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マーベリックの秘密
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夫のマーベリックが遠征したので今日も街のクッキー屋で働いていると、見知らぬ少女が訪ねて来て手紙を渡された。
「お返事をもらうように言われてます。」
誰からだろう?宛名はルイーザとある。
知らない名前だった。
「マーベリック様の忘れ物をお渡ししたいので、この者と一緒に来て頂けませんか?」
はて?マーベリックの忘れ物?
ますます、訳がわからないわ。
「マーベリックは何を忘れたのかご存知?」
案内役の少女に問うけれど、首を振っただけだった。
仕方がないわね。
「あなたと一緒に行くから案内してくれるかしら。」
連れて行かれたのは二階建てのキャバクラだった。
あー、なるほど。この世界にもやっぱりあるんだ。と違う意味で感心してしまった。
男が集まる所に必ずあるのは異世界も一緒ね。
「どうぞ、こちらです。」
二階の部屋に案内される。
コンコンコン
「失礼します。マーベリック様の奥様をお連れしました。」
ガチャ
「お待ちしていました。どうぞ。」
赤いドレスで大きな胸元が強調されるドレスを着た派手な金髪美女が現れ椅子を進められた。
お茶を入れる間、チラリと部屋を見回すとテーブルセット、タンスにベットがあった。この人の個室かな?
「はじめまして。私はルイーザと申します。来て頂き申し訳ありません。」
歳は25歳位かな。真っ直ぐに私の目を見てくる。
まるで挑んでくるような目つきだ。
「ええ。マーベリックの妻ケイコと申します。それで、マーベリックの忘れ物を渡したいと言う事だけど?」
ルイーザは、突然クスクスと笑い出した。
「マーベリック様が奥様を娶ったと言うから、どんなゴージャスな美女かと思ったら。ふっ!若さだけじゃない。あなた、私と同じ平民でしょ?」
キャバクラNo.1がお得意が来なくなり愚痴を言う為の呼び出しだったか。早々に切り上げよう。
「私に渡す物が無いのなら帰るわ。
それに、年長者には言葉使いを気をつける事ね。」
私は童顔で髪は白髪がない。黒髪がゆたかで度々40代前半に間違えられたが、この世界では更に若く見られている。
「ちょっと歳上なだけで偉そうに言わないで。そんな貧弱な身体でどうやって取り入ったの?
私はねマーベリック様は戦いから帰る度にこの部屋で朝まで過ごしたのよ。もう何年も。」
あなた、ご存知じゃないでしょ?とねっとりとアゴを上げて言ってくる。
「それが嫁をもらったからもう泊まれないなどと。貴族なら諦めもつくわ。
まさか女の魅力に欠ける小太りの同じ平民だなんて。ふざけてるわよ。」
「そう。
ではマーベリックに泊まってとお願いしたらよいのね。
話は終わりかしら。帰るわね。」
私はあくまでシラッと対応する。
ドアに向かうと、
「これ!マーベリック様に返しておいて。もう、要らないから。」
ルイーザは首から下げていたネックレスをブチと切り外し叫びだした。
「私は、、、私は本気だったのよ!
ずっとずっと、ずっとよ!あなたが知り合う前からずっと私が慰めてきたのよ!
奥様が亡くなってから、私が側にいたのに、、あなたなんか彼の事をろくに知らないくせに!」
彼女の目から大粒の涙が溢れた。
私は彼女の若い素直な感情に思わず微笑んでいた。
私は若く見えても彼女の二倍は生きている。
私にもそれなりのドラマはあった。
恋や愛や別れを知らない訳じゃ無い。
年を重ね今は激しい炎のような愛し方より、ひだまりのじわりと芯から温めてくれる、そんな愛し方に変わった。
ルイーザの激しい愛の形が懐かしい。
「わかったわ。マーベリックと話すといいわ。あなたの気持ちをぶつければいい。遠征から帰ったら必ず来させるわ。」
じゃ、行くわね。と部屋を後にした。
フゥー
マーベリックも男だ。疲れた心と体を癒した人がいても不思議じゃない。
殴ってやりたい程、嫉妬はするけれど、私が側にいた訳じゃないから仕方ない事だ。
それに、、、戦いの後、人肌が恋しく一時の温もりを求めても私が一生知らなければ良い。男ってそんな生き物と思うから。
さぁー、これから帰ってどうマーベリックに話そうか?
