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武人祭
閑話 一方的な虐殺
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※クルトゥの依頼、魔竜戦にて
先に仕掛けたのは魔竜だった。
目がなく、鼻や耳は形作られているが、それが機能しているかもわからないくらいに黒く塗り潰された魔物。
先程まで丸くなっていた時でさえ一軒家程度の大きさだった巨躯が、翼を広げて立ち上がるとさらに大きく見える。
正面にいるアヤトがご馳走にでも見えたのか、魔竜は口を大きく開いてヨダレを垂らしながら食いかかる。
アヤトがいた場所は魔竜により食われ、大きく削り取られてしまっていた。
しかし魔竜が口に含んだのは草と土のみで、アヤト自身は魔竜の鼻先に立っていた。
「土と草を食うなんて、よっぽど腹が空いてたんだな?」
そんな挑発じみた言葉を発するアヤトの雰囲気は、今までよりも重く冷たいものになっていた。
アルニアから聞いた勇者の殺害。
自分と同く異世界から呼ばれた者が、この世界の者によって命を奪われたと聞かされたアヤトの心境は、決して穏やかなものではなかった。
『グ・・・・・・グルァアアアアッ!』
アヤトの挑発に魔竜が怒り、大きく口を上げて彼を空へと打ち上げる。
「無理矢理連れてきて、煽てて戦力にして、帰ってきたら用が済んだから命を奪う・・・・・・勝手だよなぁ・・・・・・」
アヤトはそう呟きながらされるがままに身を任せ、徐々に落下していく。
その下では、今か今かと待ち望んでいる魔竜が大口を開いて待機していた。
そしてアヤトが落下していくにつれ、魔竜との距離が縮まり、その口へと吸い込まれていくーーが。
バキッ!
直前でアヤトは一緒に空中に飛ばされた岩を足場に地面へ急速に落ち、瞬時に飛び上がって魔竜の顎へとサマーソルトキックを打ち込んだ。
頭を蹴り上げられた魔竜は怯みはしたものの、すぐに顔を戻して横回転からの尻尾の薙ぎ払いを行う。
魔竜の巨躯からは想像も付かない速さ。そして普通の人間であれば、原型を留めないくらいに潰れてしまうであろう重い攻撃。
それがアヤトに当たる瞬間、魔竜の尻尾が千切れて彼の斜め後方に飛んでいってしまった。
『グルオォォォォッ!』
肉体の一部を切断され、失った痛みから大地を揺るがすほどの叫びを上げる魔竜。
「あんま騒ぐなよ、ただでさえイライラしてんのに」
と言いつつも、アヤトは意に介した様子もなく怯んだ魔竜に向かって拳を振るう。
アヤトと魔竜、その間には人間の腕の長さでは届くはずのない距離があるはず。
しかし、彼の拳から拳圧が魔竜の腹部へと飛ばされ、大きく『く』の字に仰け反った。
同時にその圧でアヤト自身も反対方向へ飛んでいき、その先にある木を足場に再び跳躍する。
そしてアヤトは仰け反っている魔竜の首をーー
「吹き飛べ」
アヤトのその一言を最後に、掌底を受けて千切れる。
魔竜の頭部は宙高く舞い、それを失った体は数秒硬直して倒れる。
「……デカイ芋虫を見た時も思ったが、やっぱり見かけ倒しか」
悲しそうにそう呟いたアヤトは、落ちてきた魔竜の首を掴み取る。
「そういえば、依頼の達成した証拠って何持ってけばいいんだ……ま、これでいいか」
アヤトはそう言って、自分の体より大きな魔竜の頭を、まるでボールのように投げてキャッチして投げてキャッチしてを片手で繰り返す。
その後、持っている頭を引きずりながら歩き出すアヤトはミーナたちと合流し、クルトゥのギルドへと向かった。
----
「いらっしゃいませ、今回はどのようなご用件で?」
その頃クルトゥでは、一人の女性が受付をしていた。
スラッと背を伸ばしは凛として佇むその女性は、冒険者たちの注目の的になっていた。
「あの人いいよなー……なんでも仕事をこなしちまうって感じで」
