極道恋事情

一園木蓮

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チェインジング・ダーリン

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 周は紫月にも着替えるように言うと、自らも迅速に態勢を整えた。
「よし、じゃあ里恵子、すまねえがバイクを借りていくぞ。一之宮は俺の後ろに乗ってくれ」
 だが、紫月からは意外な返事が寄せられた。
「いや、俺が転がすからお前はケツに乗ってくれ。万が一俺らの尾行がバレて、やむを得ずの銃撃戦なんかになった場合、俺よりはお前の方が腕がいい。なんせ俺は実戦で撃ったことがねえからな。例えば追跡車のタイヤを撃ち抜くなんて芸当は夢のまた夢だ」
 確かに一理あるが、周にしてみれば自分よりも華奢な紫月に運転させるのもそれはそれで不安が残るところだ。そんな思いが顔に出ていたのか、
「ンなツラすんなって! 大丈夫だ、俺はこう見えても若い頃から遼を乗せて走ってる。体格的には遼もお前も大して変わらねえ。運を天に任せろとは言わねえが――お前の命、俺に預けてくれねえか」
 意思のある瞳でそう言った。長年の付き合いがある周でさえも、ほとんどお目に掛かったことがないキリリとした精悍な表情だ。周はフイと笑むと、進んで後ろの座席にまたがった。
「分かった。じゃあ頼んだぜ!」
 コクリと紫月がうなずく。普段は軽いノリが持ち前の彼のこんなにも研ぎ澄まされた表情を初めて拝んだ気がしていた。
「老板、たった今源次郎さんから最新の情報が届きました。鐘崎の若さんからの伝言です。本日未明、宝飾品用の原石を積んだ船便からの荷物が臨海地区にある倉庫へと大量に納められたとのことで、犯人たちの狙いはその原石を横取りすることのようです。現行でも時価十億は固いそうで、加工を施して製品にすれば価値は計り知れないかと。内覧会に来ていた客を人質にとったのも倉庫の警備を脆弱にし、犯行をしやすくする為と思われます」
「なるほど、目的はそれか。とすると、荷を動かす算段もできているはずだ。奪ったブツをそのまま倉庫に置いとくわけはねえだろうからな」
「積荷の移動手段については源次郎さんが既に調査に乗り出してくれているとのことです。臨海倉庫の場所は鐘崎組からの方が近いので、原石の略奪阻止は組の皆さんが動いてくださるそうです。私共は源次郎さんと合流して鐘崎の若さんたちを含めた人質の救出に当たって欲しいとのことです。それから、以後しばらくは鐘崎の若さんからも通信が途絶えるとのことですので、おそらくは犯人が人質たちの携帯電話を取り上げたものと思われます」
「分かった。だが、さすがカネだな。携帯を没収される前に必要な情報をすべて伝えてよこした」
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