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【英雄トルセンの弟子】
27.※英雄トルセンの弟子③
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戻ってすぐにベッドへと直行させられて、試合で興奮した気持ちのまま一度抱かれた。
その後風呂へと連れて行かれて軽く洗った後、俺は今、初めてのことをさせられている。
「アル、ほら、舌をもっと使え」
「んぅ…無理ぃ……」
「ああ…可愛い顔だな。しっかり教えて躾けてやるからな」
「おこ、とわり…だ……。グッ……!」
「アル。では選ばせてやろうか?口で俺を頑張ってイかせられたら明日以降一週間は抱かないでいてやる。だが、それができないならこれから毎日特訓だ。どうする?」
「うぅ…やるぅ……」
「いい子だ」
(こんな特訓毎日なんてやってられるかーーーー!)
初めてなのにこんな酷いことするなんて性悪にも程があると思いながら不公平だと睨んでやると、じゃあ自分もやってやろうかと笑ってこられ、ベッドに戻されてから互いのものを舐め合う羽目になったんだが、これはいいのか?!
(あの無駄に美形な王子の口が俺のを咥えてる?!)
王子に促され俺は王子の上に乗りながら王子のものを咥えているんだが、王子は逆に俺の下で俺のものを口に含んでいた。
その衝撃的な光景に思わず口を放してしまったら、王子からクスリと笑われてしまう。
「どうした、アルフレッド。のんびりしていると俺が先にイかせてしまうぞ?クッ、明日から特訓間違いなしだな」
そんな風に挑発されたら負けん気が勝つに決まっている。
「お、俺が先にイかせるからっ!」
「ならやって見ろ」
なんだか上手く乗せられたような気もするけど、王子に嬲られながら王子のものを咥えるのはさっきよりもなんだか興奮して積極的にしゃぶってしまったように思う。
自分が気持ちいいと感じたところを俺も同じようにしてみたり、ここはどうかなと探ってみたり…。気づけば抵抗感もなくなっていて、チュッと吸ってみたりグリグリと舌を使ってみたりまでしていた。
「んんぅ…んっんっ…」
「上手いぞ、アル。ふっ…んんっ……」
王子はたまに色っぽい声を出しながら俺を煽ってくるからたまらない。
「ご褒美にそろそろイかせてやるからな……」
けれどそろそろ顎が疲れてきたと思ったタイミングで、王子がそんなことを言って俺を追い詰め始めた。
「ふぁっ…!ちょっ、待ってッ!」
逃げられないように腰をしっかり押さえられ、ジュルジュルと吸い上げられねっとりと舌を這わされて、扱くようにされながら追い上げられるととてもじゃないけど我慢なんてできなかった。
「やっ!いやッ、いやッ!」
待ってくれと必死に訴えるけど王子はそのままあっという間に俺を追い込んでイかせてしまう。
「ふ…ぅぅ……。嫌だって、言ったのに……」
自然と潤む瞳で王子に訴えると、あろうことか王子は身を起こしそのまま見せつけるようにそれをゴクリと呑み込んで嫣然と笑ってきた。
「お前を追い込むのは大好きなんだから仕方がないだろう?さぁ、今日は焦らさず積極的に激しく抱かれたいか?それとも甘く焦らして散々嬲られて抱かれたいか?好きに選んでいいぞ?」
「ど、どっちも嫌だ……」
「じゃあ気分を変えて外に出るか。バルコニーか庭のガゼボか選ばせてやるぞ」
「ここ!ここがいい!ベッドでえっと……『普通』に!抱いてくれ!」
「遠慮するな。側妃のためならどこにでも付き合ってやる。沢山愛してやるのはどこでも変わりはないからな」
「え?いやいやいやッ!普通が一番だから!」
「そうか?俺はお前のしてくれた痴態を思い出すだけでどこででも抱けそうだが?普通にこだわる必要はどこにもないぞ」
「へ、変態ぃ……!放せぇッ!」
そして抱き上げられはしたものの必死に暴れたからか外には連れ出されずに、でも何故か衣裳部屋にある大きな姿見の前に連れて行かれて恥ずかしい目に合わされながら抱かれてしまった。
「ほら、俺に抱かれて自分が感じている姿を見ながら好きに喘げ」
「あっあっ…恥ずかしいぃ……!」
背後から王子に支えられるようにして、立ったまま自分が抱かれている姿を目にして真っ赤になる。
そんな状況を鏡の中ありありと見せつけられるのはなかなかにショッキングだった。
でもそんな状況で言葉で嬲られながらじりじりと抱かれているともう何も考えられなくなっていって、結局自分から懇願してしまう。
