8 / 30
異世界からの迷子ショウタ君
しおりを挟む
王室騎士団総団長マーベリックは、この日、2週間の地方巡回を終え、最後の確認場所のイビキ池へ向かった。
ここは魔物が出ると言う事で恐れられ、森の奥にある池の周囲は立ち入り禁止区域になっていた。
「総団長、足跡です!それも子供の大きさです!」
それは騎士が池の湖畔で見つけた。
嘘だろ?と駆けつけると、たしかに子供の足跡に見える。
「付近を捜索しろ。魔物に注意しろよ。!」
間も無く低木の陰に横たわる少年が発見された。
他の人間は確認されず少年1人のようだ。
少年は息をしているが呼び掛けても応じない。
「至急、王都へ連れて行く。急げ!」
到着後、王城の医師による治療が始まった。
「 総団長、少年は飢餓状態です。危ない所でした。何日も食べてないようです。」
もしや少年は、、
マーベリックはイビキ池の秘密の場所を思い浮かべていた。
医師の治療により少年が意識を回復したと報告があがってきた。
マーベリックはケイコに少年の世話をさせる事にした。
「ケイコ、少年はお前の世界から来たかもしれん。そのつもりで慎重に世話を焼いてくれ。」
「えっ!それが本当なら、どれだけ寂しい思いをしたんでしょう。」
ケイコは自身の経験から誰よりもその寂しさがわかる。明日から頼むと言ったのに今から行くと早速、登城して行った。
「こんにちわ。私はケイコよ。貴方のお名前は?」
「ショウタ」
「いい名前ね。気分はどう?ご飯は何が好きなの?」
「体が重いの。直ぐに眠くなるよ。オムライスが好き。
ねぇー、ママとパパはどこ?誰も教えてくれないんだ。」
「ここには居ないわ。
元気になったら会えるから。
じゃー、早く良くなるようにご飯をいっぱい食べようね。」
ケイコはまずショウタ君に寄り添う事から始めた。
厨房にオムライスを頼んだがこの世界には無かった。つまりショウタ君は、私のいた世界から来た事になる。
「ジャジャーン!
今日のお昼はオムライスだよー。」
「わぁ!ケイコおばさん、嬉しいな。
ママのはねーいつもケチャプで名前を書いてくれるの。
ねーいつになったらママに会えるの?」
毎日、ママに会いたい。と聞いてくる。ケイコも子供と離れて暮らしているので胸が痛み涙が出そうになるのをグッと我慢して明るく振る舞う。
「ショウタ君は、神社に行った?」
「うん。何で知ってるの?入っちゃダメなのに蝶々を見つけて、、、」
ああ、、やはりそうか。。
「急に真っ暗になって、、怖くって、、ママー!
ウッ、ウッ、アッー」
とうとう泣き出してしまった。
「ごめんね。怖かった事を思い出させて。驚いたよね。おばちゃんがギューしてあげる。」
ケイコは抱きしめ頭を撫ぜる。
こんなに幼いのに神様は酷すぎる。
どれだけひもじく心ボソかった事か。
おばさんの私でもどれ程戸惑い泣いたか、、、
「ねぇマーベリック。ショウタ君はこれからどうなるの?」
「今、陛下と宰相とで話を詰めている。
ここでの事は夢だった事にしてアチラの世界へ帰ってもらうつもりだ。」
「えっ!そんな事が出来るの?」
「ああ。今、西のバーさんをこちらに呼びつけている。
バーさんに暗示をかけてもらい、此処の事は忘れてもらう。思い出しても夢だと思うようにする。
ここへの道がバレたら大混乱になるからな。記憶を消すのが妥当だろう。」
「確かにそうだけど、、」
「うん?何か不満か?」
背の高いマーベリックがケイコの頭にポンと手を置き目を見つめる。
「ううん、私もそうされてたのかなぁと思っただけよ。」
マーベリックはもう片方の手をケイコの腰に回し、優しい熱い視線を送る。
「俺を忘れさせるなんて。許可する訳ないだろう。奥様。」
チュと口づけを落とす。
マーベリックは、思い返していた。
彼女の場合は、あの日、騎士として殺めなければいけなかった。
真っ赤な異国の服に金帯姿の怯える彼女に心が動いた。
ほんの一瞬だ。
そのほんの一瞬、剣を下ろすのが遅れた。
そして陛下から「待て」がかかり、彼女の首の皮だけを切った。騎士としては失格だった。
結果、彼女は生き残った。
深い孤独と悲しみにも耐えた。
衛兵からの報告で見に行く度に、
夜の薄暗い渡り廊下の隅で人目を忍んで自分が現れた庭を見下ろし声を殺し泣いていた。
かける言葉が見つからず見守るしか出来なかった。
人生の半分が過ぎた大人でも孤独に耐えるのがやっとだ。
だからこそショウタは早く返してやりたい。
「ケイコ、ショウタを返す時は協力を頼むぞ。アチラでは、お前がショウタの側に居ても違和感がないからな。」
俺達は日本国では目立つからな。と自身の赤い髪を摘んでいる。
「ええ。協力するわ。早く家族の元に返してあげたいわね。」
家族と言う単語を使う時、ケイコは無意識に遠い目をする事に気がついていない。
マーベリックは、これも秘密にしようと思う。
知ったところで、悩みが増えるだけだからな。
「キャー誰か子供が倒れてる!救急車!
誰か!」
周りにいた大人達が駆け寄り直ぐに救急車の手配がされた。
間も無くショウタは病院へ運ばれて行った。
「行ったか?」
「ええ。これで一安心ね。でも本当に暗示は聞いているの?」
「大丈夫だろう。別の神社の近くで見つかったし何とかなるさ。」
「さぁ、帰るぞ。」
「ええ。」
どうか早く家族と再会出来るといいね。日本の警察は優秀だから直ぐに見つかるだろうけど。
元気でね。ショウタ君。
もう、あの神社に入ったら、、鳥居をくぐったらダメだよ。
ここは魔物が出ると言う事で恐れられ、森の奥にある池の周囲は立ち入り禁止区域になっていた。
「総団長、足跡です!それも子供の大きさです!」
それは騎士が池の湖畔で見つけた。
嘘だろ?と駆けつけると、たしかに子供の足跡に見える。
「付近を捜索しろ。魔物に注意しろよ。!」
間も無く低木の陰に横たわる少年が発見された。
他の人間は確認されず少年1人のようだ。
少年は息をしているが呼び掛けても応じない。
「至急、王都へ連れて行く。急げ!」
到着後、王城の医師による治療が始まった。
「 総団長、少年は飢餓状態です。危ない所でした。何日も食べてないようです。」
もしや少年は、、
マーベリックはイビキ池の秘密の場所を思い浮かべていた。
医師の治療により少年が意識を回復したと報告があがってきた。
マーベリックはケイコに少年の世話をさせる事にした。
「ケイコ、少年はお前の世界から来たかもしれん。そのつもりで慎重に世話を焼いてくれ。」
「えっ!それが本当なら、どれだけ寂しい思いをしたんでしょう。」
ケイコは自身の経験から誰よりもその寂しさがわかる。明日から頼むと言ったのに今から行くと早速、登城して行った。
「こんにちわ。私はケイコよ。貴方のお名前は?」
「ショウタ」
「いい名前ね。気分はどう?ご飯は何が好きなの?」
「体が重いの。直ぐに眠くなるよ。オムライスが好き。
ねぇー、ママとパパはどこ?誰も教えてくれないんだ。」
「ここには居ないわ。
元気になったら会えるから。
じゃー、早く良くなるようにご飯をいっぱい食べようね。」
ケイコはまずショウタ君に寄り添う事から始めた。
厨房にオムライスを頼んだがこの世界には無かった。つまりショウタ君は、私のいた世界から来た事になる。
「ジャジャーン!
