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番外編
番外編Ⅱ ※ナナシェにて⑰ Side.ガナッシュ
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※今回はR18な話なので、背後にご注意下さい。
宜しくお願いします。
****************
メリーナに対峙し、ラヴィアンを守ろうとした気持ちに嘘はない。
なのにどうしてこの女は自ら墓穴を掘り、私に援護射撃をしてくるのだろう?
間抜けにもほどがあると思うのだが……。
私がラヴィアンを後ろから抱きしめながら対峙しているから勘違いしたらしく、ラヴィアンに向かって見当違いなことを叫んできた。
「私に隠れて浮気してたのね?!」
浮気も何もまだ何も始まってすらいないと言うのに。
そもそもさっき告白しようとしたところをお前に邪魔されたばかりだと呆れつつ言い返そうとしたのだが、それよりも早くラヴィアンが先に口を開いた。
「それは違う!確かにガナッシュ様は凄く立派で魅力的でカッコいいが、私なんかが釣り合うはずがないだろう?!ただの一方的な片思いで浮気だ何だと責められるいわれはない!」
「…………」
多分ラヴィアンは思いがけないメリーナからの追及に動揺していたんだろう。
だからつい慌てて言い返し、ポロッと本心が口から飛び出てしまったのだと思う。
取り繕うことのないそれこそ本心だ。
ただその内容が予想外だった。
(い、一方的な片思い、だと?!)
褒め殺しの後にそんなことを言われて嬉しくないはずがない。
さっきまでの、どう気持ちを伝えればいいだろうかという悩みが吹き飛ぶほどの僥倖に、頬が緩んでしまうのを止められない。
そんな中、二人の言い合いは続いていく。
「やっぱり浮気じゃないの!私よりガナッシュ様の方を好きになったから別れ話をしてきたんでしょう?!」
「それとこれとは話は別だ!お前に愛想が尽きたのは本当だが、別に私はガナッシュ様とどうこうなるつもりなんてない!」
それは困る。
お互いに両想いなのだとわかったし、当然その先にだって進みたい。
(でもラヴィアンは私を聖人君子のように思っているようなところがあるからな…)
そのせいでこんなセリフが出てしまったのかもしれない。
なんとか男として意識してもらえないものか。
(切っ掛けが欲しいな)
そう思っていたら、またメリーナが都合良く事が運びそうな言葉を紡いでくれる。
「そうよね!男同士なら貴方は抱かれる方でしょうしね。ご自慢の素敵なテクニックの数々も男相手なら何も活かせないでしょうね」
その言葉に真っ赤になるラヴィアン。
もしかして私に押し倒される自分でも想像してくれたんだろうか?
怒っているわけではなく恥じらっている姿に、ついつい期待してしまう。
「閨指導で沢山努力して相手を喜ばせる方法を覚えたのに全部無駄になって可哀想だわ。逆の立場になったらさぞ物足りないでしょうね。ガッカリするのが関の山だと思うわ。ねえ、そう思いません?ガナッシュ様」
悦に入った顔でメリーナが笑う。
でもそれは私にとっては援護射撃以外の何物でもないのだと、わかっているんだろうか?
こんな風に嬉々として最悪な妻からラヴィアンを助ける男の立場をくれるなんて────。
「馬鹿だなメリーナ。お前は先程から私へ援護射撃しかしていないことに、気づいているか?」
「……え?」
どうやら本人は無自覚だったらしい。
「ラヴィアン。お前が好きだ。愛してる」
「え?!」
断られることがないと安心できる告白のチャンスも。
「ガ、ガナッシュ様?!一体何を?!」
「可愛いお前に惚れてしまった私を許してほしい」
私を男と意識させ、その唇を奪うチャンスも、全部お前がくれた。
「はぁ…」
「気持ち良かったか?」
その結果、私のキスにうっとりと身を任せてくる可愛いラヴィアンを見ることができたのだから感謝してやろう。
「う…はぃ…」
「それは良かった。そういうことだから、ラヴィアンはこのまま貰っていく。お前はもう妻でも何でもないのだから下がっていろ。わかったな?」
後はこのまま厄介な元妻から引き離し、自室に持ち帰ってじっくり気持ちを伝えるだけだ。
(お前の役目はもう終わりだ、メリーナ)
ラヴィアンはもう絶対にお前に返すことはない。
「どうして…どうして女の私じゃなく、私の夫を攫って行くのよおぉぉっっ?!」
そんなもの、お前よりラヴィアンに惚れているからに決まっている。
お前よりもずっと可愛くて、努力家で、ついでに夜も積極的なんていう一面があるのだと聞かされたら持ち帰りたくなるだろう?
攫うに決まっているじゃないか。
何を言っているのか。
ラヴィアンは多分メリーナから引き離すために私が自室に連れて行こうとしていると思っているだろうから、まずはお茶からだな。
時間はたっぷりある。
ゆっくりと怯えさせないように、ちゃんと気持ちが真っ直ぐ伝わるように想いを伝えよう。
その上で最後までいけたらとても嬉しい。
***
【Side.ラヴィアン】
「ん…んぅうっ…」
ガナッシュ様のベッドの上で組み敷かれ、熱を燻らせた熱い眼差しで見つめられながら、滾る欲望の熱を初めての場所へと受け入れていく。
「ラヴィアン…」
愛おしいと言う気持ちを溢れさせながら私へと微笑み腰を進めていくガナッシュ様に、心が震えてたまらない。
どうしてこうなったか?
それは凄く自然な流れだったと思う。
最初はお茶をいつも通り二人で飲んでいたんだ。
さっきは大変だったし、驚いただろうとメリーナのことで労られた。
それが嬉しくて感謝の気持ちを口にしたものの、同時にキスをしたことまで思い出してしまって急に恥ずかしく居た堪れない気持ちでいっぱいになってしまう。
もうあれだけで一週間くらい浮かれっぱなしになりそうだ。
そう思っていたら、ガナッシュ様に改めて告白されて、さっきもメリーナが来なかったら告白するつもりだったのだと秘密を明かすように告げられた。
まさかそんな事を言われるなんて思わなかったけど、それなら自分もちゃんと気持ちを伝えようと思い、ずっと前から好きだったと告白した。
『両想いで嬉しい』とその後何度もキスを繰り返している間に気づけば押し倒されていて、『このまま抱いていいか?』と熱の籠った眼差しで尋ねられる。
「それとも私に乗りたいか?」
どこか悪戯っぽくそう聞かれ、こんな一面もあるんだと思いながら『抱かれるのは初めてなので、いきなり騎乗位はちょっと無理だと思います。このまま抱いてください』と素直に照れつつ告げたら何故か『そうじゃない。でも天然も可愛い』と暫く天を仰がれた。
何か間違っただろうか?
