439 / 1,212
極道たちのクリスマスパーティー
14(極道たちのクリスマスパーティー 完結)
しおりを挟む
「当ったりー! 俺ら四人の色を一緒に飾ったら縁起がいいんじゃねえかと思ってさ。勝手にデザイン考えさせてもらった! ウチの組の玄関にも同じのを飾ったんだぜ」
「わぁ! 素敵ですね! 紫月さんたちのお宅の方のも見てみたいです!」
「ん! 是非見に来てくれよ! 松の内の間はずっと飾ってあっから」
「はい、是非! 楽しみだなぁ」
嫁二人が盛り上がっていると、旦那組の周と鐘崎が揃ってやって来た。
「紫月、そっちは若い衆に任せてちょっとこっちを手伝ってくれ」
「冰も来い。いいものを見せてやるぞ」
手招きされて、紫月と冰は期待顔で亭主たちの元へと駆けて行った。連れて行かれたのはツインタワーの間に位置する広大な中庭である。
「真田がクリスマスツリー用に取り寄せた例のもみの木をな、社の中庭に植樹することにしたんだ」
周からそう聞かされて、冰は大感激といったように飛び跳ねて喜んだ。
「ホント? じゃあこれからは毎日あの木が見られるんだね!」
「お前が名残惜しそうにしてただろ?」
そうなのだ。クリスマスパーティーの夜、冰が一人部屋を抜け出してこのツリーを見上げていたのが印象に残っていたのだろう。
「俺の為……?」
「ああ。もちろんそれが第一だが、ウチ用にはもう一つ別のツリーもあることだし、こっちのでけえ木はしっかり手入れして、来年は社の皆んなで楽しめるようにすりゃいいと思ってな」
「わぁ、それ最高! ここなら社の皆んなが見られるし、春とか秋にはこの木の下でお昼ご飯食べたりもできそうだよね」
ランチタイムには近隣のカフェやレストランに出向く者もいるが、弁当持参で来る社員たちも多い。そんな彼らにとっても憩いの場になったらいいと冰が嬉しそうに話す。
「それじゃベンチやテーブルなんかも置いて、ちょっとした青空カフェみてえにするか。社食から中庭にも出られるし、外でも食えるようにすれば皆の気分転換にもなるだろう」
「それはすごいね! 社員さんたちもきっと喜んでくださるね!」
周にとってはこんなふうに社員たちのことを気遣って、まるで我が事のように喜ぶ冰の笑顔が何よりも眩しく思えるのだった。
「来年も再来年も……そのまた来年も、ずっとずっとこの木が少しずつ大きくなっていくのを見ていたいな」
植樹の様子を見上げながらそう呟く冰の脳裏には、きっと周と二人で見守っていきたいという想いが込められているのだろう。紅潮する彼の頬と穏やかで幸せそうな笑みがそう物語っている。
「俺の側で、ずっと――な?」
「あ、分かった?」
「お前の考えてることは俺の思いと一緒だからな」
「うん! うん、そうだね!」
まるで『白龍大好き!』と言わんばかりに何度もうなずいて頬を染める仕草が本当に可愛らしかった。
そんな二人を側で見守る鐘崎と紫月もまた幸せそうに肩を並べている。年の瀬の午後の陽射しがそんなカップルたちをやわらかに包み込んだのだった。
極道たちのクリスマスパーティー - FIN -
「わぁ! 素敵ですね! 紫月さんたちのお宅の方のも見てみたいです!」
「ん! 是非見に来てくれよ! 松の内の間はずっと飾ってあっから」
「はい、是非! 楽しみだなぁ」
嫁二人が盛り上がっていると、旦那組の周と鐘崎が揃ってやって来た。
「紫月、そっちは若い衆に任せてちょっとこっちを手伝ってくれ」
「冰も来い。いいものを見せてやるぞ」
手招きされて、紫月と冰は期待顔で亭主たちの元へと駆けて行った。連れて行かれたのはツインタワーの間に位置する広大な中庭である。
「真田がクリスマスツリー用に取り寄せた例のもみの木をな、社の中庭に植樹することにしたんだ」
周からそう聞かされて、冰は大感激といったように飛び跳ねて喜んだ。
「ホント? じゃあこれからは毎日あの木が見られるんだね!」
「お前が名残惜しそうにしてただろ?」
そうなのだ。クリスマスパーティーの夜、冰が一人部屋を抜け出してこのツリーを見上げていたのが印象に残っていたのだろう。
「俺の為……?」
「ああ。もちろんそれが第一だが、ウチ用にはもう一つ別のツリーもあることだし、こっちのでけえ木はしっかり手入れして、来年は社の皆んなで楽しめるようにすりゃいいと思ってな」
「わぁ、それ最高! ここなら社の皆んなが見られるし、春とか秋にはこの木の下でお昼ご飯食べたりもできそうだよね」
ランチタイムには近隣のカフェやレストランに出向く者もいるが、弁当持参で来る社員たちも多い。そんな彼らにとっても憩いの場になったらいいと冰が嬉しそうに話す。
「それじゃベンチやテーブルなんかも置いて、ちょっとした青空カフェみてえにするか。社食から中庭にも出られるし、外でも食えるようにすれば皆の気分転換にもなるだろう」
「それはすごいね! 社員さんたちもきっと喜んでくださるね!」
周にとってはこんなふうに社員たちのことを気遣って、まるで我が事のように喜ぶ冰の笑顔が何よりも眩しく思えるのだった。
「来年も再来年も……そのまた来年も、ずっとずっとこの木が少しずつ大きくなっていくのを見ていたいな」
植樹の様子を見上げながらそう呟く冰の脳裏には、きっと周と二人で見守っていきたいという想いが込められているのだろう。紅潮する彼の頬と穏やかで幸せそうな笑みがそう物語っている。
「俺の側で、ずっと――な?」
「あ、分かった?」
「お前の考えてることは俺の思いと一緒だからな」
「うん! うん、そうだね!」
まるで『白龍大好き!』と言わんばかりに何度もうなずいて頬を染める仕草が本当に可愛らしかった。
そんな二人を側で見守る鐘崎と紫月もまた幸せそうに肩を並べている。年の瀬の午後の陽射しがそんなカップルたちをやわらかに包み込んだのだった。
極道たちのクリスマスパーティー - FIN -
22
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる