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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜
第20話:リンネ指名で届いた品
しおりを挟む「リンネに食べさせてあげて」
と、御指名で頂いたウエットフードと液状オヤツ。
リンネに試食させてみたところ、凄い速さで完食!
カップに入ったウエットフードをスプーンですくって差し出したら、ほとんど丸飲みの勢いで食べた。
余程おいしかったのか全部食べ切るまで無言で頬張っている。
もっと味わってゆっくり食べればいいのに。
屋外で生まれ育った猫は大体早食いだ。
のんびりしてるとカラスや他猫に奪われるから、いつも急いで腹に詰め込むのが野良猫流の食べ方。
屋内で食べ物独り占め状態になっても、その食べ方は変わらない。
ケージに近付いただけで飛びかかってくる荒々しさも変わらない。
むしろ先月よりも激しくなった。
目が合っただけで飛びかかる準備をしている。
まるで通りすがりの人間に喧嘩を売るチンピラのようだ。
ケージに触れる際は皮手袋必須。
トイレの容器を取り出す際は、パンチは常時、時々くる噛みつき攻撃に要注意。
「ウニャーオ! (腹減った!)」
「おっ、珍しくニャー系の声だね」
「シャーッ! ウゥゥ~! (うるさい! 早くメシよこせ)」
「トイレ掃除するから、後ろでこれ食べて待ってて」
腹減ってるから荒れるのかなぁ? と思ってケージの後ろ側に煮干しをポトンと落としてみた。
ペット用のオヤツとして売られている煮干し。
買ってきてすぐ試食させたときは良い食いつきだったのに、リンネは見向きもしない。
「リンネ、後ろ後ろ」
「シャーッ! (うっさい!)」
すぐ後ろに煮干しがあるよと教えても、振り向きもせずに睨んで威嚇。
怒りまくって、背後にあるオヤツに気付いていない。
すると……
「キュー、キュー (ママが食べないならボクが食べるでち)」
「……えっ?! マイクル?」
マイクルと名付けた茶トラ仔猫が、ヨチヨチ近付いて煮干しをガジガジ齧り始めた!
そろそろ生後3週齢、乳歯がはえてくる時期。
歯茎がむず痒くて齧ったのかもしれない。
「キュー、キュー (ん~、硬いでち)」
「食べるにはちょっと早いと思うよ」
リンネの出産から20日目、初めてほっこりした。
マイクルも野生の逞しさを受け継いでいるのか、煮干しに食らいついて齧り続けている。
食べるためというよりは、狩りの練習くらいなのかもしれない。
オモチャ代わりに煮干しはそのまま置いておこう。
と思った直後、気付いたリンネが回れ右、煮干しを奪って食べ始めた。
今がチャンス!
リンネが煮干しを食べている間に、ケージの扉を開けて猫トイレを取り出し成功!
ハッと気付いたリンネが振り返って飛びかかる頃には、僕はケージの扉を閉めている。
パンチ無しで初めてトイレ掃除ができた。
掃除の後。
リンネはウエット1カップとちゅーる1袋を食べていながら、ドライフードも完食。
マイクルのオモチャに追加した煮干しも奪って完食。
底無し胃袋になった腹ペコ猛猫爆誕か?
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