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最終章 あおとみずいろと、あかいろと
流れゆく時間
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父に激写されそうになるのを華麗にかわしながら、時にポーズをとって良い構図を撮れるようにサービスすることに慣れた頃には、数年が経過していた。
写真を撮られ続ける日々に戸惑うこともあったけれど、どんどん溜まっていく写真に快感を覚えつつあった。
父との会話もスムーズにできるようになっている。
私は高校を卒業後、栄養学を学ぶべく大学へと進学した。目標は管理栄養士の資格を取ることだ。
おじさんと一緒に料理をすることも多かったし、料理や栄養のことをきちんと学びたいと思ったのだ。
おじさんも外出することが少しずつ増えるようになった。
つまりはデートだ。近所のスーパーで再会した、昔の同級生の女性と親しくなったらしい。
おじさんはその人のことをよく覚えてなかったけど、再会した女性はよく記憶していたみたい。おじさんは昔も今も素敵な男性だから、当然だけど。
二人とも大人だからだろうか。穏やかな恋を少しずつ育んでいってるみたいだ。いずれ結婚するのかもしれない。
おじさんがデートで外出するようになると、私は父とふたりで過ごしたり、父が仕事で不在な時は家でひとりで過ごすのも平気になっていた。昔は寂しくてたまらなかったのに、私も成長したものだ。
「……って思うんだけど、どう思う? 海斗」
「オレたち、そろそろ二十歳だぜ。成長して当然だろ」
海斗とは高校卒業後も変わらず付き合っている。
海斗は経済系の大学へ進学した。
進路は別々になってしまったけど、時間を見つけてはなんとかデートしてる。
付き合いが長くなったせいか、たまにケンカすることもあったけど、わりとすぐに仲直りできるのも嬉しかった。
「しかし、おまえが管理栄養士みたいな仕事を目指すとは思わなったなぁ」
「元々食べるのは大好きだし、料理関係の仕事につけたらいいな、ってなんとなく思ってたんだよね。お母さんやおばあちゃん、おじいちゃんも病院や施設で入ってたでしょ。病気の人たちが少しでも元気になれる料理を作れたら嬉しいって思うんだ。体力もいるし大変だとは思うけど、頑張ってみたい」
「朱里、食いしん坊だもんなぁ。オレと会ってても、すっげぇ食ってるし」
「食への好奇心が旺盛といってくれない? 今後の勉強と思ってるしね」
「物は言いようだなぁ。でもま、朱里ならきっとできるよ。うん、大丈夫だ」
海斗は力強く言ってくれた。
「嬉しい。ありがとう、海斗」
父もおじさんも、私の将来の夢を応援してくれた。お父さんなんて、泣きながらお母さんの遺影に報告していた。まったく、親バカなんだから。
「ねぇ、お父さん。お父さんは誰か別の女性と再婚しないの? 私のことなら気にしなくていいよ」
私が作った夕食を一緒に食べながら、父に聞いてみた。
「朱里、俺はね、一生分の恋を桃子にしたんだ。そのことに悔いはないし、これからも桃子を愛し続ける。他の女性が入り込む余裕は俺の心にはない」
「一生分の恋……そこまで思いつめなくても」
「俺はこれでいいんだ。朱里の幸せを邪魔するつもりはないから、気にしなくていいぞ」
「そういうつもりじゃないんだけど……」
お父さんは本当に一途だ。今でも亡くなったお母さんのことを想い続けている。
穏やかな時間が過ぎていく中、楽しい事ばかりあったわけではない。
おじいちゃんが、亡くなったのだ。私の二十歳の誕生日が過ぎた頃だった。
入所していた施設で倒れ、すぐに病院へ搬送された。おじさんとお父さんと私、三人で病院に駆けつけ、なんとか最後に会うことができた。
「朱里ちゃん、幸せになるんだよ。水樹は無茶なことは控えるようにな。青葉は新しい出会いを大切にしなさい……」
おじいちゃんは最後まで息子と孫の幸せを願い、静かに息をひきとった。
おじいちゃん、ありがとう。おじいちゃんのおかげで私はお母さんの思いがこもった手紙を受けとることができたもの。
楽しいことも、悲しいことも経験しながら、時がゆっくり流れていく。
「朱里、今日はいい天気だし、外で写真を撮ろう。青葉もいるし、海斗のやつも後で来るんだろう? 四人揃っての写真を撮っておこう」
父の提案で四人並んで写真を撮ることになった。その日はお母さんの命日だ。お父さんは何も言わないけど、天国のお母さんに見せてあげたいのだろう。