「たしかにな。綺麗で美人、しかも気配りもしてくれて加えてあの笑顔って……天使かよって思うよな。それに従業員が前に辞めちまって、今一人でやってんだろ?よく辞めずにやれるよ……」
「だったらお前が手伝えばいいんじゃねえか?」
「ばっかお前、俺が手伝ったら、ただの足手まといで迷惑にしかならねえじゃねえか!」
『ちげぇねぇ!』と大声で笑う男たち。
そんな中でギルドの扉が開かれた。
「あ、いらっしゃ、い……ませ……?」
女性は開かれた扉の先にいた者を見ると、笑顔のまま硬直してしまった。
そこにいたのは血塗れになったアヤトと、それを追いかけていたアルニアとミーナの姿だった。
「ま、待って、アヤト君……!」
制止の声をかけるアルニアだが、声が届いてないのか、アヤトは気にせずに受付の前へと立つ。
「……依頼を達成した。証拠はアレでいいか?」
「……はい?」
アヤトが『アレ』と指差した方向には、ギルドの扉の隙間から魔竜の顔の一部が見えていた。
女性の笑顔が引きつったものとなり、冒険者たちがざわめく。
しかし女性はそれ以上リアクションを取る事はなかった。
「……あの、魔物の依頼達成はギルドカードに自動登録されるので、カードだけ渡してもらえればいいです。もしろん、素材を持ってきていただければ買取も致しますが……」
表情を崩しつつもあくまで冷静に対応する受付嬢。
彼女に対しアヤトは、『そうか』とだけ言ってギルドカードも一緒に差し出した。
受付嬢は手を少し震わせながらもそのカードを受け取り、手元にある道具に差し込んだ。
「たしかに……魔竜の討伐、確認しました」
受付嬢の言葉に、ギルド内の冒険者たちが『おぉ!』と感嘆の声を上げる。
「魔竜って、あのSランクの依頼にあったやつだろ?達成しちまったのか!?」
「すげー!……でも、あいつ誰だ?この辺りじゃ見ない顔だが……」
「魔竜を倒しちまうくらいだ。どこか有名なパーティーじゃーー」
冒険者の間でそんな話が飛び交っていると、受付嬢が言葉を続けた。
「おめでとうございます、アヤト様。冒険者ランクEランクからCへ昇格致しました!」
「「は?」」
受付嬢の言葉に冒険者たちが揃えて口から零れた。
アヤトのランクを知っていた受付嬢以外の全員、あまりの予想外に眉をひそめたり、バカにするような笑みを浮かべる。
そんな中でもアヤトは気にせず魔竜の素材買取の手続きを淡々と済ませ、立ち去ろうとしていた。
しかし数人の男女が扉を塞ぐように、アヤトの前に立ち塞がった。
「よう、坊主。誰のおこぼれを貰ったんだ?」
いかにもチャラそうな男が前に出てくる。
だがアヤトはその挑発する言葉に反応する事もなければ、目を合わせようともせず、近くで待機していたミーナやアルニアもその光景から目を逸らしている。
一見するとアヤトがイジられ、見放されているようにも見えるが……
「どけ」
「あぁん?ごめんなさいねぇ、ぼくちゃん、低ランクの言葉じゃ小さくて聞こえないーー」
尚もバカにする男にアヤトは、目と目を合わせる。
するとニヤけていた男の表情が一変した。
そしてアヤトはしっかりと言い聞かせるように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「そこを、どけ」
「ヒッ!?」
小さく悲鳴を上げた男は尻もちを突き、恐怖に表情を歪ませていた。
それでも男はアヤトの目から視線を外せない。
視線は背筋が凍るほど冷たく、強い殺意を宿していた。
視線を外せずにいる男の様子が徐々に変わっていき、最後には白目になって泡を吹きながら倒れてしまう。
男の下半身からはちょろちょろと水が漏れる音が聞こえるが、誰もそれを気に留めない。
全ての視線はアヤトに向けられているからだ。
異様と言えるその光景を目の当たりにしてしまったこの場にいる全員が言葉を失い、静まり返っている。
