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137.※他国からの客人③ Side.カリン

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今回のパーティーに向けて、続々と近隣各国から招待状の返信が届き始めた。
皆三ヵ国事業についての話を聞きたくて仕方がないらしく、早めに訪れたいと言ってくる者がほとんどだ。
もちろん三ヵ国事業に関わった国にも声を掛けているからレトロンやフォルティエンヌからもやってくる。
ちなみにブルーグレイにも一応声は掛けた。
本音を言えばブルーグレイには声を掛けたくなかったが、ロキが『そう言えばシャメルやツンナガール等でセドリック王子には随分助けられましたよね。やっぱり今回は呼ぶんですか?』とふと思いついたように口にしたから、検討はしてみるとその場では返事を返し、レオナルド皇子と話すことに。
その結果────。

『ロキって何故かトラブルを引き寄せる傾向があるだろう?俺、次にセドリック王子に迷惑かけたら殺されそうなんだ。できれば呼びたくないなぁ…』
『気持ちはわかる。俺も気持ちは同じだ』

そもそもセドリック王子のイメージアップ対策でブルーグレイ国内とは言え劇があちこちで行われている最中に、万が一ガヴァムで何かが起こって悪魔のようなセドリック王子が本性を出したら全てが台無しとなり、ブルーグレイ国王から睨まれるのではとの懸念がでてきてしまう。
だから先にブルーグレイ国王に手紙を送って相談したのだ。
それはもう細心の敬意を払いながら。
するとあっさりと理解が得られて、今回は口頭で伝えておくから形だけの招待状だけ送ってくれと言ってもらうことができた。
これには感謝しかない。

それを受けて思わずレオナルド皇子と喜び合ったのだが、その場面をロキに目撃されてちょっと嫉妬されたのは失敗だった。

「兄上…やっぱりレオと…?」

(やっぱりってなんだ?!)

「いやいやいや?!誤解だ!俺はそんなつもりはない!」
「そうだよロキ!こっちもそんな気はないから!婚約者もいるから!」
「…………」

これは放置したらマズいやつだ。
見るからに物凄く不機嫌だし、きっとこの後は問答無用でお仕置きコースだろう。
お仕置き自体はいいが、明後日方面にいかれたらまた三人でとか色々言い出しかねない。
折角最近はたまにしか言わなくなってるのにまた逆戻りになったら大変だ。
ここで間違う訳にはいかない。

(ど、どうすれば……)

そう考えて、この間自分の暗部が言っていた言葉を思い出した。

『たまにはカリン様から誘惑してみたらロキ様も喜ばれるのでは?』

(これだ!)

俺からは滅多に誘わないからきっと機嫌も直るはず。
でも今ベストな誘い文句が全く思い浮かばない。
何を言えばいい?
やってみたいプレイでも口にしたらいいのか?

「ロ、ロキ。レオナルド皇子は取り敢えず帰ってもらって、俺と……」

(何プレイがいいだろう?)

しまった。全然思い浮かばない。
拘束プレイは一昨日やったし、外での玩具プレイは三日ほど前にやったし…。
風呂場プレイも昨日やった。
複数プレイは二週間くらいしてないけど今は嫌だ。
他に何かないだろうか?

(何か…何かないか……っ)

そこでハッと閃いた。
筆だ!
あれならまだ一回しかしていないからいいかも知れない。
そう思って、思い切って言ってみることに。

「その…筆、プレイでもやらないか?」

でもそう言った途端ロキが手で顔を隠して思い切り溜息を吐いてしまった。
ダメだっただろうか?
まあダメでもこの場合は全然大丈夫だ。
レオナルド皇子と浮気云々言われなければ問題はない。
取り敢えずさっさとレオナルド皇子を帰そう。

「じゃあレオナルド皇子。また」
「あ、うん。カリン陛下…頑張って!」

謎のエールを送られながらその姿を見送ると、ふわっと背後からロキに抱きしめられた。

「兄上…」

身長が同じくらいだからダイレクトにロキの声が耳に響いてくる。

「レオは行ってしまいましたし、兄上のご要望通り今日は筆プレイで悦ばせてあげますね」

そう言ってロキは艶美に嗤った。


***


二人でベッドに移動し、縄ではなく布で手首を拘束されてベッドサイドへと括りつけられる。
そしてそのままロキが物凄く嬉しそうにしながら筆を手に持ち、これでたっぷり可愛がってあげますねと言ってきた。
しかもその後何故か口を閉じられないよう口枷をつけられ、黒い布で目隠しまでされてしまった。

「ああ…兄上。最高に可愛いですよ」

どこか陶然とした声でそんなことを口にするロキ。
きっとドSな顔で笑って俺を見下ろしているんだろうなと想像してしまい、凄く興奮してしまう。

「ふふっ。こんなに期待して……」

声だけでロキの表情が勝手に伝わってくる。
俺が大好きなロキ。
ご主人様の表情はこれまで散々見てきたから容易に想像がつくのだ。

「んぅ…んんん……」

口枷のせいで話せないし、唾液が垂れて仕方がないけど、それ以上に期待が上回って仕方がない。
そうやって始まった筆での責め苦。
最初はくすぐったいなと思う程度でまだ余裕があった。
けれどそんな余裕は本当に最初だけで、はだけさせられた肌を撫でられ、サワサワと絶妙なタッチで擽られるうちにどんどん身悶える状況に陥ってしまう。

