52 / 57
49 溺愛
しおりを挟む
時々、起きる時間が遅く結局みんなと朝ご飯を食べることが出来なくても、何があった?体調が悪い?と聞かれることもないまま、昼頃になって温かな眼差しを受けることを数回。エマは何度回数を重ねても恥ずかしさに俯き加減になってしまうのはどうしようもないこととして諦めることにした。
だって、そうでもしないと部屋から出ることも敵わなくなりそうだったから。
出会ってからレナート様がとても優しいということは知っていたが、最近ではさらに磨きがかかってきたというか。・・・はい、確実にグレードアップしてます。
レナート様が仕事に行っている間は、レース編みをしたり、庭に出て花を摘んだり、少しだけ料理をさせてもらったりしながら過ごすことが多い。テーブルマナーもアンナ様に指導は受けたが概ね問題は無いらしく、ほっとしている。
仕事帰りにお土産として、レナート様からは花の差し入れや菓子を頂くようになったし、人目がない自室では膝上にのせられたりすることも多いし、追加で「あーん」と買ってきた菓子を口に運ばれることもしばしば。
最初は恥ずかしさに抵抗もあったが、数日もすれば慣れ始めた自分もどうなのと思わないでもなかったが、それでもやっぱり嬉しさの方が勝ったから呼ばれると駄目とは言えない。
小さな子供扱いをされているような気もしないでもないが、それだけでないことは自分が一番よく分かっている。足の事も考えたうえで外出の時はちゃんと大人の女性としてエスコートしてくれて、公共の場では問題は全くない。 それに夜は新婚というのも踏まえて、それなりに―――して、いるし///・・・。
「エマ。おいで」
毎日じゃなく、体調を見ながらというか。体力の差があるのは当然だけど、経験の差もあるのだと思う。自分はキスだけでもいっぱいいっぱいと言うか。
それでも一人分が入るのを想定して持ち上げられたシーツの隙間を断ることなんてエマには出来ない。はにかみながら隙間に入る。すぐに逞しい腕と温かな温もりにすっぽりと包まれる。そして、軽くキス。至福に思える瞬間だ。
ただ、そつない流れにちょっとばかり嫉妬も感じたりして。気持ちに余裕が全くない自分とは違い、余裕があるレナート様に少しもやもや感じた気持ちは立派な嫉妬だと思う。
レナート様の年齢や、階級、外見といったものを総合的に考えて、今まできっといろんな人とあったんだろうなと予想は出来る。多分、こんな子供っぽい体つきじゃなくて、もっとグラマーな人もいたんじゃないかなあとも思う。おそらく。
今でも嫉妬する気持ちが全く無くなったわけじゃないけれど、レナート様の言葉を信じる気持ちがあるから大丈夫だと思えるくらいにはなっている。
いつだったか、こんな風に同じ寝台に横になって、穏やかな時間を過ごしていた時の事。仕事では無理だけれど、家ではこんな私でも少しはくつろげるようレナート様のお役に立っているようで嬉しいです。エマはそういうようなことをぽろっと声に出してしまっていた。
ホノカさんみたいに魔法の力が強いとか、何か自分にも特別に他人より優れたところがあれば良かったのにな、そう考えていたのだと思う。
「エマはまたそんなことを言う。お役に立てるとか、そういうことじゃない。エマとこうして抱き合っているのは、夫婦としての仕事だからじゃない。エマが自分の役に立つからという理由で結婚した訳でもない。好きだと思ったからだ。この先の長い人生、ずっと一緒に居たいと思えたのは他の誰でもない、エマだからだ」
別に怒り口調で窘められたわけじゃない。レナート様は自分の気持ちを丁寧に伝えてくれているのは、エマにも分かった。
ここで素直に有難うございますと言えればいいのは分かっていたけれど、やっぱり真正面から言われてしまうとどんな顔をして言えばいいのかと俯き加減になったのがいけなかったらしい。
互いに抱き合うような形に横になっていたはずが、ころりと向きを変えられ上を向かされたエマにレナート様は覆いかぶさってきた。
「今まで言葉で十分伝えていたつもりだけれど、足りなかったらしい。なら、次は行動しかないな」
「はい?」
なんだか、雲行きが怪しくなってきたような?