ルイーザが日陰者になってもいい。と迫ったら、、、それは、許せない。
今後の為にもキッチリ話をつけさせないと。
マーベリックが遠征から帰ると、ケイコは謎の微笑みを続けていた。
とうとう我慢できなくなりマーベリックが声をかける。
「ケイコ、その微笑みはどうかしたか?俺が原因か?」
「まぁ~流石!王宮騎士団総団長様!正解よ。
ふふふ。ちょっと待ってて。」
ケイコは小箱の中からネックレスを取り出した。
「あなたに返してだって。ふふふ。」
マーベリックは、椅子から立ち上がる程、驚いて口を開けているが、声にならなかった。
「ふふふ。私、貴方が必ず訪ねるからと約束してきたのよ。必ず行ってね。」
こんなに動揺しているマーベリックを見たのは久しぶりだわ。
まだ言葉が見つからないでいる。
私も平気なフリをしても、やっぱり嫉妬せずにいられない。
「話がつくまで私は客間で寝ますからね。では。」
ニッコリ微笑み部屋を出ようとしたら、マーベリックに身体を引き寄せられた。
「俺が愛してるのはお前だけだ。」
「ふふふ。亡くなった奥様とでしょ?」
今日の私は少し意地悪だ。
マーベリックの片眉が上がっている。
何か文句のある時の癖だ。
「お前こそどうだ?夫君の事をまだ愛してるだろう?」
私は元いた世界では結婚をしていて旦那も子供いた。折角元の世界に戻れたのに全てを捨ててマーベリックのいる異世界を選んだのだ。
だからそんな事無いに決まっているのに。
「さぁ、どうかしら?ふふふ。」
嫉妬したマーベリックがカブリつくような口づけをしてくる。
この口づけは誰の嫉妬を鎮めるものなのかしら?
私もそっと貴方の頬に手を添える。
お願いよ。
ルイーザとは飲み友達でも嫌よ。
もう2人きりで会わないでね。
私は貴方無しではこの世界で生きていけないのだから。
「お返事をもらうように言われてます。」
誰からだろう?宛名はルイーザとある。
知らない名前だった。
「マーベリック様の忘れ物をお渡ししたいので、この者と一緒に来て頂けませんか?」
はて?マーベリックの忘れ物?
ますます、訳がわからないわ。
「マーベリックは何を忘れたのかご存知?」
案内役の少女に問うけれど、首を振っただけだった。
仕方がないわね。
「あなたと一緒に行くから案内してくれるかしら。」
連れて行かれたのは二階建てのキャバクラだった。
あー、なるほど。この世界にもやっぱりあるんだ。と違う意味で感心してしまった。
男が集まる所に必ずあるのは異世界も一緒ね。
「どうぞ、こちらです。」
二階の部屋に案内される。
コンコンコン
「失礼します。マーベリック様の奥様をお連れしました。」
ガチャ
「お待ちしていました。どうぞ。」
赤いドレスで大きな胸元が強調されるドレスを着た派手な金髪美女が現れ椅子を進められた。
お茶を入れる間、チラリと部屋を見回すとテーブルセット、タンスにベットがあった。この人の個室かな?
「はじめまして。私はルイーザと申します。来て頂き申し訳ありません。」
歳は25歳位かな。真っ直ぐに私の目を見てくる。
まるで挑んでくるような目つきだ。
「ええ。マーベリックの妻ケイコと申します。それで、マーベリックの忘れ物を渡したいと言う事だけど?」
ルイーザは、突然クスクスと笑い出した。
「マーベリック様が奥様を娶ったと言うから、どんなゴージャスな美女かと思ったら。ふっ!若さだけじゃない。あなた、私と同じ平民でしょ?」
キャバクラNo.1がお得意が来なくなり愚痴を言う為の呼び出しだったか。早々に切り上げよう。
「私に渡す物が無いのなら帰るわ。
それに、年長者には言葉使いを気をつける事ね。」
私は童顔で髪は白髪がない。黒髪がゆたかで度々40代前半に間違えられたが、この世界では更に若く見られている。
「ちょっと歳上なだけで偉そうに言わないで。そんな貧弱な身体でどうやって取り入ったの?
