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最終章 あおとみずいろと、あかいろと
祖父との面会
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電車からバスに乗り換えて、ようやく目的地に到着した。
おじいちゃんが入所している介護施設は、田畑に囲まれた長閑な場所に立っている。
「オレ、近くで時間つぶしてるからさ」
私が介護施設の入り口に入ろうとすると、海斗はさらりと言った。
「あれ、一緒に来るんじゃなかったの?」
「気持ちとしては朱里と行きたいけどさ。祖父と孫娘のふたりだけの時間を、部外者のオレが邪魔するわけにはいかないから」
海斗なりに気を遣ってくれているようだ。
おじいちゃんにゆっくり落ち着いて話してもらうには、孫の私だけのほうがいいものね。
「ごめんね、海斗」
「勝手についてきたのはオレだから気にすんな。おじいさんとゆっくり話してこいよ」
「うん、ありがとう」
軽く手をあげた海斗は、静かに去っていった。待たされるとわかっているのに、笑顔で。
「海斗ってば、カッコつけちゃって」
私を守ろうとしてくれてるんだって感じて嬉しい。ちょっとくすぐったい気もするけれど。そのうち慣れるのかな。
受付で面会に必要な手続きを済ませ、祖父の部屋へ向かった。久しぶりに会うということもあって、少し緊張してしまう。
部屋のドアを軽くノックすると、「どうぞ」という声が返ってきた。穏やかさを感じる声は、青葉おじさんに似ている気がする。
横開きのドアをゆっくり開けると、まず感じたのは明るい日差しの温もり。お日さまに守られるように、明るい光の中央に、車椅子に座ったおじいちゃんが私を待っていた。
「おじいちゃん、朱里です。お久しぶりです」
「おお、朱里ちゃん。会えて嬉しいよ」
おじいちゃんは、にこにこと朗らかな笑顔を浮かべている。私ひとりだけだから、ひょっとして迷惑かな、なんて思ってたけど、考えすぎだったみたいだ。
「朱里ちゃん、近くに来て、よく顔を見せてくれ。最近は目も少し遠くなっていてね」
祖父は私に向かって、精一杯両手を伸ばす。あまり前のめりになると、車椅子から滑り落ちてしまうかも。少し早めに祖父の元へ歩み寄った。
おじいちゃんは私の左手を両手でそっと包み、懐かしそうに微笑んだ。
「朱里ちゃん、大きくなったなぁ。ついこないだまで、青葉の足元でちょろちょろしてたのに」
軽く笑ってしまった。どうやら、おじいちゃんの記憶の中の私は、小さな幼女のままらしい。
「もう高校一年生だもの。しばらく会いにこれなくてごめんなさい、おじいちゃん」
「高校受験あったものなぁ。志望校には入れたんだろう?」
「はい。おかげさまで」
「そうか、そうか。それはよく頑張ったな」
うんうんと軽く首を上下に振りながら、おじいちゃんは私の話を嬉しそうに聞いてくれる。
「朱里ちゃん、キレイになったねぇ。うちの孫娘はべっぴんさんだ」
「やだ、そんなことないよ」
「朱里ちゃんが部屋に入ってきたとき、どこの美人さんが来たのかと思ったよ」
「おじいちゃんってば」
祖父の目から見た私は、とびっきりの美少女になってるみたい。きっとおじいちゃんは、私がどんな姿をしていても、「可愛いよ、きれいだよ」って言ってくれるんだろうな。
「朱里ちゃん、桃子さんに似てきたねぇ……」
私の顔を見ていたおじいちゃんは、少し遠くを見つめ、ぽつりとささやいた。
私がどうやって聞こうか考えているうちに、祖父は桃子お母さんのことを言ってくれたのだ。
「おじいちゃん、私は桃子お母さんに似てるの?」
「うん、よく似てるよ。桃子さんも美人だったから、朱里ちゃんはこれからもっときれいになるだろうねぇ」
「そうなんだ……」
一度も会えなかった母親に似てる。
嬉しいとは思うけれど、どんな反応をするのが正解なのかわからなかった。
「朱里ちゃんは桃子さんのこと、何も知らないものなぁ。似てるって言われても困るよね」
複雑な思いが顔に出てしまっていたのか、祖父はにっこりと笑って言ってくれた。
「おじさんたちから話を聞いたよ。桃子お母さんは、明るくて優しい人だったんでしょ?」
「うん、そうだね。人の気持ちに敏感で、周囲の人を大切にできる女性だったよ。双子の青葉と水樹のことも、一度も見間違えたことがなくてね。それが嬉しかったみたいだね、あの子らには」
今は亡き母の桃子を懐かしむように、おじいちゃんはゆっくり語ってくれた。
「朱里ちゃんのおばあちゃんも、桃子さんのことを可愛がっていたよ。初めて娘ができたみたいだって喜んでいたよ。うちは息子しかいなかったからね」
私のおばあちゃん。青葉おじさんと父の、お母さんのことだ。
「おばあちゃんも、お母さんのことを気に入っていたの?」
「そうだよ。時々おばあちゃんに会いにきてくれてね。話も合うみたいで、にぎやかにおしゃべりしてたよ」
「どんな話をしてたの?」
「水樹との暮らしのことをよく話していたけど、好きなドラマの話や料理のこととか、いろいろね。話が盛り上がりすぎて、おじいちゃんはのけ者に感じたぐらいだったよ」
ふふふと小さく笑いながら、おじいちゃんは楽しそうに話す。穏やかな表情から悲壮感は感じられなかった。
もっと聞いても良いだろうか? 桃子お母さんのことを。
私のおばあちゃんも、桃子お母さんも、この世にはもういない。おじいちゃんにとっても、辛い記憶になってるかもしれない。今は美しい思い出になってるのに、そこにずけずけと入り込むのは悪いことのように思えた。
「朱里ちゃんは、桃子さんのことを知りたいのかい?」
私があれこれ考えているうちに、おじいちゃんが逆に聞いてきた。
「な、なんでわかるの?」
驚いて聞き返すと、おじいちゃんは愉快そうに笑った。
「そりゃあ、顔に出てるもの。そういう素直なところは水樹によく似てるねぇ」
あの父親に似てるって言われても……。桃子お母さんに似てるって言われる以上に、心中は複雑だった。
「あはは。朱里ちゃんは水樹、お父さんのことが苦手かい? ずっと離れて暮らしていたから、好きになれってほうが無理だよね」
おじいちゃんはまたも、私の気持ちを簡単に見抜いてしまった。
「私って、そんなに表情に出てる?」
自分の頬を両手で隠しながら聞いてみると、おじいちゃんは顔を綻ばせた。
「それだけ表情が豊かってことだよ。それでいて言葉を一生懸命に選んでいる感じだから、優しい子なんだってわかる。青葉は朱里ちゃんを良い子に育ててくれたよ」
私が優しいかどうかはよくわからないけれど、青葉おじさんのおかげで苦労もなく生きてこれたのは事実だ。
「私ね、おじいちゃん。青葉おじさんと父に、全部話してもらったの。桃子お母さんとの出会いから、私が生まれてきた経緯までね。これまでずっと父は私を捨てたって思ってた。でも真相は少し違っていて。桃子お母さんが亡くなって、父が自暴自棄になってしまったことは理解できなくはないの。それだけ母を愛していたってことだと思うから。でもだからといって父を受け入れられるかどうかって考えると、やっぱり無理な気がして……」
おじいちゃんは私の話を頷きながら聞いてくれた。穏やかな微笑みに見守られているのを感じながら、自分の気持ちを正直に伝えることができた。
「おじいちゃん、私って心が狭いのかな?」
「そんなことないさ。桃子さんを突然失って一時的に錯乱していたとしても、水樹は朱里ちゃんに許されない罪を犯してしまったからね。青葉がいなかったら、今ここに朱里ちゃんはいなかった。真相を聞いても、戸惑う気持ちは少しもおかしいことではないよ。ただね」
祖父の表情から、溶けるように微笑みが消えていく。
「ただね、父親であるわたしが、水樹の傍についていてあげられたら、水樹はあんなことをしなかったと思うんだ。それだけは今でも本当に悔いている。だから水樹のことは、おじいちゃんの責任でもあるんだ。朱里ちゃんに許してほしいなんてとても言えないけれど、水樹だけの責任ではないことは知っておいてほしい」
うつむきがちな表情は悲しげで、見ているのが辛くなるほどだった。
父である水樹が、赤ん坊だった私の首を絞めた。青葉おじさんから事情を聞いて、おじいちゃんも苦しみ、激しく後悔したのだろう。
「私はおじいちゃんを責めるつもりなんてないよ。おじいちゃんはおばあちゃんのことで大変だったのは知ってるから」
祖父は寂しげな微笑みを浮かべ、「ありがとう」と小声で答えてくれた。
父のことは、正直今でも許せない気持ちではある。
けれども、祖父の言葉を聞いて、様々な事情や悲しみの連鎖によって起きたことのようにも思えた。
