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第2章 これから始まる共同生活
二十八日目⑦ 候補者の二人
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「まず、ダンジョンは国王陛下をどうにかしない限り無理だろうな。魔人国にも悪いことをしてしまったようだな。これで素材不足に陥ったら、国力がまた下がることになるっていうのに。いったい何を考えているんだ……」
あれ?
俺はおっちゃんの言葉に違和感を感じてしまった。
ダンジョンが使えないと素材不足に陥る……それって魔人国に経済を牛耳られてるってことじゃないのか?
もし仮に魔人国が攻め入るってなった時に、こっちの国を干からびさせることだってできるってことなんだから。
それってかなりまずい状況じゃないのか?
俺はそっとエルダに視線を向けてみたが、どうやらエルダもシャバズのおっちゃんの意見に賛成な様子。
これはあれだな、俺が異世界人だから感じる違和感なんだろうな。
エルダですら違和感がないのだから、この世界の人……というか、この王国の人はにとってはこれが当たり前の事なのかもしれないな。
まあ、政治は良く分からないからダンジョンが普通に使えるようになることを祈ろう。
「そうだ、それだけじゃないんだろ?お前さんたちがここに来るときは碌でもねぇ時だからな。」
失礼な。
ちゃんとしたときにだって……来てないな……
うん、ごめんおっちゃん。
「それについてですが、今回のダンジョンアタックで痛感しました。私たちだけではこの先無理があると。できれば早めにパーティーを組んで今後に備えるべきだと感じました。」
俺が無駄な事を考えている間にエルダが話を進めてくれていた。
さすがはエルダさん、頼りになります。
って思ってたら、チラリと睨まれてしまいました。
ごめんなさい……
「ほう。さすがはエルダだ。誰かさんと違って、ちゃんと欠点とかわかってるじゃねぇか。」
おっちゃんもおっちゃんで俺にチラリと視線を向けてきた。
はい、俺がしっかりしないとだめですよね……
「 で、どんなメンバーが必要なんだ?もう考えてきたんだろ?」
「はい、できれば前衛職と中衛または後衛職を希望します。」
「理解した。つうかよぅ、パーティー最大6名なんだしよ。4人募集にしないのかい?」
「今はまだですが、いずれ1名は入るかと思っています。」
ん?どういうこと?
俺がエルダの言葉に首をかしげていると、シャバズのおっちゃんが豪快に笑い出した。
「いや~笑った笑った。エルダの方がわかってるじゃね~か。まあいい、心当たりがある冒険者がいるから、会ってくか?」
「え?もうですか?」
いや、さすがに早すぎでしょ?
つうか、もうすでに準備していないと無理だろう?
「キャサリン。ポールとデイジーはまだ訓練所か?」
「そうですね。呼んできましょうか?」
「頼む。」
キャサリンさんはシャバズのおっちゃんの指示で訓練所へと向かっていった。
俺は追加メンバー候補が気になって、教えてもらうことにした。
まず一人目はデイジー・スミスという女性だ。
魔導弓を使った戦闘を得意としている。
弓の腕前はかなり高いらしい。
二人目はポールトーマンという男性。
身長は高く、かなりがっしりした盾職らしい。
タワーシールドとランスを使った戦闘を得意としているそうだ。
まさしく俺たちが今不足している戦力とマッチしていた。
それにしても、都合よく現れるもんだよな。
普通に考えたらありえない状況だろうに。
やはりどこかに神はいるのだろうか?
コンコンコン
二人の情報を聞いていると、ノックの音が聞こえてき。
「カイト、話は終わりだ。あとは会って決めてくれ。どうぞ。」
シャバズのおっちゃんが入室許可を出すと、二人の人物がキャサリンさんに連れられてやってきた。
「おう、二人とも元気そうだな。」
「はい、何とか食うに困らずやってます。」
最初に答えたのが大柄の男性。
おそらくポールと呼ばれた人物だろう。
つか、でかいにもほどがあるっての。
「もう、あまりにお人好しで、この前浮浪者にご飯あげてたでしょ?まずは自分の事に集中したらどうなの?」
「あぁ、そうだな。」
ポールに話しかけたのが、おそらくデイジー。
なんだか仲がよさそうだけど……どうなんだ?
二人の仲が気になったのでエルザを見ると、とても驚いた様子で目をぱちくりさせていた。
うん、かわいいな。
「デ、デ、デイジー?!ということはポールさんなの⁉」
「あ、エルダ久しぶり?ってか、いつぶりだろうね?エルダが先に里を出ちゃったもんだから、私たちも慌てて追っかけたんだけど、追いつかなくてね。いろんなところを転々としてたら、最終的にここに流れ着いたってわけ。私たちもやっとDランクになったんだよ。見て見てほら!!」
自慢満々で取り出した冒険者証は確かにDランクの物だった。
普通は頑張ってDランクにあがるんだね……
なんか悪い気がしてきた。
「エルダ久しぶりだな。元気そうで何よりだ。俺とデイジーでエルダのあとを追ったが、全く見つからなかった。そしていろいろな町に行き、この王都にたどり着いたというわけだ。そうしたらエルダの話を聞いて即決したという言わけだ。」
「そうそう大変だったんだよ?この冒険者ギルドでエルダの話題を聞いたときはびっくりしちゃった。結婚するんだって?」
ぶふっ!!
思わず飲んでいたお茶を吹いちまったじゃないか。
え?エルダさん結婚するの?
婚約者いるの?
よし分かった、決闘だ!!
そいつがふさわしいやつか確かめてやる!!
