勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第4章 ここから始まる勇者様?

三十五日目③ 半人前の作品でも良作はあるんですよ?

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「まずは坊主が住んでいる家な、あれは俺がギルマスになる前に建てた家だ。」
「そうなんですか?!」

 これは驚いた、まさかギルマス本人が造った家だったとは。
 だからだろうか、いたるところまで気を使ったような造りになっていたのは。

「あの家はシャバズの弟が住んでいた家だ。空き家になってかれこれ二十年近くになるかの。」
「それは知りませんでした。俺は作業場が付いた家を探していたので、それに合わせて見つけてくれたのだとばかり。」

 そうすると、シャバズのおっちゃんの弟さんは鍛冶師だったのかな?
 でも、どうして俺に貸してくれたんだ?
 それはおいおいおっちゃんに聞いてみるしかないかな。

「でだ、シャバズが貸したんだったら手を加えても問題ないだろうな。よし、この案件は俺が受け持つ!!なぁに、これも何かの縁だ。きにするこたぁねぇ~よ。」

 そう言うと豪快に笑いだした。

 その後、エルワードさんに改築についてどうしたいかプランを伝えた。
 ある程度エドワードさんの中でもプランが固まったようで、図面を持って七日後に自宅へ来てもらえることになった。
 ただ、魔導キッチンと給湯の話になると、魔道具ギルドの管轄になので、一度魔道具ギルドへ顔を出すように言われた。

 魔道具ギルドには、最新型の魔導キッチンとかも並んでる。
 下手な商人から買うより何倍も信用が置けるそうだ。


 
 最後に時間がまだ余裕があるので、木工ギルドを案内してもらった。
 エルダ達も気になっていたようで、了承してくた。

 ギルド会館の裏手には、やはり作業場が広がっていた。
 この王都にどうやったらこれほどの場所を確保できるんだろうか。
 おそらくでかい商店が倉庫付きで数件建つくらいの広さだ。
 そこでは若い職人の育成も行われており、年配の職人が若手の職人に指導をしているところだった。
 ただ、正直言うと、若手の職人が作った家具だって十分良いもののように思えてしまった。

「どうだい、すげ~だろう?これが俺のギルドの最大の特徴だ。ここは木工ギルドって名のってはいるが、実際のところ大工・家具師・彫刻士・石工など、いろんな職人が集まってるギルドだ。何せ家一軒建てるってなると、いろいろな職人が必要になるからな。だったら一つにまとまったらいいだろってことでこうなったんだ。だから、他のどのギルドより色とりどりだろ?」
「おもしろ~い!!」

 一番はしゃいでいたのはデイジーだった。
 若手の家具師が作り上げる椅子を食い入るように見つめていた。
 見られている家具師は一瞬デイジーと目を合わせたけど、すぐに顔を背けてそのまま作業を続けていた。
 ポールがデイジーを捕獲して、邪魔をしてはいけないと注意をしているのが、ちょっと面白かった。
 ちなみに、見られていた家具師は、師匠に頭を小突かれていた。
 よく見ると耳が真っ赤だった。
 手元が少し狂ったみたいで、傷ができてしまったらしい。
 さすがに悪いことをしたな……

「エドワードさん、うちのデイジーが申し訳ありません。それと、彼の作った家具を見せてもらっていいですか?デイジーが気に入ったみたいなんで。」
「おう、構わんぞ。やつも励みになるだろうからな。」

 エドワードさんの案内で、展示倉庫まで移動した。
 そこにはたくさんの製品が並べられており、正直これ何に使うんだっていうのも置いてあった。

「あぁ、あったあった。ここいら一角がジェイムズが造った作品だ。」

 デイジーはジェイムズが造った作品を食い入るように見ていた。
 どうやら本気でほれ込んだらしい。
 自分の手持ち資金を考えながら、どれにしようか迷っていた。
 ポールとエルダもほかの作品を見て回っていた。
 俺はそれほど、こだわりが無く自前で作れるので買うのもなって思ってしまったりもする。

 俺はずっと吟味しているデイジーの側に行ってみた。

「デイジー。何か気に入ったのあったのか?」
「これ!!」

 デイジーが指差した場所には机と椅子のセットが置かれていた。
 どうやら、鏡面台も兼ねた造りになっているようで、天板を上げると中から化粧鏡が出て来た。
 全てに丸みを帯びており、女の子らしい形のでもありつつ、シックなデザインになっていた。

「いいね。すごくかわいいデザインだ。」
「でしょでしょ⁉」

 もう、デイジーはこれ一択に絞ったようだった。
 値段を見たけど、思いのほか値段が高くなかった。
 まだ半人前扱いなのかもしれないな。

「エドワードさん!!これくださいな!!」

 デイジーはエドワードさんを呼んで、購入の手続きを始めた。
 デイジーもなんだかんだでDランク冒険者。
 違法な借金もなくなったために、手元に戻ってきたお金もある程度あるようだ。
 手持ちのお金で足りたようで、ものすごく満足そうな顔をしていた。

「ポールとエルダはどうだった?」

 俺は散策から戻ってきた二人に、印象を聞いてみた。

「あぁ、良いのがそろっている。これでまだ練習作品だって言うんだからすごいな。」
「そうね、そのうち私の部屋の家具も換えようかしら。」

 2人ともここの作品を気に入ったようで、また今度来てもいいかもしれないな。



「じゃあ、また七日後にお願いします。」
「おう、魔道具ギルドにも伝えておいてくれ。」

 俺たちはエドワードさんと別れ、次の目的地、魔道具ギルドを目指したのだった。
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