「桃子お母さんは優しい人だって聞いたけど、他にはどんなところがあったの?」
悲しそうな表情をしたままの祖父の気持ちをほぐしたくて、お母さんのことを聞いてみることにした。
おじいちゃんが入所している介護施設は、田畑に囲まれた長閑な場所に立っている。
「オレ、近くで時間つぶしてるからさ」
私が介護施設の入り口に入ろうとすると、海斗はさらりと言った。
「あれ、一緒に来るんじゃなかったの?」
「気持ちとしては朱里と行きたいけどさ。祖父と孫娘のふたりだけの時間を、部外者のオレが邪魔するわけにはいかないから」
海斗なりに気を遣ってくれているようだ。
おじいちゃんにゆっくり落ち着いて話してもらうには、孫の私だけのほうがいいものね。
「ごめんね、海斗」
「勝手についてきたのはオレだから気にすんな。おじいさんとゆっくり話してこいよ」
「うん、ありがとう」
軽く手をあげた海斗は、静かに去っていった。待たされるとわかっているのに、笑顔で。
「海斗ってば、カッコつけちゃって」
私を守ろうとしてくれてるんだって感じて嬉しい。ちょっとくすぐったい気もするけれど。そのうち慣れるのかな。
受付で面会に必要な手続きを済ませ、祖父の部屋へ向かった。久しぶりに会うということもあって、少し緊張してしまう。
部屋のドアを軽くノックすると、「どうぞ」という声が返ってきた。穏やかさを感じる声は、青葉おじさんに似ている気がする。
横開きのドアをゆっくり開けると、まず感じたのは明るい日差しの温もり。お日さまに守られるように、明るい光の中央に、車椅子に座ったおじいちゃんが私を待っていた。
「おじいちゃん、朱里です。お久しぶりです」
「おお、朱里ちゃん。会えて嬉しいよ」
おじいちゃんは、にこにこと朗らかな笑顔を浮かべている。私ひとりだけだから、ひょっとして迷惑かな、なんて思ってたけど、考えすぎだったみたいだ。
「朱里ちゃん、近くに来て、よく顔を見せてくれ。最近は目も少し遠くなっていてね」
祖父は私に向かって、精一杯両手を伸ばす。あまり前のめりになると、車椅子から滑り落ちてしまうかも。少し早めに祖父の元へ歩み寄った。
おじいちゃんは私の左手を両手でそっと包み、懐かしそうに微笑んだ。
「朱里ちゃん、大きくなったなぁ。ついこないだまで、青葉の足元でちょろちょろしてたのに」
軽く笑ってしまった。どうやら、おじいちゃんの記憶の中の私は、小さな幼女のままらしい。
「もう高校一年生だもの。しばらく会いにこれなくてごめんなさい、おじいちゃん」
「高校受験あったものなぁ。志望校には入れたんだろう?」
「はい。おかげさまで」
「そうか、そうか。それはよく頑張ったな」
うんうんと軽く首を上下に振りながら、おじいちゃんは私の話を嬉しそうに聞いてくれる。
「朱里ちゃん、キレイになったねぇ。うちの孫娘はべっぴんさんだ」
「やだ、そんなことないよ」
「朱里ちゃんが部屋に入ってきたとき、どこの美人さんが来たのかと思ったよ」
「おじいちゃんってば」
祖父の目から見た私は、とびっきりの美少女になってるみたい。きっとおじいちゃんは、私がどんな姿をしていても、「可愛いよ、きれいだよ」って言ってくれるんだろうな。
「朱里ちゃん、桃子さんに似てきたねぇ……」
私の顔を見ていたおじいちゃんは、少し遠くを見つめ、ぽつりとささやいた。
私がどうやって聞こうか考えているうちに、祖父は桃子お母さんのことを言ってくれたのだ。
「おじいちゃん、私は桃子お母さんに似てるの?」
「うん、よく似てるよ。桃子さんも美人だったから、朱里ちゃんはこれからもっときれいになるだろうねぇ」
「そうなんだ……」
一度も会えなかった母親に似てる。
嬉しいとは思うけれど、どんな反応をするのが正解なのかわからなかった。
「朱里ちゃんは桃子さんのこと、何も知らないものなぁ。似てるって言われても困るよね」
複雑な思いが顔に出てしまっていたのか、祖父はにっこりと笑って言ってくれた。
「おじさんたちから話を聞いたよ。桃子お母さんは、明るくて優しい人だったんでしょ?」
「うん、そうだね。人の気持ちに敏感で、周囲の人を大切にできる女性だったよ。双子の青葉と水樹のことも、一度も見間違えたことがなくてね。それが嬉しかったみたいだね、あの子らには」
今は亡き母の桃子を懐かしむように、おじいちゃんはゆっくり語ってくれた。
