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第1章 ここから始まるDIY
七日目③ うん、俺は悪くない!!
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さっきの出来事はさっさと忘れよう。
うん、そうしよう。
俺は自分の心の平穏を守るためにも東門へと急いで移動した。
しかしここでもテンプレが発動するとは……
神め、絶対どこかで見てるだろ?
俺が東門へ到着するといつもの衛兵に声をかけられた。
「あ、カイト君だね。ちょっとこっち来てもらえるかな。話を聞きたいんだ。ちょっと話を聞くだけだから。ほら、ここの建物入ってもらえるかな。」
俺はもう諦めの境地に達していた。
前後左右を衛兵に挟まれて、門の脇に建てられた守衛詰所に連行された。
もうさ、呪われているとしか思えないよな……
こう、ハーレム展開的なテンプレっていつ発動するんだよ。
ガチャリ……
なんて考えながら歩いていると、部屋に入るなり鍵が閉められた音が聞こえてきた。
うん、逃がさないぞって意気込みが感じられた。
とりあえず拘束具をされるわけでもなかったので、その辺はまだ容疑扱いってところだろうか。
逃走防止用に鍵をかけるのは、まあ分からないでもない。
衛兵さんもお仕事だからね。
「まず初めに私は衛兵のミルドラースという。階級は兵長だ。とりあえず、君がここに連れてこられた理由はわかるかい?」
「いや全く。」
へぇ~ミルドラースさんって言うんだ、いつもの衛兵さん。
そういや名前聞いたことなかったな。
ミルドラースさんは優しそうな笑みを浮かべて質問してきた。
俺も理由が知りたいです。
「うん、じゃあ、さっきの乱闘騒ぎは、君で間違いないよね?」
「あぁ~、俺が一人で複数人に囲まれた件ですか?」
うん、あの自称先輩(笑)と兄貴(笑)の件か。
やっぱりこうなるよな。
やり過ぎた感は否めないけど、あんなにもろいとは思わないでしょ普通。
「ちょっと待って、君が彼らをボコったことは間違いないよね?」
「そうですね、因縁つけられて、囲まれて襲われて、仕方なしにあの兄貴(笑)を撃退したまでです。ね?正当防衛でしょ?」
ミルドラースさんはこめかみあたりをもみほぐしながら、後ろに控えていた衛兵さんに何か話をしていた。
ここからじゃ何を言ってるは分からなかった。
ただ、聞いていた衛兵さんも盛大にため息をついていたから、何かしらの動きがありそうだな。
そのあと俺は事の経緯を事細かく説明していった。
話が長くなりそうだったのでミルドラースさんにかつ丼を要求したら、そんなものは知らんと怒られてしまった。
あらかた説明を終えたころ、ギルド職員と名乗る男性が、守衛詰所にやってきた。
ギルド職員からも説明を受けたミルドラースさんは、それならばとやっと解放されることとなりました。
うん、俺は悪くない!!
と、声高らかに宣言したい気分を堪えて守衛詰所を後にした。
俺が釈放されたのはすでに昼近くだった。
一緒に出てきたギルド職員にこれだと、依頼が完了できない可能性があることを伝えると、特例でペナルティ無しになった。
ギルド職員様に感謝申し上げます。
さて、気を取り直して東の森へ向かいましょうかね。
いつものようにヒール草を探していると、目の前にゴブリンがたむろしていた。
数は……7匹か……
地味に多いかな?
やってやれないことはないだろうけど、一苦労しそうな気がするな。
というわけで、使えそうなものは何かないか?
あたりを見回すと手ごろな石がそこらへんに転がっていた。
そういやこの世界はゲームじゃないんだから、その辺の物すべてが使えるのか。
うん、これを使っておびき寄せ作戦とでもするかな?
そう思って俺は石を拾い上げたから風下へ移動しよと思い、石を拾った時だった。
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
ん?そういやここに来る前もそんなの聞いた気がするが……気のせいじゃなかった?
まいいや、後で確認しよう。
とりあえず、風下へ移動してゴブリンの動きを観察した。
奴らは警戒する事を知らないのか、地面の何かをいじくりまわしていた。
よく見ると、ウサギらしき死骸が無残にもばらばらにされていた。
ゴブリンたちはウサギを殺して遊んでいるように見えた。
胸糞悪いな……
俺は若干の怒りを覚えつつ、群れの中のゴブリン一匹に向かって石を投げた……
ゴッ!!
派手な音とともにゴブAが頭から血が噴き出してその場に倒れた……
まじですか?!
何か騒いでいるゴブリンたちを無視して、俺は集めておいた石を次々に投げまくった。
何個投げたか分からないけど途中から狙いを定めるのも面倒になり、手当たり次第に投げまくった。
するとゴブB~Gの頭や体に命中して……
ゴブは全滅してしまった……
えぇ~?!
マジかよ……
ピコン
『スキル:投擲を覚えました。』
またあの声が聞こえる……なんだこれ?
とりあえずゴブ7匹から左耳を回収して、それからゴブが消えた後に魔石が3つと腰布が7つ落ちていた。
魔石だけ回収した俺は、そのまま薬草類の収集へと向かったのだった。
ふと後ろを振り返ると、さっきのドロップアイテムの腰布が風に吹かれ、木々につかまり揺れていた……
とても哀愁漂う光景だった……
いらんけど。
うん、そうしよう。
俺は自分の心の平穏を守るためにも東門へと急いで移動した。
しかしここでもテンプレが発動するとは……
神め、絶対どこかで見てるだろ?
