極道恋事情

一園木蓮

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チェインジング・ダーリン

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 この緊急時に迅速且つ的確な判断で動いている友に敬意を表すると共に、今では懐かしき子供時代からの訓練を脳裏に思い浮かべ、自らも気を引き締める周であった。
「鐘崎の若さんの推測ですと、人質を乗せたバスを追跡させることで警察の目を釘付けにし、手薄になった倉庫からブツを奪った後に何処かで人質ごとバスを乗り捨てるのではないかと。事前にこちらでバスの行き先が分かればいいのですが――」
「さすがにそこまでは見当がつかんな。とにかく撒かれねえようにしっかり追跡することに集中しよう」
「はい。人質の安全を最優先ということで、倉庫に向かった鐘崎組の皆さんも一旦は犯人一味に原石を奪わせるとのことです。略奪が成功したと思わせ、バスを乗り捨てたところで倉庫の方の犯人を確保。我々はバス内の人質の救出と共に同乗している犯人たちを押さえられればミッションクリアです」
「分かった。バスの方の犯人確保は警察も動くだろうから、まずは人質救出を第一とする」
 手順の最終確認をしている中、遠くの方からパトカーと消防のサイレンの音が近付いてくるのが分かった。
「警察も動き出したようだな」
「老板、バスが出ます」
「よし、各自追跡準備につけ」
『了解』
 五台各車の無線からキリリとした返答がなされ、一同は鐘崎と冰らを乗せたバスの追跡に当たることとなった。



◇    ◇    ◇



 一方、その少し前のことだ。
 支配人から相談を受けた鐘崎は、すぐに事務所を出て内覧会の催される会場へと向かった。犯人一味が紛れ込んでいないかの確認と共に爆発物などの細工が仕掛けられていないかを確かめる為だ。
 場内を見渡せる照明コントロール室へと案内してもらい、ザッと確認したところ、客たちにウェルカムドリンクや軽食を提供するウェイターらしき一団が目についた。
「飲食物はケータリングを依頼されたのでしょうか」
 支配人に尋ねると、その通りだとうなずいた。
「イベントの際にはいつもお願いしているホテルに頼みました」
「サーバーの男性が十人ほど見受けられますが、少々人数が多いように感じます。彼らの中に知った顔ぶれはありますか?」
「いえ、そういえば今日のような規模の内覧会にしては多いですね。開店ということで気を遣ってくださったのかと思っておりましたが……。それに、ウェイターの方々は毎回同じメンバーというわけではないので、特に見知った顔の方はいらっしゃらなかったと記憶しております。朝に一度皆さんと挨拶はしましたが、受注時に相談に乗ってくださるのは営業部の方ですので……。いつもでしたら担当の営業マンがついて来られるのに、今日はいらっしゃらないなぁと思っておりました」
「なるほど」
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