極道恋事情

一園木蓮

文字の大きさ
770 / 1,212
身代わりの罠

15

しおりを挟む
「カネと……女の方は例のクラウス・ブライトナー警護の任務に当たっているエージェントのメビィか? いったいどういうこった」
「音声も上がっています……。ですが……」
「構わん、再生しろ」
「は……」
 李が再生すると、鐘崎と思われる声がやたらと淫らな台詞を連発しながら女とまぐわり合っている様子が聞こえてきた。

『あなたに奥様がいることは分かっているわ。でもいいの。気にしないで』
『遊びでもいいってのか?』
『ええ、そう。例えいっときでもあなたと思いを通わせ合えるならそれだけで充分よ。もちろん奥様には黙っているから安心して。今はアタシのことだけ考えてちょうだい』
『なんて女だ。可愛いことを言ってくれる……』
『ねえ、遼二。今日はアタシ主導で動いてあげる……。普段奥様がやってくれないようなこともしてあげる』
『……は、いったいどんなことをしてくれるんだか』
『ふふ、こういうことよ』
『……ッあ』
『ね、気持ちいいでしょう? もっと淫らなこともしてあげるから。だからアナタも躊躇しないでアタシを求めて』
『ふ、堪んねえな。大胆な女だ』
『大胆な女はお嫌い?』
『いや、そうじゃねえが……』
『ふふ、そんな顔しなくても大丈夫よ。今夜のことは口が裂けても絶対誰にも言わないから。奥様にバレる心配はないわ』
『ああ……そう願いたいね』

 会話の内容も信じ難いが、興奮したような吐息まじりで、音声だけでも淫らな映像が脳裏に浮かぶようだ。もっと驚くべきはその後に続けられた二人の艶めかしい嬌声だった。画像には女が鐘崎の腹の上で絶頂を迎えているような場面も映し出されている。
「どうなっていやがる……。こんなモンが裏の世界の掲示板に上がっているなんざ……」
 さすがの周もすぐには状況を理解出来ずにいるようだ。
「李、とにかく鄧を呼んでくれ。ヤツは昨日もカネたちと一緒に病院の視察に付いて回っていたはずだ」
「かしこまりました。すぐに!」
 そうして鄧がやって来たが、画像と音声を確認させたところ、やはり驚き以外の何ものでもないといった反応を見せた。
「昨夜も視察から帰った後、お二人を特別室にお送りし、私は一昨日同様そこで失礼しました。遼二君もその後コネクティングルームからすぐに帰宅したはずですが……」
「だがこの画像だ。鄧が帰ってからカネは女の部屋に残ったということか」
「まさか……! 確かにこの女の方は遼二君に対して必要以上にベタベタとしていた感はありますが、遼二君の方では面倒そうにされていましたし」
 鄧は昨日一昨日の様子を詳しく周に話して聞かせた。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。 2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました 2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。 様々な形での応援ありがとうございます!

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...