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第一章 尊編 ②
告白 ※
しおりを挟む父さんが帰って来なくなって2ヶ月が経った。
もう戻って来ないつもりなんだろうか。
連日見る悪夢のせいで寝不足が続いていた。大学へ行っても講義内容が全く頭に入って来ない。やる気も出ないし今日は講義を休んで早めに帰ろう。
玄関を開けると、人影があった。
父さんだ!
帰って来てくれたのか?
父さんにかける言葉が見つからず、無言で部屋に入ると、リビングは綺麗に片付けられていた。換気されて、以前のような気持ちのいい空間に戻っていた。
ふらふらとソファに座ると、父さんがいい香りのコーヒーを持ってきた。
「今までどこにいたんだ」
帰って来てくれて嬉しいのに、冷たい言葉が口をついた。
「流石にここには帰りづらくてな。ホテルにいた」
そういえば、さっき出掛けようとしてた。
「また出ていくのか? オレを置いて。そうやってあんたもオレを捨てるのか!?」
心とは裏腹に責める言葉しか出てこない。
止めろと脳が訴えるのに、口から出る言葉はどんどん酷くなる。これじゃあ、あの女とかわらない。
「違う、違う、違うんだ。それに捨てられるのは俺だろ」
「なんだよそれ」
「俺はお前の本当の父親じゃないんだぞ」
「だからオレはその方がいいって」
「まだ、言うのか」
オレが本心を伝えるたびに、父さんは苦しそうな表情を見せる。どうして。そんな顔をさせたいわけじゃないんだ。
「だからっ、血は繋がってなくても、オレはあんたと一緒にいたいんだ。もうどこにも行かないでくれ」
「一緒にいても良いのか?」
「嫌だなんて一度も言ったことないだろ」
「だが……ずっと俺から離れようとしてただろ?」
ズキンと心に刺さった。
その通りだった。
父親としてオレを愛してくれるのは嬉しい。でも男として見られないのも、愛されないのも辛くて仕方なかった。どんな笑顔を向ければいいかもわからなかった。子供だと思っていた時のほうが、ずっと楽だったんだ。
図星を刺されて、オレはオレの本当の気持ちを、伝えていなかったことを思い知った。
伝えれば親としての愛も失うかもしれない。ずっとそれが怖かった。
でも、もう知って欲しい気持ちの方が強い。
「オレは、あんたのことが好きなんだよ!」
言葉で伝えても、父さんは理解してなかった。
だから、オレは恋人だけが許される行為を望んだ。
父さんはじっとオレを見つめて逃げなかった。
すんなり受け入れられたことに驚いて、一旦離してしまったが、なおも固まったままの父さんを見て、今度は深く口付けた。
挨拶なんかじゃない。「あんたが欲しい」という意思表示だった。
力なく抵抗されたけど、そんな力じゃ受け入れてるも同然だ。
のしかかって身体を弄れば父さんのちんこは膨張した。オレは嬉しくなった。
父さんは口付けも、愛撫も抵抗しなかった。
オレは嬉しさと、悔しさと、いろんな感情がごちゃ混ぜになって混乱した。
「どうした」
父さんに顔を包まれると、泣いていたことに気づいた。
「あんたが好きなんだ。ずっとずっと、あんたのことが好きだった」
「尊」
「父親だと思ってたから、子供のフリをしてあんたが許してくれるところまでずっと甘えてた。でも親子じゃないってわかって、オレはあんたのことが全部欲しくなった」
「尊」
なんてカッコ悪い告白なんだろう。
こんなんじゃ父さんだって嫌に決まってる。
「こんなオレ、気持ち悪ぃだろ」
「どうして」
「嫌がってたじゃないか。あの時だって」
そう。あの夜。オレが初めて口にキスをしたら父さんは言ったんだ。
「あの時?」
「あんたが凄く酔って帰ってきた時」
「俺はお前に何を言った?」
「気持ち悪いって」
「そんな酷いこと言ったのか。悪かった」
父さんは俺を抱きしめて、頭を撫でてくれた。昂って混乱してささくれ立った感情が撫でられるたびに整っていく。
オレはまだ父さんに嫌われてない。
「なぁ、嫌じゃないならこれ処理してもいいか? オレ、もう抑えらんねぇ」
父さんの返事を聞くのは怖くて、声を出す前にもう一度キスをすると、父さんも舌を絡めてくれた。
父さんが返してくれる反応が、俺の腰に突き刺すような刺激を与えて来た。
すげぇ、キスってこんなに気持ちいいんだ。
まだ触ってないけどもう出そう。
膝で擦り上げた父さんのちんこも窮屈そうに服を押し上げていた。
苦しそうに折り曲がるちんこを見て取り出す。
相変わらずデカイな。
「はぁ……勃たせた責任は取ってくれるんだろうな」
色気たっぷりにオレを責める父さんの顔は、優しげに微笑んでいた。
ひさしぶりに味わえる父さんのちんこだ。
うずうずした気持ちで、頬張ろうとしたら、電話の音がリビングに鳴り響いた。
一瞬止まった隙に父さんは服を直すと電話に出てしまった。
そうか、家に帰って来たのは仕事のためだったのか。
電話が終わったのを見て後ろから抱きついた。
「尊?」
「抑えられねぇって言ったろ」
ベッドに押し倒して、服を脱がせにかかる。
父さんは抵抗しなかった。
慣れた手つきでちんこを握って口を寄せると、父さんも体勢を変えてオレのちんこを舐めてくれた。
ひさしぶりに味わう父さんは、最高に美味かった。
ゆっくりと喉奥まで引きこんで、締め付けると父さんのちんこが更に硬くなる。
ひさしぶりだし苦しいかと思ったが、喉を犯される気持ちよさが勝った。
美味しい。早く出して欲しくてたまらない。
喉奥に誘い込むたびに腰に響いて、我慢が効かなかった。それに父さんが竿を強く握ったり鈴口に舌を入れたり、いろんな刺激を与えるせいで、我慢する間も無く直ぐに絶頂に至った。
オレが出した後、父さんのちんこも出そうな雰囲気になった。
すると父さんがオレの頭を掴んで腰を早く動かした。今までこんなことされたことがない。いや、一度だけあったか。酔っ払って帰ってきたあの日だけ。
息ができなくて苦しくて朦朧としたが、それ以上に嬉しかった。
父さん、オレのフェラチオ気持ちいいんだ。
ここまで受け入れてくれたんだ、最後までしたくなるのは仕方ないだろ?
だけど、父さんはそれはダメだと頑なだった。今はキスさせてくれるだけで我慢するか。
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