婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね

いくみ

文字の大きさ
182 / 574
第6章

第80話 領地へ・・・足留め

しおりを挟む


「お嬢戻りました」
「で?殿下は何でここに?」
「クレマンド王子が、仰るには。雨が強く降っているのに、何故馬車は濡れないのか?とお嬢様にお聞きしたくここまで来たそうですよ?どうやら。如何致しますか?アレク様もいらっしゃらないのに、馬車にもお入れすることは出来ませんし」
「そうですか・・・。なら、お待たせするのも悪いですわね?仕方ないですわ、私が外に出て説明しますわ」

 馬車の扉を開けて外に出て挨拶をする。

「ごきげんよう?クレマンド殿下。何か私にご用でしたか?」
「さっきぶりですね?パトリシア嬢。貴女に少し聞きたい事があったのでね?ここまで来て仕舞ったよ。それと、昼食の時間は我々は遠慮しょうと思ってね?」
「あら?そうでしたの?では、昼食はご準備しなくてもいいと?」
「ええ、また。夕食に声を掛けて下さい」

 そう言って、トリマンが詫びてくる。

「分かりましたわ。料理長にはその様にお話ししておきますわね?」
「頼みます。で?パトリシア嬢。何故、外に雨が強く降っているのに、この場所は濡れないのだい?」
「ええっと、馬車を壁にしてその中を囲む様に結界を張っているのですわ」
「は?結界を?」
「ええ、ですので雨、風はしのげますのよ?あと、認識阻害も一緒に張っているので魔物等の外敵からも避けられますのよ?」
「はぁ~色々企画外過ぎますね?ベルガモット家は?」
「そう、ですわね。フフフ。わたしもそう思いますわ?でも快適に旅をしないと皆さん疲れて仕舞いますもの」
「そうですね?其が出来てしまうのですか・・・貴女方は。それともう一つ、雨の様子を見に行くのですか、アレク殿からは、まだ連絡がないのですが?」
「まぁ。そうでしたわね?でも、お兄様は今お父様達とお話しに成ってると思いますのよ?宜しければ執事に言ってお父様達の、馬車へご案内しましすわ?」
「それは有難い。其ではトリマンを向かわせましょう。トリマン頼むぞ?」
「畏まりました、殿下。ですが殿下はどうされますか?」
「私は・・そうだな?まぁ、馬車に戻るよ。話が分かったら戻ってくれ」

 ほっ、良かったわ、これで馬車に乗りたいとか言われてたらお兄様に怒られるし。

「そうですか?なら、少しお待ちになって下さいませ?今グレンを呼んで参りますので」

 グレンを呼びに馬車に入りグレンを呼ぶ。

「グレン!」

「はい?ご用でしょうか?」
「ええ、トリマン様と一緒にお父様の所へ行ってくれないかしら?」
「はぁ~?それはかまいませんが?何故です?」
「何だかね、クレマンド殿下がこ川の状況が知りたいそうよ?」
「は?この雨の中で?行かれない方が宜しいのでは?何より私達、使用人で済みますよ?そんなことは?」
「まぁ、そうなのでしょうけれど・・・。どちらにしてもお父様の所へ行って頂戴!私が行っても良いけれど・・・先程お兄様に怒られましたから・・・」
「そうでしたね・・・仕方ありませんね。行ってきますよ」

 良かったわ!納得してくれて。

「それじゃ、外に出てお父様の所へお願いね?」
「畏まりました」

 返事をすると直ぐに外に出て、クレマンド殿下とグレンと共に私の乗る馬車から遠ざかりお父様の所へ行った。

「この雨の中、川の側なんかに行ったら危ないのに!全く何を考えてるのかしら?」

しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...