レナート様は一見にこやかな笑みを浮かべていたが、何かが違うとエマは思った。どこが違うんだろう。そう考える暇は与えられなかった。
「今日は俺がどれだけエマに溺れているのか理解出来るまで付き合ってもらう」
「えっ?」
どういうことですか?と言いかけようとしたが、言えなかった。唇を塞がれて。
―――この日初めてエマはいつもは手加減されていたということをようやく知り、同時にレナート様の本気というものを教えられたのだった。
***
エマとホノカさんのお披露目のいよいよ本番当日となった。
「レナート様が迎えに来られたみたいですね」
「はい」
エマは自室でイレーネと他の侍女にも手伝ってもらい着替えをしていた。その間、レナート様は別室へと行って貰っていた。準備が整ったことを聞いてエマを迎えに来てくれたのだろう、廊下からエマを呼ぶレナート様の声が微かに聞こえた。
昼頃から着付けや化粧に追われたエマは、始まってもいないというのに疲れを感じた。
いけない、いけない。シャキッとしなくちゃ。失敗は出来ないのだから。
エマは気合を入れると腰かけていた椅子からゆっくりと立ち上がり、ホノカさんとデザインが少しだけ違うお揃いのドレスをもう一度鏡で見直した。胸元があまり開いていないデザインで、スカート部分は何枚もの薄い生地を重ね合わせされたシンプルなドレスだ。エマが若芽色で、ホノカさんは赤香色だ。ウエストに結ばれたリボンは差し色として二人とも生成り色を使用している。ドレスはシンプルだが、あえてジュエリーもシンプルにし、髪に生花をふんだんに使用した。
一カ月ほど前に来たお古の白いドレスとは全然違う。生地もさらさらと艶があり、今のエマの体にぴったりと合っている。どこにも染みなんてない。
以前より少し体重が増え、睡眠も十分にとっている。だから、顔の色も青くなんてないし、髪にも艶が出て違って見える。
そして何より傷跡がない。
鏡に映る自分の顔は笑みが浮かんでいるのが見えた。
お披露目にはマクレーン家から父と母も来ると聞いたけれど、今の私なら大丈夫。下を向かないこと、卑屈にならないこと。大丈夫、絶対に出来る。
エマはそう心の中で念じた。
「綺麗だよ、エマ。まるで早春の花の妖精のようだね。他の目に触れさせるのが実に腹立たしい」
いつの間にかレナート様はエマのすぐ傍まで来ていた。目を細め眩しそうにしながら、レナート様にさらりと誉め言葉と独占欲を告げられると、左腕をさしだされた。
「レナート様こそ、素敵です・・・。あの、今日はずっと一緒に居てくださいね?」
エマは右手をそっと添えた。
いくら大丈夫だと自分を鼓舞していても、レナート様が傍にいてくれてこそだと思う。
鈍色のフロックコート姿のレナート様にエマはドキドキしていた。丁寧に整えられた鈍色の髪がまた素敵だなって思う。長い髪を縛っているリボンはエマのドレスと同じ色だ。そんな小さなことも嬉しい。
「ああもう全くエマは。これからお披露目だっていうのにそんなこと言って。素なのは知ってるが、こっちの身も少しは考えてくれ。・・・今晩は覚悟しとくように」
「えっ!?」
イレーネと侍女に微笑ましく見守られる中、未だにレナート様のスイッチ箇所が分からないエマだった。
だって、そうでもしないと部屋から出ることも敵わなくなりそうだったから。
出会ってからレナート様がとても優しいということは知っていたが、最近ではさらに磨きがかかってきたというか。・・・はい、確実にグレードアップしてます。