「セド…セド……ッ!も、わかったから…ッ!激しくしてッ!お願い、お願いだからッ!焦らすのはもうやめてくれッ!」
「よしよし。その願い、ちゃんと叶えてやるからな。自分がイクところをしっかり見ておくんだぞ?」
「あっあっあっ…!やめ、て…ッ!こんな顔見せないで…ッ、見せないで……ッ!」
「ククッ…可愛いだろう?これが……俺に抱かれているお前だ」
「あッ、あぁぁあぁ────ッッ!!」
欲しかった刺激を思うさま与えてもらい、いつも以上に感じてビクビクと震えてしまう。
俺の身体は王子をしっかりと覚え咥え込み、奥へと誘い込むように蠕動していた。
「んっ…んんっ……あ、ぅ……」
鏡の中の俺が気持ち良くてたまらないと蕩けた表情を向けてくる。
俺はいつもこんな表情で抱かれているんだろうか?なんだか女みたいでものすごく恥ずかしい。
そうは思うが、飲み込み切れない唾液が口の端から滴り落ちてただただ喘ぐことしかできない。
(気持ちいい…も、ダメになるぅ……。もっと、して欲しい……)
そんな言葉が頭をグルグル回っていた。
「気持ちいいな?アル」
そして王子から言葉と共にキスが降るように与えられて、ちょっと気持ちが落ち着いてきたところで床に這いつくばらされて一気に奥深くまで突き込まれた。
「あーーーーーーーッ!!!!」
「ふっ…油断したな」
そこからはもう泣き叫ぶように奥を蹂躙されて、腰を振りながらもっともっとと強請らされた。
色んな体位で鏡の前で犯されて、その姿を見せつけられて恥ずかしさのあまり涙腺が壊れ、王子の名を呼び何度も許してくれと叫んでいた気がする。
正直かなり頭がバカになっていたんじゃなかろうか?
極悪なこの王子にそんなことを言ったら喜ばせるだけなのに…。
でも、最近抱かれるのが当たり前になってきた気がするからちょっと怖い。
俺、大丈夫かな?後戻りできるのか?
取り敢えず、恥ずかしいからもうこの鏡は見れないかもしれない……。
(開脚で泣かされながらイかされた姿なんて記憶の彼方へ消去だ!消去!)
嫌なことはさっさと忘れよう。きっとそれが一番大事だと思う。
【Side.トルセンの弟子 カッツェ】
闘技場に飛び入り参加して選手の控室へと入り、今戦っていいる相手はどんな奴だろうと視線を向けると、凄く強い奴がちょうど上がっていた。
その戦いは一瞬で勝負がついてしまったが、そこにいるのが強い奴だとわかってすぐさま戦いたくなってしまった。
でも正直いい勝負ができるとは思っていても負けるとは思ってはいなかった。
手古摺ったとしても勝てると踏んでいたのだ。
でもその自信はあまりにも呆気なくへし折られた。
何度打ち込んでも剣戟は全て綺麗にいなされ、攻撃は相殺される。
これでどうだとばかりにあれこれ試してみるがどれもこれも決定打にはなり切れない。
そうこうしているうちに男が何故か控室の方へと目を向けて物凄い威圧と殺気を放ちだしたので何事だと思ってそちらを見遣ると、そこには二人の男がいた。
しかも一人はそれを受けてへたり込んだのに、もう一人は全く動じることなくうっすらと笑っていた。
きっとあの男はこの目の前の男に認められるほど強いのだろう。
それを酷く悔しく思った。
(俺なんて眼中にないってか?!)
そう思いながら攻撃をしたがそれもまた防がれ、その後男から噴き出す威圧と殺気がこちらへと向けられて、俺はそれを受けてたじろいでしまった。
(マジかよ…)
これを受けて平気な顔で笑っていられたあの男は一体何者なのだろうか?
どう考えてもおかしいとしか思えなかった。
(戦場経験者か?)
そんな風に考えてしまった俺の一瞬の隙を突くように勝負はあっという間に決してしまう。
「勝者、セドリック王子!」
(この男がセドリック王子……)
正直王族にこんな男がいたのかと衝撃を受けた。
けれど驚いたのはその後だった。
王子が剣を向けて呼んだ相手の名がアルフレッドだったからだ。
しかも何故か会場全体での側妃コール。
一瞬師匠が言っていた剣豪アルフレッドかと思ったのに側妃とはこれ如何に。
けれどこの二人が受付の言っていたスペシャルゲストだというのは間違いなさそうだった。
その後俺は審判役の男からすぐに下がるようにと言われてそこから降り、控室の闘技場がよく見える窓からこの二人の戦いを観戦することになった。
(……なんだあの男は)
絶句するというのはこういうことを言うのだろうか?
それくらいあの男の強さは圧倒的だった。
師匠も凄いと思っていたし、さっきの王子も強いと思ったが、それ以上にそのアルフレッドという男は強かった。
そのスピードもさることながら絶妙に力の乗った攻撃が次々と繰り出されていて、それを見るだけで百人は余裕で蹴散らせるのではないかと思ってしまう程。
それを全ていなせているあの王子も凄いが、やはりアルフレッドの方が一枚上手だった。
どこか陶酔したような顔で楽しそうに戦う男の姿はまさに戦闘狂────。
それを見るにトルセンが言っていたアルフレッドはこの男なのだろうと確信してしまう。
思わず身震いしてしまう程の圧倒的強さに俺は自分の薄っぺらさを実感して見惚れてしまった。
(ああ…凄いな。俺もあんな風になりたい)
弟子は取っていないのだろうか?
もし取っているなら是非自分にその技を伝授してもらいたい。
そんな思いで熱く眺めていると、試合はアルフレッドの勝ちで終わった。
「あ~今日は側妃様の勝ちかぁ…。やっぱすげぇなぁ」
「王子もお強いし、最強の夫婦だよな」
控室にそんな話をしている者達がいたので少しだけ話を聞いてみる。
「あの二人は夫婦なのか?」
この国は確か同性婚はなかったはずだがと思って聞いてみると、特例で側妃に認められているのだと返ってきた。
なんでも王子が姫の護衛騎士としてやってきたアルフレッドに惚れて王に直談判したのだとか。
「ちなみに側妃様が弟子を取っているという話は聞いたことがないか?」
「弟子?さぁ…ないんじゃないか?王子に嫉妬されても怖いしなぁ」
「そうか。ありがとう」
二人はいつの間にやらここを去っており、デートにでも行ったんだろうと言われていた。
実に勿体ない話だ。片手間にもほどがある。
そんな嫉妬ごときであの剣技を継承する者がいないだなんてとても黙ってなんていられない。
ここはやはり城に行って師であるトルセンの名を借り直に頼んでみようと思い立ち、明日城に乗り込むための段取りをつけた。
その後風呂へと連れて行かれて軽く洗った後、俺は今、初めてのことをさせられている。
「アル、ほら、舌をもっと使え」
「んぅ…無理ぃ……」
「ああ…可愛い顔だな。しっかり教えて躾けてやるからな」
「おこ、とわり…だ……。グッ……!」
「アル。では選ばせてやろうか?口で俺を頑張ってイかせられたら明日以降一週間は抱かないでいてやる。だが、それができないならこれから毎日特訓だ。どうする?」
「うぅ…やるぅ……」
「いい子だ」
(こんな特訓毎日なんてやってられるかーーーー!)
初めてなのにこんな酷いことするなんて性悪にも程があると思いながら不公平だと睨んでやると、じゃあ自分もやってやろうかと笑ってこられ、ベッドに戻されてから互いのものを舐め合う羽目になったんだが、これはいいのか?!
(あの無駄に美形な王子の口が俺のを咥えてる?!)
王子に促され俺は王子の上に乗りながら王子のものを咥えているんだが、王子は逆に俺の下で俺のものを口に含んでいた。
その衝撃的な光景に思わず口を放してしまったら、王子からクスリと笑われてしまう。
「どうした、アルフレッド。のんびりしていると俺が先にイかせてしまうぞ?クッ、明日から特訓間違いなしだな」
そんな風に挑発されたら負けん気が勝つに決まっている。
「お、俺が先にイかせるからっ!」
「ならやって見ろ」
なんだか上手く乗せられたような気もするけど、王子に嬲られながら王子のものを咥えるのはさっきよりもなんだか興奮して積極的にしゃぶってしまったように思う。
自分が気持ちいいと感じたところを俺も同じようにしてみたり、ここはどうかなと探ってみたり…。気づけば抵抗感もなくなっていて、チュッと吸ってみたりグリグリと舌を使ってみたりまでしていた。
「んんぅ…んっんっ…」
「上手いぞ、アル。ふっ…んんっ……」
王子はたまに色っぽい声を出しながら俺を煽ってくるからたまらない。
「ご褒美にそろそろイかせてやるからな……」
けれどそろそろ顎が疲れてきたと思ったタイミングで、王子がそんなことを言って俺を追い詰め始めた。
「ふぁっ…!ちょっ、待ってッ!」
逃げられないように腰をしっかり押さえられ、ジュルジュルと吸い上げられねっとりと舌を這わされて、扱くようにされながら追い上げられるととてもじゃないけど我慢なんてできなかった。
「やっ!いやッ、いやッ!」
待ってくれと必死に訴えるけど王子はそのままあっという間に俺を追い込んでイかせてしまう。
「ふ…ぅぅ……。嫌だって、言ったのに……」
自然と潤む瞳で王子に訴えると、あろうことか王子は身を起こしそのまま見せつけるようにそれをゴクリと呑み込んで嫣然と笑ってきた。
「お前を追い込むのは大好きなんだから仕方がないだろう?さぁ、今日は焦らさず積極的に激しく抱かれたいか?それとも甘く焦らして散々嬲られて抱かれたいか?好きに選んでいいぞ?」
「ど、どっちも嫌だ……」
「じゃあ気分を変えて外に出るか。バルコニーか庭のガゼボか選ばせてやるぞ」
「ここ!ここがいい!ベッドでえっと……『普通』に!抱いてくれ!」
「遠慮するな。側妃のためならどこにでも付き合ってやる。沢山愛してやるのはどこでも変わりはないからな」
「え?いやいやいやッ!普通が一番だから!」
「そうか?俺はお前のしてくれた痴態を思い出すだけでどこででも抱けそうだが?普通にこだわる必要はどこにもないぞ」
「へ、変態ぃ……!放せぇッ!」
そして抱き上げられはしたものの必死に暴れたからか外には連れ出されずに、でも何故か衣裳部屋にある大きな姿見の前に連れて行かれて恥ずかしい目に合わされながら抱かれてしまった。
「ほら、俺に抱かれて自分が感じている姿を見ながら好きに喘げ」
「あっあっ…恥ずかしいぃ……!」
背後から王子に支えられるようにして、立ったまま自分が抱かれている姿を目にして真っ赤になる。
そんな状況を鏡の中ありありと見せつけられるのはなかなかにショッキングだった。
でもそんな状況で言葉で嬲られながらじりじりと抱かれているともう何も考えられなくなっていって、結局自分から懇願してしまう。
「セド…セド……ッ!も、わかったから…ッ!激しくしてッ!お願い、お願いだからッ!焦らすのはもうやめてくれッ!」
「よしよし。その願い、ちゃんと叶えてやるからな。自分がイクところをしっかり見ておくんだぞ?」
「あっあっあっ…!やめ、て…ッ!こんな顔見せないで…ッ、見せないで……ッ!」
「ククッ…可愛いだろう?これが……俺に抱かれているお前だ」
「あッ、あぁぁあぁ────ッッ!!」
欲しかった刺激を思うさま与えてもらい、いつも以上に感じてビクビクと震えてしまう。
俺の身体は王子をしっかりと覚え咥え込み、奥へと誘い込むように蠕動していた。
「んっ…んんっ……あ、ぅ……」
鏡の中の俺が気持ち良くてたまらないと蕩けた表情を向けてくる。
俺はいつもこんな表情で抱かれているんだろうか?なんだか女みたいでものすごく恥ずかしい。
そうは思うが、飲み込み切れない唾液が口の端から滴り落ちてただただ喘ぐことしかできない。
(気持ちいい…も、ダメになるぅ……。もっと、して欲しい……)
そんな言葉が頭をグルグル回っていた。
「気持ちいいな?アル」
そして王子から言葉と共にキスが降るように与えられて、ちょっと気持ちが落ち着いてきたところで床に這いつくばらされて一気に奥深くまで突き込まれた。
「あーーーーーーーッ!!!!」
「ふっ…油断したな」
そこからはもう泣き叫ぶように奥を蹂躙されて、腰を振りながらもっともっとと強請らされた。
色んな体位で鏡の前で犯されて、その姿を見せつけられて恥ずかしさのあまり涙腺が壊れ、王子の名を呼び何度も許してくれと叫んでいた気がする。
正直かなり頭がバカになっていたんじゃなかろうか?
極悪なこの王子にそんなことを言ったら喜ばせるだけなのに…。
でも、最近抱かれるのが当たり前になってきた気がするからちょっと怖い。
俺、大丈夫かな?後戻りできるのか?
取り敢えず、恥ずかしいからもうこの鏡は見れないかもしれない……。
(開脚で泣かされながらイかされた姿なんて記憶の彼方へ消去だ!消去!)
