勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第5章 ここから始まる女神様?

五十日目① 強くなりたい……

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 前日の【イレギュラー】の件もあり、俺はあまりうまく眠ることが出来なかった。
 俺にもっと戦う術があれば、もっと違った戦い方が出来たかもしれない。
 そう思うと、悔しさが込み上げてきてしまった。
 そのせいか寝るに寝られず、結果としてほとんど眠れていない状況になってしまった。
 次にまた同じ【イレギュラー】に出会ったとき、今回みたいにうまく行くとは限らない。
 そうなればケガでは済まないかもしれない……
 最悪仲間の犠牲だってあり得る……
 俺の行動一つで仲間の命が危ぶまれる……
 考えれば考えるだけ思考の迷路に嵌まってしまった。

「もっと強くなりたいな……」

 何気なくつぶやいた言葉に反応する声があった。

「カイトはカイトよ。無理しなくていいわ。無理したところで強くはなれないもの。」

 その声の主はエルダだった。
 既に開いていた部屋の入り口ドアに背をもたれさせ、俺を見つめていた。

「あまりに起きてこないから起こしに来たのよ。ノックしても反応がないし、勝手に入らせてもらったわ。」

 そう言いながらも心配そうに俺を見つめていたエルダ。
 どうやら俺は大分寝過ごしてしまったようだった。
 それでも寝られてないと感じるほどに眠りが浅かったようだ。

「いつからそこに?」
「ついさっきよ。それより早く下りてきて。食器が片付かないわ。」

 エルダはそう言うと、そのまま部屋を出て先に一階に戻って行った。

「焦ったって仕方がないのは分かってるんだけどね……」



 俺はすぐに身支度を済ませて一階に降りると、すでにみんなは食事を終えて食堂でくつろいでいた。

「おはよう皆。」
「カイトおはよぉ~。」
「おはよう。どうした?なんだか疲れているようだが。」

 デイジーは相変わらずだるそうにしていた。
 ポールは俺の変化に気が付いたようで、心配してくれた。
 ただ、ポールもどこか疲れた感じがしたので、昨日の【イレギュラー】戦を引き摺っているのは俺だけじゃないようだった。

「おや、カイトさん。顔色が優れませんね?レティシア様へのお祈りが足りないのではないですか?」
「おはようナンディー。俺はレティシア教の信者じゃないからね?それにレティシアも困った顔をしているから、あまりやり過ぎないようにね?」

 俺は厨房から出て来たレティシアと目が合った。
 その目には〝困ってます〟という感情がありありと見て取れた。
 おそらく今日も朝から祈られたんだろうな。
 まあ、女神さまと信者の関係だし仕方がないのではなかろうかとも思ったけど、さすがにかわいそうなのでフォローは入れておいた。
 ただ、ナンディーは懲りていないようだったけど。
 さすがわナンディーだな。

「カイトさんおはようございます。」

 リサがレティシアと共にみんなの分のお茶を運んできてくれた。
 しかしリサの配り方が、仲間内に配る配り方ではなかったように思えた。
 ポールを主人と見た場合、客人に当たる俺とナンディーに最初にお茶を配り、その後に主人のポール、デイジーの順に配って行った。
 俺の気にし過ぎなんだろうか。

「おはようリサ。俺にまで奴隷として振舞わなくていいんだよ?それにポールからも仲間だってちゃんと説明受けたでしょ?」

 リサはポールから身請けをされた際に、その金額も聞いていたはずだ。
 しかも、昨日の報酬でその返済も完了となり、晴れて奴隷では無くなったのだ。
 しかし、リサはその事について思うことがあったようで、いまだにポールの奴隷という立場を崩してはいなかった。
 ポールとしては、リサを自分の嫁にしたいと思っているので、それについても説明済みのはずだ。
 俺はポールに視線を送った。
 ポールも俺の視線に気が付いたようで、両手を上げて首を振っていた。
 どうやら説明はきちんとしているようだった。
 しかし、リサが頑として聞き入れなかったようだ。
 その辺はポールとリサの問題だから俺が立ち入っていい話ではないけど。
 でも俺にまで奴隷という立場で接する必要はないと思うんだけどね……

「リサ、俺は君の仲間なんだからそう接してくれないと俺がさみしいよ。」

 リサは、俺の言葉に少し困った表情を浮かべていた。
 おそらくだけど、本当にそうしていいのか計りかねているのかもしれないな。

「カイト、リサをいじめちゃだめよ?」

 エルダは俺の分の朝食をキキョウと共に運んできてくれた。
 暖かい状況を見るに、作り直してくれたのかもしれない。
 ありがたやありがたや。

「いじめているつもりはないんだけど……。何となくもっと普通に接してほしいって思っちゃってさ。」
「今はいいじゃない?これからゆっくり慣れてもらえば。それに急ぎ過ぎたって良い事なんてないわ。リサはリサのペースで過ごせばいいのよ。」

 そう言いながらエルダは、俺の目の間に朝食を準備してくれた。
 いつ見てもうまそうな朝食だよな。
 ダニエルさんに付いていろいろ教えてもらっているらしい。
 俺が教えてもらいたいんだけど、なかなか時間が取れなくて……
 まあ、朝早くに起きろって話なんだけどさ。

「いやいや、朝から元気ですなぁ~。おはようございますカイト様。」
「おはようございます。」

 そう言いながら、宿屋の玄関から入ってきたのはギンスズとサクラだった。
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