極道恋事情

一園木蓮

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陰謀

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 そんな時に自分たちがいれば、少しでも精神面で支えてやることができるだろうと鐘崎は言ってくれたが、周は有り難くもやはりここは夫婦だけで向き合うべきだと言って微笑を見せた。
「冰には俺が言う。だがお前らの気持ちは本当に有難い。今後も世話のかけ通しになると思うが――すまねえ」
 真摯に頭を下げる周に、鐘崎もまたどんなことでも力になるから遠慮せずに言ってくれとうなずいた。

 その夜、冰が帰宅すると早速に周は事の次第を打ち明けることにした。
「冰――大事な話がある。お前を驚かせることになると思うが聞いてくれ」
「白龍……? うん、何でも言って」
 冰にしてみても亭主の真剣な表情から普段と少々違う雰囲気が感じ取れるのだろうか、不安げながらも言葉通りどんなことでも受け止めるよといった穏やかな顔つきを見せながら微笑んでくれた。
「実はな――」
 周は十五年前の鉱山での事故のことから、今夜あった出来事までを包み隠さずにすべてを告げた。
 さすがの冰も、当然だが驚いたようだ。しばらくはポカンとしたような表情で上手くは言葉にならなかったようだが、それでも嘆いたり詰ったりせずに精一杯の誠意で向き合ってくれた。
「……そっか……。そんなことがあったんだ」
「あれはお前と出会う少し前のことだった。当時俺は十八歳になったばかりの頃だ――」
 周が繁華街の抗争から幼き冰を救ったのは、それから一年以上後のことだったそうだ。
「正直なところ鑑定結果が出るまでは――俺自身肯定も否定もできないのが申し訳ないところだ……」
 お前がどんなに心を痛めるかというのも重々分かっているだけに本当にすまないと言って周は頭を下げた。
「そんな……申し訳ないないなんて……! そんなこと言わないで白龍! 白龍とお兄様を救ってくださったご家族なんだもの。俺が今こうして白龍と居られるのも……巡り会えたのも、そのご家族のお陰だもの」
 冰は確かに驚いたものの、それに対して取り乱したり嘆いたりすることはしなかった。
「白龍……あのさ、俺……どんな結果が出ても……白龍と一緒に考えていきたいよ。話してくれてありがとう」
 そう言ってそっと手を取り、包み込んでくれた。
 もしもその息子というのが本当に周の子だった場合、本来ならば親子三人の為に自分が身を引くべきだと――心やさしい冰のことだからそんなことを言い出さないとも限らないと、周は少し不安の思いもあった。だが冰は誰かが身を引いて我慢するとか、そういったことではなく、皆が無理なく一番良い方法で進めるように共に考えたいと言ってくれた。周にはそんな冰の思いが有り難くてならなかった。
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