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何やら様子がおかしいターゲット
9話 これからの僕達
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僕が暴走しかけてから1日
今日は部屋から出ないよう誰とも会わないようアイリス様に言われた
僕の正体がバレたんだもん
何も起きない訳が無いよね
なんか、モヤモヤする
僕がこの場所で王子様としてじゃ無くて居座ってる事が
……僕が本当に王子様だったら、どうなってたんだろう
まぁ、生きていないだろうな
だって僕は…………
「シード様。入っても良い?」
「アイリス様……。僕に許可なんか求めないで入っていいのに」
「そう言うわけには行かないから」
アイリス様は書類を持って部屋に来た
何の書類かは分からないけど、これからどうなるのかドキドキする
「……いくつか報告。まず、例の組織が壊滅した」
「え!?一体どうして……」
「第二王子アスフォデルと私の弟が壊滅させたらしい」
……そんな、嘘でしょ
あの施設のことはどうでもいい
でも、お兄ちゃんはどうなったの?
………いや、神子カメリアが生きてる事が答え
お兄ちゃんは失敗したんだ
「それと…いや、先に別件の話しだな。シード様はこれからどうしたい?」
「僕が、これから……」
「組織に帰るわけにはいかなかったし、既に無い。できる事なら私は、新しい身分を作ってここに居て欲しい。野放しになんて出来ないから」
帰る場所も唯一の家族も失った
僕は生きる理由の全てを失った
僕の死を悲しむ兄がいたから生きてきたのに、その兄はもう………
「前向きに考えて欲しい。私は…個人的な理由でもここに居て欲しいと思ってるから」
「個人的な理由…?」
「そう。私は君が………」
僕が……?
アイリス様は困った顔で俯いた
大きな溜息の後に何かを飲む混むようにすると、僕の目を見て微笑んだ
「……私が君に惚れてしまったと言ったら、困らせるかな」
「僕に…?」
「その、だから昨日も度が過ぎた事をやらかしたんだけど…」
上手く、理解出来ない
アイリス様が僕を……好き?
憂鬱だったのが嘘みたいに顔が熱くなる
「気持ちに応えて欲しい訳じゃ無い。ただ、君の無事と幸せを願いたいんだ」
「……は、アイリス様は、その、僕がアイリス様を好きだって言ったら、迷惑……?」
震えた声で不恰好に伝えると、アイリス様は硬直した
声をかけても動かないくらいには
しばらくして、思い出したように呼吸をしたアイリス様は今まで見た事ない顔をしていた
「……それ、本当に?」
「ほ、本当!こんな嘘、僕だって言いたくないよ……!」
「どうしよう、驚き過ぎて……夢?じゃないよね?」
真っ赤な顔を手で隠そうとしてるアイリス様
そんな風に喜ばれるだなんて思ってない
「あ、で、でも!僕はその…ずっと王子様に見えるように演技してたよ?本当の僕はそんな……」
「あぁ、あの下手な演技のこと?気にしなくて良いよ。気付いた上で好きになったんだから」
下手……
そう、僕って演技ダメだったんだ……
なんだろう、嬉しいような悔しいような
でも…そっかぁ
ちゃんと僕を好きになってくれたんだ
僕は顔を見られないようにアイリス様を抱きしめた
「その、アイリス様さえ良かったら、僕はここに居たい。アイリス様の恋人、として……」
「先に言われちゃったな。うん、これからよろしくね……って、そう言えば私、君の本当の名前を知らない……」
あ、そっか
シード・トゥ・シソーラスは仮の身分として使ってるから、知らないんだ
伝えていいよね
アイリス様になら教えても…いいよね
『エルシード』は、今の名前は兄から貰ったもの
お兄ちゃんと初めて会った幼い時に「妖精みたい」って言われてこの名前になった
「僕の本当の名前はエルシード」
「エルシード…。驚いた、王子様の名前に似てたんだ」
「これからもシードでいいよ。だって………」
「シソーラス王国第八王子シード・トゥ・シソーラスは僕が生まれた時の名前だから」
今日は部屋から出ないよう誰とも会わないようアイリス様に言われた
僕の正体がバレたんだもん
何も起きない訳が無いよね
なんか、モヤモヤする
僕がこの場所で王子様としてじゃ無くて居座ってる事が
……僕が本当に王子様だったら、どうなってたんだろう
まぁ、生きていないだろうな
だって僕は…………
「シード様。入っても良い?」
「アイリス様……。僕に許可なんか求めないで入っていいのに」
「そう言うわけには行かないから」
アイリス様は書類を持って部屋に来た
何の書類かは分からないけど、これからどうなるのかドキドキする
「……いくつか報告。まず、例の組織が壊滅した」
「え!?一体どうして……」
「第二王子アスフォデルと私の弟が壊滅させたらしい」
……そんな、嘘でしょ
あの施設のことはどうでもいい
でも、お兄ちゃんはどうなったの?
