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第2章
卒業半年前 2 (改稿)
しおりを挟むイリアと二人で教室に入ると、先に登校していたクラスメイト達から一斉に見られる。
「な、なに? イリア、貴女何かしましたの?」
「そ!そんな訳が無いですわよ!絶対に、私ではなくて、絶対貴女パトリシアよ!ねぇ皆様そうではなくて?」
「えっ私?」
なに?
「そうですわ。パトリシア様! あのお話を……お訊きでは御座いませんの?」
と、何やらクラスメイトの一人のご令嬢が、いそいそと私に近づき話し掛けて来るけれど。ごめんなさい、一体貴女はどちら様でしたか……?
ぽかんとしている私を見かねたイリアが、仕方なしに近づいて来た彼女の名前を小声で教えてくれた。
(パトリシア、この方はねっ………よ)
(あ、あぁクラスメートの一人でしたねわ?ありがとうイリア)
(どういたしまして。フフフ)
こ、怖いイリア何故そこで微笑むのかしら?
そうでしたわね、まったく記憶に無いけれど、確か名前はそう……ご免なさいね、貴女方にはまったく興味が沸かなかったので存じ挙げなくて。
で、私は何を貴女方に訊けば良いのかしら?
「えっと、何の話をかしら?」
「え? まったくご存知ないの……ですか?」
だから何?
何だか、堂々巡りになるよこれ早く要件を言え!
「あの……そろそろ教えて下さらないかしら?」
若干イラっとする私、それでもスマイルは張り付いてるわよ。
(コソ…パトリシア。邪悪な黒オーラが貴女から出てますわよ。それではその方が話せなくてよ)
イリアに言われて慌ててオーラを引っ込める。
(あ、あらご免なさい)
「で? 一体何かしら」
「あっえっと、ルーベルト殿下の事ですわ。パトリシア様」
ルーベルト殿下と聞いて、再び引っ込めたはずの邪悪な黒オーラが再び解放された。(笑)
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