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一園木蓮

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6. Red Zone

Red Zone 2話

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 一度イッたままでだらしなく投げ出された脚先、腹には白濁の蜜が乱れ飛び、淫らにとろけた瞳は視点さえもおぼつかない。
 あられもないこんな格好の自分をもしも龍が見ていたら――などと想像すれば、すぐにも次の欲情が全身をビリビリと這いずるようだ。
 そう、今ここに龍がいればどうするだろう。『自分でやったのか? 俺に抱かれんのを想像したら我慢できなくなっちまったんだろう』などと意地悪く笑うだろうか。

『見ててやるからここでやってみろ』

 そんなふうに強要されたらどうだろう。
 意地悪なあの男のことだ。こんなことがバレたとしたら、有り得ない話じゃないかも知れない。そんな妄想がよぎれば、ますます膨れ上がった欲情にのた打ち回りたくなる。
「……んっ、龍ッ……りゅっ、ぁっ……」
 我慢せずに嬌声を上げれば、自らのいやらしい声色にすら欲情を煽られる。すぐにもあの龍に抱かれたくてたまらなくなってくる。
 今ここにアイツがいれば、どんなふうに扱ってくれるだろう。
 波濤はまたも我慢できずに、白濁まみれの指先を自身の蕾に突っ込んでは掻き回した。
 もう雄をしごいただけでは満足できなくなっている。龍によって教えられた――後孔の――ある箇所でのみ叶えられる快感が忘れられないのだ。
 そこを弄ると必ずといっていいほど大胆になる。部屋にはたった独り、誰に聞かせるわけでもないのにとびきりいやらしい嬌声を放ってみたくもなる――。
「龍……やりてえ……お前にられてえ……もっと、ん……もっとそこ……弄って……」

――そう、めちゃくちゃにしてくれ!

「マジ、やべえって……これじゃ俺、はっきし言ってヘンタイ……」
 次に龍の部屋を訪れるまでの中つなぎの日々、こんな虚しい自慰行為にふけっていること自体が信じ難くもある。無論、当の本人に内緒なのは言うまでもない。彼の前では極力クールを装い、余裕のあるふりを演じるのも正直くたびれる代物だった。



◇    ◇    ◇



 だから今日は少し暴走気味だ。
 久しぶりに取った休日――今やナンバーワンを譲ったり譲られたりのお互いが同時に休みを取れる機会など、そうそう巡っては来ない。それでも無理を承知で合わせた休日のせいか、今日は龍の方も同様の心持ちなのだろう、部屋に着くなりどちらからともなく互いを求め合った。
 相変わらずの濃厚なくちづけは、待ち焦がれた波濤の欲を満たし、更なる火を点けるに余りあった。キスの合間に、逸る気持ちのままに互いの服を剥ぎ、脱がし合う。
「……それ、……よせって、龍……っあ、……りゅっ」
 背筋に指先で線を引かれてビクビクと身体が震え、目の前の胸板にしがみ付きたい衝動に駆られる。背筋そこが案外敏感な箇所と知っていて、わざと何度も線を引くこの男が憎らしくもあり、だが身体は快楽にまみれきって叫び出したいような感覚に襲われている。知らずの内にしがみ付き、自らの胸飾りの先端を彼の胸板に撫で付けていたことに気が付いて、波濤はカッと頬を赤らめた。
「今日は随分積極的なんだな? そういやお前、ここ好きだもんな? いつもココを弄るとたまんねえって表情かおする」
 クスッと軽い笑みと共に、ニヤリとひん曲げられた唇が視界をよぎれば、下腹辺りが掬われるようだった。
 ドクドクという血の流れまでもがわかるくらいに羞恥心がこみあげる。夢中になり掛けていたのを一気に現実に引き戻されたようで、顔から火が出る程に恥ずかしくなって、波濤はそれらを隠さんとキッと龍を睨み付けた。
「……てめえだって……充分エロいツラしてんじゃね……か……! ヒトのこと言えね……だろ」
 自分だけが乗り気満々に思われたのが恥ずかしくて、半ば乱暴に彼をベッドへと仰向けに押し倒し、波濤は龍の腹の上で馬乗りになった。

 そうされて僅かに面食らったような様子は意外だ。龍の焦った顔などそうそう見られるものではないからだ。
 図らずも自らは不思議と冷静になっていくようで、それと共に少しの意地悪心がこみ上げた。
 店でも家でも常にクール気取りで、自分だけは余裕たっぷりのその態度が癪にも思えて、悪戯心に火が点いてしまったのだ。
 こんなふうに組み敷いてやるのもたまにはいいじゃないか。そうされてもっと焦る顔を見てみたい。波濤は先程からの仕返しのように唇をゆるめてみせた。
「たまにはいいだろ? こーゆーのも新鮮じゃねえ?」
 立場逆転とばかりに鼻高々に頬を撫で、唇をなぞりこじ開けて、軽く指先を突っ込んで歯列を割ってみる。いつもされていることをそのままに返してやったらどんな表情をするだろうと思うと、別の意味で気持ちが昂ぶった。
 なんだか征服感が心地よくて、波濤は上機嫌のままに、しばし龍の腹上で彼のあちこちを撫でたりしながら悪戯を楽しんでいたが、
「確かに悪くねえかな? お前主導で騎乗位ってのも」
 ニヤリと不適にそう返されて、瞬時に立場返上――再び恥ずかしさに紅潮させられてしまった。
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