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第1章 こくら物語 Ⅰ 標準語
第3話 新門司港第二ターミナルへ
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※この物語、一人称の語り手がクルクル変わります。
前回の話の続きの聞き手もクルクル変わります。混乱されないように。
-∞- -∞- -∞- -∞- -∞- -∞-
タクシーの運転手さんが振り返って私に聞く。「お客さん、新門司港、ターミナルはいくつかあるんだけど、どこ行きですか?」と言うので、「大阪の南港行きですけど」と答えた。「ああ、だったら、第二だ」ということで発進。
「運転手さん、第二ターミナルの手前でコンビニありますか?」
「新門司北一丁目のセブンイレブンがあるけど?」
「そこも寄って下さい。キャッシュ下ろさないと。ちょっと買い物も」
「ああ、そうだよね、フェリーだものね。わかった。出港時間は?」
「九時ですが・・・」
「じゃあ、今、七時五十五分だから、買い物は急いで下さい。時間があまりないよ」と言う。ギリギリかな?
右隣のミキちゃんが運転手に気兼ねしてか、私に小声で耳打ちしてきた。「おじさん、現金下ろすって、何?私に気を使っているならいらないよ。船賃を奢ってもらっただけで十分だから。パパ活しているんじゃないんですからね」と言ってきた。
「ミキちゃん、違うよ。あのね、フェリーは海の上を航行するから、クレカが使えないらしいんだよ。だから、みんな現金決済。食事もドリンクもみんな現金が必要なんだよ。それと、お酒とつまみをコンビニで調達したいんだ。フェリーの売店は商品に限りがあるだろう?」と答えた。
「なんだ、そうだったんだ。わかった」
「ミキちゃん、スイーツとかも買っちゃおうね。制限時間、五分で済まそうよ。食事はビュッフェが使えるはずだから、おつまみとお酒。私はまず現金を下ろすからね。遠慮しないで何でも買ってね。船内のレストランは閉まっちゃうだろうから、夕食も買おう」
運転手さんが道路右側のセブンイレブンに車をつけた。運転手さんに五分で戻ります、と言う。タクシーのドアが開くや二人でダッシュした。私はATMでまず十万円おろす。それから買い物かごを持って、グルっと店内を回った。ミキちゃんは、人差し指で陳列棚を指差して決めてから、どんどん籠に放り込んでいく。
私は酒の棚でビールと酎ハイ、ワイン、スコッチ、日本酒を買った。それから、氷。カマンベールチーズを見つけた。夕食はどうしよう?寿司の二十貫パック、稲荷寿司の八貫入パック、鰻のパックも籠に放り込む。男の買物なんてこんなもんだよ。ミキちゃんが私を見ていった。「おじさん、終わったよ」と言う。彼女と私のと二つの籠をキャッシャーに並べた。
キャッシャーの女の子が商品をリーダーで次々と読み取っていく。まず私の籠。次にミキちゃんの籠。きのこの山、ティラミス、カカオ 90% チョコ、唐揚げ、おにぎり・・・え?0.01mm 時間遅延コンドーム、十個入り・・・
「ミキちゃん、あのさ・・・」
「おじさん、気にしないの。もしものためよ。なきゃ、困るでしょ?それにお互いの性病予防よ」とまたギョッとすることを言う。
店員さんが私たちのやり取りを聞いていてニコッとしている。あ~あ、彼女にどう私たちを思われているんだろうか?しょうもないおじさんとパパ活で引っ掛けた女の子なんだろうな。まあ、仕方がない。時間もないからな。
会計をしてタクシーに戻った。五分だ。「すごいね。ちゃんと五分だよ」と運転手さんが言う。タクシーは左車線に戻って、第ニターミナルへ。
二人でハァハァいって、受付に。あの、iPadで予約してるんですけど、といって予約画面を見せると、もう乗船して結構です、お急ぎ下さいと言われた。
メインのビルとそれをつなぐコンコースの通路が長い。三百メートルはあるだろうか?ミキちゃんが「おじさん、荷物、任せて」と私のスーツケースを取り上げて引っ張って駆けていった。ミキちゃん、馬力あるよな。乗船口は四階だった。
船内の受付でiPadの予約票を見せた。「ハイ、宮部様ですね」と受付の女の子が言う。私もミキちゃんもハァハァ言って言葉にならない。「お部屋は七階になります。階段かエレベーターをご利用下さい」と言われて、部屋のカードキーを二枚渡された。
見回すと、最上階までの吹き抜けに螺旋階段があった。階段の正面にはエレベータの乗り口が。
「ダメだ、ミキちゃん、エレベーターにしよう。息が続かないよ」
「賛成。私もスーツケースとボストンバックを引きずって、階段を二階分あがる元気はないわ。部屋に辿り着く前に心肺停止しちゃう」と二人でエレベーターに乗り込んだ。
七階には、階段の左右に男女の大浴場がある。ドリンクの自動販売機もあった。私たちのスイートルームはエレベーター横から艦首にのびる廊下の左右にあった。部屋番号は003室だった。自分のスーツケースを引きずりながら部屋にたどり着く。ドアノブの上に平たいスロットがあった。これがカードキーの挿入口だな、と思って差し込む。ドアノブの上のLEDライトがグリーンになって、ガチャッとドアロックがリリースされた。
前回の話の続きの聞き手もクルクル変わります。混乱されないように。
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タクシーの運転手さんが振り返って私に聞く。「お客さん、新門司港、ターミナルはいくつかあるんだけど、どこ行きですか?」と言うので、「大阪の南港行きですけど」と答えた。「ああ、だったら、第二だ」ということで発進。
「運転手さん、第二ターミナルの手前でコンビニありますか?」
「新門司北一丁目のセブンイレブンがあるけど?」
「そこも寄って下さい。キャッシュ下ろさないと。ちょっと買い物も」
「ああ、そうだよね、フェリーだものね。わかった。出港時間は?」
「九時ですが・・・」
「じゃあ、今、七時五十五分だから、買い物は急いで下さい。時間があまりないよ」と言う。ギリギリかな?
