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第十八話 柚葉視点
18歳 対峙
泣きだしてしまった2人は、急に恥ずかしくなって涙を拭う。2人とも顔がリンゴのように紅く染まっていた。
一緒に帰ろうとすると奏が学生事務室に用事があるらしい。柚葉もついて行こうとするが奏に先に行っていてと言われたので先に講義室を出ていく。建物の外に出ると思わぬ人物に出会した。
そこに立っていたのは桃花だ。恐らく奏を待っているのだろう。スマホに夢中で柚葉に気づいていない。
柚葉は足を止め、一呼吸して桃花のいる場所へ足を向けた。前に立った時、桃花は気づき怪訝そうな顔をした。
そして桃花から口火を切った。
桃「柚葉も来てたんだ。奏ちゃんの入学式。」
柚「私も奏と同じ学部なの。」
桃「は?キモ。そういうのストーカーっていうんだよ。」
柚「違う。私は自分で選んでここに来たの」
このままだと埒があかない。
柚葉は桃花に場所を移動して話そうと提案した。
桃花は渋々ながらついて来た。今日は入学式のため学生カフェに人は殆どいない。
柚葉と桃花は向かい合って座った。
桃「一体どういうつもり?」
柚「単刀直入に言う。奏は渡さない。」
桃「は?奏ちゃんにだって選ぶ権利はあるでしょ。」
柚「奏と話したの。だから私は奏と付き合う。」
桃「はぁ?ふざけんじゃねーよ!」
桃花が一気に豹変して柚葉の髪を引っ張る。柚葉の顔が痛みで歪む。怖い。桃花の豹変がトラウマになっていた柚葉は怯む。
でもここで逃げたらダメだ。
柚「絶対に奏だけは渡さない!」
桃花が柚葉の髪を左手で掴んだまま、右手の拳を振り上げた。殴られるっ。柚葉は咄嗟に目を瞑り顔を逸らそうとしたが、髪を引っ張られ逃げられない。その時。
「暴力は止めな。」
桃花の振り上げた右腕を掴んだのは茜先輩だった。
「あんたが桃花だね。これ以上柚葉に手をだすな。
今晴人が奏ってやつを呼びに行ってる。大人しく待ってな。」
桃花は茜先輩の凄みをみて大人しく応じた。
程なくして奏と晴人くんが走ってこっちに向かってくる。
奏「桃花、なんでお前がここにいるんだ?」
桃花は答えない。きっと奏に会いたくて何も言わずに来たんだろう。
奏「これ以上、柚葉に執着するな。」
桃「違う!私は奏ちゃんに……。」
奏「違わないよ。俺は柚葉と付き合う。」
桃花の目が見開かれる。
沈黙が流れる。
柚「桃花。私はあなたが羨ましかった。
いつも可愛くて笑う桃花が大好きだった。だから私はあなたの言いなりになったの。でもこれで終わりだよ。元気でね。」
柚葉は言い終わると、奏と一緒に桃花の元を去っていった。桃花は俯いて、これ以上2人を見ることはなかった。
泣きだしてしまった2人は、急に恥ずかしくなって涙を拭う。2人とも顔がリンゴのように紅く染まっていた。
一緒に帰ろうとすると奏が学生事務室に用事があるらしい。柚葉もついて行こうとするが奏に先に行っていてと言われたので先に講義室を出ていく。建物の外に出ると思わぬ人物に出会した。
そこに立っていたのは桃花だ。恐らく奏を待っているのだろう。スマホに夢中で柚葉に気づいていない。
柚葉は足を止め、一呼吸して桃花のいる場所へ足を向けた。前に立った時、桃花は気づき怪訝そうな顔をした。
そして桃花から口火を切った。
桃「柚葉も来てたんだ。奏ちゃんの入学式。」
柚「私も奏と同じ学部なの。」
桃「は?キモ。そういうのストーカーっていうんだよ。」
柚「違う。私は自分で選んでここに来たの」
このままだと埒があかない。
柚葉は桃花に場所を移動して話そうと提案した。
桃花は渋々ながらついて来た。今日は入学式のため学生カフェに人は殆どいない。
柚葉と桃花は向かい合って座った。
桃「一体どういうつもり?」
柚「単刀直入に言う。奏は渡さない。」
桃「は?奏ちゃんにだって選ぶ権利はあるでしょ。」
柚「奏と話したの。だから私は奏と付き合う。」
桃「はぁ?ふざけんじゃねーよ!」
桃花が一気に豹変して柚葉の髪を引っ張る。柚葉の顔が痛みで歪む。怖い。桃花の豹変がトラウマになっていた柚葉は怯む。
でもここで逃げたらダメだ。
柚「絶対に奏だけは渡さない!」
桃花が柚葉の髪を左手で掴んだまま、右手の拳を振り上げた。殴られるっ。柚葉は咄嗟に目を瞑り顔を逸らそうとしたが、髪を引っ張られ逃げられない。その時。
「暴力は止めな。」
桃花の振り上げた右腕を掴んだのは茜先輩だった。
「あんたが桃花だね。これ以上柚葉に手をだすな。
今晴人が奏ってやつを呼びに行ってる。大人しく待ってな。」
桃花は茜先輩の凄みをみて大人しく応じた。
程なくして奏と晴人くんが走ってこっちに向かってくる。
奏「桃花、なんでお前がここにいるんだ?」
桃花は答えない。きっと奏に会いたくて何も言わずに来たんだろう。
奏「これ以上、柚葉に執着するな。」
桃「違う!私は奏ちゃんに……。」
奏「違わないよ。俺は柚葉と付き合う。」
桃花の目が見開かれる。
沈黙が流れる。
柚「桃花。私はあなたが羨ましかった。
いつも可愛くて笑う桃花が大好きだった。だから私はあなたの言いなりになったの。でもこれで終わりだよ。元気でね。」
柚葉は言い終わると、奏と一緒に桃花の元を去っていった。桃花は俯いて、これ以上2人を見ることはなかった。
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