花衣ー皇国の皇姫ー

AQUA☆STAR

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統一編

第85話 焔の追憶

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 焼け付く様な感覚に目を覚ますと、そこは見知らぬ場所。

 見渡す限りが火に包まれ、焼け落ちたのか、古い造りの家屋が瓦礫と化していた。一見すれば、ここは戦場か、はたまた大火に見舞われた村か。異質なこの感覚は、常世に誘われたあの時の感覚と同じだった。

「熱いな…」

 燃え盛る火に手を近づける。距離が詰まるほど手に熱気が感じられ、手の皮が収縮する感覚を感じる。

 どうやら、燃え盛っているのは本物の火のようだ。

 兎にも角にも、このままでは何も分からない。立ち上がり、ここが何処か分かるような手がかりを探そうと歩き出すことにした。

"ん?"

 ふと、腰元を見ると、そこにあるはずの業火が無かった。あるのは、剣史郎から手渡されたあの草薙剣だけだ。

「業火が…どこにいったんだ」

 何故、業火だけが腰に無いのかと不思議に感じつつ、まだ火が燃え盛る村の中を進んでいく。

 見上げた空は夕焼けよりも赤い。

 そして、村の真ん中を走る道の途中に見覚えのある人物が立っていた。こちらを見て一歩も動かず。まるで俺がここに来るのを待っていたかの様だった。

「親父…」

 俺は目を疑った。そこには、俺がまだ瑞穂の従者になる前に戦へ出たきり、二度と戻って来ることのなかった親父の姿があった。

 赤みを帯びた錆色の頭髪に、たくましい顎髭。額から右目に掛けて斜めに走る傷痕は、かつて親父がその手で葬った鬼から受けた傷だと聞いている。記憶が正しければ、目の前にいるのは親父で間違いない。

 しかし、親父が纏っている雰囲気は異様なものだった。言い表すとすれば、煉獄の地に巣食う鬼の様な雰囲気だ。親父は俺を見据えると、その腰に差していた刀を鞘から引き抜く。

 それは間違い無く、親父から受け継ぎ、長き戦いと苦楽を共にしてきた愛刀の業火だった。業火からは、底知れぬ呪力の渦が感じられた。

「ッ⁉︎」

 突然、親父は俺に斬りかかってきた。何の呪力も持たないはずだが、その動きは明らかに常人の実力を凌駕している。

 草薙剣で振り下ろされた一撃を弾き、横に斬りつける一文字斬りを刀を逆さに持って防ぐ。その速い斬撃は受け止めるのがやっとであり、二撃目すら防げたのは右肩直近、間一髪のところだった。

 柄を握る手を一瞬で翻し、防いだ業火の刀身をなぞる様に斬り上げる。すると、親父は草薙剣の刀身を業火の鍔で受け止め、鍔迫り合いの状態から刀身の向きを変え、斜めに斬りつけてくる。

 刀身を引き離し、何とか振り下ろしたことで業火を弾き返す。しかし、親父は俺が振り下ろした草薙剣を足で押さえつけ、弾いた業火を顔目掛けて一直線に突き出してきた。

「ッ⁉︎」

 顔を動かし、業火の突きを躱す。顔の左側を業火の刀身がすり抜けていく。

 おそらく、次の攻撃は躱した隙を狙って首を打ちにくるはず。そう思い、体勢を低くしたその時だった。親父はあえて外側に体を回し、遠心力を使うように回転させ、逆方向から体勢を低くした俺の胴を狙ってきた。

「なっ⁉︎」

 刀を片足で踏みつけていたとしても、回転する時に体の軸は一切揺れ動いていない。踏みつけられていた刀身を横に向け、足から草薙剣を外す。そして、回転を利用して振られた業火を、真下から斬り上げて弾き返す。

 足元と手元をほぼ同時に不安定にしたことで、親父の体は一瞬横に揺れる。その隙をついて足元へと斬りかかるが、親父は宙返りでそれを避け、俺から距離をとる。

"一瞬でも気を抜けば、やられる…"