右隣のミキちゃんが運転手に気兼ねしてか、私に小声で耳打ちしてきた。「おじさん、現金下ろすって、何?私に気を使っているならいらないよ。船賃を奢ってもらっただけで十分だから。パパ活しているんじゃないんですからね」と言ってきた。
「ミキちゃん、違うよ。あのね、フェリーは海の上を航行するから、クレカが使えないらしいんだよ。だから、みんな現金決済。食事もドリンクもみんな現金が必要なんだよ。それと、お酒とつまみをコンビニで調達したいんだ。フェリーの売店は商品に限りがあるだろう?」と答えた。
「なんだ、そうだったんだ。わかった」
「ミキちゃん、スイーツとかも買っちゃおうね。制限時間、五分で済まそうよ。食事はビュッフェが使えるはずだから、おつまみとお酒。私はまず現金を下ろすからね。遠慮しないで何でも買ってね。船内のレストランは閉まっちゃうだろうから、夕食も買おう」
運転手さんが道路右側のセブンイレブンに車をつけた。運転手さんに五分で戻ります、と言う。タクシーのドアが開くや二人でダッシュした。私はATMでまず十万円おろす。それから買い物かごを持って、グルっと店内を回った。ミキちゃんは、人差し指で陳列棚を指差して決めてから、どんどん籠に放り込んでいく。
私は酒の棚でビールと酎ハイ、ワイン、スコッチ、日本酒を買った。それから、氷。カマンベールチーズを見つけた。夕食はどうしよう?寿司の二十貫パック、稲荷寿司の八貫入パック、鰻のパックも籠に放り込む。男の買物なんてこんなもんだよ。ミキちゃんが私を見ていった。「おじさん、終わったよ」と言う。彼女と私のと二つの籠をキャッシャーに並べた。
キャッシャーの女の子が商品をリーダーで次々と読み取っていく。まず私の籠。次にミキちゃんの籠。きのこの山、ティラミス、カカオ 90% チョコ、唐揚げ、おにぎり・・・え?0.01mm 時間遅延コンドーム、十個入り・・・
「ミキちゃん、あのさ・・・」
「おじさん、気にしないの。もしものためよ。なきゃ、困るでしょ?それにお互いの性病予防よ」とまたギョッとすることを言う。
店員さんが私たちのやり取りを聞いていてニコッとしている。あ~あ、彼女にどう私たちを思われているんだろうか?しょうもないおじさんとパパ活で引っ掛けた女の子なんだろうな。まあ、仕方がない。時間もないからな。
会計をしてタクシーに戻った。五分だ。「すごいね。ちゃんと五分だよ」と運転手さんが言う。タクシーは左車線に戻って、第ニターミナルへ。
二人でハァハァいって、受付に。あの、iPadで予約してるんですけど、といって予約画面を見せると、もう乗船して結構です、お急ぎ下さいと言われた。
メインのビルとそれをつなぐコンコースの通路が長い。三百メートルはあるだろうか?ミキちゃんが「おじさん、荷物、任せて」と私のスーツケースを取り上げて引っ張って駆けていった。ミキちゃん、馬力あるよな。乗船口は四階だった。
船内の受付でiPadの予約票を見せた。「ハイ、宮部様ですね」と受付の女の子が言う。私もミキちゃんもハァハァ言って言葉にならない。「お部屋は七階になります。階段かエレベーターをご利用下さい」と言われて、部屋のカードキーを二枚渡された。
見回すと、最上階までの吹き抜けに螺旋階段があった。階段の正面にはエレベータの乗り口が。
「ダメだ、ミキちゃん、エレベーターにしよう。息が続かないよ」
「賛成。私もスーツケースとボストンバックを引きずって、階段を二階分あがる元気はないわ。部屋に辿り着く前に心肺停止しちゃう」と二人でエレベーターに乗り込んだ。
七階には、階段の左右に男女の大浴場がある。ドリンクの自動販売機もあった。私たちのスイートルームはエレベーター横から艦首にのびる廊下の左右にあった。部屋番号は003室だった。自分のスーツケースを引きずりながら部屋にたどり着く。ドアノブの上に平たいスロットがあった。これがカードキーの挿入口だな、と思って差し込む。ドアノブの上のLEDライトがグリーンになって、ガチャッとドアロックがリリースされた。
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