………いや、神子カメリアが生きてる事が答え
お兄ちゃんは失敗したんだ
「それと…いや、先に別件の話しだな。シード様はこれからどうしたい?」
「僕が、これから……」
「組織に帰るわけにはいかなかったし、既に無い。できる事なら私は、新しい身分を作ってここに居て欲しい。野放しになんて出来ないから」
帰る場所も唯一の家族も失った
僕は生きる理由の全てを失った
僕の死を悲しむ兄がいたから生きてきたのに、その兄はもう………
「前向きに考えて欲しい。私は…個人的な理由でもここに居て欲しいと思ってるから」
「個人的な理由…?」
「そう。私は君が………」
僕が……?
アイリス様は困った顔で俯いた
大きな溜息の後に何かを飲む混むようにすると、僕の目を見て微笑んだ
「……私が君に惚れてしまったと言ったら、困らせるかな」
「僕に…?」
「その、だから昨日も度が過ぎた事をやらかしたんだけど…」
上手く、理解出来ない
アイリス様が僕を……好き?
憂鬱だったのが嘘みたいに顔が熱くなる
「気持ちに応えて欲しい訳じゃ無い。ただ、君の無事と幸せを願いたいんだ」
「……は、アイリス様は、その、僕がアイリス様を好きだって言ったら、迷惑……?」
震えた声で不恰好に伝えると、アイリス様は硬直した
声をかけても動かないくらいには
しばらくして、思い出したように呼吸をしたアイリス様は今まで見た事ない顔をしていた
「……それ、本当に?」
「ほ、本当!こんな嘘、僕だって言いたくないよ……!」
「どうしよう、驚き過ぎて……夢?じゃないよね?」
真っ赤な顔を手で隠そうとしてるアイリス様
そんな風に喜ばれるだなんて思ってない
「あ、で、でも!僕はその…ずっと王子様に見えるように演技してたよ?本当の僕はそんな……」
「あぁ、あの下手な演技のこと?気にしなくて良いよ。気付いた上で好きになったんだから」
下手……
そう、僕って演技ダメだったんだ……
なんだろう、嬉しいような悔しいような
でも…そっかぁ
ちゃんと僕を好きになってくれたんだ
僕は顔を見られないようにアイリス様を抱きしめた
「その、アイリス様さえ良かったら、僕はここに居たい。アイリス様の恋人、として……」
「先に言われちゃったな。うん、これからよろしくね……って、そう言えば私、君の本当の名前を知らない……」
あ、そっか
シード・トゥ・シソーラスは仮の身分として使ってるから、知らないんだ
伝えていいよね
アイリス様になら教えても…いいよね
『エルシード』は、今の名前は兄から貰ったもの
お兄ちゃんと初めて会った幼い時に「妖精みたい」って言われてこの名前になった
「僕の本当の名前はエルシード」
「エルシード…。驚いた、王子様の名前に似てたんだ」
「これからもシードでいいよ。だって………」
「シソーラス王国第八王子シード・トゥ・シソーラスは僕が生まれた時の名前だから」
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