正しいと思ったんだが…。
何はともあれ、そして今に至ると言うわけだ。
「あ…あっ、ガナッシュ…様っ」
「ぅ…っ、ラヴィアンッ」
しっかりとほぐしてから挿入してもらったものの、初めての圧迫感に息が上がる。
ガナッシュ様も隘路に腰を進めるのは大変そうだし、出来るだけ力を抜いて協力したい。
女のように足を開くのは最初でこそ恥ずかしかったが、恥ずかしかったら抱きついてキスしていたらいいと言われ、『どんなラヴィアンも好きだから、色んな顔が見たい』と微笑まれた。
そんな優しいガナッシュ様に、応えられるだけ応えたかったのだ。
無事に全部受け入れられた時には凄くホッとして、同時にここにガナッシュ様がいるのだと、ちゃんと繋がっているのだと確認したくなって、そっと下腹へと手をやった。
(凄い…ちゃんと入ってる)
「ラヴィアン?」
「ん…夢じゃないか、確認したくて」
ガナッシュ様と繋がっている。
それをしっかり認識したら嬉しくなって、破顔してしまった。
「~~~~っ!ラヴィアン、私の理性を壊しにかかるな」
その言葉にガナッシュ様を見ると、いつもの理性的な雰囲気は鳴りをひそめ、雄々しい男の本能を曝け出したような顔で私を見下ろしていた。
「優しくしてやりたいから、あまり煽るな」
そう言われたが、どんなガナッシュ様も魅力的にしか映らないし、色んな顔が見たいと思ってしまう。
「私も、どんなガナッシュ様も好きなので、色んな顔を見せてください」
「…っ、だから煽るなと言ってるだろう?」
耐えるようにそう言われたが、それから熱く雄々しい楔に翻弄されて、初めての感覚に嬌声をあげさせられた。
こんな声を聞かせるわけにはいかないと手で押さえようとしたら、『押し殺さずいっぱい喘ぐ声を聞かせて欲しい』と耳朶を食まれながら囁かれ、そのまま追い込まれてしまう。
ガナッシュ様はベッドの上でも私をよくわかってくれて、あっという間に高みへと連れていかれてしまった。
「アッアッ!イクッ!イクッ!あぁっ!」
「ラヴィアンっ!」
二人一緒に達し、身体の奥へと熱い白濁が注ぎ込まれる。
「あぁっ…」
初めての感覚に身が震え、ガナッシュ様に染められる自分を心地よく受け止めた。
「ラヴィアン。大丈夫か?」
「…はい」
ベッドに沈みながら微笑み合い、どちらからともなく手を重ね、指を絡め合って多幸感に浸る。
こんなに幸せになっていいんだろうか?
なんだかランスロットに申し訳ない気持ちになる。
だから思わずその気持ちを吐露したら、ここでちゃんと更生中なのだから、誰にも恥じることはないと諭された。
『これからは間違った事をしようとしたらちゃんと叱って諭してやるから覚悟しておけ』とガナッシュ様は言うけれど、その眼差しは言葉の厳しさとは裏腹に優しくて、一生ついていきたい…そう思って涙が出た。
その後落ち着いてからもう一度抱きたいと言われて笑顔で了承した。
好きな人に求めてもらえるのは素直に嬉しかったからだ。
お互い若くはないから次は楽な体位で愛し合おうということになり、ガナッシュ様に促されるままに楽な体位を考え『ん…これで挿れてください』と右側面を下にして左足を軽く持ち上げ、後孔がわかりやすいように手を添えつつお願いしたら、何故か凄く興奮された。
罪作りなおねだりだと言われたが、昔閨指導の未亡人が『これが受け手側の普通です』と教えてくれたし、男同士でも多分間違ってはいないはず。
ガナッシュ様も特に嫌悪感はなさそうだし、きっと大丈夫だろう。
「ンッンッ、ガナッシュ、様っ!あぁっ!」
「はぁっ、ラヴィ!感じ、過ぎだっ。覚えが、早いなっ」
「ぁっ、んぁっ!そ、れはっ、ガナッシュ様がっ、教え込むっからっ、ぁあんっ!」
「腰使いも上手くなったな」