今日のお昼はオムライスだよー。」
「わぁ!ケイコおばさん、嬉しいな。
ママのはねーいつもケチャプで名前を書いてくれるの。
ねーいつになったらママに会えるの?」
毎日、ママに会いたい。と聞いてくる。ケイコも子供と離れて暮らしているので胸が痛み涙が出そうになるのをグッと我慢して明るく振る舞う。
「ショウタ君は、神社に行った?」
「うん。何で知ってるの?入っちゃダメなのに蝶々を見つけて、、、」
ああ、、やはりそうか。。
「急に真っ暗になって、、怖くって、、ママー!
ウッ、ウッ、アッー」
とうとう泣き出してしまった。
「ごめんね。怖かった事を思い出させて。驚いたよね。おばちゃんがギューしてあげる。」
ケイコは抱きしめ頭を撫ぜる。
こんなに幼いのに神様は酷すぎる。
どれだけひもじく心ボソかった事か。
おばさんの私でもどれ程戸惑い泣いたか、、、
「ねぇマーベリック。ショウタ君はこれからどうなるの?」
「今、陛下と宰相とで話を詰めている。
ここでの事は夢だった事にしてアチラの世界へ帰ってもらうつもりだ。」
「えっ!そんな事が出来るの?」
「ああ。今、西のバーさんをこちらに呼びつけている。
バーさんに暗示をかけてもらい、此処の事は忘れてもらう。思い出しても夢だと思うようにする。
ここへの道がバレたら大混乱になるからな。記憶を消すのが妥当だろう。」
「確かにそうだけど、、」
「うん?何か不満か?」
背の高いマーベリックがケイコの頭にポンと手を置き目を見つめる。
「ううん、私もそうされてたのかなぁと思っただけよ。」
マーベリックはもう片方の手をケイコの腰に回し、優しい熱い視線を送る。
「俺を忘れさせるなんて。許可する訳ないだろう。奥様。」
チュと口づけを落とす。
マーベリックは、思い返していた。
彼女の場合は、あの日、騎士として殺めなければいけなかった。
真っ赤な異国の服に金帯姿の怯える彼女に心が動いた。
ほんの一瞬だ。
そのほんの一瞬、剣を下ろすのが遅れた。
そして陛下から「待て」がかかり、彼女の首の皮だけを切った。騎士としては失格だった。
結果、彼女は生き残った。
深い孤独と悲しみにも耐えた。
衛兵からの報告で見に行く度に、
夜の薄暗い渡り廊下の隅で人目を忍んで自分が現れた庭を見下ろし声を殺し泣いていた。
かける言葉が見つからず見守るしか出来なかった。
人生の半分が過ぎた大人でも孤独に耐えるのがやっとだ。
だからこそショウタは早く返してやりたい。
「ケイコ、ショウタを返す時は協力を頼むぞ。アチラでは、お前がショウタの側に居ても違和感がないからな。」
俺達は日本国では目立つからな。と自身の赤い髪を摘んでいる。
「ええ。協力するわ。早く家族の元に返してあげたいわね。」
家族と言う単語を使う時、ケイコは無意識に遠い目をする事に気がついていない。
マーベリックは、これも秘密にしようと思う。
知ったところで、悩みが増えるだけだからな。
「キャー誰か子供が倒れてる!救急車!
誰か!」
周りにいた大人達が駆け寄り直ぐに救急車の手配がされた。
間も無くショウタは病院へ運ばれて行った。
「行ったか?」
「ええ。これで一安心ね。でも本当に暗示は聞いているの?」
「大丈夫だろう。別の神社の近くで見つかったし何とかなるさ。」
「さぁ、帰るぞ。」
「ええ。」
どうか早く家族と再会出来るといいね。日本の警察は優秀だから直ぐに見つかるだろうけど。
元気でね。ショウタ君。
もう、あの神社に入ったら、、鳥居をくぐったらダメだよ。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる