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第一部 神龍の愛し子と神聖魔法
07.神聖魔法1
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「アル、奉納が終わったら、神聖魔法の修行を始めましょう」
ハデスがアルバートにそう言ったのは、七日かけて行われた祈りの儀が終わり、アルバートも神官としての生活に慣れてきたある日のことだった。
祈りの間でマナを神龍に奉納していたアルバートは、神聖魔法と聞いて思わず目を輝かせる。
それは彼の日課であったが、彼の集中の乱れを敏感に察知して、空気中を漂っていた光の粒子は瞬く間に空気中に霧散してしまい、跡形もなくなった。
「はい!」
「とても良い返事です。ですが、光の粒子が散ってしまいましたね。いかなる時も集中を絶やさないようにしましょうね」
「あ……」
アルバートはしまった、という顔をして俯く。
「ふふ、大丈夫ですよ。一緒にやりましょう」
ハデスはそう言って微笑むと、アルバートの横に膝をついた。
アルバートもそれに習い、再び祈りを捧げる。しかし、アルバートの手からはいつまで経っても光の粒子は放出されない。
「アルは心ここにあらずといった感じでしょうか」
「すみません……」
ハデスはそう言って苦笑すると、優しくその頭を撫でる。
ハデスの放出する光の粒子は、その間もずっと消えることなく空間をふわふわと漂っている。
「謝ることはありません。これも練習していきましょう」
アルバートが頷いたのを見てハデスは微笑むと、彼の傍に膝をつく。
「さあ、再開しましょう」
そう言うと、彼は自身の魔力を放出する。
その量は尋常ではなく、立ち上る光の粒子は目を奪われるほどに綺麗だった。
「すごい……」
光は決して混じり合うこともなく美しい輝きを放っていて、アルバートは自身の祈りも忘れて思わず感嘆の声を上げる。
その魔力量と、それをコントロールする技量は、アルバートの想像を絶するものだった。
しかし、ハデスはその賞賛に謙遜するように首を振ると、口を開く。
「いえ、まだまだです」
「え?」
アルバートは驚いて声を上げる。
「神聖魔法は扱いが難しく、制御も難しいのです。マナの光で絵を描けるアルなら、私などよりずっとうまく使いこなせるようになります」
「本当ですか?」
「ええ」
そう言って微笑むハデスを見て、彼は本当にそう思っているのだと確信する。
「俺……もっと頑張ります」
「ええ、私も応援していますよ」
やがて光はすべて神像に取り込まれ、室内は薄暗い空間に戻っていく。
ハデスは光の粒子がなくなったのを見届けると、アルバートを立ち上がらせた。
「では、神聖魔法の修行を始めましょう。今日は天気も良いですし、神殿の外でやりましょうか」
「え……?」
ハデスの提案が意外で、アルバートは大きく目を見開いた。
神龍の愛し子はその力の重要性から神殿の外に出ることが固く禁じられている。
神殿には強力な結界が張られていて、それが悪しきものから神龍の愛し子を守っているのだと聞いていた。
アルバートも過去に何度か神殿の外に抜け出そうとしたことがあったが、その全てが神官たちに止められて失敗に終わっていた。
「いいんですか?」
「ええ、今から向かうところは結界を張ってあるので安全ですよ」
ハデスはそう言って微笑む。
外とはいっても作られた箱庭であることに落胆を覚えるが、それでもいつもと違う場所には心が躍るのを感じた。
「神聖魔法の源となるマナは自然界に存在する神秘の力を凝縮したものです。もちろん、神殿内でも神秘の力をマナに変換することはできますが、自然溢れる環境の中の方がより多く取り込むことができるのです。神聖魔法はマナを多く消費するので、神殿の中より外の方が良いのです」
ハデスはそう言って微笑むと、アルバートの手を引いて神殿の外に出て、森の奥に向かって歩き始めた。
ハデスがアルバートにそう言ったのは、七日かけて行われた祈りの儀が終わり、アルバートも神官としての生活に慣れてきたある日のことだった。
祈りの間でマナを神龍に奉納していたアルバートは、神聖魔法と聞いて思わず目を輝かせる。
それは彼の日課であったが、彼の集中の乱れを敏感に察知して、空気中を漂っていた光の粒子は瞬く間に空気中に霧散してしまい、跡形もなくなった。
「はい!」
「とても良い返事です。ですが、光の粒子が散ってしまいましたね。いかなる時も集中を絶やさないようにしましょうね」
「あ……」
アルバートはしまった、という顔をして俯く。
「ふふ、大丈夫ですよ。一緒にやりましょう」
ハデスはそう言って微笑むと、アルバートの横に膝をついた。
アルバートもそれに習い、再び祈りを捧げる。しかし、アルバートの手からはいつまで経っても光の粒子は放出されない。
「アルは心ここにあらずといった感じでしょうか」
「すみません……」
ハデスはそう言って苦笑すると、優しくその頭を撫でる。
ハデスの放出する光の粒子は、その間もずっと消えることなく空間をふわふわと漂っている。
「謝ることはありません。これも練習していきましょう」
アルバートが頷いたのを見てハデスは微笑むと、彼の傍に膝をつく。
「さあ、再開しましょう」
そう言うと、彼は自身の魔力を放出する。
その量は尋常ではなく、立ち上る光の粒子は目を奪われるほどに綺麗だった。
「すごい……」
光は決して混じり合うこともなく美しい輝きを放っていて、アルバートは自身の祈りも忘れて思わず感嘆の声を上げる。
その魔力量と、それをコントロールする技量は、アルバートの想像を絶するものだった。
しかし、ハデスはその賞賛に謙遜するように首を振ると、口を開く。
「いえ、まだまだです」
「え?」
アルバートは驚いて声を上げる。
「神聖魔法は扱いが難しく、制御も難しいのです。マナの光で絵を描けるアルなら、私などよりずっとうまく使いこなせるようになります」
「本当ですか?」
「ええ」
そう言って微笑むハデスを見て、彼は本当にそう思っているのだと確信する。
「俺……もっと頑張ります」
「ええ、私も応援していますよ」
やがて光はすべて神像に取り込まれ、室内は薄暗い空間に戻っていく。
ハデスは光の粒子がなくなったのを見届けると、アルバートを立ち上がらせた。
「では、神聖魔法の修行を始めましょう。今日は天気も良いですし、神殿の外でやりましょうか」
「え……?」
ハデスの提案が意外で、アルバートは大きく目を見開いた。
神龍の愛し子はその力の重要性から神殿の外に出ることが固く禁じられている。
神殿には強力な結界が張られていて、それが悪しきものから神龍の愛し子を守っているのだと聞いていた。
アルバートも過去に何度か神殿の外に抜け出そうとしたことがあったが、その全てが神官たちに止められて失敗に終わっていた。
「いいんですか?」
「ええ、今から向かうところは結界を張ってあるので安全ですよ」
ハデスはそう言って微笑む。
外とはいっても作られた箱庭であることに落胆を覚えるが、それでもいつもと違う場所には心が躍るのを感じた。
「神聖魔法の源となるマナは自然界に存在する神秘の力を凝縮したものです。もちろん、神殿内でも神秘の力をマナに変換することはできますが、自然溢れる環境の中の方がより多く取り込むことができるのです。神聖魔法はマナを多く消費するので、神殿の中より外の方が良いのです」
ハデスはそう言って微笑むと、アルバートの手を引いて神殿の外に出て、森の奥に向かって歩き始めた。
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