 何故、親父が俺に斬りかかってきたのかは分からない。しかし、目を見れば分かる。親父は本気で、何の躊躇もなく俺を殺しに来ている。

 すると、親父は業火の刀身をすぐ横で燃えていた家屋の柱に押し付ける。柱をなぞると、業火の刀身にさらに燃え盛る火が纏われる。

 すでに刀身に纏われていた呪力の火と相まって、炎となっていた。

 今度はこちらから攻める。大きく一歩を踏み込み、利き手の右手側から回り込むように斬りかかる。定石では、相手の動きに従って体の向きを変え、利き手側の死角を封じる。しかし、親父は体の向きを変えず、顔だけでこちらの動きを捉えていた。

"どう出るっ⁉︎"

 俺は親父の右半身を狙って斬りかかる。すると、親父は素早く納刀すると、目にも止まらぬ速さで四方を幾度も斬る。

 親父の剣撃に遅れて、斬った場所から鎌鼬のような斬撃が発生する。俺の攻撃はその斬撃の残滓に阻まれ、届かなかった。

 そして見落としていたことがあった。業火に纏っていた火が残滓と共に広がり、やがて爆発するかの様に親父を中心に広がったのだ。残滓に弾かれ、後方に一歩仰け反った俺は、爆炎に吹き飛ばされてしまう。

"まずいっ⁉︎"

 体勢を崩した隙を見計らったのか、一気に距離を詰められる。身体を捻り、体勢を仰向けからうつ伏せの状態へと変える。その動作の途中、火を纏った業火の刀身が顔のすぐ側をすり抜けて行くのを感じた。

 右手を地面につけ、そのままの勢いで宙返りする。さらに迫って来た親父が刀を振り上げ、それを防ぐと互いに押し合う鍔迫り合いとなった。

「何の真似だ、親父‼︎」
「………」

 親父は何も言わずに力を込めて押し込んでくる。無表情も相まって、その姿は不気味だ。俺は負けじと、それ以上の力を込めて押し返す。

「本気でそのつもりなら、こっちも加減できないぞ‼︎」

 鍔迫り合いの最中、ほんの刹那。力を抜き業火の刀身から身体を逸らして避ける。

「一閃‼︎」

 呪力を解放し、神速の一撃を放つ。通常ではあり得ないほど速い速度の斬撃だったが、親父は必要最小限の後退だけでその斬撃を避けた。

 しかし、避けられるのは想定済みだ。あえて避けさせることを選んだことで、次の行動に移るまでに隙を作らせたのだ。

 その隙を見逃すことなく、軸を揺らすことなく三度斬りかかった。一撃目は業火を落とせはしなかったが親父の腕に傷痕を付け、二撃目に防ごうと前へ突き出した刀身を宙へと弾き、三撃目で開いた胸元を切り裂く。

 親父は業火を地面に落とし、力なく地面に膝をつける。

「親父…ッ⁉︎」

"なんだ、この呪力の強さは⁉︎"

 突然、親父の体が炎に包まれる。その炎は、先ほど斬った胸元の傷、そして額の傷から溢れ出し、瞬く間に全身に煉獄の炎を纏った。

 そして、人であったその姿が徐々に異形の存在へと変わり始める。体格は人を裕に超える筋骨隆々の巨躯となり、火を纏った体毛が伸びる。口からは牙が生え、額には禍々しい対の角。そして、人とは思えないほど恐ろしい顔つきとなる。

 それはまるで、鬼だった。

「修羅…そうか、そうだったんだな」

 俺は、親父の変わり果てた姿を見てある結論に至った。戦いの最中、業火から溢れ出す無尽蔵の呪力。何故か手に馴染んだ使い心地。並の呪装刀とは比べ物にならないほどの力。それは、業火の持つ呪力のみならず。火を司る妖『修羅の鬼』に成り果てた親父が、業火に取り込まれることでその力を増大させていたのだと。

