あやかし三つ子のすぅぷやさん

蒼真まこ

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プロローグ

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 教えてほしいことがあるのです。
 人間とはなぜ働くのですか?
 毎日のように学び舎に行くのはどうして?
 今日と明日の食い物があれば、仕事も勉強も必要ないと思うのに。

 なぜなのでしょう。
 辛いときや哀しいことがあっても、やがて人間は上を向き、二本足ですっくと立ちあがる。
 辛いなら、じっとうずくまっていればいいのに。

 そんな人間が不思議で、わざと転ばせ、鎌で足を切りつけたこともありました。
 ちょっとした悪戯でした。悪気はございません。
 ところが人間は、それでも歩むことを止めないのです。
「いたた」と言いながらも、自らの手で傷口を抑え、また歩き出すのです。
 驚いた僕らはぬり薬でそっと、人間の傷を癒してやりました。
 傷を負い、心に痛みを抱えながらも、人間は再び立ち上がりまた歩き始める。
 僕らはそんな人間を不思議に思いながらも、どこか憧れていたのかもしれません。

 教えてください。
 半端者の僕らが、人間のように強くなれる方法を。
 人間の心に寄り添うことができたなら、僕らにもわかる日がくるのでしょうか──。


 
 

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感想 1

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