極道恋事情

一園木蓮

文字の大きさ
193 / 1,212
ワンコ輪舞曲

しおりを挟む
「じゃあ白龍はドーベルマンね! 凛々しいところが白龍にピッタリだよね!」
 冰もうれしそうにニコニコと期待顔だ。
「やっぱり着ろってか……」
 結局、あれよあれよという間に着るハメになって、仕方なく周も上着を脱ぎ始めたのだった。
「うっわぁ……可愛いー!」
 瞳の中からハートマークのエフェクトが次々と飛び出てくるような目で見つめられて、周は珍しくも苦虫を噛み潰したような表情で鏡の中の自分を見つめた。
「おいおい……まるで道化だな、こりゃ」
 さすがにこんな姿は他人には見せられない。李や劉という側近たちを連れて来なくて正解だったと苦笑気味だ。それこそ家令の真田などが見たら、大はしゃぎしそうな姿が目に浮かびそうだ。
「うっはぁ、白龍、ホントに可愛いー! っていうか、凛々しいなぁ!」
 だが、今度は服に毛が付く心配がないからか、冰がためらいなく思い切り抱き付いてきたので、それだけは役得だと思い、諦めることにする。
「まあ、たまにはこういうのも悪くねえか」
 周が気を取り直して思い切り楽しむ方向にシフトすると、側では鐘崎も紫月を抱き締めながら興に乗っている様子だった。
「シェパードと柴か。どっちも警察犬に使われる犬だな。交尾すりゃ賢いガキが産まれそうだ」
 そう言って紫月の背中に覆い被さって腰を振ってみせる。
「ウヒャヒャヒャ! このヘンタイエロワンコが! 遼、てめ……ワンコになっても獰猛なんだからよー!」
「言ったな! マジでこのまんま犯っちまうぞ!」
「無理だろ! これじゃ突っ込めねえし!」
「いや、俺の立派な大砲を見くびってもらっちゃ困る!」
「グハハハ! いくらお前のバズーカでも、ぜってー無理だって!」
「俺に不可能はねえぞ? 試してみるか? 威力には自信あるからな」
「わ、わ! やめろ、よせよせ! マジで生地破れるって!」
 床に寝転がりながら下ネタを連発、ギャアギャアと賑やかしくはしゃぎ始まった二人を見つめながら、周はポカンと口を半開き状態で唖然とさせられてしまった。
「カネ、お前って案外チャレンジャーなんだな……」
「あ?」
 鐘崎はチラっとこちらに視線を遣りつつも、未だ紫月に覆い被さってじゃれ合っている。
「ほら、冰君も早く逃げねえと! ドーベル氷川に犯られちまうぜー」
「紫月さんてば……やっだなぁ! うははは!」
 恥ずかしそうに頬を染めながらも、冰も期待顔でいる。こうなれば恥も外聞もない。郷に入っては郷に従うべく、周も思い切り童心に返ることに決めたのだった。
「よし、冰! 俺らも負けてらんねえ。ドーベルマンとスピッツのハーフを作るか!」
 ガッと冰を腕の中に抱え込んで、クニュクニュっと脇腹をくすぐる。
「やだー、白龍ってばー! ひゃあ! くすぐったいって!」
「こんなに分厚いんだ。くすぐったかねえだろ?」
「くすぐったいってー! うははは!」
 そうして、しばし四人で大はしゃぎと相成ったのだった。
 そんな騒ぎを聞きつけてか、中庭には鐘崎の家で飼っている本物のシェパードたちがワラワラと集まってきた。
「うわぁ! シェパードがいっぱい! 皆、鐘崎さんちで飼ってるんですか?」
 冰が興味津々で縁側へと身を乗り出す。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...