唯一、アヤトだけが歩き出してギルドから出ていき、続いてミーナとアルニアも出ていく。
しばらくしてから時間が動き出したかのようにギルド内が騒がしくなった。
先に仕掛けたのは魔竜だった。
目がなく、鼻や耳は形作られているが、それが機能しているかもわからないくらいに黒く塗り潰された魔物。
先程まで丸くなっていた時でさえ一軒家程度の大きさだった巨躯が、翼を広げて立ち上がるとさらに大きく見える。
正面にいるアヤトがご馳走にでも見えたのか、魔竜は口を大きく開いてヨダレを垂らしながら食いかかる。
アヤトがいた場所は魔竜により食われ、大きく削り取られてしまっていた。
しかし魔竜が口に含んだのは草と土のみで、アヤト自身は魔竜の鼻先に立っていた。
「土と草を食うなんて、よっぽど腹が空いてたんだな?」
そんな挑発じみた言葉を発するアヤトの雰囲気は、今までよりも重く冷たいものになっていた。
アルニアから聞いた勇者の殺害。
自分と同く異世界から呼ばれた者が、この世界の者によって命を奪われたと聞かされたアヤトの心境は、決して穏やかなものではなかった。
『グ・・・・・・グルァアアアアッ!』
アヤトの挑発に魔竜が怒り、大きく口を上げて彼を空へと打ち上げる。
「無理矢理連れてきて、煽てて戦力にして、帰ってきたら用が済んだから命を奪う・・・・・・勝手だよなぁ・・・・・・」
アヤトはそう呟きながらされるがままに身を任せ、徐々に落下していく。
その下では、今か今かと待ち望んでいる魔竜が大口を開いて待機していた。
そしてアヤトが落下していくにつれ、魔竜との距離が縮まり、その口へと吸い込まれていくーーが。
バキッ!
直前でアヤトは一緒に空中に飛ばされた岩を足場に地面へ急速に落ち、瞬時に飛び上がって魔竜の顎へとサマーソルトキックを打ち込んだ。
頭を蹴り上げられた魔竜は怯みはしたものの、すぐに顔を戻して横回転からの尻尾の薙ぎ払いを行う。
魔竜の巨躯からは想像も付かない速さ。そして普通の人間であれば、原型を留めないくらいに潰れてしまうであろう重い攻撃。
それがアヤトに当たる瞬間、魔竜の尻尾が千切れて彼の斜め後方に飛んでいってしまった。
『グルオォォォォッ!』
肉体の一部を切断され、失った痛みから大地を揺るがすほどの叫びを上げる魔竜。
「あんま騒ぐなよ、ただでさえイライラしてんのに」
と言いつつも、アヤトは意に介した様子もなく怯んだ魔竜に向かって拳を振るう。
アヤトと魔竜、その間には人間の腕の長さでは届くはずのない距離があるはず。
しかし、彼の拳から拳圧が魔竜の腹部へと飛ばされ、大きく『く』の字に仰け反った。
同時にその圧でアヤト自身も反対方向へ飛んでいき、その先にある木を足場に再び跳躍する。
そしてアヤトは仰け反っている魔竜の首をーー
「吹き飛べ」
アヤトのその一言を最後に、掌底を受けて千切れる。
魔竜の頭部は宙高く舞い、それを失った体は数秒硬直して倒れる。
「……デカイ芋虫を見た時も思ったが、やっぱり見かけ倒しか」
悲しそうにそう呟いたアヤトは、落ちてきた魔竜の首を掴み取る。
「そういえば、依頼の達成した証拠って何持ってけばいいんだ……ま、これでいいか」
アヤトはそう言って、自分の体より大きな魔竜の頭を、まるでボールのように投げてキャッチして投げてキャッチしてを片手で繰り返す。
その後、持っている頭を引きずりながら歩き出すアヤトはミーナたちと合流し、クルトゥのギルドへと向かった。
----
「いらっしゃいませ、今回はどのようなご用件で?」
その頃クルトゥでは、一人の女性が受付をしていた。
スラッと背を伸ばしは凛として佇むその女性は、冒険者たちの注目の的になっていた。
「あの人いいよなー……なんでも仕事をこなしちまうって感じで」
「たしかにな。綺麗で美人、しかも気配りもしてくれて加えてあの笑顔って……天使かよって思うよな。それに従業員が前に辞めちまって、今一人でやってんだろ?よく辞めずにやれるよ……」
