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第6章
閑話 大国の危機 Ⅲ
しおりを挟む一体我が国の国土は、どうなってしまったのか?
ベルガモット家が、この王都を出てまだ一月も経っていないのに………?
すると、今まで無言で居た教皇が口を開いた。
「陛下?一つ、伺いますよ?」
「なんだね?ベクター教皇」
「ベルガモット家の令嬢と、ご子息は何故、婚約を破棄なさったのか?」
「そ、それは。私の息子が婚約破棄を言い出したのだ」
「陛下はそれを、お認めになったので?この惨事なのですか………?」
「………何が言いたい?ベクター教皇?」
「いえね?彼娘は、私が考えるのにはですが…。聖女だったのかも?知れませんな」
教皇の一言で回りの貴族がざわめき出す。
「何故そう考るのです?ベクター教皇」
大臣の一人がベクター教皇に問う。
「先日、ベルガモット家の長男ヴァンス殿が、怪我人を数人連れて来ましてな。その怪我人に確認したところ、ゴブリンに襲われ怪我をしたそうですよ」
「それがなにか?」
「その治療をしたのがどうやら、パトリシア嬢では?ないかと言うことですよ」
「そ、それは。貴公の憶測では?」
「ですがねぇ………傷を治すのは、神殿の司祭か聖女様しか、出来無いのですよ。ですから私が思うに、あのご令嬢は聖女としか………思えないのですよ」
「な、何!そんな馬鹿な………?憶測で物を言うでないぞ!教皇!」
「それなら、何故早く神殿でなんとかしなかったのだ!」
神殿側の怠慢だと一人の下臣騒ぎ始める。
「それは無理ですねぇ~。何せ分かったのが、先日の事でしたからね?」
それはそうだろう、本人以外は知らない事でパトリシアの家族でさえ確かな事は知らないのだから………。
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