後で来た海斗が「え、オレもいいんスか?」って言ったけど、海斗もいずれ私たちの家族になりそうだから、きっといいよね。
「じゃあ撮るぞ。並んで、並んで」
一番小柄な私が真ん中に立ち、取り囲むように父とおじさん、そして海斗。
なんでもない写真だけど、とても幸せな構図だ。ここにお母さんもいてくれたら、どれだけよかっただろう……。
母の命日ということもあってか、お父さんもおじさんも遠い目で時おり空を眺めている。少し悲しげな顔で。きっとお母さんのことを思い出しているんだろう。私もお母さんの思い出があったらいいのに。
そう思ったとき、カメラのレンズがきらりと光った。太陽の光が差し込み、ありえないぐらいきらきらと輝く。眩しくて目を細めた瞬間。少し茶色い髪の女性が私の横に立っていた。はにかむように笑う、きれいな女の人。
その女性を、写真で見た憶えがある。
「お母さん……?」
それは本当に一瞬のことだった。ただの幻覚と言われれば、そうかもしれない。けれど確かに、わずかな間、私の横に存在していた。
『今さっき、お母さん、いたよね? あの人、私のお母さんだよね?」
お母さんの顔は、写真でしか知らない。母のことをよく知る父とおじさんに、確認するしかない。
「ああ、桃子だ……。ほんのわずかな間だけど、朱里と俺たちを見て笑ってた」
お父さんは当然だと言わんばかりに微笑んでいる。
「水樹も見たのか? じゃあ夢だったわけじゃないってことかな……」
「夢でも幻覚でも何でもいいさ。家族写真の場に、『私も撮って!』って、桃子は姿を見せたんだと思うから」
「きっとそうだ。桃子らしいな。水樹に写真を撮ってもらうことが大好きだったから」
「一番の目的は、朱里に会うことだったと思うよ。な? 朱里」
お父さんとおじさんが、私を見て笑ってる。
ふたりも見たのなら、きっと夢なんかじゃない。お母さんは、ここにいたんだ。私に会うために。家族で写真を撮ってもらうために。
「お母さん、お母さん……」
私は堪えきれず、泣いてしまった。海斗が私の肩を支えてくれている。
お母さん、私の夢、ひとつ叶ったよ。お母さんに一目会いたいって夢が。
ありがとう、会いに来てくれて。私はあなたに愛されてこの世に生まれたんだね。
お母さん、私を生んでくれて、ありがとう……。 私は今、とても幸せです。
お母さん、私ね。もうひとつ夢ができたんだ。管理栄養士の資格をとりたいって夢とはまた別の夢なの。
きっと叶えれると思うから、もう少しだけ見守っていてくれる?
私の思いに応えるように、青い空はみずみずしく、どこまでも澄み切っていた。
*
私は無事に管理栄養士の試験に合格して、今は病院の栄養士として働いている。大変なことも多いけど、頑張っていくつもりだ。
海斗は商社に就職し、毎日忙しく働いている。
最近の悩みの種は、海斗とすれ違いになることが多くて、デートができないってこと。仕方ないことではあるけれど、海斗と会えなくて寂しかった。
「海斗! 久しぶりだね」
久しぶりに会えたことが嬉しくて、思わず抱きついてしまった。
「おまえはあいかわらず大胆なのか、鈍感なのか、わからんな」
「何それ。久しぶりに会えた恋人に言う台詞せ?」
「嬉しいんだよ。オレも朱里に会えて。わかってるだろ?」
照れくさそうに笑う海斗が愛おしかった。
「なぁ、朱里。オレたち、付き合い長いし、そろそろいいんじゃねぇ?」
「いいって何が?」
「だから、そろそろ決着つけようっていうか」
「長年の宿敵同士みたいに言わないでよ。ハッキリいってほしいな。適当に流すんじゃなくて」
「だから、その~あの~」
「何言ってるか、わかんないよ、海斗」
海斗は小さなジュエルケースを取り出し、無愛想にさし出した。
「オレと結婚、してくださいっ!」
「うわぁ、どストレート……」
「何だよ、嫌なのかよ」
「嫌なわけないでしょ? 私、ずっと待ってたんだから。もうちょっとロマンチックに演出してほしかったけどね」
「ごめん。オレ、サプライズとか苦手」
「そうだよね、海斗はそういう奴だよね。そういう海斗が大好きなんだけど」
海斗の顔が一気に赤くなる。大人になってもこういうところ変わらないね。
大好きだよ、海斗。ずっと一緒に生きていこうね。
私と海斗は結婚する。共に生きて幸せになるために。
「ねぇ、海斗。ひとつだけ叶えたい夢があるんだけど、いいかな?」
「朱里の夢なら、全部叶ったんだろ? あと何が欲しいんだ?」