嫌なことはさっさと忘れよう。きっとそれが一番大事だと思う。
【Side.トルセンの弟子 カッツェ】
闘技場に飛び入り参加して選手の控室へと入り、今戦っていいる相手はどんな奴だろうと視線を向けると、凄く強い奴がちょうど上がっていた。
その戦いは一瞬で勝負がついてしまったが、そこにいるのが強い奴だとわかってすぐさま戦いたくなってしまった。
でも正直いい勝負ができるとは思っていても負けるとは思ってはいなかった。
手古摺ったとしても勝てると踏んでいたのだ。
でもその自信はあまりにも呆気なくへし折られた。
何度打ち込んでも剣戟は全て綺麗にいなされ、攻撃は相殺される。
これでどうだとばかりにあれこれ試してみるがどれもこれも決定打にはなり切れない。
そうこうしているうちに男が何故か控室の方へと目を向けて物凄い威圧と殺気を放ちだしたので何事だと思ってそちらを見遣ると、そこには二人の男がいた。
しかも一人はそれを受けてへたり込んだのに、もう一人は全く動じることなくうっすらと笑っていた。
きっとあの男はこの目の前の男に認められるほど強いのだろう。
それを酷く悔しく思った。
(俺なんて眼中にないってか?!)
そう思いながら攻撃をしたがそれもまた防がれ、その後男から噴き出す威圧と殺気がこちらへと向けられて、俺はそれを受けてたじろいでしまった。
(マジかよ…)
これを受けて平気な顔で笑っていられたあの男は一体何者なのだろうか?
どう考えてもおかしいとしか思えなかった。
(戦場経験者か?)
そんな風に考えてしまった俺の一瞬の隙を突くように勝負はあっという間に決してしまう。
「勝者、セドリック王子!」
(この男がセドリック王子……)
正直王族にこんな男がいたのかと衝撃を受けた。
けれど驚いたのはその後だった。
王子が剣を向けて呼んだ相手の名がアルフレッドだったからだ。
しかも何故か会場全体での側妃コール。
一瞬師匠が言っていた剣豪アルフレッドかと思ったのに側妃とはこれ如何に。
けれどこの二人が受付の言っていたスペシャルゲストだというのは間違いなさそうだった。
その後俺は審判役の男からすぐに下がるようにと言われてそこから降り、控室の闘技場がよく見える窓からこの二人の戦いを観戦することになった。
(……なんだあの男は)
絶句するというのはこういうことを言うのだろうか?
それくらいあの男の強さは圧倒的だった。
師匠も凄いと思っていたし、さっきの王子も強いと思ったが、それ以上にそのアルフレッドという男は強かった。
そのスピードもさることながら絶妙に力の乗った攻撃が次々と繰り出されていて、それを見るだけで百人は余裕で蹴散らせるのではないかと思ってしまう程。
それを全ていなせているあの王子も凄いが、やはりアルフレッドの方が一枚上手だった。
どこか陶酔したような顔で楽しそうに戦う男の姿はまさに戦闘狂────。
それを見るにトルセンが言っていたアルフレッドはこの男なのだろうと確信してしまう。
思わず身震いしてしまう程の圧倒的強さに俺は自分の薄っぺらさを実感して見惚れてしまった。
(ああ…凄いな。俺もあんな風になりたい)
弟子は取っていないのだろうか?
もし取っているなら是非自分にその技を伝授してもらいたい。
そんな思いで熱く眺めていると、試合はアルフレッドの勝ちで終わった。
「あ~今日は側妃様の勝ちかぁ…。やっぱすげぇなぁ」
「王子もお強いし、最強の夫婦だよな」
控室にそんな話をしている者達がいたので少しだけ話を聞いてみる。
「あの二人は夫婦なのか?」
この国は確か同性婚はなかったはずだがと思って聞いてみると、特例で側妃に認められているのだと返ってきた。
なんでも王子が姫の護衛騎士としてやってきたアルフレッドに惚れて王に直談判したのだとか。
「ちなみに側妃様が弟子を取っているという話は聞いたことがないか?」
「弟子?さぁ…ないんじゃないか?王子に嫉妬されても怖いしなぁ」
「そうか。ありがとう」
二人はいつの間にやらここを去っており、デートにでも行ったんだろうと言われていた。
実に勿体ない話だ。片手間にもほどがある。
そんな嫉妬ごときであの剣技を継承する者がいないだなんてとても黙ってなんていられない。
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