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恋敵
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「張さん、こんなところでお会いできるなんて! お元気そうで何よりです!」
「本当に奇遇だなぁ! キミもお変わりないかい?」
「ええ、お陰様で! 先日はありがとうございました! ワンコの着ぐるみとっても嬉しかったです!」
「いやぁ、俺の方こそ素敵な写真を送ってもらえて喜んでいたところだよ! それより、まさかキミたちがマカオに来ているだなんて驚いたよ。今日は旦那様のお姿が見えないようだが、ご一緒じゃないのかい?」
冰が一人でマカオに来るわけもなかろうし、当然周も一緒だと思ったのだろう。冰らのいたテーブルに目をやりながら不思議顔でいる。
あまりジロジロと社長のことを勘ぐられてもまずいと思ったわけか、冰はとっさに話を別の方へと振った。
「ええ、今はちょっと別行動でして。それより張さんはこのホテルでお仕事ですか?」
カジノがオープンするのは大概夜だし、まだ午前中の内からビシッとスーツ姿で決めているのでそう訊いてみることにする。
「いやぁ、実はね。キミのお父上がシャングリラを任せてくださったお陰で、地元のカジノ協会のお偉方からも信頼を得ることができてね。今は協会の青年部の理事に加えてもらうことができたんだ」
「そうなんですか! それはおめでとうございます!」
「いやいや、何もかもキミたちのお陰だよ! 今までは俺もこの業界の重鎮方には敬遠されていたんだが、こんなふうに仲間に入れてもらえるようになったのは、すべてキミやお父上たちのお陰さ」
「そんな……。でも良かった。俺も嬉しいです!」
「それでね、実は今日は理事会のメンバーとしての初仕事を任されてね。その打ち合わせで出向いて来たというわけなのさ」
「初仕事ですか! それは大変ですね」
「そうなんだ。正直緊張しているところさ」
「……難しいお仕事なんですね? 俺、応援していますね!」
「ありがとう。実はね、今夜、とあるカジノに灸を据えるお役目を仰せつかっちゃってね。キミもディーラーをしていたからよくご存知だと思うが、いわゆる闇カジノというか、イカサマばかりで荒稼ぎしている店があってね。このまま放置すればマカオの評判も地に落ちるって危惧されているんだ。そこで、これ以上お客様に被害が及ぶ前にその店を潰してしまおうという計画なんだ」
「えッ!? 潰しちゃうんですか……?」
「そうなんだ。だが、言うほど簡単なことではないからねぇ。今一度その方法を画策しているというか……最終確認を行っているといったところなのさ」
張が声を潜め気味でそう囁く。本来、関係者以外に暴露していいことではないのだろうが、張にとって周一族であるこの冰は、信頼に値する相手なのだろう。それと同時に、やはり初の大仕事を任されて緊張しているというのも嘘ではないらしく、人畜無害で人柄にも信頼がおける冰に話すことで、気持ちを落ち着けたかったのかも知れない。
「本当に奇遇だなぁ! キミもお変わりないかい?」
「ええ、お陰様で! 先日はありがとうございました! ワンコの着ぐるみとっても嬉しかったです!」
「いやぁ、俺の方こそ素敵な写真を送ってもらえて喜んでいたところだよ! それより、まさかキミたちがマカオに来ているだなんて驚いたよ。今日は旦那様のお姿が見えないようだが、ご一緒じゃないのかい?」
冰が一人でマカオに来るわけもなかろうし、当然周も一緒だと思ったのだろう。冰らのいたテーブルに目をやりながら不思議顔でいる。
あまりジロジロと社長のことを勘ぐられてもまずいと思ったわけか、冰はとっさに話を別の方へと振った。
「ええ、今はちょっと別行動でして。それより張さんはこのホテルでお仕事ですか?」
カジノがオープンするのは大概夜だし、まだ午前中の内からビシッとスーツ姿で決めているのでそう訊いてみることにする。
「いやぁ、実はね。キミのお父上がシャングリラを任せてくださったお陰で、地元のカジノ協会のお偉方からも信頼を得ることができてね。今は協会の青年部の理事に加えてもらうことができたんだ」
「そうなんですか! それはおめでとうございます!」
「いやいや、何もかもキミたちのお陰だよ! 今までは俺もこの業界の重鎮方には敬遠されていたんだが、こんなふうに仲間に入れてもらえるようになったのは、すべてキミやお父上たちのお陰さ」
「そんな……。でも良かった。俺も嬉しいです!」
「それでね、実は今日は理事会のメンバーとしての初仕事を任されてね。その打ち合わせで出向いて来たというわけなのさ」
「初仕事ですか! それは大変ですね」
「そうなんだ。正直緊張しているところさ」
「……難しいお仕事なんですね? 俺、応援していますね!」
「ありがとう。実はね、今夜、とあるカジノに灸を据えるお役目を仰せつかっちゃってね。キミもディーラーをしていたからよくご存知だと思うが、いわゆる闇カジノというか、イカサマばかりで荒稼ぎしている店があってね。このまま放置すればマカオの評判も地に落ちるって危惧されているんだ。そこで、これ以上お客様に被害が及ぶ前にその店を潰してしまおうという計画なんだ」
「えッ!? 潰しちゃうんですか……?」
「そうなんだ。だが、言うほど簡単なことではないからねぇ。今一度その方法を画策しているというか……最終確認を行っているといったところなのさ」
張が声を潜め気味でそう囁く。本来、関係者以外に暴露していいことではないのだろうが、張にとって周一族であるこの冰は、信頼に値する相手なのだろう。それと同時に、やはり初の大仕事を任されて緊張しているというのも嘘ではないらしく、人畜無害で人柄にも信頼がおける冰に話すことで、気持ちを落ち着けたかったのかも知れない。
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