近江一族物語1『融合』

七々虹海

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 (おい、双子。もういいだろ?そろそろ体返してもらうかんな)
 貴峰さんの声が、頭に聞こえてくるような感覚で聞こえてきて、俺はこの体から追い出され、再び透明な俺になった。

「長いんだよ、お前ら。何なんだよ晴空、お前折角俺が童貞卒業のチャンスだったのに、良いとこで現れて凪かっさらいやがって。めでたく俺の体は童貞卒業したはずだけど、そんな実感ねぇわ、このやろう」
「貴、嶺さん…?」
(貴嶺のおっさん、急な童貞暴露)

「あっ…」
晴空に体貸してる間も意識はあったから、もやもや考えてた事、体の主導権自分に戻したらつい、口から出ちまったよ。俺を冷静でいさせてくれないこの双子は…双子というか凪だな。

「あぁ。そうだよ。この年まで童貞だ、悪いかこの。笑うな晴空。それがやっと卒業みたいな雰囲気になったのに、晴空が現れて体貸してやったから俺の身体は卒業したけれど…みたいな不思議な結果になったじゃねぇかよ!」
(なんで今まで童貞だったの?)

 霊体に戻った晴空が訊いてきた。めんどくさいが、俺の名誉の為にも、本家で行われてる事、一族についてを一から晴空に話す羽目になった。長い夜だな…くそっ。



(ふわぁぁ、長い話だった。長くて情報量多いからいまいちおとぎ話かなんか聞いてるみたいな感覚だけど、呪われた一族の話みたいだった。なに?もしかしてその関係で俺死んだのかな?その上貴嶺のおっさんが凪のお尻しょっちゅう弄ってたって嫉妬で気が狂いそうなんだけど)

「お前、嫉妬とか平気で言うのな」
「は、晴空……」
凪はあたふたと目を白黒させて、慌ててる。お前さっきまで嫉妬されるよりエッチなことしてた癖にその可愛い態度はなんなんだ。つーか、晴空現れるまで脱け殻みたいに同じボーっとした虚ろな表情しかしてなかったのに、そんなに表情豊かになりやがって。
 数年ぶりの感動の再会だから分からないでもないが、こっちはなぁ……くそ…。やっぱりお兄ちゃんがいいのかよ。

(もう死んでんだから怖いものないじゃん。で、俺なんで死んだの?呪われた?)
「それな…。ちょっと今調査中なんだが…何となくだが、当てはついた」
「貴嶺さん、調べてくれてたんですね…」

(呪い?)
「お前そんなに呪われたいのか?まぁ、悪霊の類いに目をつけられた結果みたいだから、呪いって言ってもおかしくないんかな」

(悪霊?)
「悪霊?」
双子がハモった。お前ら初めて双子らしいとこ俺に見せたな。
 はっ…っくしゅ。とりあえず俺も凪も服を着てから話を再開させよう。




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