最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし

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 黒髪をボサボサの天パにした若い男が書類が積み上げられた机に座り、ひたすら持っている羽ペンを走らせている。
 すると部屋の扉が軽いノックが二回聞こえると返事を待たずに扉を開き、メイド服をスラリと着こなした老婦人がティーカップを乗せたお盆を持って入って来た。


 「失礼致します、紅茶をお持ち致しました。旦那様、そろそろ休憩を。長時間の職務は体に毒でございます」


 老婦人は能面のような無表情のまま男の横まで行き、机の空いているスペースにティーカップを置いてそう言った。
 それを聞いた男は大きく溜息を吐いて羽ペンを置き大きく背伸びをする。


 「あぁ、もうそんな時間か。毎度すまない、メイド長」

 「いいえ。昼食も用意してありますのでご支度ができましたらいらしてください」

 「あぁ、わかったよ。・・・それにしても今日はずいぶん静かだな、あの子は。おかげで仕事が捗ったが」


 男は窓際に近付き外を眺めながら手に持っている紅茶を口にする。


 「先程庭へ足を運んだ時にはいなかったのでまだ寝ているか、ゲームをしているのでしょう」

 「・・・彼くらいの年齢なら同年代の子と外で遊んでてもおかしくない筈なのにな・・・」

 「仕方のない事です。私たちだけならまだしも、何の事情も己を護る術も知らないあの子を外に出すわけにはいきませんから。それに・・・」


 すると突然廊下の方からドタドタと大きな足音が近付いて扉が一気に開かれ小学生くらいの少年がスマホを片手に入り、すぐに老婦人を見付けると嬉しそうに駆け寄る。


 「お婆ちゃんいる!?あっ、お婆ちゃんお婆ちゃん!!」

 「ハッハッハ!噂をすれば、だな。いつも通りで安心した」

 「はる・・・」


 男の方は声に出して笑い、老婦人の方は呆れたように手を眉間に当てて溜息を吐く。


 「見て見てっ!すっごいレアモンスターしたんだよっ!お婆ちーー」 


 ガシッ!ミシミシ・・・!

 老婦人が春の顔面を片手で鷲掴み持ち上げて変な音が鳴る。


 「春、せめて旦那様の前ではお静かにといつもあれだけ言っていますよね?」

 「あゔぁぁぁ・・・」

 「まぁまぁ、それくらいで。僕たちは家族なんだから気にしなくていいんだよ?」

 「それはそれ、これはこれでございます。節度は弁えさせませんと。・・・特に、それ程大事でもない用事で旦那様の部屋にノックもせず入るというのはーー」

 「大事だよ!超大事な事だよ!コレ滅多な事じゃ手に入らないんだから!このゲーム、ただでさえ最高レアが出てくるのが低確率で、しかも僕が欲しかったモンスターが出てくる確率なんてもっと低いんだよ?」


 春は老婦人の説教の言葉を遮り、腕をブンブンと振りながら主張した。


 「それが今手に入ったんだ!興奮しない方がおかしいたたたたたっ!?」


 老婦人の頭を握っている力が強まり春は悲鳴を上げジタバタともがく。


 「凛さん、そのくらいで。今日は急ぎの用事もないし、あとは他のメイドたちに任せて春くんの相手をしてあげてください。あっ、それとも休憩ついでに僕が相手しますか?」

 「ですが・・・ッ!」


 老婦人は何かに気付き反論しようとした言葉を中断する。
 すると再び部屋の扉がノックされメイド服の若い女が入って来る。


 「メイド長、ご客人です」

 「そのようで。旦那様、少々失礼させていただきます」

 「任せた」


 男が一言発すると老婦人は会釈をしもう一人の女と共に部屋から出て行った。


 「お客さん?お婆ちゃんに?」

 「まぁ、本当は僕に用事があるだと思うんだけど」

 「おじちゃんが行かなくていいの?」

 「おじ・・・ハハッ、まぁいいか。うん、あの人たちは僕より君のお婆ちゃんに任せた方が話が進むからね。君のお婆ちゃんはスーパーヒーローだから。あれ、女の人はウーマンかな?」

