極道恋事情

一園木蓮

文字の大きさ
1,056 / 1,212
陰謀

プロローグ

しおりを挟む
 雪吹冰にとって幼い頃自分を窮地から救い上げてくれた漆黒の男、周焔との暮らしは大いなる幸せであり、信じられないくらいの深い愛情に包まれていることは言わずもがなだ。もちろん周と人生を共にすることで、これまで様々驚かされるような事件に巻き込まれたりしてきたのは事実だ。普通に生きていたならばおおよそ体験しないような事柄も多々あった。中でも一番多かったのが見知らぬ誰かに突如連れ去られる――などといった、いわば拉致だ。
 周焔は表向き大きな商社を経営する企業人で、年若くして大成功といえるだろう人生を歩んでいる精鋭だ。
 だがその素性は平凡とはかけ離れた裏の世界に身を置くマフィアである。彼の父親は香港の裏社会を仕切る組織の頂点にいる人物で、故に付き合いのある周囲の人々もまた、ほぼすべてが裏の世界に身を置く者たちといえる。側近の李、劉、医師の鄧、親友の鐘崎遼二と紫月、その他香港のファミリー。
 だがその誰もが信頼のおける人々で、今では本当の家族同然の付き合いでいる。例え拉致に遭おうと事件に巻き込まれようと、皆で力を合わせて乗り切ってきた仲間といえる。
 ある意味波瀾万丈ともいえる中、周りの人々との固い絆によって結ばれ、冰は幸せな人生を送れていた。そんな冰にとって、そしてその亭主である周焔にとってもさすがに驚かざるを得ない出来事が降り掛かろうとは、周囲の仲間たちを含め誰もが予想できずにいた。

 周と冰にとって互いの絆を試される、そんな波乱の日々が幕を開けようとしていた。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...