「朱里ちゃんのおばあちゃんも、桃子さんのことを可愛がっていたよ。初めて娘ができたみたいだって喜んでいたよ。うちは息子しかいなかったからね」
私のおばあちゃん。青葉おじさんと父の、お母さんのことだ。
「おばあちゃんも、お母さんのことを気に入っていたの?」
「そうだよ。時々おばあちゃんに会いにきてくれてね。話も合うみたいで、にぎやかにおしゃべりしてたよ」
「どんな話をしてたの?」
「水樹との暮らしのことをよく話していたけど、好きなドラマの話や料理のこととか、いろいろね。話が盛り上がりすぎて、おじいちゃんはのけ者に感じたぐらいだったよ」
ふふふと小さく笑いながら、おじいちゃんは楽しそうに話す。穏やかな表情から悲壮感は感じられなかった。
もっと聞いても良いだろうか? 桃子お母さんのことを。
私のおばあちゃんも、桃子お母さんも、この世にはもういない。おじいちゃんにとっても、辛い記憶になってるかもしれない。今は美しい思い出になってるのに、そこにずけずけと入り込むのは悪いことのように思えた。
「朱里ちゃんは、桃子さんのことを知りたいのかい?」
私があれこれ考えているうちに、おじいちゃんが逆に聞いてきた。
「な、なんでわかるの?」
驚いて聞き返すと、おじいちゃんは愉快そうに笑った。
「そりゃあ、顔に出てるもの。そういう素直なところは水樹によく似てるねぇ」
あの父親に似てるって言われても……。桃子お母さんに似てるって言われる以上に、心中は複雑だった。
「あはは。朱里ちゃんは水樹、お父さんのことが苦手かい? ずっと離れて暮らしていたから、好きになれってほうが無理だよね」
おじいちゃんはまたも、私の気持ちを簡単に見抜いてしまった。
「私って、そんなに表情に出てる?」
自分の頬を両手で隠しながら聞いてみると、おじいちゃんは顔を綻ばせた。
「それだけ表情が豊かってことだよ。それでいて言葉を一生懸命に選んでいる感じだから、優しい子なんだってわかる。青葉は朱里ちゃんを良い子に育ててくれたよ」
私が優しいかどうかはよくわからないけれど、青葉おじさんのおかげで苦労もなく生きてこれたのは事実だ。
「私ね、おじいちゃん。青葉おじさんと父に、全部話してもらったの。桃子お母さんとの出会いから、私が生まれてきた経緯までね。これまでずっと父は私を捨てたって思ってた。でも真相は少し違っていて。桃子お母さんが亡くなって、父が自暴自棄になってしまったことは理解できなくはないの。それだけ母を愛していたってことだと思うから。でもだからといって父を受け入れられるかどうかって考えると、やっぱり無理な気がして……」
おじいちゃんは私の話を頷きながら聞いてくれた。穏やかな微笑みに見守られているのを感じながら、自分の気持ちを正直に伝えることができた。
「おじいちゃん、私って心が狭いのかな?」
「そんなことないさ。桃子さんを突然失って一時的に錯乱していたとしても、水樹は朱里ちゃんに許されない罪を犯してしまったからね。青葉がいなかったら、今ここに朱里ちゃんはいなかった。真相を聞いても、戸惑う気持ちは少しもおかしいことではないよ。ただね」
祖父の表情から、溶けるように微笑みが消えていく。
「ただね、父親であるわたしが、水樹の傍についていてあげられたら、水樹はあんなことをしなかったと思うんだ。それだけは今でも本当に悔いている。だから水樹のことは、おじいちゃんの責任でもあるんだ。朱里ちゃんに許してほしいなんてとても言えないけれど、水樹だけの責任ではないことは知っておいてほしい」
うつむきがちな表情は悲しげで、見ているのが辛くなるほどだった。
父である水樹が、赤ん坊だった私の首を絞めた。青葉おじさんから事情を聞いて、おじいちゃんも苦しみ、激しく後悔したのだろう。
「私はおじいちゃんを責めるつもりなんてないよ。おじいちゃんはおばあちゃんのことで大変だったのは知ってるから」
祖父は寂しげな微笑みを浮かべ、「ありがとう」と小声で答えてくれた。
父のことは、正直今でも許せない気持ちではある。
けれども、祖父の言葉を聞いて、様々な事情や悲しみの連鎖によって起きたことのようにも思えた。
「桃子お母さんは優しい人だって聞いたけど、他にはどんなところがあったの?」
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