 「ふーん・・・お婆ちゃんって凄いの?」

 「物凄いよ。僕も何度も助けてもらった事もあるからね」


 ーーーー


 少女と老婦人が廊下を歩いているとその後ろに他の掃除道具を持ったメイドたちが合流するように増え集まっていき、老婦人は持っている杖で少し強めに地面を叩いて音を鳴らす。


 「いいですか、貴女たち。いつも通りでお願いしますね」

 「「はい!」」


 十人程集まった少女たちから低く力強い返事が返ってくる。
 そして少女に連れられて来られた老婦人が着いた場所にはガラの悪い男たちがゾロゾロとやって来ていた。
 先頭にいたその内の一人の男が前に出て来た。


 「出迎えご苦労!だけどよぉ、俺たちがここに来たのはお前らの主人に会うためだ。理由は分かってるよな?」

 「いいえ何の事か。旦那様は多忙故、ご用件がありましたらこちらでお伺い致しますが?」

 「おいおいおいおい!まさかあれだけの事して忘れましたで済ませる気じゃないだろうな!?俺たちの大事な商品を倉庫ごと爆破してオジャンにしやがって・・・」

 「忘れました」


 老婦人がキッパリとそう言うと周りの少女たちはクスクスと笑い、男の額に血管がピクピクと浮き出る。


 「良い度胸じゃねえか・・・。おい、てめえら!もう遠慮する必要はねえ!好きにやっちまえ!!」

 「「おう!!!」」


 男たちはそれぞれ拳銃や釘バットなどを持ち出し空気が震える程の怒号を放って走り出し、メイドたちはそれに臆する事なくしっかりと男たちを見据えていた。
 そして老婦人が指をパチンと鳴しメイドたちが一斉に散開する。
 男たちの数はゆうに百を超え、それに対したった十人しかいない数で男たちに挑むメイドたち。


 「ハッ、馬鹿か!?たったそれっぽっちの女どもで何ができるーー・・・?」


 勝ち誇っていた男はある違和感を覚え、言葉を途切れる。
 ある一定距離から男たちが進んでいないのが遠目に分かった。それどころか人が宙に舞ってるようにも見えていた。


 「おいてめえら、何モタモタしてやがる!さっさと潰しちまわねえか!!」

 「そ、それがボス!コイツら普通の女じゃねえんスよ!!」

 「ったりめえだ!倉庫を爆破させるような頭のおかしい連中だぞ!?そんな連中がまともなわけーー」

 「違うんス!女一人一人がとんでもなく強いですよ!」

 「はぁ?てめえら寝言は寝て言え!そもそもこれだけの数がいて女一人すら捕まえられないってのはお前らが不甲斐ないからだろうが!ちょっとそこどけ!」


 リーダー格の男が他の者たちを掻き分け前に出る。するとそこには唖然とする光景が広がっていた。
 ほうきを持った少女たちの足元にはいくつものしかばね(死んではいない)が転がっており、少女たち自身は無傷で涼しい顔をしていた。


 「何だ・・・一体何が起きてやがる・・・?」

 「やっと前に出て来ましたか。貴方が高みの見物をしている間に半数は眠りについてしまいましたよ?」

 「「ッ!?」」


 老婦人もメイドたちの一歩前に出て不気味な笑みを浮かべ、その表情を見た男たちはすくみ上がっていた。
 そしてまた一人の男がバットを振り上げ突っ込んで行くとメイドの一人が持っている箒を巧みに使って足払い、溝打ち、最後に顔面を蹴り上げ、倒れた男は完全に気を失っていた。


