極道恋事情

一園木蓮

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チェインジング・ダーリン

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「そういやそうだな。パートナーチェンジ――というか、チェインジングパートナーってところか」
「確かそんな歌があったっけな。洋楽でめちゃくちゃ有名なやつだ」
「あー、それ聴いたことある! ダンスの相手を次々変えていくんだけど、最終的にはアナタの腕の中に帰りたいって曲だろ?」
「だったら今回はチェインジングダーリンって感じですかね? 俺と紫月さんにとっては旦那様をチェンジして事件に立ち向かったっていうことで」
「おお、いいこと言うな冰! まさにチェインジングダーリンだ」
「で、無事に事件が解決したから今度は本来の旦那のもとへ帰るってことだな?」
「つまり……お帰りハニーとなるわけだ」
「お! 座布団一枚、いや……三枚だ!」
「はは! 三枚とは豪勢だな! ってことでマイハニー、いつもの腕の中へ飛び込んで来い!」
 周と鐘崎が両手を広げて嫁たちを抱き締めんと不敵な笑みを見せる。そうされて照れつつも、これだけの大きな事件を乗り越えた直後だ。安堵感も手伝ってか紫月と冰の二人は素直に亭主の腕の中へと抱き付いた。
「ただいまダーリン! なんつってー!」
 紫月はおどけながらもチュッと亭主の額に口付けを落とすサービスぶりで、冰の方は仔犬のように丸まっては大きな腕の中にすっぽりと収まっている。さっきまでのことが夢幻のようにいつもの光景が戻ってきた瞬間だった。
「まあお熱いこと! 眼福だわね!」
 里恵子に囃し立てられてドッと場が湧き、小春日和の陽射しが穏やかな日常を祝福するかのようにやわらかに降り注いだのだった。
「ん! こいつぁ我が嫁たちを労う為にもゆっくりバカンスでも考えにゃいかんな」
 鐘崎がそんなことを口走れば、周もその通りだとうなずき、紫月も冰も途端に目を輝かせた。
「うっは! やったな冰君!」
「はい! 楽しみです!」
「よし! それじゃ今年の年末年始は長めのバカンスといくか」
「そうだな。例年通り国内でもいいが、いっそ海外で羽を伸ばすのも悪くねえ。仕事との兼ね合いでどっちか寛げる方にするか。その前にクリスマスパーティーもせにゃいかん。紫月、今年はどんなケーキがいい?」
 下手をすれば九死に一生というくらいの事件に遭った直後というのに、まるで真逆のクリスマスケーキの話を楽しそうにする鐘崎には苦笑させられるところだが、さすが極道の世界で育っただけあってか肝が座っているとでもいおうか。それに対して同じテンションで即乗ってみせる伴侶たちもまた頼もしい姐なのである。それを証拠に紫月も冰も頭の中はすっかりクリスマスモードのようだ。
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