【完結】婚約破棄された公爵令嬢、やることもないので趣味に没頭した結果

バレシエ

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戦が始まってしまいそうですわⅢ

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「旦那様、王城より使者が参りました。どういたしますか?」
「ほう、どのような弁解をするか興味があるな。わかった。オリビア、少し席を外すよ」

 執事が部屋に入ってくるなり、お父様に用件を伝えました。
 どうやら王城からの使いが来たようですね。

 窓から使者の姿が見えますが、殺気立った兵たちに委縮して震えています。
 まあ、あれだけの殺気に曝されたら仕方ありませんわね。すこし不憫です。

「わかりましたわ。あの、くれぐれも穏便にお願い致しますね?」
「ふむ、まあ善処しよう。オルスタット、お前も一緒に来なさい」
「はい、父上! 奴らに目にものを見せてやりましょう!」

 そう言ってお兄様を連れて意気揚々と部屋を出て行きます。
 これはあれですわ……。善処しないタイプの善処するですわ……。
 どうにも嫌な予感がします。

 ……あ、使者の方が吹っ飛びましたわ……。

 わたくしの予想は見事に当たり、窓の外ではお父様が使者の方を殴り倒し、お兄様の扇動のもと、王家の紋章入りの馬車を打ち壊して、挙句燃やし始めたではありませんか……。

 もうダメですわこれ……。完全に宣戦布告です……。

「ああ……我が家が終わってしまいましたわ……」
「オリビアお嬢様、お気を確かに!」

 崩れ落ちるわたくしにソフィアが駆け寄ってきます。

「ええ、大丈夫よ。ただ、我が家の終焉を実感しただけですわ……」
「そんな……まだ諦めるのは早いですよ!」
「ありがとう、ソフィア。あなたは優しいですね。でも、もう無理ですわ……」
「お嬢様……ぐすん……」

 涙を浮かべるソフィアを抱き締めて頭を撫でてあげます。
 ごめんなさいね、ソフィア。わたくしにはもう何も出来ませんわ。

「オリビア! どうだ見たか!? 舐めたことを言った使者をぶっ飛ばしてやったぞ!」
「お兄ちゃんの雄姿も見てくれたか!? 王家の馬車を戦争開始の狼煙にしたんだ! 我ながらナイスアイデア!」

 わたくしとソフィアが涙の抱擁を交わしていると、呑気な二人組がガハハッと笑いながら帰って来るではありませんか。

「……お父様、お兄様の馬鹿ぁあああ!」

 わたくしは怒りに任せて、枕を投げつけました。

「善処すると言ったではありませんか!? なにゆえ宣戦布告するのですか!?」
「お、おぉ……いや……オルスタットがな、けしかけてきたのだ」
「なっ! 父上ずるいですぞ! 父上が『これやっちゃっていいよね?』と言うから頷いただけではありませんか!?」
「もう二人とも出て行ってください!!」

 わたくしはベッドに潜り込み、お父様とお兄様に出ていくよう言いつけました。
 お父様もお兄様もオロオロしながら顔を見合わせています。

 もう! 殿方はアホばっかりです!
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