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第6章
第80話 領地へ・・・足留め
しおりを挟む「お嬢戻りました」
「で?殿下は何でここに?」
「クレマンド王子が、仰るには。雨が強く降っているのに、何故馬車は濡れないのか?とお嬢様にお聞きしたくここまで来たそうですよ?どうやら。如何致しますか?アレク様もいらっしゃらないのに、馬車にもお入れすることは出来ませんし」
「そうですか・・・。なら、お待たせするのも悪いですわね?仕方ないですわ、私が外に出て説明しますわ」
馬車の扉を開けて外に出て挨拶をする。
「ごきげんよう?クレマンド殿下。何か私にご用でしたか?」
「さっきぶりですね?パトリシア嬢。貴女に少し聞きたい事があったのでね?ここまで来て仕舞ったよ。それと、昼食の時間は我々は遠慮しょうと思ってね?」
「あら?そうでしたの?では、昼食はご準備しなくてもいいと?」
「ええ、また。夕食に声を掛けて下さい」
そう言って、トリマンが詫びてくる。
「分かりましたわ。料理長にはその様にお話ししておきますわね?」
「頼みます。で?パトリシア嬢。何故、外に雨が強く降っているのに、この場所は濡れないのだい?」
「ええっと、馬車を壁にしてその中を囲む様に結界を張っているのですわ」
「は?結界を?」
「ええ、ですので雨、風はしのげますのよ?あと、認識阻害も一緒に張っているので魔物等の外敵からも避けられますのよ?」
「はぁ~色々企画外過ぎますね?ベルガモット家は?」
「そう、ですわね。フフフ。わたしもそう思いますわ?でも快適に旅をしないと皆さん疲れて仕舞いますもの」
「そうですね?其が出来てしまうのですか・・・貴女方は。それともう一つ、雨の様子を見に行くのですか、アレク殿からは、まだ連絡がないのですが?」
「まぁ。そうでしたわね?でも、お兄様は今お父様達とお話しに成ってると思いますのよ?宜しければ執事に言ってお父様達の、馬車へご案内しましすわ?」
「それは有難い。其ではトリマンを向かわせましょう。トリマン頼むぞ?」
「畏まりました、殿下。ですが殿下はどうされますか?」
「私は・・そうだな?まぁ、馬車に戻るよ。話が分かったら戻ってくれ」
ほっ、良かったわ、これで馬車に乗りたいとか言われてたらお兄様に怒られるし。
「そうですか?なら、少しお待ちになって下さいませ?今グレンを呼んで参りますので」
グレンを呼びに馬車に入りグレンを呼ぶ。
「グレン!」
「はい?ご用でしょうか?」
「ええ、トリマン様と一緒にお父様の所へ行ってくれないかしら?」
「はぁ~?それはかまいませんが?何故です?」
「何だかね、クレマンド殿下がこ川の状況が知りたいそうよ?」
「は?この雨の中で?行かれない方が宜しいのでは?何より私達、使用人で済みますよ?そんなことは?」
「まぁ、そうなのでしょうけれど・・・。どちらにしてもお父様の所へ行って頂戴!私が行っても良いけれど・・・先程お兄様に怒られましたから・・・」
「そうでしたね・・・仕方ありませんね。行ってきますよ」
良かったわ!納得してくれて。
「それじゃ、外に出てお父様の所へお願いね?」
「畏まりました」
返事をすると直ぐに外に出て、クレマンド殿下とグレンと共に私の乗る馬車から遠ざかりお父様の所へ行った。
「この雨の中、川の側なんかに行ったら危ないのに!全く何を考えてるのかしら?」
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