「たいしたことじゃないよ。でも天国のお母さんに見せたいの。協力してくれる?」
「いいよ。朱里の願いなら何でも協力してやる」
私のささやかな夢を叶える時が、もうじきやってくる。
写真を撮られ続ける日々に戸惑うこともあったけれど、どんどん溜まっていく写真に快感を覚えつつあった。
父との会話もスムーズにできるようになっている。
私は高校を卒業後、栄養学を学ぶべく大学へと進学した。目標は管理栄養士の資格を取ることだ。
おじさんと一緒に料理をすることも多かったし、料理や栄養のことをきちんと学びたいと思ったのだ。
おじさんも外出することが少しずつ増えるようになった。
つまりはデートだ。近所のスーパーで再会した、昔の同級生の女性と親しくなったらしい。
おじさんはその人のことをよく覚えてなかったけど、再会した女性はよく記憶していたみたい。おじさんは昔も今も素敵な男性だから、当然だけど。
二人とも大人だからだろうか。穏やかな恋を少しずつ育んでいってるみたいだ。いずれ結婚するのかもしれない。
おじさんがデートで外出するようになると、私は父とふたりで過ごしたり、父が仕事で不在な時は家でひとりで過ごすのも平気になっていた。昔は寂しくてたまらなかったのに、私も成長したものだ。
「……って思うんだけど、どう思う? 海斗」
「オレたち、そろそろ二十歳だぜ。成長して当然だろ」
海斗とは高校卒業後も変わらず付き合っている。
海斗は経済系の大学へ進学した。
進路は別々になってしまったけど、時間を見つけてはなんとかデートしてる。
付き合いが長くなったせいか、たまにケンカすることもあったけど、わりとすぐに仲直りできるのも嬉しかった。
「しかし、おまえが管理栄養士みたいな仕事を目指すとは思わなったなぁ」
「元々食べるのは大好きだし、料理関係の仕事につけたらいいな、ってなんとなく思ってたんだよね。お母さんやおばあちゃん、おじいちゃんも病院や施設で入ってたでしょ。病気の人たちが少しでも元気になれる料理を作れたら嬉しいって思うんだ。体力もいるし大変だとは思うけど、頑張ってみたい」
「朱里、食いしん坊だもんなぁ。オレと会ってても、すっげぇ食ってるし」
「食への好奇心が旺盛といってくれない? 今後の勉強と思ってるしね」
「物は言いようだなぁ。でもま、朱里ならきっとできるよ。うん、大丈夫だ」
海斗は力強く言ってくれた。
「嬉しい。ありがとう、海斗」
父もおじさんも、私の将来の夢を応援してくれた。お父さんなんて、泣きながらお母さんの遺影に報告していた。まったく、親バカなんだから。
「ねぇ、お父さん。お父さんは誰か別の女性と再婚しないの? 私のことなら気にしなくていいよ」
私が作った夕食を一緒に食べながら、父に聞いてみた。
「朱里、俺はね、一生分の恋を桃子にしたんだ。そのことに悔いはないし、これからも桃子を愛し続ける。他の女性が入り込む余裕は俺の心にはない」
「一生分の恋……そこまで思いつめなくても」
「俺はこれでいいんだ。朱里の幸せを邪魔するつもりはないから、気にしなくていいぞ」
「そういうつもりじゃないんだけど……」
お父さんは本当に一途だ。今でも亡くなったお母さんのことを想い続けている。
穏やかな時間が過ぎていく中、楽しい事ばかりあったわけではない。
おじいちゃんが、亡くなったのだ。私の二十歳の誕生日が過ぎた頃だった。
入所していた施設で倒れ、すぐに病院へ搬送された。おじさんとお父さんと私、三人で病院に駆けつけ、なんとか最後に会うことができた。
「朱里ちゃん、幸せになるんだよ。水樹は無茶なことは控えるようにな。青葉は新しい出会いを大切にしなさい……」
おじいちゃんは最後まで息子と孫の幸せを願い、静かに息をひきとった。
おじいちゃん、ありがとう。おじいちゃんのおかげで私はお母さんの思いがこもった手紙を受けとることができたもの。
楽しいことも、悲しいことも経験しながら、時がゆっくり流れていく。
「朱里、今日はいい天気だし、外で写真を撮ろう。青葉もいるし、海斗のやつも後で来るんだろう? 四人揃っての写真を撮っておこう」
父の提案で四人並んで写真を撮ることになった。その日はお母さんの命日だ。お父さんは何も言わないけど、天国のお母さんに見せてあげたいのだろう。
後で来た海斗が「え、オレもいいんスか?」って言ったけど、海斗もいずれ私たちの家族になりそうだから、きっといいよね。
「じゃあ撮るぞ。並んで、並んで」