「だっ…てっ!ずっと気持ちいっ…からっ…!」
「そのまましっかり覚え込め」
「あっはぁっ!も、イクッ!イクッ!」
「中で好きなだけ達しろ」
「んぁああぁっ!」
前の根元を押さえられながら追い上げられて、目の前がチカチカして、絶頂に身を震わせる。
「はぁ…はっ…。ぁ、ふぁ…」
ピクピクと余韻に震える間緩々と優しく宥めるように中を擦られて、思わず後ろをキュッと締めつけてしまう。
それを誤魔化すようにキスを仕掛けたら、嬉しそうに抱き寄せられた。
「落ち着いたか?」
「は…ぃ…。ぁうっ!」
奥をコツンと突かれて、思わず口から甘い声が溢れ落ちる。
従順に快感を覚えこまされた雄膣が甘えるようにガナッシュ様へと絡みつく。
「可愛いな。まだまだ物欲しそうだ」
「ガナッシュ…様っ」
その後も体位を変えつつ褒め上手なガナッシュ様に色々仕込まれ、初めてなのに散々感じさせられて、最後にはシーツを握り締めながら腰砕けになっていた。
年甲斐もなく何度も抱かれたせいで翌朝はベッドから出られなくて、ガナッシュ様にお詫びだと言われながら嬉しそうに朝食を食べさせられる羽目になったし、凄く恥ずかしい。
使用人達が『ガナッシュ様!まさか業を煮やしてメリーナから寝取ったんですか?やりますね!』などと言っているのがドアの向こうから聞こえてきた時はドキッとしたが、ガナッシュ様は『離縁後に普通に告白して、ちゃんとラヴィアンに受け入れてもらったんだ。寝取ったわけじゃない』と言ってくれていて心が温かくなった。
そんなガナッシュ様がやっぱり好きだと気持ちを新たにしてしまう。
でもこの空気の中でメリーナは大丈夫なんだろうか?
怒って暴れていないか心配していたら、午後になって屋敷を飛び出したという話が耳へと飛び込んできた。
どうやら居た堪れなくなってしまったようだ。
(まあそれもそうか)
元夫が屋敷の主人とくっついたらその心中は非常に複雑だろう。
子供達のところへ行っていなければいいが…。
************************
※ちなみに侯爵家兄妹に対する閨指導事情。
ラウル→未亡人から指導済み。
エヴァンジェリン→母から『女は黙って旦那様に任せておけば万事OKなのよ』と言われ、座学も実技も特に指導なし。
ランスロット→母が『エヴァンジェリンに聖魔法を返す前に、万が一にでも閨指導で聖魔法が使えなくなったら困る。やめておきましょう』と父に進言。それもそうかとなり、座学のみで実技指導なし。
宜しくお願いします。
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メリーナに対峙し、ラヴィアンを守ろうとした気持ちに嘘はない。
なのにどうしてこの女は自ら墓穴を掘り、私に援護射撃をしてくるのだろう?
間抜けにもほどがあると思うのだが……。
私がラヴィアンを後ろから抱きしめながら対峙しているから勘違いしたらしく、ラヴィアンに向かって見当違いなことを叫んできた。
「私に隠れて浮気してたのね?!」
浮気も何もまだ何も始まってすらいないと言うのに。
そもそもさっき告白しようとしたところをお前に邪魔されたばかりだと呆れつつ言い返そうとしたのだが、それよりも早くラヴィアンが先に口を開いた。
「それは違う!確かにガナッシュ様は凄く立派で魅力的でカッコいいが、私なんかが釣り合うはずがないだろう?!ただの一方的な片思いで浮気だ何だと責められるいわれはない!」
「…………」
多分ラヴィアンは思いがけないメリーナからの追及に動揺していたんだろう。
だからつい慌てて言い返し、ポロッと本心が口から飛び出てしまったのだと思う。
取り繕うことのないそれこそ本心だ。
ただその内容が予想外だった。
(い、一方的な片思い、だと?!)