「だったらお前が手伝えばいいんじゃねえか?」
「ばっかお前、俺が手伝ったら、ただの足手まといで迷惑にしかならねえじゃねえか!」
『ちげぇねぇ!』と大声で笑う男たち。
そんな中でギルドの扉が開かれた。
「あ、いらっしゃ、い……ませ……?」
女性は開かれた扉の先にいた者を見ると、笑顔のまま硬直してしまった。
そこにいたのは血塗れになったアヤトと、それを追いかけていたアルニアとミーナの姿だった。
「ま、待って、アヤト君……!」
制止の声をかけるアルニアだが、声が届いてないのか、アヤトは気にせずに受付の前へと立つ。
「……依頼を達成した。証拠はアレでいいか?」
「……はい?」
アヤトが『アレ』と指差した方向には、ギルドの扉の隙間から魔竜の顔の一部が見えていた。
女性の笑顔が引きつったものとなり、冒険者たちがざわめく。
しかし女性はそれ以上リアクションを取る事はなかった。
「……あの、魔物の依頼達成はギルドカードに自動登録されるので、カードだけ渡してもらえればいいです。もしろん、素材を持ってきていただければ買取も致しますが……」
表情を崩しつつもあくまで冷静に対応する受付嬢。
彼女に対しアヤトは、『そうか』とだけ言ってギルドカードも一緒に差し出した。
受付嬢は手を少し震わせながらもそのカードを受け取り、手元にある道具に差し込んだ。
「たしかに……魔竜の討伐、確認しました」
受付嬢の言葉に、ギルド内の冒険者たちが『おぉ!』と感嘆の声を上げる。
「魔竜って、あのSランクの依頼にあったやつだろ?達成しちまったのか!?」
「すげー!……でも、あいつ誰だ?この辺りじゃ見ない顔だが……」
「魔竜を倒しちまうくらいだ。どこか有名なパーティーじゃーー」
冒険者の間でそんな話が飛び交っていると、受付嬢が言葉を続けた。
「おめでとうございます、アヤト様。冒険者ランクEランクからCへ昇格致しました!」
「「は?」」
受付嬢の言葉に冒険者たちが揃えて口から零れた。
アヤトのランクを知っていた受付嬢以外の全員、あまりの予想外に眉をひそめたり、バカにするような笑みを浮かべる。
そんな中でもアヤトは気にせず魔竜の素材買取の手続きを淡々と済ませ、立ち去ろうとしていた。
しかし数人の男女が扉を塞ぐように、アヤトの前に立ち塞がった。
「よう、坊主。誰のおこぼれを貰ったんだ?」
いかにもチャラそうな男が前に出てくる。
だがアヤトはその挑発する言葉に反応する事もなければ、目を合わせようともせず、近くで待機していたミーナやアルニアもその光景から目を逸らしている。
一見するとアヤトがイジられ、見放されているようにも見えるが……
「どけ」
「あぁん?ごめんなさいねぇ、ぼくちゃん、低ランクの言葉じゃ小さくて聞こえないーー」
尚もバカにする男にアヤトは、目と目を合わせる。
するとニヤけていた男の表情が一変した。
そしてアヤトはしっかりと言い聞かせるように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「そこを、どけ」
「ヒッ!?」
小さく悲鳴を上げた男は尻もちを突き、恐怖に表情を歪ませていた。
それでも男はアヤトの目から視線を外せない。
視線は背筋が凍るほど冷たく、強い殺意を宿していた。
視線を外せずにいる男の様子が徐々に変わっていき、最後には白目になって泡を吹きながら倒れてしまう。
男の下半身からはちょろちょろと水が漏れる音が聞こえるが、誰もそれを気に留めない。
全ての視線はアヤトに向けられているからだ。
異様と言えるその光景を目の当たりにしてしまったこの場にいる全員が言葉を失い、静まり返っている。
唯一、アヤトだけが歩き出してギルドから出ていき、続いてミーナとアルニアも出ていく。
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