「んぁっ!ぁっあぁっ!」

悲鳴を上げたくても上げられない。

「あぇえっ!あえぇ…ッ!」

やめて、ダメ、そう言いたいのに言えなくて、意味をなさない声だけが口から飛び出る始末。
あまりの焦れったさに目に涙を滲ませ必死に首を横に振るが、そんな俺にもロキは容赦してくれない。

「兄上。気持ちいいですか?」

クスクスと楽しげに笑いながらそっと片手で俺の頬に触れ、そのまま舌を絡めてくる。
口は閉じれないからそのまま好きなように蹂躙される。
舌で擽られ、性感帯を中心に身体中筆で虐められ、結局俺は耐え切れずにそのままイカされてしまった。

「ふぅう…っ」

(挿れられてないのにイカされるなんて…)

イッた余韻でピクンピクンと身体が跳ねる。
理性が残っている分恥ずかしくて、グスグス泣きながらそこを隠すように横を向いた。
もう弱いところを責められたくなかったというのもある。

首筋や脇腹、胸の突起にへそ近辺など弱い箇所をふわりふわりと筆で擽るように責め立てられ、陰嚢の辺りも撫でまわされたのだ。
筆がそこら中撫でまわすたびにゾクゾクするから、もうこれ以上撫でられたくはないと思ってしまったのも無理はない話だろう。
身体が敏感になり過ぎて頭がボウッとするし、とてもじゃないがこれ以上耐えられそうにない。
そんな俺に気づいているのかいないのか、ロキは今度はそのまま尾てい骨をスルリと撫で上げてきたからたまったものではない。

「んはぁ…っ!」
「今度はこっちを可愛がってあげますね」

(絶対に今、物凄くいい顔で笑ってる…!)

その顔を見たいのに見れないから余計にもどかしくて、ロキの表情を想像しながら涙を滲ませた。

「泣かなくてもちゃんと挿れてあげますよ」

俺の泣き顔を堪能しながらロキが凄く楽しそうに片足を持ち上げ肩へと担いでしまう。

「最初は慣らさないとダメですからね。浅いところで沢山味わってください」

そうして俺の後ろの蕾をロキのものでツンツンつつきながら筆で尾てい骨を責め始める。

「んあぁっ!ほひ…っおひぃっ…!」

必死にロキの名を呼び、その焦れったさにまた身悶えし始める自分。
焦らされ過ぎて背筋に快感が走って、早くきてとロキを求めてしまう自分がいた。
そうこうしているうちに段々蕾が綻んで、キュゥッとロキに吸い付くようにキスをし始める。
身も心もロキが欲しくて仕方がない。

「ひへへっ、ひへへぇっ…!」

だからその気持ちのままに早く挿れて欲しくて必死に懇願する。
するとグッと身を進めてくれたのはいいけれど、何故かカリのところまでしか挿れてもらえなくて愕然としてしまった。

(どうして?!)

「物欲しそうな兄上をもっと堪能したいので、取り敢えずここだけでイッてください」

(ひ、酷いぃっ…!)

当然だがそこからはもっと身悶える羽目になってしまう。
ちゅぽちゅぽと卑猥な音を立てて浅いところで出し入れされるだけのある種の拷問。
ロキのものに反応して奥が期待してキュンキュン疼いているのに、絶対にそこにはもらえないなんてどんな拷問だ。
しかも抜く時にロキのカリの部分が蕾をめくり上げるように撫でていくから物凄く気持ち良くてたまらない。
でも自分が一番欲しいのはこれじゃないのだ。

「ひぁあっ、ひあぁあっ、ひへへぇ…っ!」

嫌だ。
挿れてほしい。
腰を激しく揺らして訴えるけどロキはただただ虐めるばかり。
そしてもう限界とばかりに息も絶え絶えに何度目かの吐精をしたところでロキが言った。

「兄上?しっかり反省はできましたか?」

どうやらレオナルド皇子の件でのお仕置きだったらしい。
自分で言い出したことだけに、これでは文句も言えない。
だから素直にコクリと頷いた。
そうしたらハラリと目隠しが外されて、物凄くいい笑顔で『いい子ですね』と言われ、ホッとしたところで一気に奥まで突き込まれた。

「あ────ッ!!」

そもそもの体位が奥まで入る体位だったせいで一気に結腸まで入り込み、そのまま気を失ってしまう程の衝撃を与えられてしまう。
慣れた身体はそれでも傷つくことなくロキを受け止めきることはできるけど、散々焦らされた身体にこれは快楽が過ぎた。

「舌を噛まないようにと口枷をつけてたんですけど、ある意味正解でしたね」

激しくイッたせいでビクビク震える身体を優しく抱きしめながらそっと口枷を外し、ロキが愛おしそうに俺にキスを落としていたなんて俺は知らなかったけど、目撃した暗部は皆ブルリと身を震わせていたとかなんとか。

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