褒め殺しの後にそんなことを言われて嬉しくないはずがない。
さっきまでの、どう気持ちを伝えればいいだろうかという悩みが吹き飛ぶほどの僥倖に、頬が緩んでしまうのを止められない。
そんな中、二人の言い合いは続いていく。
「やっぱり浮気じゃないの!私よりガナッシュ様の方を好きになったから別れ話をしてきたんでしょう?!」
「それとこれとは話は別だ!お前に愛想が尽きたのは本当だが、別に私はガナッシュ様とどうこうなるつもりなんてない!」
それは困る。
お互いに両想いなのだとわかったし、当然その先にだって進みたい。
(でもラヴィアンは私を聖人君子のように思っているようなところがあるからな…)
そのせいでこんなセリフが出てしまったのかもしれない。
なんとか男として意識してもらえないものか。
(切っ掛けが欲しいな)
そう思っていたら、またメリーナが都合良く事が運びそうな言葉を紡いでくれる。
「そうよね!男同士なら貴方は抱かれる方でしょうしね。ご自慢の素敵なテクニックの数々も男相手なら何も活かせないでしょうね」
その言葉に真っ赤になるラヴィアン。
もしかして私に押し倒される自分でも想像してくれたんだろうか?
怒っているわけではなく恥じらっている姿に、ついつい期待してしまう。
「閨指導で沢山努力して相手を喜ばせる方法を覚えたのに全部無駄になって可哀想だわ。逆の立場になったらさぞ物足りないでしょうね。ガッカリするのが関の山だと思うわ。ねえ、そう思いません?ガナッシュ様」
悦に入った顔でメリーナが笑う。
でもそれは私にとっては援護射撃以外の何物でもないのだと、わかっているんだろうか?
こんな風に嬉々として最悪な妻からラヴィアンを助ける男の立場をくれるなんて────。
「馬鹿だなメリーナ。お前は先程から私へ援護射撃しかしていないことに、気づいているか?」
「……え?」
どうやら本人は無自覚だったらしい。
「ラヴィアン。お前が好きだ。愛してる」
「え?!」
断られることがないと安心できる告白のチャンスも。
「ガ、ガナッシュ様?!一体何を?!」
「可愛いお前に惚れてしまった私を許してほしい」
私を男と意識させ、その唇を奪うチャンスも、全部お前がくれた。
「はぁ…」
「気持ち良かったか?」
その結果、私のキスにうっとりと身を任せてくる可愛いラヴィアンを見ることができたのだから感謝してやろう。
「う…はぃ…」
「それは良かった。そういうことだから、ラヴィアンはこのまま貰っていく。お前はもう妻でも何でもないのだから下がっていろ。わかったな?」
後はこのまま厄介な元妻から引き離し、自室に持ち帰ってじっくり気持ちを伝えるだけだ。
(お前の役目はもう終わりだ、メリーナ)
ラヴィアンはもう絶対にお前に返すことはない。
「どうして…どうして女の私じゃなく、私の夫を攫って行くのよおぉぉっっ?!」
そんなもの、お前よりラヴィアンに惚れているからに決まっている。
お前よりもずっと可愛くて、努力家で、ついでに夜も積極的なんていう一面があるのだと聞かされたら持ち帰りたくなるだろう?
攫うに決まっているじゃないか。
何を言っているのか。
ラヴィアンは多分メリーナから引き離すために私が自室に連れて行こうとしていると思っているだろうから、まずはお茶からだな。
時間はたっぷりある。
ゆっくりと怯えさせないように、ちゃんと気持ちが真っ直ぐ伝わるように想いを伝えよう。
その上で最後までいけたらとても嬉しい。
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【Side.ラヴィアン】
「ん…んぅうっ…」
ガナッシュ様のベッドの上で組み敷かれ、熱を燻らせた熱い眼差しで見つめられながら、滾る欲望の熱を初めての場所へと受け入れていく。
「ラヴィアン…」
愛おしいと言う気持ちを溢れさせながら私へと微笑み腰を進めていくガナッシュ様に、心が震えてたまらない。
どうしてこうなったか?
それは凄く自然な流れだったと思う。
最初はお茶をいつも通り二人で飲んでいたんだ。
さっきは大変だったし、驚いただろうとメリーナのことで労られた。
それが嬉しくて感謝の気持ちを口にしたものの、同時にキスをしたことまで思い出してしまって急に恥ずかしく居た堪れない気持ちでいっぱいになってしまう。
もうあれだけで一週間くらい浮かれっぱなしになりそうだ。
そう思っていたら、ガナッシュ様に改めて告白されて、さっきもメリーナが来なかったら告白するつもりだったのだと秘密を明かすように告げられた。
まさかそんな事を言われるなんて思わなかったけど、それなら自分もちゃんと気持ちを伝えようと思い、ずっと前から好きだったと告白した。
『両想いで嬉しい』とその後何度もキスを繰り返している間に気づけば押し倒されていて、『このまま抱いていいか?』と熱の籠った眼差しで尋ねられる。
「それとも私に乗りたいか?」
どこか悪戯っぽくそう聞かれ、こんな一面もあるんだと思いながら『抱かれるのは初めてなので、いきなり騎乗位はちょっと無理だと思います。このまま抱いてください』と素直に照れつつ告げたら何故か『そうじゃない。でも天然も可愛い』と暫く天を仰がれた。
何か間違っただろうか?
正しいと思ったんだが…。
何はともあれ、そして今に至ると言うわけだ。
「あ…あっ、ガナッシュ…様っ」
「ぅ…っ、ラヴィアンッ」
しっかりとほぐしてから挿入してもらったものの、初めての圧迫感に息が上がる。
ガナッシュ様も隘路に腰を進めるのは大変そうだし、出来るだけ力を抜いて協力したい。
女のように足を開くのは最初でこそ恥ずかしかったが、恥ずかしかったら抱きついてキスしていたらいいと言われ、『どんなラヴィアンも好きだから、色んな顔が見たい』と微笑まれた。
そんな優しいガナッシュ様に、応えられるだけ応えたかったのだ。
無事に全部受け入れられた時には凄くホッとして、同時にここにガナッシュ様がいるのだと、ちゃんと繋がっているのだと確認したくなって、そっと下腹へと手をやった。
(凄い…ちゃんと入ってる)
「ラヴィアン?」
「ん…夢じゃないか、確認したくて」
ガナッシュ様と繋がっている。
それをしっかり認識したら嬉しくなって、破顔してしまった。
「~~~~っ!ラヴィアン、私の理性を壊しにかかるな」
その言葉にガナッシュ様を見ると、いつもの理性的な雰囲気は鳴りをひそめ、雄々しい男の本能を曝け出したような顔で私を見下ろしていた。
「優しくしてやりたいから、あまり煽るな」
そう言われたが、どんなガナッシュ様も魅力的にしか映らないし、色んな顔が見たいと思ってしまう。
「私も、どんなガナッシュ様も好きなので、色んな顔を見せてください」
「…っ、だから煽るなと言ってるだろう?」
耐えるようにそう言われたが、それから熱く雄々しい楔に翻弄されて、初めての感覚に嬌声をあげさせられた。
こんな声を聞かせるわけにはいかないと手で押さえようとしたら、『押し殺さずいっぱい喘ぐ声を聞かせて欲しい』と耳朶を食まれながら囁かれ、そのまま追い込まれてしまう。
ガナッシュ様はベッドの上でも私をよくわかってくれて、あっという間に高みへと連れていかれてしまった。
「アッアッ!イクッ!イクッ!あぁっ!」
「ラヴィアンっ!」
二人一緒に達し、身体の奥へと熱い白濁が注ぎ込まれる。
「あぁっ…」
初めての感覚に身が震え、ガナッシュ様に染められる自分を心地よく受け止めた。
「ラヴィアン。大丈夫か?」
「…はい」
ベッドに沈みながら微笑み合い、どちらからともなく手を重ね、指を絡め合って多幸感に浸る。
こんなに幸せになっていいんだろうか?