私はねマーベリック様は戦いから帰る度にこの部屋で朝まで過ごしたのよ。もう何年も。」
あなた、ご存知じゃないでしょ?とねっとりとアゴを上げて言ってくる。
「それが嫁をもらったからもう泊まれないなどと。貴族なら諦めもつくわ。
まさか女の魅力に欠ける小太りの同じ平民だなんて。ふざけてるわよ。」
「そう。
ではマーベリックに泊まってとお願いしたらよいのね。
話は終わりかしら。帰るわね。」
私はあくまでシラッと対応する。
ドアに向かうと、
「これ!マーベリック様に返しておいて。もう、要らないから。」
ルイーザは首から下げていたネックレスをブチと切り外し叫びだした。
「私は、、、私は本気だったのよ!
ずっとずっと、ずっとよ!あなたが知り合う前からずっと私が慰めてきたのよ!
奥様が亡くなってから、私が側にいたのに、、あなたなんか彼の事をろくに知らないくせに!」
彼女の目から大粒の涙が溢れた。
私は彼女の若い素直な感情に思わず微笑んでいた。
私は若く見えても彼女の二倍は生きている。
私にもそれなりのドラマはあった。
恋や愛や別れを知らない訳じゃ無い。
年を重ね今は激しい炎のような愛し方より、ひだまりのじわりと芯から温めてくれる、そんな愛し方に変わった。
ルイーザの激しい愛の形が懐かしい。
「わかったわ。マーベリックと話すといいわ。あなたの気持ちをぶつければいい。遠征から帰ったら必ず来させるわ。」
じゃ、行くわね。と部屋を後にした。
フゥー
マーベリックも男だ。疲れた心と体を癒した人がいても不思議じゃない。
殴ってやりたい程、嫉妬はするけれど、私が側にいた訳じゃないから仕方ない事だ。
それに、、、戦いの後、人肌が恋しく一時の温もりを求めても私が一生知らなければ良い。男ってそんな生き物と思うから。
さぁー、これから帰ってどうマーベリックに話そうか?
ルイーザが日陰者になってもいい。と迫ったら、、、それは、許せない。
今後の為にもキッチリ話をつけさせないと。
マーベリックが遠征から帰ると、ケイコは謎の微笑みを続けていた。
とうとう我慢できなくなりマーベリックが声をかける。
「ケイコ、その微笑みはどうかしたか?俺が原因か?」
「まぁ~流石!王宮騎士団総団長様!正解よ。
ふふふ。ちょっと待ってて。」
ケイコは小箱の中からネックレスを取り出した。
「あなたに返してだって。ふふふ。」
マーベリックは、椅子から立ち上がる程、驚いて口を開けているが、声にならなかった。
「ふふふ。私、貴方が必ず訪ねるからと約束してきたのよ。必ず行ってね。」
こんなに動揺しているマーベリックを見たのは久しぶりだわ。
まだ言葉が見つからないでいる。
私も平気なフリをしても、やっぱり嫉妬せずにいられない。
「話がつくまで私は客間で寝ますからね。では。」
ニッコリ微笑み部屋を出ようとしたら、マーベリックに身体を引き寄せられた。
「俺が愛してるのはお前だけだ。」
「ふふふ。亡くなった奥様とでしょ?」
今日の私は少し意地悪だ。
マーベリックの片眉が上がっている。
何か文句のある時の癖だ。
「お前こそどうだ?夫君の事をまだ愛してるだろう?」
私は元いた世界では結婚をしていて旦那も子供いた。折角元の世界に戻れたのに全てを捨ててマーベリックのいる異世界を選んだのだ。
だからそんな事無いに決まっているのに。
「さぁ、どうかしら?ふふふ。」
嫉妬したマーベリックがカブリつくような口づけをしてくる。
この口づけは誰の嫉妬を鎮めるものなのかしら?
私もそっと貴方の頬に手を添える。
お願いよ。
ルイーザとは飲み友達でも嫌よ。
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