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ネコさんとチョウチョさん
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クマさんが教えてくれた大時計の演そうは、ちょうど始まったところでした。
♪~♬~♩~♪~♫~♪~にぎやかな音楽がひびきます。
演そうしている妖精さんは、サヨと目があうとウインクしてくれました。
「わあ!すごーい!本当に妖精さんが演そうしてる!」
サヨは目をキラキラさせながら、演そうを聞きます。
そんなサヨに、近くにいたネコさんが話しかけてきました。
「おじょ~ちゃん。なぁにしてるのぉ?」
「さんぽ!学校の帰りに知らない道があって、そこを歩いてたらここに着いたの!」
サヨがそう答えると、ネコさんは、なんだかむずかしい顔をしました。そして。
「そうかぁう~ん…」
「ネコさん、どうしたの?」
「あのね、おじょうちゃん。」
「うん。」
「おじょうちゃんは、ここに迷いこんじゃったんだ。」
「え?あたし、迷いこんだの?ここは学校の近くじゃないの?」
「そうさぁ。おじょうちゃんの学校の近くじゃないんだよぅ。どきどきいるんだぁ。おじょうちゃんみたいに、こっちに迷いこんじゃうコ。」
「え……?もう帰れないの?」
「大丈夫だよぅ。でも、この大時計の『6時』のカネがなり終わる前に、おじょうちゃんがとおってきた道を帰らないとダメ。じゃないと、そのチョウチョのようになっちゃう!」
「チョウチョ?」
ネコさんに言われて、よく見ると、サヨの頭の上に、大きくて真っ黒いチョウチョがとまっていました。
「そのチョウチョは、おじょうちゃんと同じように、ここに迷いこんで。帰れなくなっちゃったコなんだよぅ。」
「このチョウチョさんが…?」
サヨはチョウチョと見つめ合います。
「そうここでは、ヨソから来たコが『6時』のカネがなった後も帰らないでいると、夜の妖精がそのコをチョウチョに変えちゃうの。」
「夜の妖精?」
「うん。夜の妖精は、この国の番人。だからヨソからきたものにはキビしいの。夕方の大時計の『6時』のカネと一緒に起きてきて。ヨソから入りこんだものがいないか見てまわる。このときに見つかっちゃうと、チョウチョに姿を変えらちゃう。そして、チョウチョの姿だと、向こうの世界からふく風に飛ばされて、帰るための道を進むことができないの。だから帰れない。」
「…こわいんだね」
「だから、大時計が『6時』のカネがなり終わる前に、おじょうちゃんはお家に帰らないとダメ。それに暗くなると道が隠されて消えちゃうからね。早めに帰るんだよ?」
そう言って、ネコさんは、持っていたカゴに入っているお花を一本サヨにくれました。
「ありがとう…ネコさん。」
「じゃあね。気をつけて帰ってね。」
「うん。」
ネコさんとお別れしたころには、すっかり大時計の演そうは終わりです。
ちょっとだけ残念に思いましたが、それどころでもありません。サヨはチョウチョに聞きました。
「あたしと一緒なら風に飛ばされないで帰れるかもしれない。あたしと一緒に帰る?」
チョウチョは、おしゃべりはしませんでしたが、コクリとうなずきました。
♪~♬~♩~♪~♫~♪~にぎやかな音楽がひびきます。
演そうしている妖精さんは、サヨと目があうとウインクしてくれました。
「わあ!すごーい!本当に妖精さんが演そうしてる!」
サヨは目をキラキラさせながら、演そうを聞きます。
そんなサヨに、近くにいたネコさんが話しかけてきました。
「おじょ~ちゃん。なぁにしてるのぉ?」
「さんぽ!学校の帰りに知らない道があって、そこを歩いてたらここに着いたの!」
サヨがそう答えると、ネコさんは、なんだかむずかしい顔をしました。そして。
「そうかぁう~ん…」
「ネコさん、どうしたの?」
「あのね、おじょうちゃん。」
「うん。」
「おじょうちゃんは、ここに迷いこんじゃったんだ。」
「え?あたし、迷いこんだの?ここは学校の近くじゃないの?」
「そうさぁ。おじょうちゃんの学校の近くじゃないんだよぅ。どきどきいるんだぁ。おじょうちゃんみたいに、こっちに迷いこんじゃうコ。」
「え……?もう帰れないの?」
「大丈夫だよぅ。でも、この大時計の『6時』のカネがなり終わる前に、おじょうちゃんがとおってきた道を帰らないとダメ。じゃないと、そのチョウチョのようになっちゃう!」
「チョウチョ?」
ネコさんに言われて、よく見ると、サヨの頭の上に、大きくて真っ黒いチョウチョがとまっていました。
「そのチョウチョは、おじょうちゃんと同じように、ここに迷いこんで。帰れなくなっちゃったコなんだよぅ。」
「このチョウチョさんが…?」
サヨはチョウチョと見つめ合います。
「そうここでは、ヨソから来たコが『6時』のカネがなった後も帰らないでいると、夜の妖精がそのコをチョウチョに変えちゃうの。」
「夜の妖精?」
「うん。夜の妖精は、この国の番人。だからヨソからきたものにはキビしいの。夕方の大時計の『6時』のカネと一緒に起きてきて。ヨソから入りこんだものがいないか見てまわる。このときに見つかっちゃうと、チョウチョに姿を変えらちゃう。そして、チョウチョの姿だと、向こうの世界からふく風に飛ばされて、帰るための道を進むことができないの。だから帰れない。」
「…こわいんだね」
「だから、大時計が『6時』のカネがなり終わる前に、おじょうちゃんはお家に帰らないとダメ。それに暗くなると道が隠されて消えちゃうからね。早めに帰るんだよ?」
そう言って、ネコさんは、持っていたカゴに入っているお花を一本サヨにくれました。
「ありがとう…ネコさん。」
「じゃあね。気をつけて帰ってね。」
「うん。」
ネコさんとお別れしたころには、すっかり大時計の演そうは終わりです。
ちょっとだけ残念に思いましたが、それどころでもありません。サヨはチョウチョに聞きました。
「あたしと一緒なら風に飛ばされないで帰れるかもしれない。あたしと一緒に帰る?」
チョウチョは、おしゃべりはしませんでしたが、コクリとうなずきました。
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