なんだかランスロットに申し訳ない気持ちになる。
だから思わずその気持ちを吐露したら、ここでちゃんと更生中なのだから、誰にも恥じることはないと諭された。
『これからは間違った事をしようとしたらちゃんと叱って諭してやるから覚悟しておけ』とガナッシュ様は言うけれど、その眼差しは言葉の厳しさとは裏腹に優しくて、一生ついていきたい…そう思って涙が出た。
その後落ち着いてからもう一度抱きたいと言われて笑顔で了承した。
好きな人に求めてもらえるのは素直に嬉しかったからだ。
お互い若くはないから次は楽な体位で愛し合おうということになり、ガナッシュ様に促されるままに楽な体位を考え『ん…これで挿れてください』と右側面を下にして左足を軽く持ち上げ、後孔がわかりやすいように手を添えつつお願いしたら、何故か凄く興奮された。
罪作りなおねだりだと言われたが、昔閨指導の未亡人が『これが受け手側の普通です』と教えてくれたし、男同士でも多分間違ってはいないはず。
ガナッシュ様も特に嫌悪感はなさそうだし、きっと大丈夫だろう。
「ンッンッ、ガナッシュ、様っ!あぁっ!」
「はぁっ、ラヴィ!感じ、過ぎだっ。覚えが、早いなっ」
「ぁっ、んぁっ!そ、れはっ、ガナッシュ様がっ、教え込むっからっ、ぁあんっ!」
「腰使いも上手くなったな」
「だっ…てっ!ずっと気持ちいっ…からっ…!」
「そのまましっかり覚え込め」
「あっはぁっ!も、イクッ!イクッ!」
「中で好きなだけ達しろ」
「んぁああぁっ!」
前の根元を押さえられながら追い上げられて、目の前がチカチカして、絶頂に身を震わせる。
「はぁ…はっ…。ぁ、ふぁ…」
ピクピクと余韻に震える間緩々と優しく宥めるように中を擦られて、思わず後ろをキュッと締めつけてしまう。
それを誤魔化すようにキスを仕掛けたら、嬉しそうに抱き寄せられた。
「落ち着いたか?」
「は…ぃ…。ぁうっ!」
奥をコツンと突かれて、思わず口から甘い声が溢れ落ちる。
従順に快感を覚えこまされた雄膣が甘えるようにガナッシュ様へと絡みつく。
「可愛いな。まだまだ物欲しそうだ」
「ガナッシュ…様っ」
その後も体位を変えつつ褒め上手なガナッシュ様に色々仕込まれ、初めてなのに散々感じさせられて、最後にはシーツを握り締めながら腰砕けになっていた。
年甲斐もなく何度も抱かれたせいで翌朝はベッドから出られなくて、ガナッシュ様にお詫びだと言われながら嬉しそうに朝食を食べさせられる羽目になったし、凄く恥ずかしい。
使用人達が『ガナッシュ様!まさか業を煮やしてメリーナから寝取ったんですか?やりますね!』などと言っているのがドアの向こうから聞こえてきた時はドキッとしたが、ガナッシュ様は『離縁後に普通に告白して、ちゃんとラヴィアンに受け入れてもらったんだ。寝取ったわけじゃない』と言ってくれていて心が温かくなった。
そんなガナッシュ様がやっぱり好きだと気持ちを新たにしてしまう。
でもこの空気の中でメリーナは大丈夫なんだろうか?
怒って暴れていないか心配していたら、午後になって屋敷を飛び出したという話が耳へと飛び込んできた。
どうやら居た堪れなくなってしまったようだ。
(まあそれもそうか)
元夫が屋敷の主人とくっついたらその心中は非常に複雑だろう。
子供達のところへ行っていなければいいが…。
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※ちなみに侯爵家兄妹に対する閨指導事情。
ラウル→未亡人から指導済み。
エヴァンジェリン→母から『女は黙って旦那様に任せておけば万事OKなのよ』と言われ、座学も実技も特に指導なし。
ランスロット→母が『エヴァンジェリンに聖魔法を返す前に、万が一にでも閨指導で聖魔法が使えなくなったら困る。やめておきましょう』と父に進言。それもそうかとなり、座学のみで実技指導なし。
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