俺が東門へ到着するといつもの衛兵に声をかけられた。
「あ、カイト君だね。ちょっとこっち来てもらえるかな。話を聞きたいんだ。ちょっと話を聞くだけだから。ほら、ここの建物入ってもらえるかな。」
俺はもう諦めの境地に達していた。
前後左右を衛兵に挟まれて、門の脇に建てられた守衛詰所に連行された。
もうさ、呪われているとしか思えないよな……
こう、ハーレム展開的なテンプレっていつ発動するんだよ。
ガチャリ……
なんて考えながら歩いていると、部屋に入るなり鍵が閉められた音が聞こえてきた。
うん、逃がさないぞって意気込みが感じられた。
とりあえず拘束具をされるわけでもなかったので、その辺はまだ容疑扱いってところだろうか。
逃走防止用に鍵をかけるのは、まあ分からないでもない。
衛兵さんもお仕事だからね。
「まず初めに私は衛兵のミルドラースという。階級は兵長だ。とりあえず、君がここに連れてこられた理由はわかるかい?」
「いや全く。」
へぇ~ミルドラースさんって言うんだ、いつもの衛兵さん。
そういや名前聞いたことなかったな。
ミルドラースさんは優しそうな笑みを浮かべて質問してきた。
俺も理由が知りたいです。
「うん、じゃあ、さっきの乱闘騒ぎは、君で間違いないよね?」
「あぁ~、俺が一人で複数人に囲まれた件ですか?」
うん、あの自称先輩(笑)と兄貴(笑)の件か。
やっぱりこうなるよな。
やり過ぎた感は否めないけど、あんなにもろいとは思わないでしょ普通。
「ちょっと待って、君が彼らをボコったことは間違いないよね?」
「そうですね、因縁つけられて、囲まれて襲われて、仕方なしにあの兄貴(笑)を撃退したまでです。ね?正当防衛でしょ?」
ミルドラースさんはこめかみあたりをもみほぐしながら、後ろに控えていた衛兵さんに何か話をしていた。
ここからじゃ何を言ってるは分からなかった。
ただ、聞いていた衛兵さんも盛大にため息をついていたから、何かしらの動きがありそうだな。
そのあと俺は事の経緯を事細かく説明していった。
話が長くなりそうだったのでミルドラースさんにかつ丼を要求したら、そんなものは知らんと怒られてしまった。
あらかた説明を終えたころ、ギルド職員と名乗る男性が、守衛詰所にやってきた。
ギルド職員からも説明を受けたミルドラースさんは、それならばとやっと解放されることとなりました。
うん、俺は悪くない!!
と、声高らかに宣言したい気分を堪えて守衛詰所を後にした。
俺が釈放されたのはすでに昼近くだった。
一緒に出てきたギルド職員にこれだと、依頼が完了できない可能性があることを伝えると、特例でペナルティ無しになった。
ギルド職員様に感謝申し上げます。
さて、気を取り直して東の森へ向かいましょうかね。
いつものようにヒール草を探していると、目の前にゴブリンがたむろしていた。
数は……7匹か……
地味に多いかな?
やってやれないことはないだろうけど、一苦労しそうな気がするな。
というわけで、使えそうなものは何かないか?
あたりを見回すと手ごろな石がそこらへんに転がっていた。
そういやこの世界はゲームじゃないんだから、その辺の物すべてが使えるのか。
うん、これを使っておびき寄せ作戦とでもするかな?
そう思って俺は石を拾い上げたから風下へ移動しよと思い、石を拾った時だった。
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
ん?そういやここに来る前もそんなの聞いた気がするが……気のせいじゃなかった?
まいいや、後で確認しよう。
とりあえず、風下へ移動してゴブリンの動きを観察した。
奴らは警戒する事を知らないのか、地面の何かをいじくりまわしていた。
よく見ると、ウサギらしき死骸が無残にもばらばらにされていた。
ゴブリンたちはウサギを殺して遊んでいるように見えた。
胸糞悪いな……
俺は若干の怒りを覚えつつ、群れの中のゴブリン一匹に向かって石を投げた……
ゴッ!!
派手な音とともにゴブAが頭から血が噴き出してその場に倒れた……
まじですか?!
何か騒いでいるゴブリンたちを無視して、俺は集めておいた石を次々に投げまくった。
何個投げたか分からないけど途中から狙いを定めるのも面倒になり、手当たり次第に投げまくった。
するとゴブB~Gの頭や体に命中して……
ゴブは全滅してしまった……
えぇ~?!
マジかよ……
ピコン
『スキル:投擲を覚えました。』
またあの声が聞こえる……なんだこれ?
とりあえずゴブ7匹から左耳を回収して、それからゴブが消えた後に魔石が3つと腰布が7つ落ちていた。
魔石だけ回収した俺は、そのまま薬草類の収集へと向かったのだった。
ふと後ろを振り返ると、さっきのドロップアイテムの腰布が風に吹かれ、木々につかまり揺れていた……
とても哀愁漂う光景だった……
いらんけど。
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