レナート様が仕事に行っている間は、レース編みをしたり、庭に出て花を摘んだり、少しだけ料理をさせてもらったりしながら過ごすことが多い。テーブルマナーもアンナ様に指導は受けたが概ね問題は無いらしく、ほっとしている。
仕事帰りにお土産として、レナート様からは花の差し入れや菓子を頂くようになったし、人目がない自室では膝上にのせられたりすることも多いし、追加で「あーん」と買ってきた菓子を口に運ばれることもしばしば。
最初は恥ずかしさに抵抗もあったが、数日もすれば慣れ始めた自分もどうなのと思わないでもなかったが、それでもやっぱり嬉しさの方が勝ったから呼ばれると駄目とは言えない。
小さな子供扱いをされているような気もしないでもないが、それだけでないことは自分が一番よく分かっている。足の事も考えたうえで外出の時はちゃんと大人の女性としてエスコートしてくれて、公共の場では問題は全くない。 それに夜は新婚というのも踏まえて、それなりに―――して、いるし///・・・。
「エマ。おいで」
毎日じゃなく、体調を見ながらというか。体力の差があるのは当然だけど、経験の差もあるのだと思う。自分はキスだけでもいっぱいいっぱいと言うか。
それでも一人分が入るのを想定して持ち上げられたシーツの隙間を断ることなんてエマには出来ない。はにかみながら隙間に入る。すぐに逞しい腕と温かな温もりにすっぽりと包まれる。そして、軽くキス。至福に思える瞬間だ。
ただ、そつない流れにちょっとばかり嫉妬も感じたりして。気持ちに余裕が全くない自分とは違い、余裕があるレナート様に少しもやもや感じた気持ちは立派な嫉妬だと思う。
レナート様の年齢や、階級、外見といったものを総合的に考えて、今まできっといろんな人とあったんだろうなと予想は出来る。多分、こんな子供っぽい体つきじゃなくて、もっとグラマーな人もいたんじゃないかなあとも思う。おそらく。
今でも嫉妬する気持ちが全く無くなったわけじゃないけれど、レナート様の言葉を信じる気持ちがあるから大丈夫だと思えるくらいにはなっている。
いつだったか、こんな風に同じ寝台に横になって、穏やかな時間を過ごしていた時の事。仕事では無理だけれど、家ではこんな私でも少しはくつろげるようレナート様のお役に立っているようで嬉しいです。エマはそういうようなことをぽろっと声に出してしまっていた。
ホノカさんみたいに魔法の力が強いとか、何か自分にも特別に他人より優れたところがあれば良かったのにな、そう考えていたのだと思う。
「エマはまたそんなことを言う。お役に立てるとか、そういうことじゃない。エマとこうして抱き合っているのは、夫婦としての仕事だからじゃない。エマが自分の役に立つからという理由で結婚した訳でもない。好きだと思ったからだ。この先の長い人生、ずっと一緒に居たいと思えたのは他の誰でもない、エマだからだ」
別に怒り口調で窘められたわけじゃない。レナート様は自分の気持ちを丁寧に伝えてくれているのは、エマにも分かった。
ここで素直に有難うございますと言えればいいのは分かっていたけれど、やっぱり真正面から言われてしまうとどんな顔をして言えばいいのかと俯き加減になったのがいけなかったらしい。
互いに抱き合うような形に横になっていたはずが、ころりと向きを変えられ上を向かされたエマにレナート様は覆いかぶさってきた。
「今まで言葉で十分伝えていたつもりだけれど、足りなかったらしい。なら、次は行動しかないな」
「はい?」
なんだか、雲行きが怪しくなってきたような?