 「ヒッ・・・!?」

 「ではここで警告致しましょう」


 老婦人が更に一歩前に足を出すと男たちがビクッと肩を震わせた。


 「これより先に踏み入れるのであれば貴方たちの命で償っていただきます」


 老婦人から漏れ出した殺気に複数の男たちが失神をしてしまい、ほとんどの者が身動きが取れなくなっていた。


 「フフフ・・・物分かりの良い犬で助かりました。ではあとはここからーー」

 「ふ、ふざけんじゃねえぇぇぇっ!!」


 老婦人の言葉を遮り、拳銃を突き出して叫ぶリーダ格の男。
 その行動に他のメイドたちが動き出そうとするが、老婦人が手で制止させる。


 「こんな・・・こんなババアに俺たちが尻尾を巻いて逃げるわけにはいかねえんだよぉぉぉ!!」

 「・・・それは誠に残念です」


 男が老婦人に向かって発砲。しかしそこにいた筈の老婦人の姿は消えて弾丸が虚しく空を切り、いつの間にか男の目の前に老婦人が平然と立っていた。
 そして持っている杖で男の四肢をほぼ同時に叩き折り、最後のトドメに首へ打撃を加えベキリという鳴ってはいけない音と共に飛んで行った。
 吹き飛んだ男が転がり仰向けに止まると男はピクリとも動かず白目を剥いており、すでに息をしていなかった。


 「・・・では他に狼藉を働きたい者、がいましたらお相手差し上げましょう」

 「ぁ・・・」


 そんな小さく震えた声が男たちの中から聞こえ始める。すると一人が逃げ、その恐怖が伝染したかのように次々と逃げ出しその場に残っているのはメイドたちの除いて気絶した男たちと息をしていないリーダー格の男だけとなった。
 


 「・・・では貴女たち、掃除は任せました。藍那あいな、あとは指示は貴女が出しなさい」


 老婦人は全員に指示を出すと、先程部屋に呼びに来た一人のメイドの肩に手を置いてそう言った。


 「わ、私ですか?」

 「ええ。貴女は次期メイド長なのです。今から下の者を指示をしてまとめる事に慣れておきなさい」

 「はいっ!」

 「よろしい」


 老婦人はぶっきらぼうに言ってその場を離れた。


 ーーーー


 ゆったりとした歩幅で廊下を進む老婦人。その顔は無表情でありながらどこか憂いを帯びていた。


 (これで不安要素のほとんどを潰した・・・。メイド長の代わりも藍那に任せ、春の・・・両親のいなくなった孫の面倒も旦那様や屋敷のメイドたちが見てくれる筈。ここを襲うような輩もほとんど排除完了し、あとはあの娘たちでも何とかなる小者ばかり。・・・何とか間に合ったようですね)


 老婦人は小さく溜息を吐き、歩みを止め近くの窓ガラスから空を見上げる。


 「いつ死んでもおかしくない身で何とかここまでこじ付けた。本当なら息子たちのいなくなったあの子の成長を私が見守らなければならないのだけれど、もう長くはない・・・。だけどあの子なら大丈夫でしょう」


 老婦人は口角を少しだけ上げ微笑む。
 そして再び歩き出そうする。しかしその老婦人の足元が眩く光り始めた。


 「これは・・・?」


 不意を突かれた老婦人はその光に飲み込まれ跡形も無く消えてしまう。


 ーーーー


 「・・・ッ!?」


 やがて光は収まり周りが僅かずつ見えてくる。
 すると彼女が目にしたのは先程とは違う景色と見知らぬ男たち。
 正面には鎧に身を包んだ巨体の男と王座のような仰々しい椅子に座ってい踏ん反り返っている男がいる。


 「・・・ここはどこでしょうか?」


 彼女が声に出すとある違和感を覚えた。


 (今のは・・・?確かに言葉を口にしたのは私の筈・・・しかし今のはもっと幼い少女のようか高く透き通った声だった・・・)


 何が起きたのか理解が及ばず自分の喉に手を当てようとする。するとその手を見て彼女は驚愕した。


 (手が・・・少女の手に・・・?シワやシミが一つもない綺麗な手・・・)


