をひっくり返したみたいな部屋。
足の踏み場が無いってこういうのを言うんだろうな…。
体勢を変えようとして後ろ手にしていた右手を動かす。
部屋に圧倒されていたため、何も見ずに不用意に動いてしまい伊上さんの身体に触れた。
触った腕は思ったよりも筋肉質で熱い。
細いけど男の人の腕だ…。
「っ。」
悪いことをした気分になり顔が火照る。
彼は触れられたことに全く気付かず、まだすぅすぅと寝息を立てていた。
よ、良かったぁ…。
そういえば、一緒に暮らしているけど…伊上さんの部屋って初めて入ったな。
あれ?病院に行った記憶がない…。
ずっと寝ていた…みたい。迷惑かけちゃった。
声をかけようと彼の顔を覗いて、思わず見惚れてしまう。
珍しく眼鏡を外した無防備な寝顔…亜麻色がかった短い茶髪は透けるように輝いている。
切れ長の目にかかる睫毛の長いこと…。
睫毛も細い眉も薄い茶色だ。
中でも一番目立つのは、圧倒的な白さを持つ肌。
しかも近くで見ると、きめ細かくて綺麗…。
髭も生えてなく痕すらない。乙女のような肌だ。
「はぁ…。」
何となくの敗北感を感じて半ばやけくそにベットに転がった。
自分の頬を触る…少しばかりガサガサしている。
な、んだろうなぁ。
年上のしかも男性の方が女子力あるって。
料理も伊上さんの方が上手いし…。
しかも女装したら美人だし、普段だって…ミステリアスで魅力あるし。
それに比べて真性女子の年下が劣ってるって。
掛けられていた毛布を握って身体ごと左側を向いた。
後ろから聞こえる寝息を聞きながら、ぼんやりと部屋を眺める。
伊上さん…。KAIのことで、ここ数日は特に遅くまで起きてたな。
それなのに私ったら…。もっと注意すれば良かった。
三咲くんに悪いことしてしまったし。
もんもんと負のスパイラルに捕らわれ自己反省していたら…
急に目の前の景色に影を感じた。
ベッドが軋み、ふわっと暖かいものが包む。
足元の肌蹴ていた毛布が掛け直される。
「みう…ちゃん。どこも痛くない?」
後頭部に掛かる熱い息と甘い響きのある声。
脇から腰あたりに感じるしっかりした重み…。
「っ。」
首を回せないので顔は見えないけど、伊上さんがベッドに乗ったのは分かった。
真後ろに寝転び、太ももあたりに片足を絡められた感覚。
毛布の上から片腕を伸ばし優しく抱き締めてくる。
背中に張り付く彼の熱。
穏やかな気配の中、みうの心臓だけが激しく鼓動してしまう。
「今回はそう大事にならなかったから良かったけど…。
危ないと思ったら私やKAIを裏切ってでも逃げるんだよ。
こんな酷い状態になるなんて…。
四菱花鈴に常識は通用しないのだから。」
「そ、そんなこと…。できるわけ……」
ない、そう言い続けようとしたとき伊上さんの人差し指が唇を塞いだ。
と、同時にさらに彼の身体が背中に密着し、後頭部に吐息を感じる。
「どうして三咲くんから離れたの?
彼から離れないようにって朝、出るとき注意したよね?」
「…ごめん…なさい。」
「みうちゃん。何時でも私が隣にいれればいいんだけど。
今日みたいに、どうしてもって時があるから…。
本当に心配したんだよ。」
「は…い。本当にごめんなさい。
今日のって…伊上さんが助けてくれた…んですよね?
……。あの、み、三咲くんは…怒ってましたか?」
「ん? 助けたお礼してくれるの?」
そう言うと覆いかぶさるように上体を起こし みうの頬に軽くキスをした。
柔らかくて暖かい感触に身体が跳ねる。
お願いだから…もう少し離れてください!
