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何やら様子がおかしいターゲット
3話 二日目・座学
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初日から一夜明け、二日目の朝が訪れた
のそのそと起きて着替えをし、髪の毛を梳かして襟足を結った
今日は一日勉強の予定だ
一応、病の様子を見ながらここで勉強をするという名目だから
なんでも授業の先生をつけてくれるらしいけど、正直アイリス様以外とは深く関わらない方がいいと思ってる
たくさんの人と関われば関わる程、僕の正体がバレるリスクが高くなるから
部屋で朝食をとった後しばらく待っていると、ノックの音が聞こえた
時間的にも教師だろう
部屋に入ってもらうと、その先生は…………
「……アイリス様!?」
「これからよろしく、シード様」
待って!?
えっと、一応神子って王族よりも上の立場…の筈なんだけど
いや僕的にはめちゃくちゃいい展開ではある
でも!神子様ともあろう人が他国の王子の勉強に時間を割くだなんて完全に予想外!
「シード様は勉強はどこまで進んでる?」
「あ、えっと………」
組織で予め勉強してるから結構進んでいるとは思う
流石に何もしてないと怪しまれるし、暗殺にも知識は必要になってくる
とりあえず、組織で学んだ範囲を伝えた
「なるほど、座学は大体進んでるみたいだな。他にも作法とかは……」
「実は…座学しかまだしてなくて、実技系はそんなに触れていないんだ」
歩き方とか言葉使いとかは練習したけど、ダンスは踊れないしナイフとフォークもまだ上手く使えない
成人した貴族、それも一国の王子がその程度もできないとなると笑われるだろう
病弱設定はなんだかんだ無理矢理理由をこじつけられる便利な設定だ
「それじゃあ先に座学を終わらせよっか」
そして授業は始まった
…けど、正直集中できない!
この人距離感おかしくないかなぁ!?
男の部屋、二人きり、同じソファ、触れられる距離……無防備というか…なんというか………
何これ、わざとあざとくしてるの?
それとも僕は子供扱いでもされてる?
「ん、どうした?分からないとこでもある?」
「へ?あ、いや、すごく丁寧で分かりやすいよ。ただ、ちょっと距離が近い…かな……」
「そう?まぁでも近い方がちゃんと教えられると思うし、いいんじゃないかな」
あーーーーもう!
これ、なんで僕が変に意識しちゃってるの………!
いやでも、僕も周りから顔がいいとは言われるけど…この人は明らかに次元が違う
顔がいいなんて言葉じゃ足りないくらいにすごい綺麗な人だ
僕がドキドキするのはそのせい
見慣れればどうってこと無い筈!
……慣れる自信がまるで無いけど
ーーーーーーーーーー
本当にこの王子様は反応がいちいちおもしろ……可愛い人だ
普通に緊張してるようでは無く、私相手に緊張しているみたい
……まぁ、距離が近いのはわざとだけど
監視も観察もできるし、面白い反応も見れる
私も少し興味が湧いた
それだけだったけど、近くでよく見て一つの可能性を感じた
シードって、実は女性だったりする?
上手く隠してるつもりなのか分からないけど、靴は厚底で踵が高めになってるし体のバランスが全体的に違和感がある
暗い色の服だから誤魔化されてるけど、体格的には結構女性寄りに見える
まぁ、ただ背が低くいだけとか、肩幅が狭くて骨盤が広いタイプだとか、偶然が重なっただけかもしれないからなんとも言えないかな
ただ…その可能性は考えておいた方がいいかもしれない
ジルが帰ってきたら何か分かるかもしれないし、もう少しゆっくり考えておこう
それまでは……シードでもう少し遊んでようかな
のそのそと起きて着替えをし、髪の毛を梳かして襟足を結った
今日は一日勉強の予定だ
一応、病の様子を見ながらここで勉強をするという名目だから
なんでも授業の先生をつけてくれるらしいけど、正直アイリス様以外とは深く関わらない方がいいと思ってる
たくさんの人と関われば関わる程、僕の正体がバレるリスクが高くなるから
部屋で朝食をとった後しばらく待っていると、ノックの音が聞こえた
時間的にも教師だろう
部屋に入ってもらうと、その先生は…………
「……アイリス様!?」
「これからよろしく、シード様」
待って!?
えっと、一応神子って王族よりも上の立場…の筈なんだけど
いや僕的にはめちゃくちゃいい展開ではある
でも!神子様ともあろう人が他国の王子の勉強に時間を割くだなんて完全に予想外!
「シード様は勉強はどこまで進んでる?」
「あ、えっと………」
組織で予め勉強してるから結構進んでいるとは思う
流石に何もしてないと怪しまれるし、暗殺にも知識は必要になってくる
とりあえず、組織で学んだ範囲を伝えた
「なるほど、座学は大体進んでるみたいだな。他にも作法とかは……」
「実は…座学しかまだしてなくて、実技系はそんなに触れていないんだ」
歩き方とか言葉使いとかは練習したけど、ダンスは踊れないしナイフとフォークもまだ上手く使えない
成人した貴族、それも一国の王子がその程度もできないとなると笑われるだろう
病弱設定はなんだかんだ無理矢理理由をこじつけられる便利な設定だ
「それじゃあ先に座学を終わらせよっか」
そして授業は始まった
…けど、正直集中できない!
この人距離感おかしくないかなぁ!?
男の部屋、二人きり、同じソファ、触れられる距離……無防備というか…なんというか………
何これ、わざとあざとくしてるの?
それとも僕は子供扱いでもされてる?
「ん、どうした?分からないとこでもある?」
「へ?あ、いや、すごく丁寧で分かりやすいよ。ただ、ちょっと距離が近い…かな……」
「そう?まぁでも近い方がちゃんと教えられると思うし、いいんじゃないかな」
あーーーーもう!
これ、なんで僕が変に意識しちゃってるの………!
いやでも、僕も周りから顔がいいとは言われるけど…この人は明らかに次元が違う
顔がいいなんて言葉じゃ足りないくらいにすごい綺麗な人だ
僕がドキドキするのはそのせい
見慣れればどうってこと無い筈!
……慣れる自信がまるで無いけど
ーーーーーーーーーー
本当にこの王子様は反応がいちいちおもしろ……可愛い人だ
普通に緊張してるようでは無く、私相手に緊張しているみたい
……まぁ、距離が近いのはわざとだけど
監視も観察もできるし、面白い反応も見れる
私も少し興味が湧いた
それだけだったけど、近くでよく見て一つの可能性を感じた
シードって、実は女性だったりする?
上手く隠してるつもりなのか分からないけど、靴は厚底で踵が高めになってるし体のバランスが全体的に違和感がある
暗い色の服だから誤魔化されてるけど、体格的には結構女性寄りに見える
まぁ、ただ背が低くいだけとか、肩幅が狭くて骨盤が広いタイプだとか、偶然が重なっただけかもしれないからなんとも言えないかな
ただ…その可能性は考えておいた方がいいかもしれない
ジルが帰ってきたら何か分かるかもしれないし、もう少しゆっくり考えておこう
それまでは……シードでもう少し遊んでようかな
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