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しおりを挟む「…本当に素晴らしいわ。まさに神の手ね」
「お褒めに預かり光栄です」
こんな事も有ろうかと持って来ていて正解だった。
まさかの全身マッサージをご希望だったので、別部屋にて施術中である。
50代とは思えないプロポーションに惚れ惚れしてしまう。こんな大人になりたい。
「ねぇ、マリーちゃん。考えていたのだけれど…2週間に1度、私の元にこうしてマッサージしに来ない?」
「デルフィニウム様?」
「ランで良いわよ。勿論お給金も出すわ、私は美容に関してはそれなりの地位を持っているの。お友達も多いわ、沢山紹介してあげられる。
貴女の才能は花市で終わらせてはならないものよ」
「ラン様…、ありがとうございます。
花市でのお客様も大切なので、そちらでもして行きたいとは思っています。
ですが、とても嬉しいです。是非2週に1度伺わせて下さい」
なんと、ラン様から良いお話しを貰う事が出来た。
ラン様はリラの1件は有れど、それも彼の為にした事。
ゲイルやライラックの先生で、ファミーユ様のご友人。信頼に値する人物だ。
異世界で自分のやって来た事が広がる瞬間のような気がした。
これは、自分のお店を持つ大きな一歩になる。そう思い、快くお受けする事にした。
********
「良かったな、リラ」
「あぁ~ホンマにな。完全に負けた。流石や、ラン=デルフィニウム」
「勝ち負けでは無いでしょう?」
「くっ、流石カレン嬢!何も言い返されへん!」
リラはラン様の伝で出版社に出向き、【リラ】として漫画を描く事になった。
パラパラ漫画だけでは無く、コマ割りされた漫画を広めるつもりらしい。
あのパラパラ漫画のお金も貰って非常にホクホクしている。
「皆!折角付いてきてもろたし、俺に奢らせて!」とリラが言うので、皆でボストン料理店に来た。
「いらっしゃ~い!おや、今日は大所帯だねぇ」
「アンネさん!今日は4人分宜しくお願いします」
「はいよ~こちらへどうぞ!」
と通して貰って、暫くすると料理が出てきた。
「えぇ~ちょっと待って!美味ッ!」
今日の日替わりはナポリタンだ。
「ナポリタンって美味しく作るん難しい気するねんなぁ~」
「あぁ~そうだよね、ベチャベチャしちゃったりするもんね」
「ここのは何でも美味いぞ」
「これは通っちゃうやつや」
「本当ね…初めて食べたわ、ナポリタン。美味しいのね」
「頑張って稼ごー!って気ぃするな!」
「分かる!」
「そういえば、カレン。婚約者選定はどうなっているんだ?」
「まだ、何も。お母様次第ね」
「ん?何、何?カレン嬢婚約者選びしてんの?」
「えぇ、この季節が明けると16になるからそろそろ選ばないといけないの。事情が有って、色々難しいからきっと難航しているのね」
「成程~。ついでに俺はどうなん?」
「「「は?」」」
「ハモるやん?っててて!ゲイル、怒らんといて!めっちゃ魔力痛い!!」
「ち、ちょっと待って。何を言い出すの、リラ」
「結構マジやねんけど…。国から厄介者扱いされてるから、結婚でもして落ち着けって煩く言われるねん。
それに、俺カレン嬢好きやで?【リラ】を救ってくれた恩人や」
そう言って、リラはカレンをニコニコ見つめている。
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