勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第5章 ここから始まる女神様?

五十日目⑪ ご都合主義発動

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 それから俺たちはスライム狩りに勤しんだ。
 足の運び方や不整地での戦闘など、良い経験をする事が出来た。

 そして俺の戦闘スタイルにも少し変化が出て来た。
 今回、移動中は常に【職業:狩人】にしていた。
 出来れば早めにスライムを発見したいというのと、スキル【ホークアイ】と【命中補正】を習得したいからだ。
 何度かそのまま戦闘に突入する事もあり、魔法との組み合わせで戦いやすさが上がったりもした。
 お陰で念願だった二つを習得する事が出来た。

 その後はひたすら【職業:双剣士】で戦っていたのだけれども、これまた面白い発見があった。
 スキル【アイテムボックス】の新たな活用方法を試してみたのだ。

 魔法を使う時は左手のショートソードを一度アイテムボックスに仕舞う。
 そして魔法発動後に素早くショートソードを手元に出現させたのだ。
 これはデイジーと話をしている時に、俺でも出来るかもと思って試した結果だ。
 デイジーはこの方法で、通常の弓と矢を使っていたらしい。
 矢を背負わなくていいので、かなり楽に戦えていたらしい。

 俺もそれを真似した訳だけど、最初は上手く行かなかった。
 戦闘で移動中に手元に出現させると、僅かなタイムラグのせいで上手く掴めなかった。
 何回も失敗してようやく感覚が掴めた。
 お陰で、魔法近接戦闘が様になってきた気がする。
 あとは魔法の高速発動が出来れば更に戦い易くなると思う。

 そしてリサはリサで、持ち前のスキルを遺憾無く発揮し始めた。
 普段は後方支援を中心に戦ってきたけど、今は前衛に近い位置で戦闘をしている。
 スキル【無属性魔法】と【高速演算】と【多重思考】の3つのスキルを併用して見せたのだ。
 正直、どこぞの超戦士も驚きの戦闘スタイルで、両手に【無属性魔法】の【エネルギーボルト】を発動し絶え間無く打ち込んでいく。
 しかも、命中率が低い訳でも無いので、次々とスライムの核を撃ち抜いていくのだ。
 更に【高速演算】の副次効果とも言える魔法の発動速度の上昇がみられたのだ。
 これによって、リサの超人化が始まったのだ。
 【付与魔法】【クイックムーブ】で更に高速戦闘を熟せるようになったので、俺も付いて行くのがやっとだった。
 その成長を見つめるポールの目が、少し呆れていたのは言うまでもない。
 だって、途中で笑い声が聞こえてくるんだもの。
 リサのキャラが崩壊していく気がしてならなかった。

 戦闘が終わり、素に戻った瞬間「穴があったら入りたい」とでも言いたげに、顔を真っ赤にしていたのが印象的だった。
 きっと、自分の力で戦える事が嬉しかったんだろうなと思う。

 最後にこれもご都合主義としか言えない事が起こった。

——————

『職業:双剣士(なんでも屋)の派生を確認しました。職業:魔双剣士(なんでも屋)へ変更可能です。』
技能:魔双剣 レベル(仮)…自身の保持する魔法を、双剣に付与する事が出来る。※剣の品質により付与出来る魔法が増減する。また、剣と相性の悪い魔法は付与不可。SP:2/秒※付与時に魔法分のMPを消費。

——————

 これって絶対神様がいるよね?って思えてならない。
 あ、レティシアなのか!?って冗談はさておいて、本当におかしすぎる。
 こうも都合良くスキルとか覚えると、怪しさ満点だ。

 ただ、このスキル本当に有用だった。
 スキル【魔双剣】で双剣に【ファイアバレット】を付与すると、弱いながらも剣が炎を纏ったのだ。
 しかも、双剣片方ずつ別な魔法を付与する事も可能で、左に【ファイアバレット】、右に【エアロバレット】をセットする事も出来た。
 その組み合わせはかなり面白くて、火と風の組み合わせは互いに相乗効果とでも言えばいいのか、火力が一気に上がって見えた。
 その逆で水と火の組み合わせは威力が低下している感じだ。
 これでまた魔法を覚える楽しみが増えたという事だ。

 そしてこのご都合主義に、ナンディーの目の色が変わったのは言うまでもない。
 神の御加護と言わんばかりに天に祈りを捧げていたのだ。
 しかも、ちゃんと【ライト】の魔法で後光を再現する演出付き……
 ナンディーがどこに行きたいか分からなくなってきた。
 つか、このメンバーキャラが濃すぎるだろ……
 誰かこのメンバーをコントロール出来る人いないかなぁ~って、俺がしないといけないのか?!
 む、むりだって……

「カイト、【魔双剣】の調子はどうだ?」
「ん?あぁ、まだまだだね。取り敢えず使えるってレベルかなぁ。試行錯誤はしてるけど、決定的に強いってのとは違うと思う。こればっかりは魔法を増やさない事には何ともね。」
「そうか……」

 ポールから声をかけられたけど、少し考えこんでいた俺は変な返事をしてしまった。
 俺の答えに何か考え込んでいるポールだけど、何かあったんだろうか?
 ちなみに今回の訓練はまだ第1層を探索している。
 マップはすべて埋め終わっていて、今はグルグルとダンジョンフィールドを回り続けている感じだ。
 倒したスライムは数知れず……ってほどでもないか?

 取り敢えず今回の探索で、俺の戦闘スタイルはある程度決まってきた。
 
①【魔双剣】による近接攻撃。
②魔法スキルの近接使用。
③【気配遮断】などのハイド系スキルでも奇襲攻撃。

 この三つに絞って訓練を積んでいる。

 時には隊列後方からハイド系スキルで敵陣の後方から攻撃を仕掛けたり、魔法と【ホークアイ】【命中補正】の組み合わせで遠距離攻撃をしたり、【魔双剣】で真っ向勝負。
 うん、マルチと言えばマルチだけど、中途半端と言えば中途半端。
 本当に器用貧乏になりつつなるね。
 これで回復なんて覚えたらまして器用貧乏じゃないかって、回復薬を使いまくったら回復職って事でまた器用貧乏になるな……
 何でこうなった……
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