一番小柄な私が真ん中に立ち、取り囲むように父とおじさん、そして海斗。
なんでもない写真だけど、とても幸せな構図だ。ここにお母さんもいてくれたら、どれだけよかっただろう……。
母の命日ということもあってか、お父さんもおじさんも遠い目で時おり空を眺めている。少し悲しげな顔で。きっとお母さんのことを思い出しているんだろう。私もお母さんの思い出があったらいいのに。
そう思ったとき、カメラのレンズがきらりと光った。太陽の光が差し込み、ありえないぐらいきらきらと輝く。眩しくて目を細めた瞬間。少し茶色い髪の女性が私の横に立っていた。はにかむように笑う、きれいな女の人。
その女性を、写真で見た憶えがある。
「お母さん……?」
それは本当に一瞬のことだった。ただの幻覚と言われれば、そうかもしれない。けれど確かに、わずかな間、私の横に存在していた。
『今さっき、お母さん、いたよね? あの人、私のお母さんだよね?」
お母さんの顔は、写真でしか知らない。母のことをよく知る父とおじさんに、確認するしかない。
「ああ、桃子だ……。ほんのわずかな間だけど、朱里と俺たちを見て笑ってた」
お父さんは当然だと言わんばかりに微笑んでいる。
「水樹も見たのか? じゃあ夢だったわけじゃないってことかな……」
「夢でも幻覚でも何でもいいさ。家族写真の場に、『私も撮って!』って、桃子は姿を見せたんだと思うから」
「きっとそうだ。桃子らしいな。水樹に写真を撮ってもらうことが大好きだったから」
「一番の目的は、朱里に会うことだったと思うよ。な? 朱里」
お父さんとおじさんが、私を見て笑ってる。
ふたりも見たのなら、きっと夢なんかじゃない。お母さんは、ここにいたんだ。私に会うために。家族で写真を撮ってもらうために。
「お母さん、お母さん……」
私は堪えきれず、泣いてしまった。海斗が私の肩を支えてくれている。
お母さん、私の夢、ひとつ叶ったよ。お母さんに一目会いたいって夢が。
ありがとう、会いに来てくれて。私はあなたに愛されてこの世に生まれたんだね。
お母さん、私を生んでくれて、ありがとう……。 私は今、とても幸せです。
お母さん、私ね。もうひとつ夢ができたんだ。管理栄養士の資格をとりたいって夢とはまた別の夢なの。
きっと叶えれると思うから、もう少しだけ見守っていてくれる?
私の思いに応えるように、青い空はみずみずしく、どこまでも澄み切っていた。
*
私は無事に管理栄養士の試験に合格して、今は病院の栄養士として働いている。大変なことも多いけど、頑張っていくつもりだ。
海斗は商社に就職し、毎日忙しく働いている。
最近の悩みの種は、海斗とすれ違いになることが多くて、デートができないってこと。仕方ないことではあるけれど、海斗と会えなくて寂しかった。
「海斗! 久しぶりだね」
久しぶりに会えたことが嬉しくて、思わず抱きついてしまった。
「おまえはあいかわらず大胆なのか、鈍感なのか、わからんな」
「何それ。久しぶりに会えた恋人に言う台詞せ?」
「嬉しいんだよ。オレも朱里に会えて。わかってるだろ?」
照れくさそうに笑う海斗が愛おしかった。
「なぁ、朱里。オレたち、付き合い長いし、そろそろいいんじゃねぇ?」
「いいって何が?」
「だから、そろそろ決着つけようっていうか」
「長年の宿敵同士みたいに言わないでよ。ハッキリいってほしいな。適当に流すんじゃなくて」
「だから、その~あの~」
「何言ってるか、わかんないよ、海斗」
海斗は小さなジュエルケースを取り出し、無愛想にさし出した。
「オレと結婚、してくださいっ!」
「うわぁ、どストレート……」
「何だよ、嫌なのかよ」
「嫌なわけないでしょ? 私、ずっと待ってたんだから。もうちょっとロマンチックに演出してほしかったけどね」
「ごめん。オレ、サプライズとか苦手」
「そうだよね、海斗はそういう奴だよね。そういう海斗が大好きなんだけど」
海斗の顔が一気に赤くなる。大人になってもこういうところ変わらないね。
大好きだよ、海斗。ずっと一緒に生きていこうね。
私と海斗は結婚する。共に生きて幸せになるために。
「ねぇ、海斗。ひとつだけ叶えたい夢があるんだけど、いいかな?」
「朱里の夢なら、全部叶ったんだろ? あと何が欲しいんだ?」
「たいしたことじゃないよ。でも天国のお母さんに見せたいの。協力してくれる?」
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