もう、心臓が早打ちしすぎて死にそう。
その気持ちが通じたのか伊上さんの身体がスッと離れてベットから降りた。
彼はベッド脇にあった椅子に座りなおす。
そうそう、と思い出したように〝 痛み止めと胃薬と… 〟と説明しながら薬を数種類渡され飲むように促された。
身体を起こし、用意してくれた白湯で飲み込み再びベットで横になる。
「…ところで、辛いことを思い出させてしまって悪いのだけど。
鈴は急に…首を?」
「あ…。いいえ。
あの小部屋に連れ込まれる前に…。
KAIを渡すか、パンドラの箱を寄越せと。」
あの時のすさまじい恐怖が思い起こされて無意識に身体が震えた。
「…そう、っか。
ごめんね。怖いこと思い出させてしまって。」
そう言いながら伊上さんは、みうの頭を優しく撫でる。
小さく〝 いいえ 〟と答えながら、頭の中では自分がどうやって助かったのか?という疑問が沸き起こっていた。
けど、彼はこの話を私にはもうしない…ような気がして聞けなくなった。
じっと上目使いで頭を撫でてくれる顔を見つめていると…。
「もう少し眠った方がいいよ。
…とは言え〝 何が起きたのか知りたい 〟という顔してるね。
……じゃ、眠るまで話をしようか。
私があの小部屋に到着したとき――。」
意外なことに、あの時の話が突然始まり みうは寝たまま身体を伊上の方に向け聞き入った。
彼は穏やかな笑みを浮かべて昔話でもするかのように言葉を並べる…。
「みうは意識を失っていたね…。
入口付近にいた鈴が気づいて振り向く前に…これ。」
そう言って無造作にポケットから小型の機械を出した。
手元のレバーを引くと青い電流がジジジッという音と共に流れるのが見えた。
「っ。ス、スタンガン?」
「そう。ちょっと普通より強力なヤツ。
鈴はすぐに失神した…。異常に気付いて振り向いた大男の方はこれじゃ効かなかったから少しばかり苦労したけど。
まぁ、何とか意識を奪って…。」
何とかって。
あの大男をこの細い腕の伊上さんがどうやって?…
すごくすごく気になったけど、何となく質問できずに話は続いた。
「みうを抱えて連れ出そうとしたとき…。鈴の開いたバックの中に自白剤が入っていたのが見えた。」
にっこりと笑みを作りながら注射を打つ真似をする…。
「じ、自白剤…。」
その言葉に頭の芯がグラッと揺れた…。
けれども、それは言葉のせいじゃないとすぐに理解する。
急に眠気が襲ってきたのだ。目の前が歪み出す。
まぶたを開けていられないほどの…気を失う少し前に似た意識の混濁。
「…薬が効いてきたかな。みうは少し眠らないとね。」
優しい声が耳元で聞こえる。
く、すり?
さ…っき……飲んだ…ばかり…なの…に。
い…がみ……さん。
も…しかし……て…わざと……。
ギュッと毛布を握っていた手が脱力し、身体中のチカラが抜けて反動で少しだけ揺れた。
すぅすぅという規則正しい寝息が部屋に落ちる。
目を細めて みうを見つめながら、もう彼女には聞こえない物語の続きが再開された。
「…自白剤の量は通常の4倍近く用意してあった。
本当に殺すことが目的じゃなかったみたいだね…。
狙いは…KAI自身か、彼の作詞・作曲のデータ〝 パンドラの箱 〟。」
そこで彼は途惑うように視線を揺らした。
最後に見つめたのは みうの顔。
「…。私は少し意地悪な人間でね。
1つだけKAIから伝えて欲しいと言われたことを…。
貴方に言えてない。
パンドラの箱…貴方がもう彼から受け取って持っているということ。」
ジェスチャーで首元を飾る仕草を見せる…。
映画館デートの時に使った、手鏡のネックレス。
「さて、お話はクライマックス。
私は…自白剤を見て、背徳者となることにした。
でも、これは立派な意味を持つんだ…。
もし、あの場に間に合わなかったら…
確実に みうは廃人になっていた…だろう。
だから…。」
伊上は声にならないくらい小さな声で彼女の耳元で囁く。
『あの2人に注射しておいたよ。
すぐに警察にタレ込んでおいたから…まぁ、今ごろは…。
とても楽しく刑事さんとおしゃべりしてるんじゃない…かな。』
ニヤリと笑い椅子へと身体を戻し腕組みする。
「もちろん、通常量にしたけど。
もしも、あの薬にヤバイものでも混ぜられていたとしたら…。
Давайте найдем вам лед.(自業自得だろう)」
これでほんの少しだけ鈴の動きを封じ込めた…。
もって1週間が限度だろう。
四菱商事の財力、人脈、すべてが桁違いなのだから…。
そして最も厄介なのは…次の鈴の行動が予測不能ということだ。
この限られた時間でいかに効率良く、王子と姫を助ける…か。
窓の外は茜色から闇へと変わろうとしていた。
伊上はゆっくりと部屋を出る。
そして何も知らずに眠る彼女の為に夕食を作りにキッチンへと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる