従弟で幼馴染の一途に翻弄されてます(改稿版)

清杉悠樹

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高校生編

1 楽しみにしていた誕生会

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 とうとう数日前から楽しみにしていた当日が来た。家族のいる前では何気ない風を装っていたけど、本当はかなり楽しみにしていた。
 だって、今日は私、中崎遥《なかさきはるか》の18歳の誕生日だから!なのです。

 それが想像以上に、一生記憶に残る記念日となるなんてこの時は全然思ってなかった。

***

 10月に入り夏服から冬服へと変わると、見た目の変化で一気に季節は変わったんだなぁと、思える。体感的にも夜になれば薄着だけでいると寒く感じるから重ね着をするようになった。そんなところに過ごしやすい季節を肌で感じられるようになってきたんだなぁと実感できるようになってきた。
 それでも仲秋の時期に入っている筈なのに、日中は冬服だとまだ暑いと感じるときも当然ある。そんな時は籠った熱を逃そうと袖口を捲ったりしている。先生にバレると怒られるからこっそりと。こういう時は夏服が恋しくなる。学校側に決められたことだから仕方ないと諦めるしかないんだけどね。

 そんな感じで一日中授業を受けていた間もずっと暑い暑いと感じていた筈の一日を終えた今。耐えていた苦行も終え自由になった学校からの帰り道。夕日があたりまだ暑い筈の制服の事も全然気にならない程に私は浮かれていた。それこそ周りに誰もいなければスキップでもしそうな勢いで。っていうか、無意識にしていた。

「遥、浮かれ過ぎ。危ないから前はちゃんと見て。でないとまた道を間違えて、迷子になるぞ」
 むっ。
 浮かれている私の隣から呆れた声で注意をされた。

 隣の相手は従兄であり、同級生でもある橘甲斐《たちばなかい》。学校では意識的に平常運転しているよそ行きの顔とは違い、今はリラックスした見慣れた顔をしている。
 人を寄り付きにくくさせている冷気にも似た気配は無くなっていて、女の子に陰では別名「氷の瞳」と呼ばれている(ぷぷっ。笑える)切れ長の目には私への呆れが浮かんでいた。感情が表情に現れているという事は、それだけ気を抜いているという証拠。

 こんな顔を見たら、きっと今以上に女の子にモテちゃうんだろうなぁ。ほんと不愛想なのに、甲斐は昔からモテるんだよね。

 自宅や、ウチに遊びに来ている時なんかとは大違い。学校での普段の態度は明らかに違う。人を寄せ付けない雰囲気を始終醸し出してるんだけど、顔が良い、背も高い、足も長い、と三拍子揃っているから兎に角モテる。羨ましいくらいにモテる。やっぱ見た目が物をいうのだろう。見慣れている自分でさえ整った顔してるなぁと思うもの。
 校内では行動を共にすることは少ないけど、甲斐とは家が隣同士という距離なので登校も下校もほぼ一緒。
 私は見た目と兎に角普通、誰が見ても平凡、地味に分類される容姿。取り立てて目立つ要素がない。見た目が良すぎる規格外の従弟と行動していると、自分なんて引き立て役にしかならない。
 だから今まで男の子からモテたことなんてまあーったくない。これっぽっちもない。従弟なのにこの差は何と言いたい。だから甲斐のことはちょっと羨ましいと昔から思っている。・・・ちょっとだけね!
 一度くらい告白されてみたいと思うじゃない。少しくらい恋に夢をみたいじゃない。

「流石にもう迷子にはならないよ!いいじゃない、楽しみなんだもーん、今日の夕食。お稲荷さんに~、唐揚げだよー?菜々叔母さんのケーキもあるしー。早く夕食にならないかなぁ」
 迷子になりやすいのは事実だけど。注意を受けたことなど、全く気にしてませーんと軽く鼻歌まで追加しちゃう。
 誕生日には自分が食べたいものをリクエストして作って貰えてるんだもん。楽しみなのは仕方がないよねぇ?
「ほんと遥って色気より食い気だな。まぁ、その方が俺は・・・・・・」
「ん?何、甲斐。聞こえなかった。俺は、の後なんて言ったの?」
 段々と小さくなっていったから聞こえなかった。でも、乙女に向かって食い気は余計だと思う。現実、今は恋に夢を見るより、食い気が勝っているのは間違いないんだけど。
「何でもない。俺も腹減ったなって言っただけ」
「だよねー。早く帰ろう」
 随分と長くなった影を並べながら遥は甲斐と共にウキウキしながら家路へと向かった。