「ようやく納得がいった。業火の中に眠っていたのは、親父、あんただったんだな」

 名あり妖『修羅の鬼』と成り代わった親父は、その剛腕で燃える家屋ごと俺を薙ぎ払おうと腕を振るう。家屋は最も簡単に砕かれ、地面は掘り返され、腕が振るわれた場所には火が点き火の粉が舞う。

 まるで、火を自在に操る演舞の様だった。舞と呼ぶには荒々しいが、その様を表す言葉は中々見つからない。

「俺が纏めて払ってやるよ、親父。あんたの未練も、取り憑いた其奴もな!」

 修羅の鬼が右手を叩きつけてくるよりも前に、地を蹴り飛び上がり、地面を貫く腕に飛び移る。腕に生えた炎を纏う体毛、焼ける様に熱いが、生憎俺の呪力の特性は火だ。妖の呪力如きでは、この身を焼くことなど不可能なのだ。

 頭に向けて着地した腕の上を走り始めると、修羅の鬼は俺を振り払おうと腕を振るう。しかし、草薙剣の剣先を腕に突き刺し、その反動を身体で去なして持ち堪える。

 腕の動きが鈍った隙に突き刺した草薙剣を引き抜き、さらに右腕の関節を狙って斬りつける。刀身は見事に腕に命中したが有効な手傷は与えられていない。

 宙へ舞う俺に向けて、修羅の鬼は今度は左手の拳で殴打してくる。

 しかし、その動きは想定済みだ。修羅の鬼に対して体を半身に向け、左手で呪術を発動させる。

「炎符、爆炎」

 左手から放たれた爆炎は、宙に浮かび重力から解放された俺の体を、その爆発の勢いで回転させる。修羅の鬼の殴打が、鼻先を掠って空を打つ。

 俺はそのまま、俺を捉えきれなかった修羅の鬼の右腕を回転しながら斬りつける。先ほどの一度きりの斬撃とは異なり、さらに修羅の鬼の右腕に深傷を負わせた。

 そのままの勢いで、刀身の剣先を修羅の鬼の心の臓部分へと突き立てる。しかし、心の臓を貫いてもなお、修羅の鬼の力が弱まる気配は感じられなかった。

「なにっ⁉︎」

 勝負を決めにかかった一撃だった。しかし、その一撃、しかも生きとし生けるモノの最大の弱点である心の臓を貫いたとしても、その巨躯が倒れることはなかった。

「ふぐっ⁉︎」

 油断し切っていたところに、痛烈な殴打を受ける。体は軽々と吹き飛ばされ、地面を転がる。攻撃を受ける瞬間に、持てる呪力全てを防御に注いだおかげで、四肢の欠損は免れた。しかし、その殴打の衝撃は凄まじく、臓器が破裂したのか吐血してしまう。

 痛む体を庇いつつ立ち上がる。修羅の鬼は追撃を仕掛けることはなく、こちらをジッと見据えていた。威嚇するかの様に、低く響く唸り声を上げる。

"追撃が来ない…こちらの出方を伺っているのか…"

 互いに円を描く様に位置を変え、出方を伺う。

"心の臓を貫いても倒れない…どうすれば"

 おそらく、次の機会がこの戦いの勝敗を決するだろう。このままの戦い方では、俺は勝てるはずがない。修羅の鬼は、己がそう考えるほどの実力だ。

 強敵に打ち勝つには、幾つかの方法がある。単純に相手よりも強い技や呪術を用いて、一気に畳み掛ける。もしくは、力が及ばなくても何度も攻撃することで相手を消耗させる。

 実力で劣る上、疲労したこの体ではその二つは無理だ。

 最後に残るのは、相手の弱点を見つけて有効な技を打つこと。これまで、幾度となく強敵を相手にしてきた中で、一番確実な手段だ。

 しかし、それはあくまでも弱点を見つけることが出来ればの話だ。

"妖……"