 両手を確認し、その手で自分の顔を触るとその感覚にもシワがない事を理解した。


 (若返っている?一体どういう・・・)

 「ガーランド、そのガキを連れてけ」


 老婦人だった少女が困惑していると正面に座っている王らしき男が何の説明も無くそう言い放った。
 するとその横にいるガーランドと呼ばれた大男が少女の元へ行く。


 「ここはどちらでございましょうか?」


 声の違和感を覚えたまま少女は言葉を口にして状況を把握しようと試みる。


 「詳しい話は後ほど。あんたにはこれから検査を受けてもらう。多分その時に少し説明があると思う」

 「・・・かしこまりました」


 少女がペコリと頭を下げるとガーランドは目を見開く。


 「見た目の幼さの割にずいぶん礼儀正しいのだな」

 「つい先程までメイド長を勤めておりましたので」

 「その年でか?それはまた・・・」


 冗談だと言わんばかりに軽く笑うガーランド。しかし少女はそんな事を気に留める事もせずガーランドの斜め後ろを付いて行った。
 しばらく歩き続けるとガーランドがある一室の扉の前で立ち止まりノックする。


 「入れ」


 扉の向こうからはハスキーな女性の声が返ってきた。


 「失礼する」

 「失礼致します」


 ガーランドに続き少女も開いた扉の前で一礼して中に入る。
 部屋の中には椅子にもたれ掛かり怠そうに一枚の紙を眺めている赤い長髪の女性がいた。


 「ほう、見た目の割にずいぶん礼儀正しいのだな」

 「つい先程までメイドを勤めておりましたので」

 「プッ、ククク・・・」


 先程と同じ会話が目の前で行われた事にガーランドが思わず吹き出してしまい。
 その様子に女は首を傾げるが「まぁいい」と言葉を続ける。


 「ここで医師をしているシャードだ。短い間だけになるか長い付き合いになるかは分からんが、とりあえずよろしく、だ」

 「そうだな、では一応俺も名乗っておいた方が良いか。ガーランドだ」

 「はい。私は霧風 凛と申します。突然の出来事で現状を把握し切れていませんので説明の要求をしてもよろしいでしょうか?」


 こうして凛は後に召喚された世界のある程度の説明を受け、光属性の適正がないと分かるや否や城から追い出され、冒険者となり、学園に編入しアヤトたちと出会う事となった。


 ーーーー


 ・・・あれから三年。あっという間に過ぎてしまった。
 春や旦那様に不自由がないようメイドたちを育て上げ、全て藍那に任せたつもりでいたが・・・。


 「やはり、心配なものは心配・・・。年齢が若返っても老婆は老婆という事ですか。ふぅ・・・」


 椅子に座りお茶をすする。
 向こうで飲んだ物とは違う味だが、これもこれで美味い。
 窓の外に目をやると白い竜の子供が鎧を着た黒い骨と戯れているのが見えた。
 アレを見る度にここは異世界なのだという事を実感させられる。
 そして自分の仕えた男と息子夫婦が授かった孫の顔がもう見れない事も。


 (けじめをつけたつもりでしたが、どうにも捨て切れない。ここまで未練がましい女だったと七十年生きて初めて知る事になるとは・・・)

 「旦那様・・・」


 口からそんな単語が漏れ出る。そしてその言葉で連想させたのは元の世界の男ではなく、この屋敷の主人の綾人とだった。


 (あの方の代わりなどいない。しかし、代わりの「旦那様」に貢献する事はできる。冒険者としても生活に困る事はないが、長年人に仕える事を生業としたこの身。その習性が消える事はなく再び誰かに仕えたいという衝動が止まらない。ならば何かの縁、小鳥遊の者に仕えるというのも面白そうですね・・・。新たな「旦那様」として)


 イリーナはそう心に決めると立ち上がり、掃除機に似た物を持ち、部屋から出て行く。
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