***

 今回は遥の誕生日という事で中崎家の二階のリビングでパティーを開き、身内が集まっている。祝ってくれているのは、遥を含めた中崎家から四人。まずお父さん、浩介《こうすけ》。お母さん、彩華《あやか》。生意気で一つ年下の弟、朔夜《さくや》。
 他に一緒に祝ってくれているのは、橘家の四人。巧《たくみ》叔父さん、奈々《なな》叔母さん。二人の子供の甲斐と、四才年下の睦月《むつき》ちゃん。
 総勢8人。大勢でわいわいと楽しんでいる。子供の誕生日は必ずどちらかの家で誕生日を祝うことが慣習となっていて、本人のリクエストした献立が用意されることになっている。
 だから、今日はお稲荷さんと唐揚げが沢山用意されていると言う訳。両方とも茶色で地味な色合いだけど、いいじゃない。大好物なんだもん。

 ここでちょっと血縁関係を説明。
 奈々叔母さんは、お母さんの妹。で、お父さんと巧叔父さんは昔《だいがく》からの友達なんだって。そして橘家はなんとウチの隣に家がある。だから生まれた時から中崎姉弟と、橘兄妹は年も近いしいとこ同士というのもあって、両家で子供は四人纏めて育てられたって感じ。
 小さな頃はしょっちゅうお互いの家に遊びに行ったり、泊まったりしてた。まあ、今も時々遊びに行く事はあるけど、お年頃ということもあって流石にお泊りは無くなった。

 リビングルームにある大きなダイニングテーブルでリクエスト料理を食べ終えてから、ケーキを食べる前に誕生日プレゼントを貰うというのも慣習となっている。
 余り高額なものは無しというのが暗黙の了解となっている。大人は、5000円程。子供は1000円程度。大人は兎も角、子供達は各自小遣いの中から出すのだから、結構大変なんだよね。お年玉貯金で貯めたりとか。毎回、何をあげようかすっごく悩む。同時に楽しいけど。

「遥、これはお父さんからのプレゼント」
「有難う、お父さんっ」
 まずは身内から順に貰った。手渡されたプレゼントは直ぐに開封。
 何だろなー、開封前ってすっごいドキドキ、わくわくするよね?
 出来るだけ包装紙はビリビリと破かないよう中身を出す。家族から貰ったのは、お父さんからは図書券。お母さんからはコスメを数点。弟からは北欧柄のコースター五枚セットだった。
 わーい、全部好きなものばかりだったよ~。
 図書券はありがたいな~。欲しい本、今月結構発売されるんだよね。助かったー。
 コスメも自分の小遣いじゃあ買えないレベルの物だったから、凄く嬉しい。さっすがお母さん。
 今年の朔夜からのプレゼントは結構私好み~。去年はあまり可愛くないゆるキャラのぬいぐるみで扱いに困ったんだよねー。
 朔夜はウケを狙ってワザと外してくることがあるから油断出来ない。笑いを取りに来るなって言いたい時もある。貰っておいて文句を言うのも何だけどさ。

 続いて、橘家の四人からプレゼントを貰った。
 巧叔父さんからは小さなテーブルランプ。植物が描かれていてとてもお洒落。今日から早速使わせてもらおう。
 菜々叔母さんからはコンパクトミラーとポーチ。お母さんから貰ったコスメと同じブランド名だったから、二人で相談して決めてくれたんだろうな、きっと。
 睦月ちゃんからはキャンディーブーケ。色とりどりで可愛い。何味かな?

 一番最後にプレゼントをくれたのは、甲斐。
「誕生日おめでとう、遥」
 掌に乗る軽くて小さなギフトバッグを手渡された。
 ギフトバッグにはジュエリーブランドで有名なロゴマークが入っているんですけど?適当な袋が無くて、袋だけ使ったのかな?菜々叔母さんから貰ったのかもしれない。こういう袋って重宝するからついため込んじゃうよね。私の部屋にも同じような袋が幾つもストックしてあるし。
 甲斐から以前に貰ったことがあるのは、文房具や可愛い雑貨だったから、今度もそうだろうと予測しながら中を覗いた。

 ブランドの袋に入っていたのは四角い白い箱。
「有難う、甲斐。開けてもいい?」
「勿論いいよ、開けてみて」
 テーブルの上へと置き、箱を開けた。中には更に白い箱の様なものが入っていた。
 何だろう?この形って、なーんかどこかで見たような・・・。
 そう思いながらパカリと蓋を開けた。変わった形の消しゴムや、ポストイットの雑貨でも入っているのと考えながら開けると、中から出て来たのはまさかの指輪だった。
「ええっ、指輪!?」
 どこかで見た形だとと思ったのは、テレビなどでよく見るリングケースだったからで、照明の光にきらきらと輝いているのは雑貨などではなく、紛れもなく指輪だった。
 宝石の種類は分からないけど、透明な石を桜のモチーフに使い、中心にピンクの石が使われているとても可愛いデザインだった。
「なんで指輪!?」
 しかも高そうだしっ。えっ?じゃあ、もしかしてギフトバッグ適当に菜々叔母さんから貰ったものじゃなくて、買ってきたからってこと?ということは、この指輪もイミテーションじゃなくて、本物ということ?
 本物の宝石なんて持っていないから、判別なんて到底出来ない。けど、遥は本物だと直感した。