 ◇

 
 10年前。

 親父がまだ村にいた頃、俺はまだ刀すらまともに持つことの出来ない小童だった。その頃はまだ、可憐姉さんに剣術を教わる前であり、兵士であり、武人であった親父から剣術を学んでいた。

 いや、学ばされていたと言う方が正しいか。

「今日の鍛錬はここまでだ」
「はぁ…はぁ…」

 村では信濃の親父さんを凌ぐほどの実力を持っていた親父。緋ノ国軍として各地の戦に従事してきた親父は、戦で学んだ生き残る術を俺に授けるために、毎日朝から晩まで俺をしごき上げた。その鍛錬は厳しく、夜はいつも修練場で気を失った様に倒れた。

 そこまでして、なぜ親父が俺に剣術を極めさせたのか。その真意は今になって気付くことになるが、当時は戦さ場で失った本当の息子の代わりとして、自分の意思を継いで欲しいのだと思っていた。

 戦さ場で拾われた孤児、それが俺だった。

 俺が記憶する最初の光景は、死体が地を埋め尽くし、夥しい血が染みた大地。そして土砂降りの雨、そんな凄惨な場所に何も考えずに呆然と立っていた。

「何をしている⁇」

 そんな俺を見つけたのは、親父だった。俺は親父の顔を見ることなく、こう答えた。

「分からない」

 と。何故自分がここにいるのか、そもそも自分は誰なのか。もちろん、父母の顔も。その一切が分からない童が、唯一考え抜いた答えだった。

「追い剥ぎの類なら他を当たれ。ここはまた戦がはじまる。巻き込まれて死ぬぞ」
「………」
「………行く宛がないなら着いてくるといい」

 そう言って立ち去る親父の背を、俺は何も考えずに追った。それからと言うものの、俺は葦原村に連れてこられ、親父と共に生活をしながら毎日鍛錬漬けの日々を送った。

 最初は親父の言うことを聞かず、一人で鍛錬していた。しかし、日々を重ねるたびに親父は俺を認め始めたのか、直接剣術を教える様になった。

 その中で、俺は親父の息子の話を聞いた。自身の正確な歳は知らないが、少し年上だったという。あの日、俺が親父に見つけられた戦が息子の初陣だったらしい。将軍の無茶な作戦によって多くの兵が犠牲となり、その中に親父の息子もいたという。

 それ以上は語らなかった。例え親父が俺自身を本当の息子の代わりとして見ていたとしても、俺がすべき事は変わらなかった。生きるために、剣術を極めること。そして極めるために修練を積むこと。

「御剣、それがお前の名だ」

 それが確信に至ったのが、俺に名を与えたことだ。御剣という名は、親父にとっての本当の息子、御剣の名だ。

 鍛錬では、主に打ち込みを続けた。俺は真剣、親父は木刀。絶対に刃を受けることがないという意味の表れだろう。

 何度も何度も打ち込むが、その刃は親父に届くことはなかった。隙をつかれ、木刀で腹を突かれ吹き飛ばされる。

「全くなってない。此処が戦さ場なら、お前は死んでいたぞ」
「はぁ…はぁ…」

 感情を持ったつもりはなかった。それでも、当時の俺は周りから見れば、年頃の反抗心等が見えたのだろう。望まぬ鍛錬を続けている中で、俺はあからさまに拒絶の態度をとっていた。

 しかし、親父がそれで鍛錬を止めることはなく。俺が反抗するたびに鍛錬を厳しくした。時には、親父に責められ骨を折る大怪我をしたこともある。呪詛痕のおかげで大した怪我でもすぐに治るが。

 鍛錬を続けているうちに、俺は親父を超えたいと思い始めた。最初はただの負けず嫌いから来る対抗心だったのだろう。はたまた、一方的にやられてばかりだったことからの憎しみからだろうか。