俺はおもむろに剣を取り出し、どす黒いオーラを身に纏って立ち上がった。
「カイト?!何やってるのよ。私に結婚の予定は無いからね?!」
何ですと!!
あれ?
俺はおっちゃんの言葉に違和感を感じてしまった。
ダンジョンが使えないと素材不足に陥る……それって魔人国に経済を牛耳られてるってことじゃないのか?
もし仮に魔人国が攻め入るってなった時に、こっちの国を干からびさせることだってできるってことなんだから。
それってかなりまずい状況じゃないのか?
俺はそっとエルダに視線を向けてみたが、どうやらエルダもシャバズのおっちゃんの意見に賛成な様子。
これはあれだな、俺が異世界人だから感じる違和感なんだろうな。
エルダですら違和感がないのだから、この世界の人……というか、この王国の人はにとってはこれが当たり前の事なのかもしれないな。
まあ、政治は良く分からないからダンジョンが普通に使えるようになることを祈ろう。
「そうだ、それだけじゃないんだろ?お前さんたちがここに来るときは碌でもねぇ時だからな。」
失礼な。
ちゃんとしたときにだって……来てないな……
うん、ごめんおっちゃん。
「それについてですが、今回のダンジョンアタックで痛感しました。私たちだけではこの先無理があると。できれば早めにパーティーを組んで今後に備えるべきだと感じました。」
俺が無駄な事を考えている間にエルダが話を進めてくれていた。
さすがはエルダさん、頼りになります。
って思ってたら、チラリと睨まれてしまいました。
ごめんなさい……
「ほう。さすがはエルダだ。誰かさんと違って、ちゃんと欠点とかわかってるじゃねぇか。」
おっちゃんもおっちゃんで俺にチラリと視線を向けてきた。
はい、俺がしっかりしないとだめですよね……
「 で、どんなメンバーが必要なんだ?もう考えてきたんだろ?」
「はい、できれば前衛職と中衛または後衛職を希望します。」
「理解した。つうかよぅ、パーティー最大6名なんだしよ。4人募集にしないのかい?」
「今はまだですが、いずれ1名は入るかと思っています。」
ん?どういうこと?
俺がエルダの言葉に首をかしげていると、シャバズのおっちゃんが豪快に笑い出した。
「いや~笑った笑った。エルダの方がわかってるじゃね~か。まあいい、心当たりがある冒険者がいるから、会ってくか?」
「え?もうですか?」
いや、さすがに早すぎでしょ?
つうか、もうすでに準備していないと無理だろう?
「キャサリン。ポールとデイジーはまだ訓練所か?」
「そうですね。呼んできましょうか?」
「頼む。」
キャサリンさんはシャバズのおっちゃんの指示で訓練所へと向かっていった。
俺は追加メンバー候補が気になって、教えてもらうことにした。
まず一人目はデイジー・スミスという女性だ。
魔導弓を使った戦闘を得意としている。
弓の腕前はかなり高いらしい。
二人目はポールトーマンという男性。
身長は高く、かなりがっしりした盾職らしい。
タワーシールドとランスを使った戦闘を得意としているそうだ。
まさしく俺たちが今不足している戦力とマッチしていた。
それにしても、都合よく現れるもんだよな。
普通に考えたらありえない状況だろうに。
やはりどこかに神はいるのだろうか?
コンコンコン
二人の情報を聞いていると、ノックの音が聞こえてき。
「カイト、話は終わりだ。あとは会って決めてくれ。どうぞ。」
シャバズのおっちゃんが入室許可を出すと、二人の人物がキャサリンさんに連れられてやってきた。
「おう、二人とも元気そうだな。」
「はい、何とか食うに困らずやってます。」
最初に答えたのが大柄の男性。
おそらくポールと呼ばれた人物だろう。
つか、でかいにもほどがあるっての。
「もう、あまりにお人好しで、この前浮浪者にご飯あげてたでしょ?まずは自分の事に集中したらどうなの?」
「あぁ、そうだな。」
ポールに話しかけたのが、おそらくデイジー。
なんだか仲がよさそうだけど……どうなんだ?
二人の仲が気になったのでエルザを見ると、とても驚いた様子で目をぱちくりさせていた。
うん、かわいいな。
「デ、デ、デイジー?!ということはポールさんなの⁉」
「あ、エルダ久しぶり?ってか、いつぶりだろうね?エルダが先に里を出ちゃったもんだから、私たちも慌てて追っかけたんだけど、追いつかなくてね。いろんなところを転々としてたら、最終的にここに流れ着いたってわけ。私たちもやっとDランクになったんだよ。見て見てほら!!」
自慢満々で取り出した冒険者証は確かにDランクの物だった。
普通は頑張ってDランクにあがるんだね……
なんか悪い気がしてきた。
「エルダ久しぶりだな。元気そうで何よりだ。俺とデイジーでエルダのあとを追ったが、全く見つからなかった。そしていろいろな町に行き、この王都にたどり着いたというわけだ。そうしたらエルダの話を聞いて即決したという言わけだ。」
「そうそう大変だったんだよ?この冒険者ギルドでエルダの話題を聞いたときはびっくりしちゃった。結婚するんだって?」
ぶふっ!!
思わず飲んでいたお茶を吹いちまったじゃないか。
え?エルダさん結婚するの?
婚約者いるの?
よし分かった、決闘だ!!
そいつがふさわしいやつか確かめてやる!!
俺はおもむろに剣を取り出し、どす黒いオーラを身に纏って立ち上がった。
「カイト?!何やってるのよ。私に結婚の予定は無いからね?!」
何ですと!!
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