上 下
379 / 574
第12章

第10話 馬車の構造は、秘密ですわ

しおりを挟む


「しかし……」
「なにか?」
「いや、この馬車だが……なぁ、マルナス」
「ええ、実に興味深いですね?」

 ええっと………何がかしら。

「馬車がなにか?」
「いえ、城門を出てから揺れが少ないので、驚いてるのですよ」
「そうで御座いましたか、これはひとえにお嬢様のお陰かと……」

 グ、グレンその言い表しかたは不味いわよ?
 無駄に詮索されるわよ!

「ほう……それは、なぜか聞いても?」

 ほら、グレン責任取ってね?私は知らないわよ。

「いえ、大した事ではないと思いますわよ?」

 てか、グレンこれ以上余計な事は言わないで良いわよ。

「大した事ではないと?馬車がこれ程揺れないのにですか?」
「ええ、殿下のお国の飛竜に比べたら、馬車が揺れない等大した事ではないですわ。フフフ」

 まっ……馬車のサスペンションは、ドワーフのおっちゃん達の努力の賜物ですものね……。
 技術はナイショよね。

「所で、馬車の事はこの国だけの秘匿ですので、ご詮索されません様に……」

 それだけ言うと、グレンは二人に釘を刺すけど……果たして釘は刺さったかしら。

「そ、そうか……なら、詮索はしないよ。どの国にも知られたく無い物事があるか………」
「ええ。さて、そろそろ城下の門の前に付けますよ」
「護衛騎士と私共で参りますよ」
「えぇ!それは……マルナス、グレン殿と騎士達は後から来てくれよ」
「………畏まりました……。ですが、危険と感じたら直ぐに呼んでください。パトリシア様も必ず……」
「ええ、そうするわ。だけれど認識阻害の魔法は、掛けないのかしら?」
「は!そ、それですと、私共がお二人を見失う確率が上がりますので、ご遠慮下さいませ」
「そうなの?グレン」
「そう……ですね。マルナス殿の言う通りです」
「そう、なら、このまま行きましょう。殿下宜しいですか」
「ああ、構わないよ?さて、行こうか。パトリシア嬢は、何処に行きたいのだい?」
「それは、歩きながら考えましょう」

 フフフ、この世界に来て初めてのウインドウショッピングです。

 楽しみだわ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お詫び

すみません本日体調不良により短めの話に成っております。

………熱が引かない………😰
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です

sai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:901pt お気に入り:4,184

伯爵令嬢は執事に狙われている

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:449

腹黒上司が実は激甘だった件について。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:139

夫に隠し子がいました〜彼が選んだのは私じゃなかった〜

恋愛 / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:45

処理中です...