 親父の鍛錬で体が悲鳴を上げようが、鍛錬の後にさらに己を追い込んだ。すると、少しずつではあるが打ち返しや払いができる様になり、親父の剣術に対抗できる様になった。

 何年も何年も、晴れの日も雨の日も、そして雪の日も。ある日、俺が鍛錬の前に剣を振るっていると、親父がある言葉を口にした。

「俺を憎んでいるか」

 と。俺は即答しなかった。確かに、これまでは親父に対して憎しみ以外の感情を持ったことがない。しかし、そんな捻くれた心も、時を重ねるごとに別の心情を抱くことになる。

「いや」
「本当であれば、俺はお前に対してここまで厳しい鍛錬を課せる必要はない。しかし、ひとつだけこの言葉を胸のどこかで仕舞い込んでいていてくれ」
「………」
「御剣、お前はいずれ、誰かを守る存在となるだろう。俺が此処まで厳しくした訳もそこにある」

 親父が村でたった一人、緋ノ国の兵士として戦っていた理由。それは村を、大切な故郷の仲間たちを戦から守るためであった。親父ほどの功を上げる武人が一人いれば、葦原村からこれ以上兵士として誰かが戦に赴く必要がない。

 そして、親父が戦で戦い、緋ノ国が勝てば、村が戦火に巻き込まれることはない。あやふやにそう感じていたところに、ある日その話をしてくれた墨染様の言葉で確信に至った。

 だからこそ、親父は本当の息子に授けるはずだった剣術の全てを、俺に授けようとした。そして、本当の息子として育ててくれた。だから俺はその日から、親父を受け入れた。

 そして親父が授けた言葉は、瑞穂という存在を守るために心に留めていた。幾度強敵が立ちはだかろうが、それを打ち破ってきたのは、何よりも親父の言葉があってこそだった。

 だからこそ、俺は呪いに繋がれた親父の魂を解き放たなければならない。

 そうか…魂。

「御剣、最後にお前にある剣術を授ける。それは死なずを殺すため、その者が持つ魂を斬る剣術」


 ◇


魂斬きもぎり…」

 俺は修羅の鬼から距離を取り、草薙剣を正面に構える。刀身に呪力を込めると、剣はそれに応えて力を増していく。

 魂斬、死なずの存在を殺すことが出来る剣術。実際には、死なずを殺すほどの呪力を持つ武具ではないと成し得ないが、今の俺にはもう一振りの神滅刀『草薙剣』がある。

「親父、世話になったな」
「⁉︎」
「先に休んでてくれ、全てが終われば、常世で酒を酌み交わそう」

 俺は修羅の鬼親父にそう告げると、剣を斜めに構えて姿勢を低くする。

「不死断ち」

 地を蹴り、一気に距離を詰める。その瞳に俺が写し出されていることが分かる距離まで近づくと、呪力を纏った刀身を一気に斬り上げる。
 
 親父は、一歩も動くことはなかった。まるで、俺に斬られるのを待っているかの様に思えた。巨躯を断ち斬るほどの呪力の刀身は、己に衝撃といった直接的な手応えというものを感じない。
 
 しかし、目に見えない何かを斬った感覚は感じられた。それが親父の魂だろうか。四つ足であった親父はしばらくそのまま立ち、斬り裂いた俺の顔をじっと見つめていた。

"御剣、先に常世で待っている。その役目、その使命、しかと果たしてこい"

 斬った瞬間、久しく聞く親父の声が心の中へと届く。

「あぁ」

 親父は倒れることはなかった。最後の最後まで、真の武人としてその威厳を保ったまま、徐々に光る灰となって消えていく。

 全てが消え去ったそこには、親父から授けられ、俺の愛刀として共に死線を潜り抜けた呪装刀『豪火』が落ちていた。

 俺が業火を手に取ると、火に包まれた村が、風景が、徐々に薄い真白の世界へと変わりゆく。

 静かに目を閉じることにした。
 

 
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