レナート様は一見にこやかな笑みを浮かべていたが、何かが違うとエマは思った。どこが違うんだろう。そう考える暇は与えられなかった。
「今日は俺がどれだけエマに溺れているのか理解出来るまで付き合ってもらう」
「えっ?」
どういうことですか?と言いかけようとしたが、言えなかった。唇を塞がれて。
―――この日初めてエマはいつもは手加減されていたということをようやく知り、同時にレナート様の本気というものを教えられたのだった。
***
エマとホノカさんのお披露目のいよいよ本番当日となった。
「レナート様が迎えに来られたみたいですね」
「はい」
エマは自室でイレーネと他の侍女にも手伝ってもらい着替えをしていた。その間、レナート様は別室へと行って貰っていた。準備が整ったことを聞いてエマを迎えに来てくれたのだろう、廊下からエマを呼ぶレナート様の声が微かに聞こえた。
昼頃から着付けや化粧に追われたエマは、始まってもいないというのに疲れを感じた。
いけない、いけない。シャキッとしなくちゃ。失敗は出来ないのだから。
エマは気合を入れると腰かけていた椅子からゆっくりと立ち上がり、ホノカさんとデザインが少しだけ違うお揃いのドレスをもう一度鏡で見直した。胸元があまり開いていないデザインで、スカート部分は何枚もの薄い生地を重ね合わせされたシンプルなドレスだ。エマが若芽色で、ホノカさんは赤香色だ。ウエストに結ばれたリボンは差し色として二人とも生成り色を使用している。ドレスはシンプルだが、あえてジュエリーもシンプルにし、髪に生花をふんだんに使用した。
一カ月ほど前に来たお古の白いドレスとは全然違う。生地もさらさらと艶があり、今のエマの体にぴったりと合っている。どこにも染みなんてない。
以前より少し体重が増え、睡眠も十分にとっている。だから、顔の色も青くなんてないし、髪にも艶が出て違って見える。
そして何より傷跡がない。
鏡に映る自分の顔は笑みが浮かんでいるのが見えた。
お披露目にはマクレーン家から父と母も来ると聞いたけれど、今の私なら大丈夫。下を向かないこと、卑屈にならないこと。大丈夫、絶対に出来る。
エマはそう心の中で念じた。
「綺麗だよ、エマ。まるで早春の花の妖精のようだね。他の目に触れさせるのが実に腹立たしい」
いつの間にかレナート様はエマのすぐ傍まで来ていた。目を細め眩しそうにしながら、レナート様にさらりと誉め言葉と独占欲を告げられると、左腕をさしだされた。
「レナート様こそ、素敵です・・・。あの、今日はずっと一緒に居てくださいね?」
エマは右手をそっと添えた。
いくら大丈夫だと自分を鼓舞していても、レナート様が傍にいてくれてこそだと思う。
鈍色のフロックコート姿のレナート様にエマはドキドキしていた。丁寧に整えられた鈍色の髪がまた素敵だなって思う。長い髪を縛っているリボンはエマのドレスと同じ色だ。そんな小さなことも嬉しい。
「ああもう全くエマは。これからお披露目だっていうのにそんなこと言って。素なのは知ってるが、こっちの身も少しは考えてくれ。・・・今晩は覚悟しとくように」
「えっ!?」
イレーネと侍女に微笑ましく見守られる中、未だにレナート様のスイッチ箇所が分からないエマだった。
0
あなたにおすすめの小説
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【完結】 先祖返りでオーガの血が色濃く出てしまった大女の私に、なぜか麗しの王太子さまが求婚してくるので困惑しています。
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
「僕のお嫁さんになって」と求婚してきた大国の王太子アルフォンソ(9歳)を、「大きいものが良く見えるのは、少年の間だけよ。きっと思春期になれば、小さくて可愛いケーキみたいな女の子が好きになるわ」と相手にしなかった小国のオーガ姫ヘザー(10歳)。しかし月日が流れ、青年になっても慕ってくるアルフォンソを信じてみようかな?と思い始めたヘザーの前に、アルフォンソを親し気に愛称で呼ぶ美しい幼馴染が現れて……
捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。
鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」
聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。
死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。
シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。
「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」
それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。
生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。
これは互いの利益のための契約結婚。
初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。
しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……?
……分かりました。
この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。
夫を好きになったっていいですよね?
シェラはひっそりと決意を固める。
彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに……
※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。
主人公が変わっているので、単体で読めます。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。
南田 此仁
恋愛
ブラック企業を飛び出すように退職した日菜(ヒナ)は、家で一人祝杯を上げていた――はずなのに。
不意に落ちたペンダントトップへと手を伸ばし、気がつけばまったく見知らぬ場所にいた。
周囲を取り巻く巨大なぬいぐるみたち。
巨大化したペンダントトップ。
あれ?
もしかして私、ちっちゃくなっちゃった――!?
……なーんてね。夢でしょ、夢!
と思って過ごしていたものの、一向に目が覚める気配はなく。
空腹感も尿意もある異様にリアルな夢のなか、鬼のような形相の家主から隠れてドールハウスで暮らしてみたり、仮眠中の家主にこっそりと触れてみたり。
姿を見られたが最後、可愛いもの好きの家主からの溺愛が止まりません……!?
■一話 800~1000文字ほど
■濡れ場は後半、※マーク付き
■ご感想いただけるととっても嬉しいです( *´艸`)
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる