たった五分のお仕事です?

オレンジペコ

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Ⅲ.サード・コンタクト

28.買い物に行こう!②

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午後からはまた電車に乗って最寄りで降り、調味料や各種生活用品を買いに地元のスーパーとドラッグストアへ行くため、先に本屋に寄っておくことに。
広い店内は所狭しと本が並んでいて、その種類は千差万別。

ちなみに今日家を出る前に例の図鑑について聞いてみたらもう処分しちゃったし、新しいのを買った方が最新の仕組みが分かっていいんじゃないかって言われた。
確かにその通りかもと思ったから、俺は図鑑コーナーへ。
ラフィとエマーリンさんも本の多さに圧倒されていたけど、全部売り物だから取り扱いには気を付けてとだけ言って好きなコーナーを探しに行ってもらうことに。

「えっと…図鑑図鑑っと…」

そして子供向けの図鑑コーナーで目的の物を発見!
幸い中身が見れるようになってたから一応開いて確認。
うん。これならわかりやすい。

そう思ってそれを手にラフィ達の姿を探す。
エマーリンさんは意外なことに医学コーナーにいた。
異世界の医学に興味津々ですと目を輝かせていたから暫くはそこから動きそうにない。
ラフィは何故か料理本を手に取り、目を通してるんだけど、何故か腕の中には肌色多めのBL本が。
あれ?もしかしてお土産にでもする気なのかな?
需要なんてあるのか?

(あ、でもそう言えば兄王子ってどっちもいける口だったっけ)

女性も好きみたいだけど、俺を夜伽に呼ぼうとしたり夜這いをかけようとしたりしてたし、きっと両方OKなんだと思う。
ラフィのことだからそんな兄王子への嫌がらせの一環として渡しそうだ。

ニッコリ笑顔でお土産ですってBL本を差し出されて頬を引きつらせる第一王子。
うん。想像するだけで面白い。
これはこれでありかもしれない。

「ユウジ!料理本も買って帰りたいんだけど、お勧めとかあるか?」

俺に気付いたラフィが目を輝かせてそう言ってくるから、俺はどうしようかなと思いつつ、わかりやすく和洋中の基本から応用まで幅広く載ってる本を勧めておいた。
時短レンチンご飯とかフリージングで節約ご飯みたいな本は勧めてもしょうがないし。

(向こうには電子レンジなんてないもんな…)

そんなことを考えつつ、ついでとばかりにお菓子の本とパン作りの本も追加してみた。
もしかしたらこれで菓子パンが向こうでも作られるようになるかもしれないし、ラフィが食べたいと思った時にいつでもこっちのパンが食べられるようになったら嬉しいだろうなって思ったからだ。

ウキウキしながら本を手にするラフィは本当に嬉しそうで、そんなラフィに目を奪われそうになって慌てて目をそらす。

(あ~…!普通の態度ってどうやるんだったっけ?)

ちゃんとできてる自信が段々なくなってきた。

「そ、そうだ!俺がさっき見つけてきた図鑑も後で渡すから!」
「え?それ?」
「そう!ほら。物の仕組みや構造がいっぱい載った本なんだ」
「へぇ~!面白そう!帰ったらすぐ見たい!」
「うん。一緒に見よう」

(近い近い近い…!)

俺と一緒のシャンプーの香りがふわりと香る。
なのにラフィから香ってると思うとなんだか特別なものに感じられて、妙にドキドキしてしまう。

「平常心…平常心…」
「ん?ユウジ、どうかしたのか?」
「え?!いや!なんでもない!」

俺は取り敢えず二人なのがダメなんだと思い直し、エマーリンさんのところに行って合流することに。
するとエマーリンさんも本を大量に手に抱えていた。
物としては医学書系が多そうだけど、建築雑誌やゲームの攻略本、小説等々割と内容は雑多だ。
こっちが持ってる図鑑や料理本、BL本と合わせたら最早カオス。
何が目的で買いに来たのか店員にさえわからないと思う。
案の定レジに持っていったら二人の顔を見て『ああ、日本の本が珍しいのね』的な顔で微笑ましくレジを打たれた。

「いや~凄いいっぱい買ったな」

大量大量と言わんばかりに満足げな顔をする二人だけど、どう見ても買い過ぎだから!
このままずっと持ってるのは流石に重すぎるだろうと思ったから、再度トイレに行って本を全部マジックバッグへ。

そして電車で地元に戻ってスーパーで調味料類も多々購入。
ドラッグストアではシャンプー、リンス、入浴剤を購入ついでに一通りグルッと店内を見て回り、エマーリンはその薬の量に驚くと共に、生活用品が薬屋に大量に置かれているなんてと凄く驚いていた。
ラフィも『ここは何でも屋か?』って変な顔をしてるし、多分あっちだと考えられない店なんだろうなと思った。
そう言えばスーパーでも驚いてたっけ。

ちなみにここでも二人は大量購入。
俺、ドラッグストアで一万円以上買ったことなんてないから滅茶苦茶ビビった。

「だってシャンプーとかって消耗品だし、すぐなくなりそうだろ?」

確かにその通りなんだけど、なんだかなぁ…。
買占めはダメって言ったからシャンプーとリンスはそれぞれ三本ずつにしてたけど、入浴剤は各種一通り制覇していた気がする。
これだけで結構な出費だ。
それ以外にティッシュやら目薬やらお菓子やら面白いと思ったものを次々買ってたから、買い物一日目にして大変なことに。
マジックバッグがなかったらきっと持ちきれない荷物に埋もれて、途方に暮れていただろうなって思わず笑ってしまった。

「あ、やっと笑った」

そう言ってラフィがクスッと笑ってそっと俺の頬に手を伸ばしてくる。

「ユウジは笑ってる方がやっぱりいいな」

ドスッと刺さる男前な笑み。
勝手に頬が熱くなるから本当にやめてくれ!
不意打ちにもほどがある!

「あれ?照れてる?」
「ラフィ!その天然誑しはやめた方がいいと思う!」
「え?」
「俺だからいいけど、そ、そういうのは女の人とか勘違いしやすいと思うしっ…!」
「ははっ!大丈夫、大丈夫。俺、こんなことユウジにしかしないから」

(それはそれでどうなんだ?!)

「さ、じゃあそろそろ家に帰ろうか。今日の夕飯も楽しみだな」
「うぅ…絶対揶揄ってるだろ?」
「俺はいつでも本気だ。ユウジは俺にとってすっごく大事な存在なんだから」
「全く…」

調子がいいんだからと口にしながら俺はなんとか自分を取り戻す。

これは友情。
勘違いしちゃいけない。

もう一度自分に自分で念を押すようしっかりと言い聞かせ、俺は家へと帰ったのだった。


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