「気に入らなかった?」
 目の前にいる甲斐はちょっと不安げな顔をしている。いつもは飄々としているのに珍しい表情だ。
「えっ、気にいるとか、そう言う事じゃなくて」
 だって、指輪だよ!?従姉相手に高校生が送る誕プレにしては高価すぎると思うんですケドっ!?
「甲斐の数か月分のお小遣い全部なくなっちゃったんじゃないの?誕生日プレゼントに指輪って、甲斐どこかで頭でもぶつけたの?もしくは変な物食べちゃったとか」
 恐れ多いような気がして手に取ることも憚れた遥は、素直に喜べずに逆にあわあわとしている。
「まさか。遥じゃあるまいし。変な物なんて食べないよ。それは俺がアルバイトして貯めたお金で買ったもの」
「ちょっと、甲斐。どういう意味よ」
 それって私が物凄く食い意地貼っているみたいじゃない。・・・否定も出来ない所はあるけどさ。
 遥はぷくっと頬を膨らませ、甲斐を睨んだ。
「そのまんまの意味だけど。じゃなくて、デザインとか気に入らなかった?」
 むかっ。
 えー、えー、どうせ私は食い意地が張ってますよっ!
 姉弟のようにして育ったのだから、お互いの性格などは知り尽くしている。だからこそ、なんで指輪をくれたのかが分からない。

「可愛いと思うし、好きなデザインだなぁとは思うけど」
 手に持ったケースをゆらゆらと揺らしてみた。光の加減が変わって宝石がきらきらと輝いた。私だってこんな素敵なジュエリーを前にしてときめかない訳がない。桜モチーフの指輪から目が離せなくなった。

 って、ちょっと待て。
 ここには他の家族もいるのに、なんでこんなに静かなの。特に朔夜なんて大騒ぎしそうなものなのに、と思い目線をあげると全員の目が私に集中していた。
 な、なに!?なんで誰も何も言わないの?甲斐が私に指輪を渡したんだよ!?
 えっ?えっ?
 きょろきょろし始めた私をそのままに、甲斐に更なる爆弾を貰った。
「良かった。じゃあ、その指輪は遥に婚約指輪として貰って欲しいんだ」
「え?」
 今、なんて?耳が急に不調になったみたい。変な台詞が聞こえたんだけど。
 周りの目の事なんて全然気にならない程、変な台詞が聞こえたような。

「ごめん、良く聞こえなかった。甲斐、もう一回言って?」
 甲斐は私の事を正面からじっと見つめ、ゆっくりと話してくれた。
「遥の事が好きなんだ。俺と結婚してください」

 しんとした空白の時間が流れた。

「・・・誰が誰を好きって?」
 ようやく遥の口から出たのはこれだった。
「俺が遥のことを」
 うん、甲斐がはるかの事を、ね。―――で、その後続いたのは「好き」だったかな?
「好きなの?」
「そう。ずっと」
「ずっと?」
「ずっと昔から」
 甲斐が好きなのは「はるか」・・・。はるか・・・。遥・・・。―――私の事じゃん!

「えええーっっっっ!!」
 余りの大声に遥以外の全員が耳を手で押さえた。

 いや、意味が分からないんだけど。今まで従弟として仲良くはしてたよ?それこそ本当の姉弟みたいに。同い年だから両家では双子のように扱われていたと思う。
 好き嫌いで言ったら勿論好きだけど、それは家族としての感情に分類しちゃてたし。
 甲斐がこうして指輪を渡してきたってことは、私の事は家族としてではなく一人の女の子として扱ってくれてた上での事よね?
 駄目だ、頭がパンクしそう。っていうか、もうしてる?
 突然のことに頭が付いていかない。

「婚約の申し込みはこれでオッケーという事で、俺の誕生日に入籍しようと思うんだけど。それでいい?」
「はあ!?」
 にゅ、にゅ、入籍!?入籍って、あの入籍!?結婚する時のアレだよね!?
「何っ、ドッキリなの!?それとも揶揄ってるだけ!?」
 面白動画の為に仕掛けたドッキリ?早すぎるエイプリルフール・・・はちょっと無理があるか。まだ半年ほど先の事だし。
「酷いな。本気で言ってるのに」
 むっとしたらしい。甲斐は眉を寄せている。
「こんな大事な事、揶揄うネタなんかにしたりしない」

 嘘だぁ。私この前ちゃんと聞いたんだからねっ。

「だって、甲斐は朔夜と付き合ってるんでしょう?」
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