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第2章 これから始まる共同生活

二十三日目④ 初めてのお使い?

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 しばらくしてエルダが自分から起きてきた。

「あ、カイト。いたんだ。」
「ごめん、起こしちゃったかな?」
「っ!!」

 あ、これ言っちゃならん奴だった…
 顔を真っ赤にして後ろを向いたエルダが、とてもかわいかったのは内緒だ。

「だ~か~ら~!!心の声が駄々洩れだっていつも言ってるでしょ!!」

 あ、なんかすいません…
 わ、話題変えないと。

「そうだエルダ。ちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」
「な、なによ。」

 やばい、頬を赤らめて若干不機嫌なエルダもまたかわいい。

「素材関連ってそれぞれのギルドでも購入可能なんだよな?で、薬師ギルドでヒール草とスライムゼリーって買えるの?」
「あなたって反省するって言葉を今一度辞書で調べたほうがいいわよ?」

 呆れ顔をまたかわゆし。
 
 「全くもう……それと素材ね。買えると思うわよ?あ、でもギルド会員じゃないとだめだった気がする。」
「俺一応薬師ギルドの会員なんだわ。」
「なら大丈夫じゃないかしら?でもどうしていきなり必要になったの?」

 やっぱ言わないとだめだよな~
 言ったらまたギルマス案件なんだろうな~
 それは面倒くさいんだよなぁ~

「ほら、回復薬(低)頼まれてただろ?で、ヒール草を切らしたから補充したいなって。」
「そう、なら今から行ってもまだ大丈夫だと思うわよ?」
「ありがと、今から行ってみる。」

 何とか切り抜けた。
 急いで薬師ギルドへ行かないとな。


 
 薬師ギルドへ向かった俺は重要なことを忘れていた……
 所持金ほとんどなくね⁉

 今の所持金は……
 所持金:銅貨35枚

 おう……
 買えないかも……
 あ、回復薬(低)を買い取ってもらえばいいのか。



 あれこれ考えているうちに薬師ギルドについた。
 冒険者ギルドの真ん前に陣取った会館は、華美な装飾は無く、白で統一された品の良い建物だ。
 中に入るとそこも清潔そのものだ。
 ただ、匂いは少し薬臭い気はするけど、それがまたここが薬師の総本山だって理解しやすい。
 入ってすぐにカウンターが並んでいた。
 左二つが買取カウンター。
 薬師が自作した薬を売りに来たり、冒険者が素材を売りに来たりする場所だ。
 右二つが販売カウンター。
 薬や素材の販売がメインとなる場所らしい。
 だって看板にそう書いてあるんだもの。
 今回は、素材の購入だから右の売買カウンターに用事がある。

「あの~、すいません。こちらでヒール草とスライムゼリーを売っていただけると聞いてきました。」

 カウンターに座っていた女性を見て俺は固まってしまった…

 ……
 …………?
 ………………?!

 猫耳………………来た~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!

「どうしたにゃ?私の顔に何かついてるかにゃ?」

 やめてくれ……若干もふもふな手で顔をクシクシしないでくれ!!
 陥落してしまうじゃないか!!

「い、いえ。素材を売ってほしいんです。」
「了解にゃ。まずは身分証を見せてほしいにゃ。」

 とりあえず身分証といえば冒険者証なので、それを提示した。
 女性は俺の冒険者証を受け取ると、カウンター後ろにおいてあった装置に差し込んだ。
 え?そんな機械みたいのものもあるんだ!?
 この世界、すげーな。
 

「ありがとうにゃ。ちゃんと薬師ギルドの登録も紐づいていたにゃ。」

 冒険者証にそんな機能が付いていることを初めて知った。
 あのギルマス、仕事さぼりやがったな。

「で、確かヒール草とスライムゼリーだったかにゃ?ヒール草が銅貨10枚でスライムゼリーも同じにゃ。どうなにゃ?」

 上目づかいで下から見上げてこられてら、答えなんて決まってる。
 はい!!喜んで!!

「こら!!またあんたは初見さんをからかって!!本当にその値段出されたらどうする気よ!!」

 そんな猫耳少女を見て、隣のカウンターの女性が大声で起こり始めた。
 え?からかってるの?どういうこと?

「もう、ミオ~!!ばらさないでほしいにゃ!!」
「ごめんなさいね。この子、初見さんをからかうのが趣味みたいなものなの。」

 謝ってくれた女性は人族で、年齢はおそらく20歳くらいだとおもう。
 黒髪の長髪はこの世界にきてあまり見たことがなかった。
 むしろ、着ている衣装に目が行ってしまった。
 なんというか…昔流行った『ハイカラさん』的出で立ちだった。

「えっと、どういうことでしょ?」
「ほら、エイミー。きちんと謝る。それと言葉を元に戻すこと!!わざとそれっぽくするんだから。」
「は~い、ごめんなさ~い。」

 エイミーと呼ばれた猫人族の少女は不貞腐れてそっぽを向いてしまった。
 ってより、接客しろよ!!

「あ~、それで、売ってもらえるの?どうなの?」
「あ、お兄さんも素が出たね。いいねいいね。そっちの方が似合ってるよ。」

 エイミーの話し方が本当に普通になっていた。さっきのはまじめにわざとやっていたのか…
 なんだか心がさみしくなってしまった…

「それじゃあ、ヒール草とスライムゼリーは両方とも銅貨2枚だよ。いくつほしい?」
「じゃあ、ヒール草を10枚とスライムゼリー5個もらえるかな?」

 これで5本の回復ポーションが作れる。
 正直もう少し欲しいところだ。

「そういえば、回復薬の買取もしてもらえるか?」
「見てみないと何とも言えないかな?今あるなら出してもらえる?」

 俺はカウンターの上に回復薬(低)を10個取り出して並べた。
 もちろんダミーの鞄から取り出した風を装ってだ。

「じゃあ、確認作業するから少し待てって。」

 そういってエイミーは奥へ引っ込んでいった。
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