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第四話 クロエリトサカゲリ【鳥言葉:油断大敵】※
しおりを挟むチュンチュン チュンチュン
「あー・・・・やっちまった」
弁明しておく。最後までは致してない。
どう見ても初物だったので勝手に最後まで致すのは心が咎めた。いや、承諾なしにここまでやったら大した変わりはないかもしれないが。
一糸まとわぬ…、いや、靴下のみの姿で横たわる松永さんを見て、自分のしでかしたことをにため息をついた。
「はぁーーーー、どうしよ」
「んんっ、ふあぁーあ。あれ?ここどこ?」
「お、おはようございます」
「あれっもしかして僕、ものすごく迷惑かけた感じですか?」
「いえ、迷惑料は貰い…いえ、なんでもないです。昨日の記憶、ある?」
「全然。なんで僕ら裸なの?」
「それは…」
「二人して暑くて脱いじゃったのかな?」
脱いだ以上のことしましたけどね。
「もしかして僕が脱がせちゃったりしてないよね?」
「それはないです」
「ははは、良かった」
良くありません。
俺を疑いもしないのか、あまりの無防備さに少し悪戯心が出て、つい揶揄いたくなった。
「松永さん、本当に昨日のこと覚えてない?」
「ぜんぜん覚えてない」
「俺とこういうことしたのも?」
押し付けた唇を離すと、松永さんの表情が一気に変わった。
「思い出した?」
真っ赤だ。昨日はあんなに色っぽく誘うような笑顔を見せたのに、まさかこんな反応されるとは。
「あの、えっと、僕のファーストキス…」
ええええええええ!?
「あー、す、すみません?」
「もしかしてこれ、二回目になるの?」
「ーーそうだね」
「あ、でも、よしみさんは初めてじゃないですよね?じゃあ責任取らなくていいか」
「まって、責任って何?」
「キスしちゃったから、その」
「何するつもりだったの」
「お付き合い、するとか?」
顎に手を置いてコテンと首を傾げる姿は、彼の年齢を忘れさせるかわいさだった。
「なら、責任取ってください」
「へっ」
そう言って今度は唇を割り開くように深く侵入して押し倒した。
息苦しかったのか、肩を何度も叩いてくる。離してやると、涙目で俺を睨んできた。
「もうすこし、てかげん」
「その顔、ものすごくそそります」
また口を塞ぐと、無防備なその身体に手を這わせ、脚の間に体を滑り込ませた。
「んんっ」
隠すものが何もない身体の反応を見て、腰を擦り上げる。感じやすいタイプなんだろうか?
「あ。はっよしみさ…」
「責任、取ってくれるんでしょ?」
体中にキスを降らせながら、少しずつ下におりて行くと薄い毛から首を擡げたそれにたどり着いた。昨日は暗い中だったし、手の感触でしかわからなかったが、今、陽の光に照らされたそれは、きれいなピンク色をしていて、この上なくエロティックだった。
ちゅっとリップ音を立てて先端にキスをする。
「ひゃっ、よしみさんっ」
「してほしいでしょ?」
「わ、わかりません」
「昨日はあんなに色っぽく誘ってきたのに」
「さ、誘ってませんーー!!」
両手で顔を隠してしまったが、脚の間から見上げた俺と目が合うと、目の前のピンクは舐めてくださいと懇願するようにフルリと踊った。
「こっちは素直だね」
閉じようとする足を制して腰を抱えると、蜜が溢れて隆起したそれを口に含んだ。昨日の残りなのか、期待からか、粘りのある液が舌に乗った。独特な味を感じながら包み込むように咥えると、ぴくぴくと動くそれがかわいらしくて舌で転がすように弄んだ。
「あ、ああっ」
素直な反応を見せる松永さんを堪能しながら、奥に隠されているところを見ようと収縮を繰り返す袋を持ち上げると、ピンク色のかわいい蕾が顔を出した。
「よしみさん、だめです、そんなとこ。汚い」
「じゃあ、きれいにしないと」
腰をグイと持ち上げて、蕾にまで伝った蜜を舐めとるように舌を這わせるとそこはひくひくと動いた。
「よしみさん」
「ん?」
「よしみさん」
「なぁに?」
「窓の外」
え?
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